【ジョジョ】異能者達の奇妙な冒険【TRPG】4at CHARANETA2
【ジョジョ】異能者達の奇妙な冒険【TRPG】4 - 暇つぶし2ch2:名無しになりきれ
10/08/02 20:42:38 0
新手のスタンド使い用テンプレ

【本体】
名前:
性別:
年齢:
身長/体重:
容姿の特徴:
人物概要:


【スタンド】
名前:
タイプ/特徴:
能力詳細:


破壊力- スピード-   射程距離-
持続力- 精密動作性- 成長性-


A-超スゴイ B-スゴイ C-人間と同じ D-ニガテ E-超ニガテ
射程距離の目安
A:100m以上 B:数10m(50m) C:10数m(20m) D:数m(5m) E:2m以下

3:イブキ・フーゴ ◆shine1esWg
10/08/02 20:47:57 Q
風子・・・・参上☆

4:NEWDIVIDEと影貫行枝 ◆tGLUbl280s
10/08/02 21:52:02 0
>240の続き
旧市民会館の二階―
窓の全てに分厚い黒のカーテンを巡らせ照明は燭台一つという薄暗い部屋。
男の声が黒ローブの女―影貫行枝に問いかける。

「何を考えている?まさか裏切る算段でも張り巡らせているのではあるまいな?お前は恐ろしい女だからな。」

声と共に部屋の奥に飾られた【逆さまの樹】のレリーフの後ろから男が姿を現した。
正確には男―と呼べるのかどうか…その姿は剥き出しの骸骨そのものだったのだから。
奇怪な骸骨は人間の骨格の首から上…つまり頭蓋骨の代わりに頭部に魚の骨を乗せていた。
瞳に大きな水晶の嵌った魚の骸骨は声を漏らすごとにゆらゆらと泳ぐように尾を揺らす。
性別を判断する寄る辺はその骸骨から漏れる不気味な声のみであった。

「目的が同じである以上裏切る理由など無い…少なくとも今は。」

女はゆるく波打つ黒い髪に縁取られた美しい顔上げ、骸骨に一瞥をくれ無愛想に返事を返す。

「今は…か?」

骸骨は水晶の眼にチラと鈍い光を宿し、魚の尾をゆらりと揺らした。皮肉な笑みの代用なのかもしれない。
女と骸骨の間に漲る一瞬の緊張。緊張の糸を断ち切る一言は魚の口から出た。

「ブローノ!来ているのは分かっている。入って来い!」

骸骨の声に応え廊下に面した扉が開き男が入ってきた。
黒い細身のパンツに上等の白いシャツ、長くも短くも無い長さの髪を無造作を装い毛先を軽く跳ねさせた髪型。
見た目オシャレセレブ的な30歳前後の男が気障な笑みを浮かべながら骸骨に近づいてくる。

「何の用だ?新たなディスクでも手に入ったか?」
骸骨の問い。

「まだっすよ。お見通しだろう?そう都合よく次から次にスタンド使いに行き合わせたりしないもんでね。」
男は軽い口調で答える。

「だったら早くディスクを集めて来たらどうだ?貴様らはその為の『契約』でこの街に解き放たれているのだからな。
貴様も悪趣味な食道楽ばかりに精を出さず、少しはディスク集めに励んで来い。」

「そう煩く指示しないでもらいたいね。俺達の『契約』は約束の期日までにディスクを集めることだけ。
それ以外は自由行動って約束でしたぜ?俺がこの街で何をしようと何人殺そうと口出しされる謂れはねえ。」
白シャツの男は害した気分を口調に表し抗議に乗せる。

「フン、きちんと『仕事』をこなしていれば文句は言わんさ。
まだ集めたディスクはたったの2つ。それも未完成で不安定な能力ときた。もう少し質のいいディスクを集めて欲しいものだ。
何の為に私の能力の一部を貸し出しているのだ?
我らの目的―【悪魔の手のひら】の完成には少なくともアルカナと同数―22のパス(経)を埋める為のディスクが必要なのだからな。
そうのんびりしてもらっては困る。」
魚の頭の骸骨は水晶の目玉を一回転させながら懸念を述べる。

「ハイハイ、せいぜい『仕事』に精を出せばいいんでしょ?まだゲームは始まったばかりだろ?
ディスク集めの佳境はこれからだ。久しぶりの娑婆の『味』、俺にも少しは愉しませてくださいよ。」

男は下衆な薄ら笑いを浮かべ舌なめずりをした。立ち去りかけ思い出したように振り返り一言を投げた。

「あ、ここに来た目的を忘れてたぜ。あんた等はもう察知してるかもしれねえが一応報告しとく。
『運命の輪』を倒した連中だがな…あんたが目をつけてた奴らだぜ…影貫さん、あんたも良く知ってる奴だろう?」
男は二人の返事も聞かずに部屋から出て行った。

5:NEWDIVIDEと影貫行枝 ◆tGLUbl280s
10/08/02 21:53:49 0
再び二人きり残された女と骸骨魚人。骸骨は溜め息をつきながら呟く。
「全く…もう少し『契約』の内容をきつくしておくべきだったかな…まあいい…奴らもお遊びに飽きたら仕事に取り掛かるだろう。」

「『運命』は例の交差点を中心に未だ回転している…吉と転べば良いが凶の場合は…?」
女は冷たい眼で骸骨を斜に見やり、尋ねる。

「仕掛けは打ってある。『凶』の場合ディスクは肉体の破損と共に宙高く飛び出す…ロケット花火みたいにな。
子供騙しだが季節柄だ。風流だろう?回収は任せるぞ。」

骸骨は水晶の目玉をくるくる動かし喜悦の表情の代わりとし、再びレリーフの影に入っていった。
どういう仕組みか定かでは無いが骸骨はこの部屋の中から脱したようだ。

一人取り残された黒ローブの女は食卓の上の燭台を手に取り【逆さまの樹】のレリーフに歩み寄りそれを照らす。
【逆さまの樹】に実る10個の丸い実を結ぶ直線が蝋燭に照らされて浮かび上がった。

「運命の駒たちよ…そなたらの望みは我らの願いより出でる。各々腕を振るいこの地に血の雨を降らせるがよい……!
【アイン・ソフに至る道】を我らに示せ…!!」

低い女の声が静まり返った部屋の中に響いた。

*************************************************

【本体】 ブローノ・レンツィ
性別:男  年齢:当時29歳  身長/体重:176㎝/64㎏

容姿の特徴:精力のある顔つきの若者…の体を借りている。現在の身体は小洒落た高級イタリアンのオーナーシェフ
懲役年数:986年  被害者推定:6704人

人物概要:
「ダラームの人肉屋」と恐れられた連続殺人犯。
高校時代、メキシコの少数民族に振舞ってもらった人肉の煮込み料理を食して食人に目覚める。
フランクな性格で「怒り」という感情を持ち合わせていない。
 幼少の頃、豚を飼育していたとき「お前がツラを不味くしてどうする?肉も不味くなっちまうだろう」
 と親に徹底的に叩き込まれた名残り。
備考
人肉は自分で食す傍ら、店頭でも販売し、調理して客に振舞ってすらいたという。
得意料理ははペニスのアボドと少女の子宮のソテーなど。
逮捕直後に捜査された店の冷凍庫には解体済みの150近い人間が吊るされていた。
週末に“調達”と称して全米を周り、気に入った人間を車内へ拉致し殺害。その後、解体し食肉に加工していた模様。
被害者推定は6704人にものぼるが、自供によればもう一桁上がる。


【スタンド】クッキング・テンパラス
タイプ/特徴:近距離パワー型/寸胴鍋に左右にそれぞれ4本の腕、調理服と調理帽を被っている
 アルカナ/:14・TEMPERANCE
大アルカナ14番目TEMPERANCEを司るスタンド。逆位置の「浪費」を象徴している。
体内に仕込まれた解体器具と調理器具を巧みに操り射程距離内の生物の肉体を解体し、調理する。
この能力を駆使して充実した食人生活を送っていた。

能力詳細:
解体と調理の力は絶対で逆らいようがない。
肉体全ての解体には多少時間がかかるが腕一本なら瞬時に切断する。
調理に関してその場で既存の料理にしたりソーセージやベーコンに加工して長期保存可能な状態に仕上げることも。

破壊力-C(解体・調理時無敵) スピード-A  射程距離- C(5メートル)
持続力-A           精密動作性-A 成長性-E

【ブローノ・レンツィ君の職業をコンビニ店員からシェフに変えてしまいましたwこっちのが気分が出そうなので】
>3(こんばんは~よかったら参加してくださいねぇ~)

6: ◆MnJrk02a/Yx.
10/08/03 22:45:05 0

「ああ……こんな半分腐ったようなシティに私のロマンがあるのか?いや、ない」

ミシェル・ペトルチアーニは小鳥の囀りの様な声で嘆いた。
丸々と太った体型と愛らしい顔つきが相まってパンダのような印象を受ける。

気が付けば目の前に『NEWDIVIDE』が現れ、悪魔の手のひらのことを話されたときは呆然としたものだ。
ただし、ミシェルが開口一番に開いた言葉は『なんでもっとスリムなヤツを用意しなかった』だったが。

「やれやれ…あの肥溜めと生ゴミ混ぜて撒き散らしたような監獄と、
己の快楽にしか走らないクズ共とオサラバ出来たのは幸運だったがな……
『悪魔の手のひら』の完成も“良い”……が……やはりこの肉体がな…痩せるのも面倒臭い…」

ぼそぼそと呟くミシェル。周りからは挙動不審の怪しい人に見えたかもしれない。
そんなせいもあってか気が付けばミシェルは橋の下で5~6人の体格の良い若者達に囲まれていた。
周りの、嘲笑するような声と共にリーダー格のような青年がつかつかと歩み寄る。
そしてミシェルの肩を勢いよく引っ掴みながら脅し文句をつらつらと紡いでいく。
最初は何を言われているかよく理解できなかったが、ミシェルも漸く事の顛末を理解した。

どうやら自分は、日本語で金を渡せと脅されているらしい。
内容理解したミシェルはゆっくりと、間延びした口調で流暢な日本語を発した。

「羨ましいな……肉体的に無茶ができる年齢で…ふぅ~~~」

調子に乗った態度が気に入らなかったのか、
リーダー格の青年は声を荒げミシェルの胸倉を掴み殴りかかろうとする。
借りていた肉体が167センチ程度しかないのもあって胸倉を掴まれたミシェルの体は宙に浮いた。
が、次の瞬間若者は対照的な行動を取った。
突然として冷静な顔立ちでミシェルの胸倉を放し、その場で呆けていた。
周りの男達もそれに同調するように一様に何かに見惚れたようにうっとりしている。

“視える”者が視ていたならば視えただろう。
彼らの背後に、ヒトガタの何かが宙に浮いているのを。
ヒトガタは機械的で、細長い顔の部分には目や口といったパーツはなく
代わりに大小の円が縦にくっついているような形だった。
スマートな体は少し青黒く、内部は幾つもの星のようなものが煌き輝いている。
周囲には二本のリングがゆっくり回転しておりその様子はあの土星を連想させた。

「ヒトハ感情ニヨッテ動ク……
ソレガ動物トシテノ長所デアリ短所トイウワケダナ……」

ヒトガタが発した機械のような、クリアな音声は若者達には聞こえず場にいたミシェルにのみ届いた。

※   ※   ※

ミシェル・ペトルチアーニは元々は検事だった。
ヒトを言論で裁くのは中々どうして楽しく、面倒くさがりの彼の毎日も充実していた。

ある日彼はインディアンが住んでいたと言う土地に赴く。
理由はなかった。その週は仕事に失敗して自棄になっていたのかも知れない。
その土地へ通るルートは幾つかあったが何れも砂漠を通らなくてはいけなかった。
彼はもちろん最短ルートを選ぶ。
その最短ルートには代々インディアン達に伝承されてきた悪魔の土地があり、呪われていると噂されるルートだったのだ。
ガイドにも反対されたが彼は反対を押し切りそのルートを突っ切ることになる。
その次の週、新聞には小さな記事が載った。

『砂漠で旅行者が遭難。生存者はたったの一名』

7: ◆MnJrk02a/Yx.
10/08/03 22:45:58 0

奇跡的に生存したミシェルは数週間の療養の後、また同じように検事としての毎日を送り始めた。
ただし仕事によって昔のように充実した毎日を送ることは叶わなくなった。
遭難事故を境に彼は変わった。
肥満体の大統領がいきなり筋肉質に…という類のものではなく、内面的に。

