10/07/19 17:35:37
>>682 《続き》
― どうすればいいのですか。
三國 最近は経常黒字が減少傾向にあるので、的確な手を打ちさえすれば良い結果をもたらすと思い
ます。国内の経済活動を財政が支えれば、資金需要が出てきてドルを円に換える動きも出てくる。
金利を抑えなければ円高となり、海外から日本に資金が戻り、需要が拡大し、デフレも解消されるで
しょう。
いまこそ外需に依存した経済から自立する機会です。私は自分の足で走るという意味で、これを
「自走式」経済と呼んでいますが、早くそれに転換することが必要です。
― 最近のユーロ危機についてはどうみていますか。
三國 ユーロは60年代以降、赤字を垂れ流し始めた米国のドル基軸通貨体制に巻き込まれないため
にできた通貨です。日本のように受け取った輸出代金をいつまでもドルのまま保有すれば、米国債
などの形で米国に吸収されてしまう。そこで通貨高を覚悟で、ドルの受け皿となりうる統一通貨が創出
されました。
そうしたユーロの役割は、実際に機能し始めています。02年以降、米国が巨額の経常赤字を垂れ
流す局面で、ユーロは対ドルで切り上がっていきました。それによって欧州の対米輸出が抑制され、
均衡を維持したのです。
08年9月のリーマン・ショック後は、世界的な金融緩和と財政出動が景気を下支えしてきましたが、
出口戦略を探る時期にきています。これ以上金融や財政に頼れないなかでのユーロ安は、輸出の
増加で景気を回復させる原動力ともなります。
企業財務、財政そして国単位でみる国際取引でも複式簿記を理解して分析することが原理原則です。