10/07/19 00:45:28
多額の外貨準備高?
URLリンク(d.hatena.ne.jp)
この外貨準備をいざとなれば売れば良いと思っている方もいるかと思うが、基本的には正しくは
ない。なぜかというと、この外貨準備の原資は「政府短期証券」という日本政府の借金だからで
ある。余っているお金を運用の一環として米国債等を購入し外貨準備とした訳ではなく、
「政府短期証券」という債券を発行し調達した資金(借金)を元手に為替介入を行って外貨準備高
を積み上げただけなのである。よって、この外貨準備高を売ったとしてもその分の借金が減るだけ
である。(以前、国と地方を合わせた債務残高は既に「1100兆円」と記載をしましたが、
その1100兆円から100兆円債務残高が減るだけです。)
URLリンク(www.mof.go.jp) は平成21年3月末時点の「国債及び借入金並びに
政府保証債務現在高」であるが、その一項目として「政府短期証券」というのが108兆円あるのが
お分かり頂けると思う。そしてこの108兆円は「外国為替資金特別会計」の貸借対照表
(URLリンク(www.mof.go.jp) 内3/16)の負債の98%を
占める「政府短期証券」108兆円と一致する。(外国為替資金特別会計とは、外国為替の安定
(為替相場の急激な変動に対する為替介入等)のために設けられている特別会計です。)
そしてこの108兆円を元手に資産の部に計上されている有価証券90兆円等を購入・運用している。
この有価証券は大半が米国債によって運用されているため、政治的に早々簡単に売却できると
思えないし、仮に売却出来たとしてもその分の政府短期証券が減るだけでプラスでもマイナスでも
ない。しかも最近の円高により為替差損が大幅に膨らんでおり、同貸借対照表を再度見て頂くと
為替差損が13.4兆円(13,428,210百万円)と前年と比較し10兆円以上も為替差損が増えているの
がお分かり頂けるかと思う。