一つは背後に現れるようになった悪霊。
一つは何に対しても虚脱感を覚えること。
一つは遭難した土地に異常な興味を示すようになったこと。
一つは、人を殺すことに躊躇いがなくなったこと。

事故から一ヶ月たった裁判で彼は傍聴席の人々を含め裁判に立ち会った人物全てを皆殺しにした。
自分の裁判でも突然弁護士や裁判員の喉を噛み千切り、刑務所の同僚を幾人も飛び回るハエのように平然と殺した。

彼が不幸にも遭遇してしまった地域は、古来よりインディアンから『悪魔の手のひら』と称されたと言う。

※   ※   ※

「やれやれ……難儀な話だ…カツアゲした者をカツアゲしなければならないとは……
だが致し方ないよな………私はつい先日までは薄ら寒い特別監房の中だった。
しかも異国ときたものだ…こうでもしなければ今日のランチさえままならん……」

「構ワナイダロウ。彼ラハ、至極短絡的ナ愚カ者ダ。
ドチラカトイエバ“動物”ダナ……大義モナニモナイ……能力ニハジカレタ時点デ決定シテイル……
ソレヨリモ…カツアゲスルヨウナ男ノ財布ナド素寒貧同然ダト思ウノダガ」

「の、ようだな…全員合わせても100円硬貨4枚に10円硬貨5枚、1000円札1枚だ……
円の価値は……ふぅ~~~忘れてしまったが…とにかく少ないのは確かだな」

小さい小鳥の囀りと透き通るクリアな声が奏でる会話は小気味よく絶妙なハーモニーのように聞こえる。
呆けていた体格の良い青年集団達は今や全員白目を向いてその場に立ち尽くしていた。
中にはだらしなく涎を垂らしている者もいる。
ミシェルは青年達の持っていた安っぽい財布の中で一番良さそうな物を盗ると、
同じく堂々とポケットから抜き取った小銭やお札を財布の中に入れた。

「“無気力”の最高到達点……彼らは『面倒臭くなって考えるのをやめた』ようだな……
ふぅ~~~…『アヴェマリア』…情をかけてやった後、我らが崇高な目的の為に動くぞ」

「──“愛情”カ?目的トイウト……私ノ生ミノ親トモ言ウベキ、アレダナ」

「“非情”の方だ……ああ…このシティにはロマンがないな…『悪魔の手のひら』はあるが……」

アヴェマリアをくちずさみながらパンダのような肥満体の男は
悪びれもせず哀れな青年集団に一瞥をくれ歩き出すと、背後に血飛沫が舞った。


【取り合えず登場させただけなんであまり気にしないで下さい】

8: ◆MnJrk02a/Yx.
10/08/03 22:49:54 0
名前:ミシェル・ペトルチアーニ
性別:男
年齢:37
身長/体重:167/89(ただし借り物の肉体)
容姿の特徴:丸々と太った肥満体でパンダのような印象
懲役年数:777年(ミシェルはラッキーセブンだ、と喜んでいる)
被害者推定:875人(ただし本人は今までに食べたパンの枚数を覚えているか?と供述)

人物概要:
元検事。過去に『悪魔の手のひら』に遭遇し生還、スタンド能力を得る。
それ以来悪魔の手のひらで何かを垣間見たのか内面的に変化が表れ、
まるで鬱陶しい蝿を叩き潰すように平然と人を殺せるようになった。
日本に留学していたこともあり日本語は流暢に話せる。
少年期から怠け者の面倒臭がり屋で何事も冷めた目でしか物事を測れず、ある意味達観した虚脱感溢れる人物。
ただし『悪魔の手のひら』に限ってはカルト信者のように尊敬、崇拝し異常な執着心すら見せる。
ちなみに彼が“ふぅ~~~”と言うのは怒っている訳でも低血圧な訳でもなく
喋るのが面倒くさいから息継ぎをしている、とのこと。

逮捕後の供述:
「ふぅ~~~~……面倒臭いな…何故私が君のオマンマの為に喋る必要がある?」
「人間の悪しきところはぶんぶん飛ぶ蝿よりも価値のある生物だと思い込んでいるところだな……
蝿よりも価値のある人間など出血多量死大サービスで世に言う『偉人』くらいか……ふぅ~~」

【スタンド】
名前:アヴェマリア
タイプ/特徴:中距離型で独立した意思を持っている。なんかきらきら光ってて綺麗。
アルカナ/大アルカナ17番目「The Star」を司るスタンド。逆位置の『無気力』を象徴している
能力詳細:
・射程内の生物を無気力にしていく。初期症状としてまったりした安らかな気持ちになる
・よって単純な『怒り』や『憎しみ』、『殺意』と言った感情でスタンドに攻撃を加えることは不可能
・能力の影響を受け続けると最終的に動くことも考えることもやめてしまう
・“スタンド使い”がこのアヴェマリアの影響下にあり続けると
 暴力や戦意で動かすスタンドが害になってしまい肉体的な疲労ダメージを受ける

破壊力-B スピード-C   射程距離-C(18m)
持続力-A 精密動作性-D 成長性-E


A-超スゴイ B-スゴイ C-人間と同じ D-ニガテ E-超ニガテ
射程距離の目安
A:100m以上 B:数10m(50m) C:10数m(20m) D:数m(5m) E:2m以下

9:布良 ◆1KCFGbYFSs
10/08/03 23:10:41 0
何かがおかしい。
数ヶ月前からじわじわと感じていた違和感。
最近、それがどうにも大きくなってきている気がする。

「めらみー、どしたのー?」

自分の体内から外側に侵食してくる、ヘドロのような不快感に、眉をひそめていると、横を歩いていた友達が首をかしげて尋ねてきた。

「あ、うん、何でもないよ、だいじょーぶっ!」

笑顔で誤魔化す、が、その感覚は何処まで行っても消えなかった。
学校帰り、いつも通りの道を、いつも通りの友達と、いつも通りに歩く、いつも通りの日常。
こんなにも変わらない世界なのに、全部が歪んでいる気がして仕方ない。

「今日どっか遊びにいく?」

だから、発せられた問いかけに対して

「んにゃ、ごめん、ちょっと用事が」

そう答えるより他無かった。

「ちぇー、じゃあまた明日ー」

ひらひらと手を振って、去っていく友達の背を見送る。

「っし」

ぱちん、と自分の頬を叩いて、軽く気合を入れる。
止まっていても仕方ない。
迷っていても進まない。
今、この街に『何かある』のは間違いないのだから。

「いや、間違いない、と思う……」

微妙に不安。

「でもなー……もし何かあるんだとしたら、私が止めないと―止められるかな?」

家に戻るルートではない。
市街地へ向かう方向へ、足を向ける。
といっても、何ができるわけでもない。
適当にあたりをうろついて、この違和感の原因を確かめよう、と言うレベルのものだ。
つまりは、適当なパトロールである。

「ま、なんとかなるよね? 『フレイム・パニック』」

周囲に誰もいないことを確認してから、道端に落ちていた、適当な小石を拾い上げて、軽く宙に投げる。
次の瞬間、小石はぱぁん、と小さな音を立てて、砕け散った。

否、『燃え散った』。

残ったのは微かな火の粉であり、石であったものは存在しない。
そしてそれを行ったのは―普通の人間には見えないビジョン、人型の何か―だった。
『それ』を見える者が見たとするならば、顔の右半分に当たる部位が燻る様に燃える、まるで焼死体のような、しかし力強い女性の輪郭をしていた。

「うん、腕は鈍ってない、これならいけるかな? いけないかな?」

【街で起きている何かを探りに、探索開始】


10:布良 ◆1KCFGbYFSs
10/08/03 23:11:47 0
【本体】
名前:火乃環・布良(-ひのわ・めら)
性別:女
年齢:14
身長/体重:154cm/秘密
容姿の特徴:赤いリボンに腰元まであるポニテ。

人物概要:笑顔の絶えない女子中学生。
小学二年生の時に、海外の列車テロ事件で家族を失った過去を持ち、それからしばらく孤児院生活を送っていた。
紆余曲折あったが、現在は普通に引き取られた家庭で、やさしい義父義母、二人の弟と共に平和に暮らしている。
周囲の認識は「明るい子」、長い髪の毛のおかげで部活は無所属だが運動神経は高い(学生基準)。

その経験から「理不尽が許せない」という一直線な正義感と、「それを打ち破る強い力でそれにさらされている誰かを助けたい」と言う意思を持っている。
スタンドはテロ事件の情景……燃え盛る列車内と、それを目の前に何もできなかった自分の後悔が合わさって発動したもの。
彼女にとって「炎」とは全てを「理不尽に奪う」、「力」の象徴だった故である。

後天的なスタンド使いだが、どこで目覚めたのかは不明。
超前向き、セリフを反復する癖がある。


【スタンド】
名前:フレイム・パニック
タイプ/特徴:近距離パワー型/赤い人型のシルエット、顔面の右眼球部位から頭部と全身の所々に、墨のように黒く、中で燃えている部位がある。

破壊力-A スピード-B 射程距離-E(能力の対象に限りC)
持続力-A 精密動作性-C(能力の対象に限りA) 成長性-B

能力詳細:自分に触れている物を「炎」へと変える能力。

典型的な近距離パワー型だが、攻撃そのものの精密動作性はそれほどでもない。
ただし能力の範囲は有機物・無機物・気体・固体・液体問わず発動し、またその対象を(布良が認識している範囲なら)選ぶ事ができる。
 →つまり「空気」を炎に変える事は出来るが、空気中の「酸素だけ」を炎に変える事は布良が「酸素」単体を認識できていない為、不可。

人体やスタンドにも効果は及ぶが、強い意志の反発力を持つ場合は直に炎に変える事は出来ず、わずかに発火する程度で収まる(対象の同意があれば可能)。
スタンドそのもので無い、影響を受けているだけの物体ならば(状況にもよるが)基本的に変化させられる。

「炎」は
・自分の意思で操作して武器にすることはできない。
・外部からの影響を受ける(酸素供給が無くなると消える)。
・一般人も視認する事ができる。
・燃え広がる。
・葉精した物も含めて、布良の任意で元に戻す、あるいは消すことができる。
・「炎」で布良本人はダメージを受けない。
・意識しなければ形状は「炎」の形がそのまま元に戻る(ささくれ立ったコンクリートとか残る)
といった特徴を持つ。

11:マイソン・デフュー ◆HQs.P3ZAvn.F
10/08/04 00:28:32 0
マイソン・デフューの元に、彼と関わった物に纏い付いていた『オンリー・ローリン・フォーリン』の霧が帰ってくる。
そのような暇は無かったかも知れないが―灰島が徳井夫妻を良く観察していたのならば、気付くだろう。
二人の周囲に取り巻いていた、ともすれば見逃してしまいそうな程に薄い靄が、風に運ばれて何処かへ去っていく事に。

過去一度たりとて、マイソンの招いた『災厄』から逃れた者はいなかった。
厳密にはいた『かもしれない』。
が、そうであっても二度とマイソンの前に現れはしなかったので、
それは彼にとっては死んだと同義であった。

>「ブォナセーラ(こんにちは)……また会ったな。ところで名前を聞いてなかったよな。なんつーんだ…?
>ところでお前さんのせいで高かった背広が燃えちまった……焼死体の丸焼きよかマシだがよお~~
>ま、お陰でお前さんを今ここで逃がす訳にはいかねーってよおーーくわかったよ……」

故に、徳井一樹が再び自分の前に立ちはだかった時。
マイソンは得も言われぬ驚愕を覚えた。
そしてその感情はすぐに感嘆へ、感動へと変貌する。

「凄い……こんな事って、初めてだ……」

胸の前で両手の五指を交互に組んで、マイソンは呆然と徳井の顔を見上げる。
彼がそうして恍惚としている間で既に二秒、徳井は彼に攻撃を仕掛けるだろうか。
もしそうだとしても、マイソンにそれを防ぐ手立てはない。
もっと言えば、防ぐつもりも無かった。

それは彼が―自殺出来る程の勇気は無いが―気分が沈む度に。
自分にも自分と関わった人達と同じような不幸が訪れればいいのに。
そして死んでしまいたいと願っていたから―ではない。

