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【強者の闘い】
出典: 民明書房『最強者激闘史―闘いの神々たち―』より抜粋
・範馬勇次郎対ケンシロウ
ある時、範馬勇次郎とケンシロウは荒野にて出会い相対することとなった。
ケンシロウは範馬勇次郎の持ちし畏怖の前に最初から北斗神拳の奥義を炸裂させんと先手をとり仕掛けるが
その指先を範馬勇次郎は二つ指で挟み捕らえ不敵に笑う。驚愕するケンシロウに対し範馬勇次郎は反対の手にて拳を握り
ケンシロウの胸板を強烈に殴打した。何とかガードをしたケンシロウであったがその体は10m以上も後退し地面にはケンシロウの
靴跡が轍のごとく一直線に残ったのである。再び畏怖の眼差しを範馬勇次郎に向けるケンシロウであったが次の瞬間に範馬勇次郎の姿は
掻き消え一瞬にてケンシロウの前に立ち鬼の究極の連撃を繰り出した。今まで闘った幾多の強敵たちを圧倒的に上回る連撃に
ケンシロウも北斗神拳を繰り出し互いにガードし紙一重で避け致命打を受けぬように神速の打ち合いは続いた。
しばらくの間、その打ち合いは続いたがやがてお互いに大きく後方に跳び距離をとった。
互いに致命打は受けずに互角の打ち合いのように見えたが見ればケンシロウが大きく肩で息をしているのに対し
範馬勇次郎は全く息を乱さず不敵に鬼の笑みを浮かべているのである。
範馬勇次郎の底の知れぬ強さにケンシロウは遂に、究極の奥義・無想転生を繰り出し最後の勝負へと出る。
それを見た範馬勇次郎はニヤリと笑うと一気に筋肉の力を込め上半身の衣服を破り飛ばし鬼の背中を全快とさせた。
お互いの究極の一撃を炸裂させん互いに構え相手を見据える強者二人。
そして一瞬の間を置いて両者の姿は掻き消え鈍き巨大な打撃音が響いたのであった。
そこには互いの胸に拳を炸裂させた範馬勇次郎とケンシロウが拳を放った状態で立っていたのである。
相撃ちかと思われたその時、ケンシロウは表情を崩し口から血を吐きながら地面へと前のめりに倒れた。
自身の拳に倒れそのまま気絶するケンシロウを見下ろす範馬勇次郎。
地上最強にして史上最強の生物はそのまま踵を返すと満足そうな表情を浮かべ新たな闘いを求め荒野を去っていったのである。