10/08/12 21:29:51 0
>>52
携帯に着信が入る。―相手はミカエルだ。
「やぁ、灰島くん。その後、様子はどうですか?」
「どうですかって。バイクはぶっ壊れるわ、偵察機は逝かれちまうわで
散々だぜ。まぁ、ジョージの抜け殻は確保できたけどよ。」
「抜け殻……ですか。成る程。やはり、本体は別に。」
ミカエルは本を閲覧しながら推測した。
ジョージの本体は別に在る。それが何らかの力で他者の体を利用していると
考えれば辻褄はあう。
「あぁ、俺もそう思う。さっき、ディスクのようなものが
奴の頭の中から出て行った。奇妙な現象だが、これで2度目だ。
1度目は……ドルド・プラチナで。あのカラスの時だ。
あと、1つ聞いていいか?」
灰島の問いに、ミカエルの腕が止まる。
「前にも聞いたっけな。俺、灰島秀一に関して……本当に
検索しても何も出なかったのか?たとえば、今回のディスクや
ワーストと関連しても。」
それを聞いたミカエルは1度目を伏せ、微笑を浮かべた。
「ええ、前にも言った通り……君の記憶は見れませんでした。
本当に、何も―」
###########電話を切り、灰島は誰かの声を感じ振り向いた####
>「君!!何してるの!!」と突然、婦人警官が神条の首根っこをつかむ。
>「ぎゃあ!おさいふおとしたんです!おさいふおとしたんです!」
「あ、お前は……確か時人!?どーしたんだよ、え?財布?
あ、ちょっと悪い。その子は俺と知り合いなんだよ。ちょいと借りるぜ。」
時人の手を引き、布良の傍まで連れてくる。
どうやら財布をドルド・プラチナで落としたらしい。
些細な事だが、見逃せないのが灰島という男の悪癖なのだ。
「分かった。俺も付き合ってやるから、取り合えず落ち着きな。」