単に彼の頭の中が今、ただ一つの事のみで支配されているから。
回避や防御など、考えられなかったのだ。
それくらい、彼にとっては稀有で衝撃的で、重大な出来事だった。

自分と関わっても死なないでいてくれる人間がいると言う事は。

12:マイソン・デフュー ◆HQs.P3ZAvn.F
10/08/04 00:29:31 0
瞳に星空を宿して、口元は三日月を描き、満面に嬉々の感情を滲ませて。
更には胸を高鳴らせて、マイソンは徳井へ歩み寄る。
無論まだ徳井が拳を振るわずにいて、上半身と下半身が繋がっているならば、だが。
とは言え仮にバラバラにされて地面に転がっていたとしても。
彼は腕が残っているなら腕で、首から上が体から切り離されているのなら顔で地面を擦ってでも、徳井に這い寄るだろう。

「『シンシン刑務所』と『ワースト』ですよね? それなら聞き覚えがあります。説明も出来ますよ?」

そして喜々とした表情で、徳井の問いに対して答え始めた。

「あ、でもこんな所で立ち話ってのもなんですよね。さっきの交差点の近くの喫茶店に行きましょうよ。
 話長くなっちゃうかも知れませんし、知ってる事全部思い出せるかも分からないですから。ね? いいでしょう? いいですよね?」

上機嫌で浮き浮きと、だがそのくせ何処か鬼気迫る気配を面から滲ませて、マンソンは捲くし立てる。
彼からすれば、徳井一樹は『初めて』の人間なのだ。
人と関係を築くと言う事を一切出来ずに生きてきた彼は、徳井との繋がりに金の価値を見出した。

初めての体験に心を踊らせて、幼気な顔を仄かに朱に染めて、マンソンは徳井へと歩み寄る。



【ORFの靄が離れれば不幸は一段落と言う事で
 情報提供を持ちかけました。ブッ殺されてなければですけれども】

13:灰島 ◆lcCn/SJQ7.
10/08/04 02:05:16 0
>>240(前スレ)
>「くくくっ…ミカエルか。直訳すれば、神に似たるものは誰か…。
タルムードでは、誰が神のようになれようか…。という反語で解されているがな…」

>突然、灰島の首に何かが絡みつく。

「ぐっ……がはっ!!な、なんだよこりゃぁ!!」

息苦しさに顔を歪めながら辺りを見回す。
声の主を見つける事が出来ないまま、首元に感じる窮屈さは
より一層その強さを極めていく。

「……ダメだっ……気が、気が遠く……」

徐々に灰島の体から力が抜けていく。
痙攣しながら、その目はゆっくりと閉じていこうとする。

>「小僧。俺たちのことを、こそこそと嗅ぎまわるのは止めろ。
>…正義のヒーロー気取りもな…くっくっく…」

ミカエルはその言葉に小さく笑みを浮かべると手元にあった本を眺め始めた。

「私達は正義の味方じゃありませんよ。ただ、興味深い事件を調べている
ついでにこの街の奇妙な”力”を封じているだけに過ぎない。
そう、貴方の力も。例外なく―」

【影を操るスタンド・それは例外なく】

「なるほど……閲覧した。」

ミカエルの背後に、1枚の紙切れが出現する。
それはレディ・ジョーカーの体へ吸い込まれると―

灼熱の半身へと変化した。


>「この街から去れ。お前らに戦う意味はないはずだ…」
>男の喋り口は刀身のように冷淡だった。


「へへ……へっ。笑わせんじゃねぇよ。」

灼熱の炎が電線を影ごと焼ききっていく―
全てを焦がす灼熱の記憶―


戦う意味がないって?そいつは違うな…俺は、この街を愛してる。
だから、この街を、この街の魂を汚す奴らは―許さない。
それだけで理由は充分だ!!」

【レディ・ジョーカー、灼熱の記憶で影ごと正体不明のスタンドを燃やす】








14:ジョージ ◆BhCiwB2SCaJ5
10/08/04 16:19:26 0
>13
男は影の中にいる。挫折を味わったのは遠い青春の思い出。
永遠に栄光の光を浴びることもないであろう年老いた体内では虚栄心だけが狂ったように暴走をしている。

>「へへ……へっ。笑わせんじゃねぇよ。」
灼熱の炎が電線を影ごと焼ききっていく。それは全てを焦がす灼熱の記憶。

「ぐげ!あぢぃぜー!」
塀の裏で転がっている男。のたうちまわるこの体は久本譲治27歳。
大学を卒業したまではよかったのだが社会人生活のストレスで挫折して心を病み精神障害者となって幼児たちを数人惨殺した男。
囚人ジョージ・クルックシャンクとどこか似ているその汚れた魂がディスクと馴染みやすかったのだろう。

「…異能…きさまも異能者だったとは!…軽率すぎたぜぇ…」
ジョージは灰島たちを単なる探偵だと思っていたのだ。

「だがよー生贄が見つかってオレの心も久々に燃えるぜー!くっくっくっけー!」
塀の裏から長い手が伸び白い顔の男がぬるりと現れる。体を炎で燃やしながら塀の上に立つジョージ。

「さっ!!」ジョージの影は灰島の影にパンチを繰り返す。
太陽と灰島の間にいるジョージの影のパンチは角度的に離れた位置からも灰島の影をとらえることができた。

「オレが燃え尽きるのが先か。お前の体がぐしゃぐしゃになるのが先か、勝負だぁ!!」

【燃やされながらも塀の上から灰島さんに影パンチを繰りだすジョージ】

名前:ジョージ・クルックシャンク
性別:男
年齢:56
身長/体重:183/52
容姿の特徴:細身でほりが深くどこか影のある顔
懲役年数:376年
被害者推定:422人

人物概要:
アメリカでプロのボクシング選手を目指していたが挫折して酒びたりの毎日を過ごす。
子供たちをパンチでなぶり殺すのが趣味。

【スタンド】
シャドウクイーン
タイプ/特徴:中距離型。影のスタンド。
アルカナ:3・The Empressを司るスタンド。逆位置:挫折。軽率。虚栄心。怠惰。

能力詳細:スタンドが影と一体化して本体から半径10メートル以内のすべての影を操る。
影による影への攻撃でダメージを与える。

破壊力-C スピード-C  射程距離-C(10メートル)
持続力-A 精密動作性-C 成長性-C

15:佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s
10/08/04 22:11:28 0
例えば『運命』に中心があるとして―
一つの運命が多数の人間を巻き込む大きな渦となる時その流軸となる場所があるとしたら…
今回のそれは『この場所』なのかも知れない。

―ひとみ達が『死の運命』に襲われた交差点。
よねと神条少年はいつの間にか姿を消している。
徳井はスタンドの影を見せた少年を追って走り、灰島は徳井の依頼を受け夫婦の後を付けて行った。
この場所に一人取り残された佐藤ひとみは交差点の片隅で半径100m以内の"スタンド能力者探知"をしていた。

交差点を行き交う人々の中にスタンド使いの反応が3つ。
1つは野次馬の男の背中を切り裂いた女子高生。今はカフェ・ドルト・プラチナの中に居る。
2つ目は丸々と太った小柄の男。ブツブツと小声で呟く男はガラの悪そうな若者に絡まれ交差点の外に引きずられていく。
3つ目は中学生くらいのポニーテールの少女。
友人と別れた少女は自分の頬を軽く叩き気合を入れるような仕草をすると交差点の外に歩いて行った。

「もう…何なのこの場所…?この街スタンド使い多すぎ!」
ひとみは思わず呟く。

スタンド使いの出現率が異様に高いこの街のこと…案外意識せずに能力者とすれ違っていてもおかしくは無いのだが…。
九頭龍一はこの街に『能力を高みに上らせる何か』―があると言っていた。
その『何か』が図らずも能力者たちを引き寄せるのだろうか?
それとも『何者か』の意図が能力者たちを集めているのだろうか?
脳裏に九頭の言葉が過ぎると自然にその姿を描いてしまう。ひとみの思索は暫しの間、九頭龍一の脳内映像にすり返られた。

ひとみの妄想は交差点を行く人々の悲鳴と叫び声に断ち切られた。
視線を向けると、横断歩道を中心に散り散りに逃げ去っていく人々が見える。
横断歩道には膝から下の足が数本転がっている。
さらに泡を食って無い足を動かし逃げようとする犠牲者を地面からスィと現れたハサミがバラバラに刻んでいく。

犠牲者を切り刻む能力…これはつい先程野次馬の男を真っ二つに切り裂いた少女のものだ。
ひとみはこの少女の殺人の意図を理解した。
標的に共通項は無い…全くの無差別。一撃で殺すことも可能なのにワザと足を切断して怯える標的に止めを差す残忍性。
明らかに殺人を愉しんでいる。……少女は無差別快楽殺人鬼なのだ。

「あの女…!何って凶悪な能力なのッ……?しかも射程が広いッ!」

ひとみの手元に出現したスタンドシートには少女の位置を示す赤いマーカーを中心に円が表示されていた。
円は少女のスタンド稼動域限界…つまりスタンドの射程距離を表している。少女のスタンドの射程はゆうに100m近くもある。
少女はひとみを標的として認識しているわけではないが、自分がいつ快楽殺人の餌食にされるか分かったものではない。
延々と少女の位置を捕捉し続ける訳にはいかない。不意をつかれたらお仕舞いだ。

16:佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s
10/08/04 22:13:33 0

「こんなキ○ガイが気まぐれに人殺しを繰り返してたんじゃ安心して街をぶらつくことも出来ないじゃない!
もう…あいつら何処に行ったのよ!肝心な時に居ないんだから…。」

攻撃陣の面子は手近にいない。しかしこの期を逃して自分の身を危険に晒すのも問題だ。
ひとみは已む無く少女を倒す肚を決めた。

射程距離ならこちらに分がある。
まず、ひとみ本人はシートに表示されている少女の射程外まで逃れフルムーンを少女の居場所に向かわせる。
透明化したフルムーンは少女の真後ろに迫り鉄並みに堅くした触手を針のように尖らせ待機した。
フルムーンの眼には人体の急所が透けて見える。

「人を殺す人間は殺される確率もグーンと上がるのよ。理不尽は巡り巡って自分に返ってくるのよねえ。
何で人殺しなんて面倒な癖に取り付かれたのか知らないけど、どの道あんたはまともに生きられない。
あんたに恨みがあるわけじゃないけど私の安全の為に殺らせてもらうわ。これも報いよ。」

戒言めいた台詞を呟き、尖らせた触手を少女の首の後ろから延髄目掛けて一気に突き刺す。
少女の肌に触手が触れた途端、ひとみの脳裏に流れ込んでくる少女の記憶の断片。
本来ひとみにその意図が無ければ一方的に記憶が流れてくることは無い筈だが少女の自意識が強すぎたのだろうか。

―外国の手術室?…修復不能な程切り刻まれた人体…バラバラにされた後あらぬ場所を縫い合わされた不自然な形の死体。
次に浮かんできたヴィジョンは暗い部屋。テーブルを囲む種々雑多な人々…動物さえいる。
ホスト席に座る魚の頭を持つ骸骨が投げるディスクが額の中に入ってきた。
続けて女の声が頭の中に響く。

『行け!運命の駒たちよ!贄を集めよ!
22の能力を贄に捧げ【アイン・ソフ】に…【悪魔の手のひら】に至る道を示せ!この地に血の雨を降らせよ!』

―これは夢で見たディスク…自分を襲ったカラスから生まれた物と同じ…!?

