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『エルネオス』 2011年2月号
東レは韓国で炭素素材工場建設、素材産業が次々と日本を脱出
こんな高付加価値先端素材の代表格を、技術流出のリスクを冒してなぜ韓国で作るのか。
日覺社長は韓国政府首脳の親類関係者から熱烈なラブコールがあったとの舞台裏を明かした上で、
工場で使用する電気料金の安さや法人税の低さを指摘。さらに「韓国がFTA(自由貿易協定)締結に
積極的に取り組んでいることが魅力的」と述べた。欧米の航空機二強や需要拡大が見込める中国に
炭素繊維を供給するには、日本から輸出するより韓国からの輸出のほうがはるかにコストメリットが
あるとの判断だ。
このような先端素材の海外生産の動きは昨夏以降、じわじわと広がっている。
(中略)
旭化成はリチウムイオン電池の絶縁フィルム(セパレーター)の加工工場を韓国に建設し、今年下期
に稼動させる。ノウハウの塊であるフィルムそのものは引き続き国内で生産するが、後工程は海外で
行ったほうが効率的との判断。ただ、経済産業省幹部は「技術流出の恐れがある」と渋い顔だ。
(後略)