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中野剛志先生のよくわかるTPP解説―日本はTPPで輸出を拡大できっこない!
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正しいことをほとんど含まない。ざっと挙げても以下の間違いがある。
純輸出を増やすことがTPPの目的ではない。また、純輸出が増えることは日本が国益になる
わけでもない。それは貿易差額主義と言って、間違った考え方。純輸出が増えないことを
もってしてTPPに反対するのは誤り。
アメリカがドル安政策をするならTPPと関係なく苦しくなるのに、それを反TPPの理由に挙げている。
アメリカが金融緩和でドル安にするならば、日本も金融緩和してそれを中和すればよいだけ。
TPPに反対する理由にはならないものを理由にするのは誤り。
日本の外需のウェイトが小さいということは、伸び代が大きくあるということなのに、
逆に外需拡大路線の否定理由としている。
安い商品が輸入されることによってデフレになるわけではない。デフレはあくまで貨幣の価値が
高まることによって起きる。指数作成上の特性から仮にCPIが輸入品により低下しても、それは
購買力低下その他を引き起こすデフレとは異なる。
自由貿易のメリットが何かという認識が誤っている(だから上記のような純輸出が増えないこと
を問題視したりする)。自由貿易のメリットは、消費者が安くものを買えるようになって購買力や
効用が高まること。消費者余剰の増加は生産者の損失を上回るので社会的余剰も増加する。
また、国際的な分業が進展して、より効率的生産が可能となり、消費が増える。加えて分業により
技術革新が起きやすくなることから自然利子率が上昇し、デフレ脱却の助けとなること。