一気に流れ込む記憶のヴィジョンに気をとられフルムーンの遠隔操作に若干の狂いが生じた。
首を突き刺す触手は僅かに急所の延髄を逸れてしまった。しかも浅い。これでは一撃で命を奪えない。

「まっ…まずいッ…手元が狂った…これじゃ死なないわ!」
ひとみは少女突き刺した触手を切り離し、再びフルムーンを透明化させ逃走を図った。


【透明化したフルムーンで森田タンに接近し必殺仕事人風攻撃を試みるも失敗。森田から記憶の断片を得る。
佐藤本体は森田の射程の外にいます。】

>>10布良さん
(初めまして!よろしくお願いします!勝手に交差点でニアミスしたことにしちゃいましたw)

17: ◆BhCiwB2SCaJ5
10/08/05 14:23:46 0
【本体】
名前:リタ・ヘイワース
性別: 女
年齢: 当時38
身長/体重:172 / 48
容姿の特徴:現在の体は女子高校生、森田和香(17)
懲役年数:532年
被害者推定:1456人
人物概要:女医
体を切り刻むのが大好きな頭のおかしな女医。
大男の生け作りをつくったりして警察を驚かせた。

【スタンド】
名前:シザーハンズ
タイプ/特徴:遠距離型。
ひょろ長い悪魔のような姿をしており両手の10本の指がするどい刃物になっている。
アルカナ/8・力の逆位置。甘え。引っ込み思案。権勢をふるう。
能力詳細:生物も鉱物もほとんどのものを切開することができ切開した部分の復元も可能。

破壊力-E スピード-A   射程距離-A
持続力-C 精密動作性-A 成長性- C

【本体】
名前: 神条時人(しんじょうときと)
性別: 男
年齢: 13
身長/体重:149/43
容姿の特徴:どこにでもいそうな感じの少年
人物概要:一見大人しそうな感じだがそうでもなかったりする。


【スタンド】
名前: ザ・フューチャーへッズ
タイプ/特徴:不明。スタンドになりかけの状態。

能力詳細: 未来の予見(地球の自転の歪みと関係しているらしい)


破壊力-E スピード-E   射程距離-E
持続力-E(不安定) 精密動作性-E 成長性-A

【名前:かみじょうときひと→「しんじょうときと」に変えました】

18:リタ ◆BhCiwB2SCaJ5
10/08/05 15:28:11 0
>16
ドルド・プラチナで紅茶を飲んでいたリタの後頭部にはフルムーンの触手が突き刺さっていた。

「…しんじられない…いきなり後ろから刺すなんて…下衆の極みょ…」
リタはスタンドを近くにもどすとスタンドの鋭い爪に能力を宿し、自分の頭を輪切りにして切断面を確認してみた。
「…?…これってやっぱりスタンド?」
延髄の隣から触手をつまみ上げているリタに店内の客たちは悲鳴をあげている。

「ちょっとぉ!見ないでーっ!!」
ザワーンッ!と長い爪が店内中を走りまわり客たちはつぎつぎと死んでゆく。

落ち着いたリタは触手の素材が利用できると思いながらその場で自分を手術した。
シザーハンズは損傷した組織を見事に切断してはくっつけ足りない部分は触手を貼り付け埋めた。

「許せない…許せないよぉ~…」
ぶつぶつと言いながら店の壁を切開して外に転がりでるリタ。

外の交差点では黒のトリアージカードを付けられた沢山の犠牲者の亡骸が転がっている。
なかには駆けつけた警察や救急隊員も交じっていて交差点は地獄絵図。

リタには触手の持ち主を探すことはできない。くしゃくしゃと髪を手でかきあげながら
切歯扼腕する思いで死体だらけの交差点を見つめている。

「…スタンド使い同士は引き合うって話はほんとみたいね。
だけどそんなの待っていられない…。この触手の持ち主は私が殺してあげることに決めたわ。
そうね。口から真っ二つに引き裂いて、ちきちきした白い歯を剥き出しにしてあげる。
内臓は生ゴミみたくぶちまけてカラスのエサにしてあげるわ…」

交差点の騒ぎをあとにしてリタは市民会館に帰ることにした。

「たしか…あのディスクにはスタンド使いを見つけ出す能力が秘められていたはずよ。
でも、まだ体が見つかっていないんだっけ…。はやく適合者を見つけてあげないとねー」

【市民会館に帰るリタ。あと遠隔視能力のディスクの存在をほのめかしてます】

19:灰島 ◆lcCn/SJQ7.
10/08/05 16:18:15 0
>>14
>「ぐげ!あぢぃぜー!」

かすかに声を聞き取り、帽子を斜めに被り直す。
そして、塀の方を指差し声をかけた。

「どうだい?熱々のデザート、奢ってやったぜ。」

>「…異能…きさまも異能者だったとは!…軽率すぎたぜぇ…」

ミカエルが本を読みながら男の方へ近付いていく。
閲覧する本には、この男の記憶が刻まれていた。
彼の能力は”この星の記憶”を見ること。その記憶を、
他者の異能に与えることだ。

「君の記憶は閲覧しました。実に興味深い。
酒の溺れ、多くの子供を殺めた記憶。その血塗られた拳に、何を君は求めるんですか?」

>「だがよー生贄が見つかってオレの心も久々に燃えるぜー!くっくっくっけー!」
>塀の裏から長い手が伸び白い顔の男がぬるりと現れる。体を炎で燃やしながら塀の上に立つジョージ。

「まだ来るつもりかい……まぁ、いい。相手になるぜ。」

灰島は拳を握り、再びジョーカーを出現させる。
影の攻撃が再び灰島を襲う。予想以上のスピードのパンチが灰島の頬を掠める。
血が頬を伝うのを感じながら、灰島はその血を舌で舐めた。

「いいパンチだ。だが、使い方を間違えちまったな……」

シャドウクイーンの動きが止まる。
レディ・ジョーカーがその拳を、自らの拳で受け止めたからだ。

「あんたは、異能者--つまるところはスタンド使い。
警察や法律じゃ裁けねぇ。

だから、  俺が――裁く!!
ウォオオオオオラララララララララララ!!!!!」

限界を超えた加速の拳が何度もシャドウクイーンを通してジョージを叩く。

【真正面からシャドウクイーンと殴り合い】

20:灰島 ◆lcCn/SJQ7.
10/08/05 16:26:35 0
【本体】
名前:ミカエル
性別: 男
年齢:16歳(推定)
身長/体重:167 / 50
容姿の特徴:耳まである金色の髪、女物のようなノースリロングパーカー
人物概要:探偵事務所所長、北条市の外れの森に住む風変わりな少年。
いつも本を持ち歩き、何かを読む事、調べる事を楽しみとしている。
通常の倫理観より、興味深い事を優先する悪癖がある。

【スタンド】
名前:ザ・アース
タイプ/特徴:遠距離型
本の形をしたスタンド。使用者以外が閲覧しても
真っ白なページしか見えない。
この世界に関する、記憶を閲覧する。
記憶を切り取り、それを他者の異能に添加する事も可能。

破壊力-E スピード-E   射程距離-A
持続力-A 精密動作性-E 成長性-?



21:ジョージ ◆BhCiwB2SCaJ5
10/08/05 19:18:41 0
>19
>「君の記憶は閲覧しました。実に興味深い。
>酒の溺れ、多くの子供を殺めた記憶。その血塗られた拳に、何を君は求めるんですか?」

(渇きっぱなしなんだよぉ。心も体もなぁ)満たされないジョージの心の闇。

>「まだ来るつもりかい……まぁ、いい。相手になるぜ。」

「くっくっく」
炎でその身を焦がしながらもジョージは舐められたものだ思っていた。
半径10メートルの、生き物以外のすべての影を操ることの出来るシャドウクイーン。
太陽によって地面に伸びた影はアウトボクシングでありながらインファイトをジョージに与える。

灰島の影に嵐のように繰り出される拳。

>「いいパンチだ。だが、使い方を間違えちまったな……」

やすやすとレディ・ジョーカーに受け止められる影の拳。

>「あんたは、異能者--つまるところはスタンド使い。
>警察や法律じゃ裁けねぇ。

>だから、  俺が――裁く!!
>ウォオオオオオラララララララララララ!!!!!」

高速の拳がシャドウクイーンを通してジョージを叩く。

「ぷぎゃーーーっ!!」塀の上から家の壁へと吹き飛ばされるジョージ。

だがジョージは良い負けかたを知っている。何故なら負け犬ボクサーだから。

倒されながらも遠くから近づいてくるバイクの音をジョージは聞き逃していなかった。
塀の裏に隠れながら、スタンド能力を解除せずにバイクが通り過ぎるのを待つ。

射程内の影はジョージのもの。影の世界はジョージのもの。

偶然に通りがかったバイクのタイヤの影が灰島の影の頭部をかすり
灰島は後頭部を鈍器で殴りつけられるようなダメージを受ける。

「ふへへ!やったぜ!勝負はお預けにしてやるぜ!」
灰島にボコボコにされてフラフラの体を引きずりながらも、こそこそと人の屋敷の敷地内を使って逃げるジョージ。
彼は旧市民会館に逃げこむつもりだった。ワーストの隠れ家である旧市民会館。
そこには一筋縄ではいかない凶悪で強力なスタンド使いたちが手薬煉をひいて待っていることだろう。

【灰島さんの後頭部をバイクのタイヤの影で殴るような攻撃】
【ジョージ:旧市民会館へと逃亡】

22:徳井一樹 ◆MnJrk02a/Yx.
10/08/05 23:03:01 0
>「凄い……こんな事って、初めてだ……」

「当然だぜーーーこの徳井何から何まで予想外意外性の塊だぜーーッ
(本当はそうじゃねーがこいつが悔しがるならそう言ってやるぜ、ケッ!)」

不意に漏らした敵の言葉に違和感を覚えながらも、
徳井は普通の敵ならば悔しがるような挑発の言葉を発した。
ただし、この場のマイソンにとっては全くの的外れと言っても良かっただろう。

この少年から情報を聞き出すのは良い。が、所詮出所のわからない不確かなものだ。
主観混じりに見ても今の彼はあまりにも無防備だ。ほんの少し、頭に触れてやるだけで勝負は決してしまう。
彼に関わってしまい生命を落とした者達のことを考えると彼を殴らずにはいられない。が、今は堪えた。
しかし今まで出会った事のない、あまりに予測不可能な彼に出会って戸惑っているのもある。

この瞬間はマイソンにとっての衝撃的初体験であり、徳井一樹の精神的な意味でのハーフタイムでもある。

>「『シンシン刑務所』と『ワースト』ですよね? それなら聞き覚えがあります。説明も出来ますよ?」
>「あ、でもこんな所で立ち話ってのもなんですよね。さっきの交差点の近くの喫茶店に行きましょうよ。
>話長くなっちゃうかも知れませんし、知ってる事全部思い出せるかも分からないですから。ね? いいでしょう? いいですよね?」

胸を高鳴らせて嬉々としながら歩み寄ってくるマイソンとは対照的に、徳井は顔を歪ませ一歩後退りしていた。
色々な感情が湧き上がりごった煮状態だったが『ワースト』について知っているという一点には歪んだ顔も綻ぶ。

マイソンのスタンド能力は本人の意思ではない故に無差別で、最悪だ。
ここで放っておく訳にはいかない。始末するなり、能力を制御してもらう必要がある。

何故なら自分の目的は両親を守ること─彼らの日常を、守ること。つまり突き詰めれば『町を守ること』
そして自分はその中で輝ける道を探したい。どんな道かは分からない。あるならば目指したい。そんな光り輝く道を。
そんなことをふと頭に浮かべると、誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。

「『親孝行』もする『自分の進むべき道』も探す…どちらもやらなきゃいけないのが若者の辛いところだな……」

その為に徳井は彼からなんとしても情報を聞き出さなければならない。
その為に彼を今始末するのは非情に不味い。いつ手に入るかわからない貴重な情報源なのだから。
灰島も気がかりだ。情報整理に一旦ドルド・プラチナに戻った方がいいだろう。
考えがやっとまとまると唐突にマイソンの左腕を引っ掴むとゆっくりと言葉を紡ぎ出す。

「よしよし、よーくわかったよ。お前さんの言い分も確かだな。“俺は君の情報が欲しい”から出来るだけ譲歩しよう。
今だけお前さんへの『攻撃』も見逃してやるッ─ただ、俺は今から電話しなきゃなんねー。邪魔すんなよ」

マイソンの左腕を掴んだ理由は億が一逃げられないようにするためだった。
逃げられてしまったら怪我をしている自分ではまず追いつけない。
手錠でもあればよかったのだがそんなものはない。それにこうしておけば最悪いつでも能力で左腕を攻撃できる。

残った左腕で携帯電話を動かし、電話を掛けようとする。掛ける相手は佐藤とよねだ。
佐藤は相手の精神に侵入できる。ある程度『嘘発見器』の代わりになるだろう。
よねのフェーズ2の能力ならば今は陰を潜めているもののまた『ORF』が再発してもある程度防げる。

佐藤には今日調子に乗っておふざけをしてしまったので着信拒否をされている可能性が高い。
そして仮にメールなどしてしまった日には十倍の量の呪いのメールが届くだろう。
よって、最初の相手はよね。まずよねを呼ぶことにする。協力も快く引き受けてくれそうだ。

─しかしここで重大な事実に気付く。よねの電話番号を知らなかった。よって相手は自然と佐藤のみ。
渋々電話帳を開き佐藤に電話をかける。今更だが佐藤の報復が怖い、やっぱりやめようか。それに頼みを断られても困る。

「……着信拒否すんなよお~~~いや…やっぱやめようかな…マジギレされたら多分、俺死ぬだろうし」


【マイソン君連れてドルド・プラチナへ戻りながら佐藤さんへお電話】

23:黎土羅武 ◆qaFFsscyZY
10/08/06 22:47:56 0
ある昼下がり、緑のブレザーを着た少年が坂道をスキップしながら下っている。
彼の名は黎土羅武。女性のような容姿に低身長なのを除けば普通のぶどうが浜高校の普通科2年次。

