09/04/21 21:02:39
>>225
◆「何かと医療の量ばかり問われる。病院がないと駄目、専門家がいなきゃ駄目、という話になってしまう。
全くそんなことはない。限られた資源かもしれないけど、それが巧く連携することで何倍も力を発揮する。
特に高齢化が進んだ社会になればなるほど、そういう必要性が出てきている」
by 村上智彦 医師・夕張診療所「夕張希望の杜」
■最後の刻を自宅で
高齢化社会にふさわしい医療を夕張に実現しようと努力してきた村上智彦 医師と仲間達。
岸秀子さんは末期の癌患者である。余命は数週間と告げられている。最後の刻を家族と共に慣れ親しんだ夕張で過ごそうと帰ってきた。
◆「大学病院でどんな良い事するよりも、自宅には敵わない。どんなに良い医者が岸さんに声をかけても、お父さんと、娘さんと、お孫さんが声をかけてくれる方が気持ち良いじゃない」
by 永森克志 医師・夕張診療所「夕張希望の杜」
岸さん「家に帰ってきた方が、泣いてたくない、笑っていたい」
◆「あーいう(最後の刻を自宅で迎えたい)人達のさぁ、希望を叶えてあげたいよね。
本人は(最後は)お家に居たい、お父さん(夫)の顔を見てていたい。自分の病名(末期ガン)も解っていて帰ってきたんだから。
それで希望を叶えてあげなかったら悲しいよね、そっちの方がね」
by 村上智彦 医師・夕張診療所「夕張希望の杜」
地域の医療を守る事は、地域で安心して暮らせていける事、そして安心して死んでいける事、だと村上智彦 医師は言う。
岸秀子さんは、自宅で家族に見守られながら、静かに息をひきとった。62歳だった。
「病院で死ぬのが当たり前」だと誰もが思い込んでいた夕張で、村上智彦 医師らが自宅で看とった初めての患者だった。
医療の再生に取り組んで、1年が経っていた―。