09/07/19 23:57:23 2dIgrVpS0
>>601-607
ちょっくら調べてみた。
「placebo」はラテン語で「私は喜ばせるであろう」だった。古典期の発音では「プラケーボー」。
placeo(プラケオー)、「私は喜ばせる、私は気に入ってもらえる」の一人称単数直説法未来形。
英語では動詞を辞書に載せるときに代表形として不定形を載せるが、ラテン語では一人称を代表形として使うので、「私は」という一人称であることに特に意味はない。
「喜ばせるだろう」→「効くといいな」「効くかもしれないよ」というニュアンスで、「偽薬」という意味の医学用語になったらしい。
もともとヘブライ語聖書の詩篇第116篇9節の言葉で、ヘブライ語原典では「我は歩まん(私は歩くであろう)」とあった。
ところが、70人訳聖書にギリシア語訳された際にこの一節が第114章末尾に紛れ込んだテクストが使われた。
しかもギリシア語に訳す際に翻訳者がヘブライ語文法を誤解したようで、「我は歩まん」が「我は御心に適わん(私は気に入ってもらえるだろう)」と誤訳されてしまった。
この誤訳が聖ヒエロニムスによるウルガータ訳ラテン語聖書に引き継がれ、「Placebo Domino in regione vivorum(命ある者の国にて我は主の御心に適わん)」と訳出された。
これが医学界における placebo という単語の大元の出典。
今の「共同訳」日本語聖書では「命あるものの地にある限り 私は主の御前に歩み続けよう。」と正しく(?)訳されている。