降りたところには古いプラモショップが建っていて彼はそのまま足を運んだ。
中には整然と棚に収められたプラモの数々。奥のレジでは老店主がにこやかな表情で
客を招き入れた。

「久しぶりだね羅武坊ちゃん。今日は何を買っていてくれるのかな」

「後ろの棚のを頼みます。…そうHGのザザビーの斜め横…M107の真下です。そのB-29が欲しくて」
「―何で包みましょうか」
「一番濃い赤の包み紙で。シールはタカラトミーでお願いします」

指示通りの品を取ると馴れた手つきで素早く包みこんで、すでに精算も終えていた。
年老いても現職というわけだ。

「5078円になります」

財布から無造作に札をひねり出すと直接手渡した…20万分の福沢諭吉を。
無言で受け取った店長はそれをレジに入れずデスクの裏ポケットに放り込んだ。

「また来てね」
「ええ、もう少し景気が良くなりましたら」
軽く会釈すると足早に店を去った。

***********************************

包み紙の裏にはいつもどおりメモの切れ端が挟まれている。

“頼まれていたHPM(High-Power Microwave) bombだ。約束通りのモノを部下たちに作らせるのは大変で、
何年か振りに徹夜したと散々愚痴られた。
使用法は簡潔。設置箇所から(特殊な電波がなければ)半径2キロ以内でリモコンのボタンを押すだけで
100フィート内の電子機器はオシャカになってしまう。
使用目的は?とか野暮なコトは聞かんが気をつけておいてくれよ。
最近やたら『オレンジのニオイ』がしてなあ…特に坊ちゃんのことを考えてる時にだよ。
ワシは坊ちゃんよりかは『かがやき』が弱いが、予感はいつも確かで明瞭だ。
まあ、落ち着いてやんな”

「いわれなくとも」
今日は空気が乾いていて安いマッチでもよく燃えた。あっというまに紙切れは燃え尽きた。

(ボブさん、九頭さん…僕がんばります)
希望を胸にいだき、固く手を握りしめた。

「さて昼はドルドですまそうかな」

【覚えていますか?レドラムのあの子です。新キャラとはいきませんがちょいキャラに
おじいさんを。関係上「ハローラン」の位置でしょうか】
【ドルドに向かう途中ということで】


24:『NEWDIVIDE』 ◆JvtTTnep1k
10/08/06 22:50:04 0
【本体】
名前:本郷圭八
性別:男
年齢:88歳
身長/体重:179cm/75㎏
容姿の特徴:顔はシワだらけで丸禿頭に巨人のキャップをかぶり、服装はスウェット。ヨボヨボガリ。
人物概要:
小さなプラモ屋を経営する老人。温厚で人付き合いがいい。
正体は朝鮮戦争時代から活躍する武器商人で、数々の戦場を渡り歩き、存在そのものが
戦局を左右させると言わしめられた。しかし年齢的に限界を感じ、湾岸戦争を機に引退。
しかし今もなおその影響力は計り知れない。

【スタンド】
名前:オレンジジュース
タイプ/近距離パワー型:オレンジの皮のようなイメージの人形スタンド
能力詳細:
本体に神通力を与える。
熟練の兵士でもたじろぐ圧倒的なプレッシャーを放つことも。
「シャイニング」と同系統のスタンド(しかしシャイニングは不定形型のスタンド)
らしいが、黎土に比べれば弱いようだ。
圭八が太平洋戦争の頃、敵兵から頭部をかすめた銃弾の影響で覚醒。

破壊力-B  スピード-B  射程距離-C(4m)
持続力-E  精密動作性-B  成長性-E

25:『NEWDIVIDE』 ◆JvtTTnep1k
10/08/06 22:51:26 0
北条の地の遥か深く、それは静かにに脈動を続けていた。
悪魔は血肉を吸い、みずからの体液に変え、ゆっくりと復活の時を待ち構えていた。

その更に奥、まどろみの中に佇む影―白くやせ細った少年は空中に映写さている
ディスプレイを眺めていた。
それはマイソンの手を引く灰島の姿がありありと展開している。

「マイソン様お疲れ様でした―さて次の方は…」

その背後には我等が母星、青く輝く美しき地球が浮かび上がっていた。

【本体】
名前:“地球”の少年
性別:男
年齢:当時10代
身長/体重:140cm/30㎏
容姿の特徴:白人の少年…の体を借りている。
人物概要:
生まれてまもなく先天性の失調で五感を喪失してしまうが、直後にスタンドに開花。
スタンドより歩行や会話など日常生活に必要な能力を修得するが、やはり持病のせいで身体能力は低い。
「ワースト」ではなく、今回は管理・進行役を務める。

【スタンド】
名前:ワールド・ワイド
タイプ/特徴:一体化型/青く美しい地球の立体映像が頭上に映しだされる。直径1ミクロン~等身大。
能力詳細:
地球上で起こった、起こっているあらゆる事象を把握・記録することができる。
(つまり本体はがリアルタイムに更新されるアカシックレコードになる)
また記録を映像として空中に映しだしたり他人の脳内で再生させる事も可。
 
アルカナ/21THE WORLD

破壊力-なし  スピード-なし   射程距離-なし
持続力-≒∞  精密動作性-A   成長性-≒∞

【人間スパコンのキャラ使ってみたいなと思って考案してみました実はボブより先に思いついたキャラです】
【ミカエル君と能力が被っている?まっさか~】

26:佐藤ひとみ ◆tGLUbl280s
10/08/07 03:48:51 0
交差点で何人もの犠牲者を分解した少女がカフェの壁を切り裂いて外に転がり出てくる。
通りに面したカフェのガラス窓はぶち撒かれた血で真っ赤に染まっている。
髪をかき毟り血走った目できょろきょろと交差点中を見渡す少女。
少女の探しているものは用意に推察できる。攻撃してきた触手の持ち主…すなわち佐藤ひとみ自身。

「最ッ悪だわ…つまんない正義感なんて出すんじゃなかった…人殺しなんか放っておけば良かったわ…。」

佐藤ひとみは全身に冷や汗をかきながら物陰から交差点の様子を伺っていた。
今更ながら自分の浅慮を嘆く。
少女に手を出してしまった今、受ける被害の懸念は以前の比ではない。
偶然に無差別殺人に巻き込まれる危険性と標的として探し出され報復を加えられる危険性。
どちらが危険か一目瞭然だ。

少女が只の頭のおかしい殺人狂の女子高生であればまだ問題は少ない。ターゲットを探す術は限られるのだから。
だが少女の精神から伝わってきたヴィジョンがそれを否定していた。
およそ女子高生の記憶としては相応しくない場面…バラバラの部品を無作為に縫い合わせた死体の転がる手術室。
しかも視点はおぞましい肉塊を作った施術者のものだった。
少女の額に入れられたディスク…。自分達を襲ったカラスの死骸の近くに落ちていたものと酷似していた。

少女にカラス…共通するものは持ち主に不釣合いな能力、不自然な記憶……身体に入っていたディスク…
これら二つの符合の意味するところは…?
そして『贄を集めよ』という声の意図。テーブルを囲んでいた謎の一団…。
ひとみはこの場を離れる少女の姿を目で追い、思考を巡らせていた。


>22
バッグの中で携帯の着信が響く。着信の主は徳井一樹。
つい数分前まで着拒上等なほど徳井に腹を立てていたひとみだが今はそれどころでは無い。
フルムーンで徳井の現在地を捕捉しつつ、通話ボタンを押す。

「徳井君…私の知らないスタンド使いと一緒にいるでしょう?まさかそいつから攻撃を受けてない?
その男に悟られないように適当に相槌を打ちながら聞いて。
この場所…何かおかしいわ。目立つ行動を取るスタンド使いが多すぎる…。
これじゃまるで九頭の時と…でも違う…。

まさかあんた達こっちに向かってる?来るのは止めた方がいいわ。
カフェと交差点は頭のおかしいスタンド使いのせいで血の海。あんたの隣にいる男が混乱に乗じて何かしてこないとも限らない。
私はすぐ援護できる位置に控えてるからそいつの出方を伺ってみて。」


通話を続けながら、徳井と少年を視認できる場所に移動するひとみ。
スタンドシートを出現させ少年のスタンドの射程を確認する。
馬鹿に広い射程だが形は円では無く、彼を中心として歪な煙状に点々と広がっている。
ひとみは少年の能力を発動条件の限られる特殊型と読んだ。

【隠れながら徳井さんとマイソン君を伺っています。移動するなら後を付けるかと。】

27:影貫行枝 ◆tGLUbl280s
10/08/07 03:50:29 0
>18
市民会館の二階―広く薄暗い部屋。
廊下に面した扉が細く開き女が入ってきた。
黒いローブの女…影貫行枝は部屋に入る女に向かって声をかける。

「リタ…。何の用?ここにはあまり来ないように言ってあるのに…。
各々身体に合った生活の場所を用意していた筈……あまり愚かしい行いを繰り返さぬよう。」

静かでありながら確固たる非難を込めた口調。
影貫行枝は更に言葉を続ける。

「交差点での行い…ずっと見ていたわ。
殺すな…とは言わないが騒ぎを大きくするのは愚の骨頂。
我らの目的に差し支えぬよう、もう少し賢く立ち振る舞いなさい…。」

指にはめた水晶の指輪を示しながら女への非難を繰り返す。

「まあいいわ…。ここに来た目的は解っている。貴方が探しているのはこの女…。」

リタの前に突き出された水晶の中には物陰に潜む佐藤ひとみの姿が映し出されていた。

「行きずりの能力者を探すより…スタンド使いと判っている者を狩る方が容易か……。」
影貫行枝は水晶に視線を落とした顔を少し上げゆっくりと呟いた。

【影貫、森田ことリタに情報提供】

*******************************************
【本体】影貫 行方 (かげぬき ゆくえ)
性別:女 年齢:27 身長/体重:162/48

容姿の特徴:黒いローブを纏った女性。美人だが雰囲気が暗い 。
人物概要:あるカルト教団の教祖。
留流家に捕らわれていた『狩る者』の一人。九頭が護国天使になるタイミングで切り離された。
早い段階で街に放たれていた為、九頭の最後についてはよく知らない。


【スタンド】カンニバル・コープス
タイプ/特徴:物質同化の遠隔操作型。烏の亡霊やゾンビを操る。

能力詳細:
1.本体が触れたカラスの死体と同化して発現するスタンド。
このスタンドは死体を喰らうことで無限に成長する。
見た目は黒い翼竜のような感じで実体化している。
その性質上、死体を喰らうタイムラグが生じるため隙が生まれる。
死体を喰らうことで見た目も強大になっていく

2.烏の亡霊を操る
幽霊カラスを呼び寄せて使役する。幽霊カラスの視点は水晶の指輪に映し出される。
幽霊カラスとゾンビカラスは同時に使用できない。

破壊力-C~A スピード-C~A 射程距離-C  
持続力-A 精密動作性-C 成長性-E

28:リタ ◆BhCiwB2SCaJ5
10/08/07 15:34:28 0
>27
市民会館の庭では兎がぴょんぴょん跳ねていて池のほとりの木陰には亀が涼んでいる。
それを夢遊病者みたいに、ぼーっと見ている人もいた。人がいるのかいないのかわからないような変な空気。
ワーストたちも合宿しているわけでもなさそうなのでやっぱりいないのか。

普段の生活に紛れ込んでしまうと自由と引き換えに孤独のようなものが影のように現われる。
さみしいときや困ったときはワーストたちも市民会館をこっそり訪れるのだろう。彼らも寂しがりやなのだ。

広く薄暗い部屋に、静かでありながら確固たる非難を込めた影貫行枝の言葉が響く。
それを聞いたリタは少し緊張した感じになる。

「えっと…あれって報道だとかまいたちの仕業ってことになってたみたい…。
突風で布団が飛んだり電線が切れてたりしてたから…。ほ、ほんとよ。報道ではそう言ってた…」

見え透いた嘘をつくリタ。

>「まあいいわ…。ここに来た目的は解っている。貴方が探しているのはこの女…。」

リタは話題が変わったのでホッとする。

「…ふーん。不気味な女。狡猾で残忍で人の皮を被った悪魔って感じ。
理由もなしに私を殺そうとした女…ほんとこわい…」
リタは水晶に映し出された佐藤ひとみをまじまじと見つめ記憶した。
そして遠隔視能力はディスクの能力ではなく影貫の能力だったのだと再認識した。
(リタの記憶ではアカシックレコードとかなんかごちゃごちゃしていた)

