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>42-44
シャドウクイーンの射程内でヘリコプターのプロペラの影がぐわんぐわと暴れ狂う。
時間的にはヘリコプターとの接触は数秒の出来事であったのだが最初に襲われたのは布良。
>「――っ! おじさん! 伏せて! べったりと!」布良は叫ぶ。
先ほど木を燃やし木の影を消してシャドウクイーンの呪縛から逃れた少女は
すでにジョージのスタンドの特性を理解しているようだ。今度はその身を地面に密着させて対象となる自分の『影』を消す。
「なぁにぃー!!」
自分の体をフタにして影を消す。それは傍から見れば少しマヌケな姿に見えなくも無いのだがシンプルかつ合理的な回避方法であった。
そしてジョージ自身にも理解不能なのだがスタンドという物には特定のルールがあるらしく
人間の身に付けているものなどの影は無生物であってもジョージに操作できなかったりする。
そこは一括りに「人」と言う生き物として扱われているのかも知れない。
(植物などは微量の抵抗はあるが操作でき動物などの自分の意志を持って動けるものは操作出来ないに等しい)
>「なるほどな……頭が良いな、お嬢ちゃん。」
布良の言葉で灰島も地面にぺたりと身を伏せる。
「なんだよっ!これじゃ意味ねーぜ!」
ジョージはプロペラが灰島を襲う前にスタンド能力を解除した。地面にぺタリこんだ灰島をただのヘリの影が通過する。
地面に仲良くぺタリこんでいる布良と灰島。スタンド能力は解除しているのでジョージも立ったまま生きている。
>「ちょっと恰好悪いし、何より服が汚れたけど――ま、命には代えられないよね」
「きっさまら~」ジョージの影の中から漆黒の人影がゆっくりと浮き出てくる。
それはシャドウクイーンの真の姿だった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
>「あんたが殺人鬼だってのは、ミカエルの半身が触れた時に感じた。
>どうして、そうなったかは分からないが……1人殺せば1つの人生を壊す。
>あんたはその手でいくつの人生を壊してきた?
>俺はあんたが死ぬなんて許さないぜ……必ず、その力を壊して―警察へ突き出す。」
「くっくっく…警察へ突き出すだと?突き出したきゃ勝手に突き出してみな…」
ニヤリと笑うジョージの視線は灰島ではなく通りの向こうを歩く人影を見ていた。
>「オラァアアアッ!!!!」
「うりぁやぁあぁあーーーーっ!!!!」
ドグシャァッ!!
レディ・ジョーカーの攻撃はシャドウクイーンのカウンターを難なく上回る。
2人の影が重なり合い一つになると、ジョージの戦意と体力が一瞬で奪われた。
次の瞬間、ジョージの傾いた頭部から花火のように飛び出す二枚のディスク。
それを通りの向こうを歩く人影がこっそり受け取りどこかへ歩いてゆく。
「…ここは…どこだよ?」
その場に残ったのはジョージの抜け殻。殺人犯でもあるボロボロの久本譲治だけだった。
【ジョージ:ディスクに戻る。ディスクを受け取った謎の人影はこれと言って誰と決まっていませーん】