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それは以前に見たことのある風景に似ていた。
不確かに、つまり「何となく」予感がするのだ。
誰もがそのとき、ソレの再勃発を恐れた。
しかし次のことで、その「何となく」の不安は
絶望的な恐怖に変化した―
《テレビ…つけてみようぜ……》
《そうだね。…何か分かるかも》
ある生徒が、震えた声でそういうと
後から他の生徒達は「そうしよう。そうしよう」と
頷きながらお互いの顔を見合わせた。
その生徒はその返事をきくなり、テレビの電源をいれた。
放送がやっているなら、そのまま立体映像が出てくるはずだ。
しかしでてこない。
おかしいと思い、他のチャンネルも回してみる。
それでも、どのチャンネルもダメだった。
ただ、次の瞬間、奇跡的に映像が流れた。
生放送のニュース番組のチャンネルである。
よかったと思うのも束の間…
その映像は明らかに異常だった。
冷静に事を対処しようとテレビをつけたが
そのことによって逆にパニックに陥れられるのは皮肉なことだ。
画面には、血液が付着していた。
そして何処からとも無く聞こえてくる銃声。叫び声。
そのすぐ後に、何者かがカメラに近づいてくるのが見えた。
体格からして男だろう。
その男はカメラと正面に向き合うとこう言ったのだ。
「日本は我々が支配する国となる」
いかにも厨二が入っている言葉ではあったが、
誰一人として笑うものや馬鹿にする者はいなかった。
中には泣き出す者までいる。
今起こっていることは夢ではない、現なのだ。
そのことはソレが再び現実に始まることを意味していた。
「第二次日本革命」と呼ばれるものが―。
そう。先に「以前に見たことがある」と述べたが、
私達がまだ幼かった頃、「第一次日本革命」というものが起こった。
そのとき何人もの人間が命を落とし、人々を恐怖へと陥れたのは事実だった。
「もうあれは…解決したはずなのに―」
>>558【応援ありがとうございます＾＾】