>「行きずりの能力者を探すより…スタンド使いと判っている者を狩る方が容易か……。」

「…ねー。その話なんだけど。てっとり早く生贄を集める方法なんてないの?
あんたの昔のスタンド仲間とか騙くらかしたりしてさ。ねーどうなのよ?」

*******************************************

リタは影貫行枝の言葉を聞き終えると床を切開して姿を消しテケテケと走って市民会館を出てゆく。
一旦、日常に戻るのか佐藤探しを始めるのかは気分しだい。でもリタには佐藤を殺害するという優先順位ができた。
自分の人生に現われた腫瘍は一刻も早く除去しなくてはならないのだ。

【佐藤ハンターリタの誕生】

29:ジョージ ◆BhCiwB2SCaJ5
10/08/07 17:18:11 0
(>9-10)
挙動不審な男が影から影へと移動している。男の目的地は市民会館。
今の体である久本譲治も犯罪者であるから病院にいくことは難しい。

「ぜぇーぜぇー…。負け犬の体に宿るのは負け犬の魂ってかぁ?
オレのディスクと適合してる今の体は薄汚い犯罪者。
なんでジャパニーズヤクザとかボクシングチャンピオンじゃねーんだよおぉお~!!」

嘆くジョージを灰島は追って来ないみたいだったので
暑さと痛みに耐え切れなくなったジョージは交通量の多い場所に出てタクシーをひろうことに決めた。
あと少しで大通り。その大通りは例の交差点の近くでもあった。

だがジョージはポニーテールの少女とすれ違う。呼び起こされるジョージの狂気。

「…くっくっく…ぶん殴っちゃおうかなぁ…」
そう小声で呟くとジョージの瞼はブルブルと痙攣を始め黒目は瞼の上に隠れほとんど白目になる。
こめかみには血管がプチプチ走り、口の端からは涎がダラダラとたれはじめる。

底辺を生きるジョージのストレス解消法は弱い人間をぶん殴って殺すこと。

「ちょっとお嬢さん。ゲンコ喰らっちゃえよ」
ジョージは布良を呼び止めると振り返った布良の影をスタンドの拳でぶん殴る。
スタンドによる少女の影への攻撃。少女の視界や感覚の目では普通に拳は確認できない。
何故なら布良の影に攻撃をしているから。
だが地面を見れば黒いスタンドが自分の影を殴っているのが確認できるであろう。

ぐしゃりと布良の「影」の顔面に衝突するスタンドの拳。布良自身の顔もぐっちゃりとなっているはず。しかし…。

「へっ!?」
布良の顔は水風船でも当てられたくらいの感じだった。
何故なら太陽が雲で隠れてスタンドの影も少女自身の影も薄くなっていたから。
ぼやかされた影の境界線はジョージにいつもの破壊力を与えていないようだ。

ジョージは布良の頭をよしよしと撫でてごまかす。

「君…かわいいね。よしよし」
ジョージはその場から去ろうとする。

【ジョージ逃走中。現在地交差点付近】(いちおう戦闘不能希望です)

30:灰島 ◆lcCn/SJQ7.
10/08/07 18:33:52 0
>>21
>「ぷぎゃーーーっ!!」塀の上から家の壁へと吹き飛ばされるジョージ。

「待て!!逃がすかよ!!」

声のした方へ灰島が駆けていく。
しかし、相棒のミカエルは本を手に動こうとしない。
「灰島クン、すぐに追うのは危険ですよ……っと、言ってる前から。」
ただ1つ、灰島の影を注視している。

>偶然に通りがかったバイクのタイヤの影が灰島の影の頭部をかすり
>灰島は後頭部を鈍器で殴りつけられるようなダメージを受ける。

追いかけようとした灰島の後頭部に鈍い衝撃が走る。
目の前が歪んでいく中、足元がふらつき―遂に転んでしまう。

「っ……なん、何なんだよ。何処から―?」

>「ふへへ!やったぜ!勝負はお預けにしてやるぜ!」

ジョージの勝ち誇った声に、灰島は辛酸を舐めたような顔で舌打ちをした。
そのまま、懐に手をやり何かを探り始めた。

「灰島クン、このまま追うのは危険ですね。君も今、体験したでしょう?
彼の影は武器。周囲にあるモノを利用し、攻撃してくる。
それに、この逃走は―」

「罠の可能性もある……そう言いたいんだろ、相棒。」

灰島の言葉にミカエルは微笑んだ。
そして、灰島の懐から現われた鳥形の偵察機を見つめる。

「頼んだぜ。」

偵察機はジョージの影を追跡する為に、飛び上がっていく。
灰島は携帯画面でそれをリンクさせながら、単車に跨り追跡を開始する。

「ミカエル、あいつの情報は調べれそうにないのか?
たとえば、シンシン刑務所との関係とかさ。」

「残念だが、情報ソースが少ないですね。
私の能力は、便利ですが万能ではありません。
もう少し、調査が必要です。」

ミカエルの言葉に対し、灰島は仕方無さそうに頷く。
記憶を知る為には、異能に直接触れるかまたは記憶に関する
情報、つまりは「記憶の鍵」を得なければならない。
最初から、ミカエルの中に全てがあるわけではないのだ。



【偵察機(鳥バード2号)にジョージを追跡させながら、ホンダズーマー(単車)で
尾行開始】


31:よね ◆0jgpnDC/HQ
10/08/07 18:47:11 P
米コウタは躍動感を感じていた。
ワーストと呼ばれる強敵の存在、そして待ち構えるそれらとの戦闘。

とにかく一旦、ドルド・プラチナへ戻ることにしたよね。
だが、そのよねは普段のよねとはまた違っていた。
その違いとはスタンド使いのみが知ることのできる違い。
そう、よねは常にスタンドを発現した状態でドルド・プラチナへと向かっているのだ。

(これなら"ワースト"とやらもすぐにこちらの存在にも気付くハズだ…)

スタンドは一般人には見ることも触れることも出来ない。
つまり、よねはスタンドという餌でワーストを釣ろうとしているのだ。

本来ならば愚行であるとよね自身も嘲笑するだろう。
しかし、そんな正常な判断も出来ないほどによねは苛立ちを感じていたのだ。

何一つスリルのない日常。それは九頭との闘いに明け暮れた日々に比べればとんでもないほど退屈なのだ。
そして何よりよねに苛立ちを感じさせたのはその日常こそが本来の日常であったという事実。

(埋まらない…満たされない…このスキマは…)

よねは奥歯をぐっと噛み締めるとドルド・プラチナへの道を足早に抜けていった。

―その頃、病院にて

【さて、そろそろ行かないとなりません。そろそろ看護婦の方と交換した面会時間も終わっちゃいますからね。
 綾和さん。貴方からは今もなお微弱なスタンドエネルギーが感じ取れます。

 貴方も標的になる可能性は十分にあります。どうかお気をつけて】

『ああ…ありがとう。君のおかげで、私も早く退院できそうだ』

窓際に立つハマに向けてギプスで包まれた腕を見せる綾和。
ハマはそれを見てにこやかに笑うと、窓から飛び出した。

(【よねクン…バランスが崩れてきている。今の彼なら無謀な行動にも簡単に打って出てしまう…ッ】)

ハマはそう思うと、道行く未知の人にさりげなく右手をぶつけ、スタンド能力を発動した。

(【青い帽子を被ったメガネの少年を知っていますか。この"快感"と交換に教えてください】)

人は誰しも快感に弱いものだ。偶然、よねの事を知っていたその人は快くよねの事を教えてくれた。
ハマがよねの歩いていった方向のことを知ると同時にその人は小さな喘ぎ声をあげた。

----------------------------------------------------------
よねはドルド・プラチナへ向かっています。
ハマもその後を追うように移動。

32:布良 ◆1KCFGbYFSs
10/08/07 23:32:58 0
>>29
目的はあれど行く当てがないというのは、実は割りと人の心を磨耗させる。
その事実に布良が気がついたのは、歩き始めてからほんの数分の事だった。
コンビニでアイスでも買って帰ろうかナァ、と早くも決めた意志が折れ曲がりかけながら、交差点を歩く。


(…………!)

瞬間、ゾクリ、と冷たい何かが背筋を走った。

「……んに?」

だがその感触は、ぽに、とした、訪れた感覚からは程遠いほどのどかなものだった。
小学校の時に体育の授業で使った、やわらかいゴムボールが一番近いだろうか。
振り返ると同時に、男の手が布良の頭に触れた。

>「君…かわいいね。よしよし」

(…………)

その声と仕草を受けて、妙な嫌悪感が体を走る。
即座に思いついた三つの選択肢から、どれを選ぶか彼女の脳は既に吟味を始めていた。

1:大声で「痴漢だぁぁぁーっ!」と叫ぶ
2:無言で睾丸に蹴りを叩き込む
3:「うふふ、ありがとうございます」と偽りの笑顔でこの場をやり過ごす

よぉし二番にしよう、と足を軽く浮かせた所で、体が止まる。

(私は今、ある程度の警戒をしていた……のに)
(何をされたかまったくわからなかったし、何時近寄られたのかもわからなかった……んだよね)

それは単純に、実戦経験の差として現れたものなのかもしれない。
男はそのまま去ろうと行く……しかし。

「…………んー、何か気になるなぁ、気になるよ」

勘違いかもしれないが、特にやる事もない。
ならば、試してみる価値はあるのかもしれない。
どうせ相手は年頃の婦女子の頭に勝手に手を置く変態だ、何をしても構わないだろう。
失礼な思考のまま、布良はその男の後姿を追うことを決めた。

【ジョージさんを追跡開始】
【わかりやすく着いていくのでスタンド使うとばれるかも】

33:ジョージ ◆BhCiwB2SCaJ5
10/08/08 15:55:18 0
>30>32
曇りがかった空はシャドウクイーンの輪郭を奪いスタンドの力を弱体化させている。
おまけに数分前に受けたレディ・ジョーカーの攻撃で体はボロボロ意識は朦朧。
布良の追跡にも気づくこともなくジョージは大通りに出る。

「…な、なんか…変だぜぇ…」
大通りは近くの交差点で起こった事件のために交通規制がしかれており、タクシーを拾うことは困難なようだ。
ジョージから見て、通りの右側を行けば橋。左側を行けばドルド・プラチナのある交差点。
騒がしくなっている方向へ行けば仲間のスタンド使いに会えるかも知れなかったが、
もしも騒ぎの原因がアホのリタだったとしたら仲間と判別されずに殺されてしまうかも知れない。
(リタはすでに旧市民会館に移動しています)

「痛ッ!」
ジョージは携帯であわただしく会話しながら歩く女(佐藤さん)と肩をぶつけひっくり返る。
体勢を崩して空を見上げるジョージ。空なんて見るのは久しぶなジョージだったが空に飛ぶあるものを見つけた。
灰島の小型偵察機(鳥バード2号)。それはジョージのまわりの空をくるくると旋回している。

「まさか…あの探偵の?」
ではなかったとしても、ただの子供イタズラだったとしても自分の頭の上をトンビのように飛んでいるものは鬱陶しい。

「くそ!ぶっこわしてやる!」
ジョージは地面の影を探した。太陽が雲に隠れているため影はぼんやりしていて探し辛かったのだが
突然、偵察機の影は浮かびあがるように陰影の輪郭を強める。雲が晴れたのだ。

「うっりゃやぁああぁぁーーーーーっ!!」
シャドウクイーンの蹴りが偵察機の影を蹴り飛ばすと偵察機もペーパークラフトのようにぐしゃぐしゃに潰れる。

「む!?」
偵察機の墜落を確認して安堵したジョージは自分を丸い目で見ている少女に気がついた。
さっき仕留め損なった少女。火乃環・布良。

「おまえも…異能者だったか…」
照りだした太陽。布良を睨みつけるジョージ。
木陰の下の布良の影を木の枝の影で縛りつけるシャドウクイーンの異能。

遠くから聞こえてくるバイクの音。ホンダズーマーに跨り接近してくる灰島。

「ちっ!灰島かぁーーーーー!!」
白目をむき叫ぶジョージ。射程半径10メートル以内の無生物の影はジョージの操り人形と化す。
ホンダズーマーはコントロールを失って民家の塀に激突した。粉々に吹き飛んでいる塀の石。

「こうなったらとことん勝負してやるぜ!
コーナーに追い詰められたボクサーの底力を見せてやるぜぇ!!」

【布良さんの影を木の影で縛っています】【灰島さんはホンダズーマーごと塀に激突させました】

34:布良 ◆1KCFGbYFSs
10/08/08 18:35:12 0
>>33
けたたましいサイレンの音が嫌でも耳に入ってくる。

(何かあったのかな……? 救急車とパトカーがやたら多い感じ)

しかし、現在の布良の目的はあくまで目の前の男を追うことである。
当然、素人の女子中学生の行う事なので、プロの目から見ればとても尾行と呼べるような動きではない。
それでも男は何かに気を取られているのか、布良には気がついていないようだった。

(って、あれぇ?)

途中、道行く女性とぶつかって、あろうことかそのままごろんと地面に倒れこんでしまった。

>「くそ!ぶっこわしてやる!」

しかも何か叫びだした。

(不味い、本格的に頭のおかしいタダの変態だったのかもしれない……)

このまま何も見なかったことにして帰ろうかなー、と思った矢先、それが起きた。

――『影が動いた』

(……何?)

一瞬見間違えがとも思ったが、確かに影が伸びて、空を舞っていた―布良は意識していなかったので気がつかなかったが―何かの影に触れる。
瞬間、『現実のそれ』がぐしゃりと音を立てて壊れる。

>「む!?」

最悪な事に、それに気を取られた布良は、男と目があってしまった。
一瞬で凍りつく空気に、一歩後ずさろうとした、が。

>「おまえも…異能者だったか…」

体が動かない。
正確には、何かで縛り揚げられている感触がある。

「嘘……なにこれっ!」

視線を動かして周囲を確認すれば、その違和感は目の取れた。
木々の枝、その影が、『布良の影を縛り上げている』

(よくわかんないけど……私の『フレイム・パニック』みたいな力なんだ……!
 影を操って、影に与える影響を、本人にも与える能力……!?)

先ほど顔にあたった感触は、この能力によるものか。

35:布良 ◆1KCFGbYFSs
10/08/08 18:35:55 0
>「ちっ!灰島かぁーーーーー!!」
>「こうなったらとことん勝負してやるぜ!
>コーナーに追い詰められたボクサーの底力を見せてやるぜぇ!!」

「冗談、最悪だよこんなの……!」

ただ、少なくとも相手はやる気らしい。

「……オジさん、女の子を縛り上げるのは……趣味悪いよっ! 『フレイム・パニック』!」

『URYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』

声と同時に現れた、燻る人型の炎のビジョン。
それは、布良の背後にある木へと、拳をたたきつけた。

(影で縛り上げられてるなら……影を無くせばいいんでしょうっ!)

フレイム・パニックの能力は『触れているものを炎へと変える』事だ。
『発火』ではなく『変化』であり、その精度は高い。
結果として、拳に接触した部位から広がるように、木は「炎」へと変化した。
物体であった木が「炎」になる事で、影を消失させ……

パチンッ、と布良が指を鳴らすと、その炎が拡散する。
後には消し炭すら残らない、完全なる消滅だった。

自らを縛る影を排除したことで、肉体の自由を取り戻す事はできた、が。

(……最っ悪だ、相手は『影を操れる』みたいだけど……私の能力は『炎に変える』事)

それは即ち。

(相手が利用できる『影』を増やしちゃう、何せ、『炎』を作れば作るほど『光源が増える』んだからさ……っ!)

『影』を作っている物体がそばにあるならば消滅させることもできるだろうが、『フレイム・パニック』が届かない位置から攻撃されたら抵抗の術がない。
それに「炎」に変化させた直後は、自分が最も光源の傍に居る、という意味でもある。
どっちにしろ、真正面から戦いたい相手ではない。

故に、布良の取った行動は……

「オジさん、止めようよ、止めにしよう? 少なくとも私に敵意はないよ、それとも、今みたいに「炎」になりたい?」

(本当は、生き物は『変化させられない』んだけどね……、でも、今の光景を目前にしたら、ブラフにはなる……)

【交渉を持ちかけて油断を誘う】



36:吉野きらら ◆HQs.P3ZAvn.F
10/08/09 01:29:01 0
> 「ヘイ彼女、俺と一緒にお茶withくんずほぐれつinモーテルしないかーい?」

吉野きららは人生を七日間で区切りはしない。
彼女のとって人生とは上り詰めるべき階段であり、そこに踊り場や腰を下ろすべき段などは無い。
故に今日も今日とて、彼女は常日と変わらず幸せを求めていた。
平時との違いと言えば精々、服装がチュニックワンピースに細身のジーンズに変わっているくらいか。

とは言え極最近、吉野きららは転機を迎えた。
最上級の幸せを、決して揺るがない『幸福への階段』を知った事である。
これまで追い求めてきた漠然とした、他者との相対的な幸せではなく、絶対的な幸せ。
それを知ってしまった以上、今までと同じ事ばかりを繰り返す日々に、彼女は焦燥を感じてもいた。

> 「ふん、まあいい。そろそろ本題に入ろう吉野さん。『あの時』の決着がまだ済んでないよなァァーっ!
>  あの時!九頭の前で!俺たちは袂を分かった!!―俺は九頭に下り、君は九頭に刃を向けた!」
>
そんな中で御前等の相手をしている余裕など、ある筈が無かった。
御前等が戦闘態勢を取ろうと、関係無い。
幸いにして彼女のスタンド『メメント・モリ』は、相手の視界や行動を阻害する能力に長けている。
差し当たり花弁の幕を張るか、或いは彼の眼前に陽光の花でも咲かせて離脱を図るか。
吉野の思考は既に、如何にしてこの場から離れるかへと向けられていた。

> 「聞け吉野さん!俺は今サイッコーに『幸せ』だ!何故なら俺は生きている!『九頭の遺志と生きている』ッ!!
>  君は俺の知る中で、唯一『九頭に届いた女』……君を超えなければ!『世界の中心』に辿り着くことは『不可能』ッ!」

だが御前等の一言が、彼女の思考を断ち切った。
吉野はあの時一瞬の迷いによって、一度は到達さえした『幸福への階段』を自ら崩さなくてはならなかった。
その彼女に『九頭に届いた女』などとは―皮肉を通り越して、侮辱だった。

> 「戦おう。俺たちにはそれが必要だ。君は他者の幸せを摘む為に。俺はそこから『道』を見出す為に!」

御前等の宣言など待たずして、吉野は『メメント・モリ』を発現する。
だがそれは単に憤慨に背を押されただけの、思慮も戦略も無い勢いのみの行動。
勇み一歩前に出て、彼女は御前等の罠を踏んだ事に気付かない。

> 「『アンバーワールド』ッ―!今度は君が落下系ヒロインになる番だぞ吉野さん!!」

瞬間、地面が消失した。
少なくとも吉野はそう錯覚した。
心臓が気味悪く高鳴り、景色が溶け落ちる。
再び視界が定まった時、彼女は遥か上空へと打ち上げられていた。
彼女の足元、『アンバーワールド』の制御下にあったマンホールによって。

「なっ……!?」

吉野の顔が苦く歪む。
高さにではなく、自らの失態に。
そしてその隙に、御前等は追撃の歯車を連射する。

(小癪な……! いえ、今はそれどころじゃありませんわ!)

強く、強く奥歯を噛み締めて、吉野は空回りする思考を断ち切った。
既に『二手』、彼女は御前等に遅れを取っている。
下らない挑発に激昂して一手、その失態を悔いる内に更に一手。
これ以上過去の過ちを振り返り、悔やんでいる暇はない。
眼前に迫る歯車を、そして自身を捉える重力の鎖をどうにかしなければ。
訪れるのは、死。
彼女が考える最大の不幸なのだから。

37:吉野 ◆HQs.P3ZAvn.F
10/08/09 01:30:06 0
「『メメント・モリ』ッ! 私に傘を! そして……」

だが彼女は当然、死を免れようとはするが。
一方で自分が不幸へ追い遣られる機会を求めてもいた。
その理由はかつての、九頭との邂逅。
あの時彼女は不幸を踏み台に、一時とは言え能力の覚醒を得た。

「……迫る歯車を弾きなさい!」

故に、彼女は下策に走る。
圧倒的にパワーで劣るスタンドで、敢えて真っ向勝負を仕掛けた。
歯車を弾く度に『メメント・モリ』の拳が裂ける。
必定、吉野の手からもまた鮮血が溢れた。
それでも歯車は凌ぎ切れず、一枚の歯車が彼女の持つ花の傘を貫く。
忽ち、一時はゆるりと遊覧飛行の態を示していた吉野は再び、自由落下の速度に囚われた。
そして五体を絡める重力の手に抗えず、真っ逆さまに地面へと落ちていく。
激突の寸前に地面に花を咲かせた事で落下死は免れたが―彼女の様を見て御前等は、どう思うだろう。

「……足りませんわね、全然」

花畑に悠然と両腕を広げて背を預けて不遜を呟き、
自らに試練を与えたと言えば聞こえはいいが、手抜きとも言える対応をした、
そのくせ御前等を俯瞰するような視線で射抜きながら立ち上がる、吉野きららに。

「はぁ……貴方の言う九頭の遺志とは、幸せとは、この程度の物なのですか?」

言いながら土埃の付着した服をはたこうとして、ふと彼女は手が血塗れである事に顔を顰める。
血痕が付かぬようわざわざスタンドに身嗜みを整えさせて、吉野は御前等へと向き直った。

「幸せを謳う事と、幸せである事は違います。
 九頭の遺志を謳うのなら、せめて私の片腕くらいは奪ってみせて下さいな」

吉野きららは、九頭に対して深い感慨などは抱いていない。
彼の死に際の言葉を彼女は聞いていないし、聞いていたとしても彼女は鼻で笑っていただろう。
彼女にとって九頭とは最後まで『自分が成長する為の無二たる糧』だった。

「もしそれが出来ないのなら」

であるが為に。
彼女が御前等へ向ける視線が孕むのは最早、敵意ではなく。
ただ単純に呆れと、期待外れの色だった。

「貴方はもう、おしまいですわ」

高慢に挑発的に口端を吊り上げて、彼女は御前等の体に花を芽生えさせる。


【ぶっちゃけ舐め腐りんぐ。花は開花する前に毟るなりすれば無害
 歯車を力任せに弾き飛ばしました。多分至る所に飛んでいったでしょう
 やっちまって下せえ】


38: ◆HQs.P3ZAvn.F
10/08/09 01:33:10 0
突然自分の左腕を掴まれて、マイソンは再び驚愕に包まれた。
何せこれまでの人生で、彼の腕を進んで掴もうとする人間など、皆無だったのだから。
徳井の手は力任せで強引だったが、それでもマイソンは嬉しかった。
実際の年齢よりも随分と幼げな表情が、ゆるりと和む。

>「よしよし、よーくわかったよ。お前さんの言い分も確かだな。“俺は君の情報が欲しい”から出来るだけ譲歩しよう。
>今だけお前さんへの『攻撃』も見逃してやるッ─ただ、俺は今から電話しなきゃなんねー。邪魔すんなよ」

だからこそ徳井が、あくまで『情報』が目当てである事を全面に押し出した時。
マイソンは僅かに目を細め、口を一文字にして不満の色を滲ませた。
けれどもすぐに頭を左右に振って、彼はその感情を振り落とす。
初めての人である徳井の言葉に、彼は酷く勝手に裏切られたような心証を懐いた。
が、生まれ持っての気弱さが却って、彼の理性を働かせたのだ。
彼が警戒するのは当然だ。これから信頼してもらえばいい。こうして接して貰えるだけでも十分だ、と。
故にマイソンは徳井に言われた通りに大人しく自制していた。
―今は、まだ。

>「……着信拒否すんなよお~~~いや…やっぱやめようかな…マジギレされたら多分、俺死ぬだろうし」

「……死んじゃダメですよ」

ともあれば徳井にも聞こえないかも知れない程に小さい声で、マイソンは呟いた。
そうして自分の腕を掴む徳井の腕に抱きつくように、自身の腕を絡めた。

>まさかあんた達こっちに向かってる?来るのは止めた方がいいわ。
>カフェと交差点は頭のおかしいスタンド使いのせいで血の海。あんたの隣にいる男が混乱に乗じて何かしてこないとも限らない。
>私はすぐ援護できる位置に控えてるからそいつの出方を伺ってみて。」

受話口から微かに漏れた佐藤の声に、マイソンは微かな反応を示した。

「……女の人? ……じゃなくて、何かあったんですか?」

マイソンは尋ね、そして同時に―『オンリー・ローリン・フォーリン』が笑った。
けたたましい哄笑を切欠として、一陣の風が吹く。

「嘘!? そんな、早すぎ……!」

マイソンは狼狽え―しかし彼はそもそも、自身のスタンドのインターバルがどれ程かなど知らないのだ。
同一人物に二度スタンド能力が働く事など、これまで無かったのだから。
それでも或いは、彼が『初体験』に浮ついていなければ。
ずっと接触している徳井に忠告くらいは出来たかも知れなかった。

が、もう遅い。
風は砂を高く巻き上げ、空き缶を徳井の足元近くに転がした。
地面は固く、近くには車道や放り捨てられて割れた空き瓶、様々な物がある。

もしも砂が目に入ったら。
空き缶を踏んでしまったら。
転んで頭の打ち所が悪かったら。
視界の利かないまま車道に転げ出てしまったら。
そうでなくても割れた空き瓶が後ろ首に刺さったら。

全てが、災厄となり得るのだ。

【ORF暴発
 でも傍から見たら攻撃を仕掛けたように見えるでしょう
 災厄は一人で、あるいは援護によって軽く凌いでくださって一向に構いません】


39:灰島 ◆lcCn/SJQ7.
10/08/09 08:24:17 0
>>33
追跡していた鳥バードの反応が鈍くなるのを感じ、灰島は訝しげに顔を傾ける。
この追跡機は探偵事務所の備品なので壊れると費用は灰島持ちなのだ。

「くそ……こんなとこで故障かよ。」

しかし、それは故障ではなかった。

>「うっりゃやぁああぁぁーーーーーっ!!」
>シャドウクイーンの蹴りが偵察機の影を蹴り飛ばすと偵察機もペーパークラフトのようにぐしゃぐしゃに潰れる

携帯への通信が途切れ、画面は真っ暗な闇へ変わる。
どうやら、鳥バードは何かのアクシデントで墜落したらしい。
それとも、相手に気付かれ破壊されたか。

「まさか……あんな空の上にまで攻撃可能なのか?
だとしたら……!!」

灰島は一計を案じ、懐を弄る。

>「ちっ!灰島かぁーーーーー!!」

突如、背後から凄まじい力が加わり灰島はバイクごと
壁へ向け叩き付けられる。
コントロールを失いながら塀へぶつかり衝撃音を上げる。

#######################################


灰島は、電柱の上にいた。
懐から取り出した鍵爪型のアイテムを看板に引っ掛け難を逃れたのだった。

「危なかったぜ……あんたの攻撃が広範囲だって気付かなきゃ、
今頃はあのバイクと共にお釈迦だったな。
しっかしよぉ……高かったんだぜ、あのバイク。」

>「オジさん、止めようよ、止めにしよう? 少なくとも私に敵意はないよ、それとも、今みたいに「炎」になりたい?」

もう1人、現場にはいたようだ。
生憎、今はジョージの興味はそちらへ向いている。
まだこちらには気付いていない。

「あの子も異能か?ったく……この街は異能者だらけだな。
道理で依頼も減らないわけだ。」

灰島はジョージに気取られないように背後へ近付く。
彼の職業は探偵。音もなく近付き、気配を消す事は
差程、難しいことではない。

「あんたが影を操るなら、俺はその影のように気配を殺して
近付くまでだ。

さぁ、射程距離……だぜ。」

【右腕を負傷、気配を殺しジョージに接近。2人のやり取りを伺う】


40: ◆jPpg5.obl6
10/08/09 16:52:48 0
>35>39
ジョージを追跡してきた妖しい少女はやはりスタンド使いだった。
木を炎に変化させたのだ。灰島たちの灼熱の炎しかり、今日のジョージは何かと炎に縁があるらしい。

タロットカードのThe Empressの逆位置は挫折、軽率、虚栄心、怠惰。
チャンピオンの夢破れて挫折。そのご怠惰な生活を送り、虚栄心を満たすために軽率に繰り返した殺人行為。
まさにカードの逆位置そのままのジョージの人生。

>「オジさん、止めようよ、止めにしよう? 少なくとも私に敵意はないよ、それとも、今みたいに「炎」になりたい?」
布良の言葉にジョージは口元を醜く歪め、笑顔を見せる。

「敵意ならオレもないぜお嬢さん。殺意はあるがな。それに今の炎はスタンドに叩かれた木に発現したように見えた。
オジさんは元ボクサーだったから相手の動きやテクニックや癖みたいなものには、と~っても敏感なんだ。
木を叩いたこと自体がフェイントだったとして、遠距離攻撃は出来ませんと見せかけるための小賢しい芝居だったと考えてみても、
自分から、この位置関係でもオジさんを炎に変えられるとばらしてしまったら、その意味はなくなるんじゃねえか?
とどのつまり、気をつければいいのは君のスタンドの拳のみ。
ま、本気で脅すつもりならその位置からオジさんの服に少し火をつけるとかしてみたらどうかねぇ?」

あごから汗がぽたりと落ちる。ジョージも半信半疑だったが布良のスタンドは近距離パワー型とふんだ。
あとは投擲や仲間の援護に気をつけながらシャドウクイーンによる得意のアウトボクシングで決着をつけよう。
ジョージがそう考え距離をを取るために少し後ろにさがると、どんと男にぶつかった。

「灰島!!いつのまに!!」
ジョージが振り返れば、そこには右手を負傷した灰島が仁王立ちしている。

「…くっくっく…オレの負け…か?いや違うぜ。ここは引き分けだ!いや!オレの判定勝ちだ!!」

バタバタバタバタ!近づいてくるマスコミの報道ヘリコプターの音。
交差点で起きた事件の映像を録るためにかなりの低空飛行だ。
強い陽射しのためアスファルトにはくっきりとした陰影が浮かびあがっている。
そのヘリコプターの影はジョージたちの場所まであと30メートルほどで接触する。

「くっくっくっけーーーーーっ!!」
(あのヘリのプロペラの影にシャドウクイーンの能力を発動させ、こいつらをまとめて粉微塵にする!)
シャドウクイーンの射程内に入るヘリコプターの影。
発動された能力によってプロペラの影はアスファルトの上の灰島と布良の影を引き裂かんと接近する。
まるで巨大な電動ノコギリに襲われるような人間の影たちの光景に狂ったように喚いているジョージ。

「粉々に砕けて生贄になれーーっ!!」
ジョージは自分の肉体もろとも二人を粉微塵にするつもりだった。もとから気にいらなかった肉体。
それに肉体はなくなっても自分のディスクは残る。
再び適合者が見つかるまでに何十年かかったとしてもディスク状態のジョージには関係のない話。

【布良さんと灰島さんの影にヘリコプターのプロペラの影による巨大電動ノコギリみたいな攻撃】

41:ジョージ ◆BhCiwB2SCaJ5
10/08/09 16:56:07 0
トリップを打ち込む途中に指がタタタンっなって送信してしまいました。

42:布良 ◆1KCFGbYFSs
10/08/09 18:01:58 0
>>40
>「敵意ならオレもないぜお嬢さん。殺意はあるがな。それに今の炎はスタンドに叩かれた木に発現したように見えた。
オジさんは元ボクサーだったから相手の動きやテクニックや癖みたいなものには、と~っても敏感なんだ。
木を叩いたこと自体がフェイントだったとして、遠距離攻撃は出来ませんと見せかけるための小賢しい芝居だったと考えてみても、
自分から、この位置関係でもオジさんを炎に変えられるとばらしてしまったら、その意味はなくなるんじゃねえか?
とどのつまり、気をつければいいのは君のスタンドの拳のみ。
ま、本気で脅すつもりならその位置からオジさんの服に少し火をつけるとかしてみたらどうかねぇ?」

「…………」

図星である。
正確には殴る必要はないが、少なくとも布良本人かフレイム・パニックが対象に接触している必要がある。
そもそも生物は変化されられないのだが……

(相手の影が私に触れるより先に、あのオッサンに拳を叩き込む……出来る?)

布良の50m走タイムは、女子としては早いほうではある。
フレイム・パニックの射程距離も考えれば、ほとんど数秒だろう。
だが、恐らくその数秒で、致命傷を受ける―

(……ん? 影?)

相手は影を操り、影を攻撃してくる。
影に与えた影響を本体にも及ぼす……そういった能力だろう。

(もしかして……)

ぱっと思いついた対処法だが、それを行うと、自分も相手を攻撃できない。
というか、完全に無防備になってしまう。
                     、 、 、 、
フレイム・パニックの能力を使った最終手段は……こんな街中で使いたくない。

(……あ)

じり、と相手が一歩後ずさる。
その背後に、一人の男が立っていることに、布良もそのとき気がついた。

>「灰島!!いつのまに!!」

男の知り合いだろうか、右手を負傷しているらしい彼……灰島は、少なくとも、男に害する存在のようだった。

>「…くっくっく…オレの負け…か?いや違うぜ。ここは引き分けだ!いや!オレの判定勝ちだ!!」

「!」

叫びと同時に頭上を見上げると……
近い―といっても手を伸ばして届く距離ではまったくないが、ヘリコプターが接近してきていた。


43:布良 ◆1KCFGbYFSs
10/08/09 18:02:39 0
(……ウソでしょ!?)

ヘリコプターそのものに何かしたわけではないのだろう。
だが男の武器は『影』で、高速回転するプロペラの影は、鋭利な刃と同じだ。

「――っ! おじさん! 伏せて! べったりと!」

人間の足で、空を飛ぶヘリコプターの速度からは逃げられない。
ましてどう逃げたところで、気をつけるべきは自分の『影』だ。
影の移動先まで計算する事は、布良には出来なかった、故に。

べたっ、と彼女は前に向かって、数歩全力で歩みを進めてから、飛び込むようにして、寝転がった。
皮膚全体を地面に密着させるようにして、べったりと体がくっつくように。

次の瞬間、ヘリコプターがばらららら、と音を立てて、その場を通過していった。

ぴしぃ、と鋭い刃に切り裂かれたのは、プロペラの『影』は倒れた布良の胴体部を通過していった。
服の一部や髪の毛、といったものが散ったが、それ以上、目立った外傷が見当たらない。

男の後ろに居たおじさんはどうなったろうか、気になったが、とりあえず布良は勝ち誇ったように言った。
                                     、、 、 、、 、 、 、 、、 、 、 、 、 、 、、、
「影に攻撃するなら―影を作らなければいいんだよね? ぴったり壁に手をついたら影はできないもん」

攻撃に利用できる『影』の傍に近寄らない事か、対象となる自分の『影』を消してしまう事。
布良が選んだ選択肢はそれだった。

影として存在している部位を極力減らす、影響を受けるとしても、それこそ体そのものが『影』となって『影』を傷つける事が出来ない。

「ちょっと恰好悪いし、何より服が汚れたけど――ま、命には代えられないよね」

【攻撃回避、射程内、周囲の様子を確認してから次の行動】

44:灰島 ◆lcCn/SJQ7.
10/08/09 20:17:38 0
>>44
右腕から血が滴りながらも、灰島は強がりの笑みを浮かべる。
どうやら、彼女は敵ではないようだ。
そして、彼女もまた【スタンド使い】。

>「灰島!!いつのまに!!」
>ジョージが振り返れば、そこには右手を負傷した灰島が仁王立ちしている。

「悪いな……俺は諦めが悪いんだ。あんたが根を上げるまで、
俺はあんたを追うぜ。それによぉ……さっきのバイク代。
それに偵察機。随分とやってくれたな……!!」

拳を握り、スタンドを発現させる。
漆黒のスタンド、レディ・ジョーカーだ。
しかしジョージはそれを余裕の笑みで返した。

>「…くっくっく…オレの負け…か?いや違うぜ。ここは引き分けだ!いや!オレの判定勝ちだ!!」

「ちっ!!ミカエルッ!!」

ミカエルを呼ぶが、応答が無い。
どうやら、射程距離を離れてしまったようだ。
彼の能力と「リンク」しなければ灼熱の記憶は発動できない。
つまり、今の彼には自分自身の力しか頼るものはないのだ。

>シャドウクイーンの射程内に入るヘリコプターの影。
>発動された能力によってプロペラの影はアスファルトの上の灰島と布良の影を引き裂かんと接近する。

「……この音。まさか…っ!!」

上を見上げる。そこには巨大なプロペラ音で吼える怪物がいた。
普段は何の気もなしに見ているそれは、今は脅威の破壊者に映る。

>>43
> 「――っ! おじさん! 伏せて! べったりと!」
「お、おじさ…ん?ちょ、おまっ!!」

少女の声に導かれるように灰島も地面へ伏せる。
一瞬、帽子が宙に舞い真っ二つに切り裂かれる。
間一髪、灰島自身は身を伏せる事に成功したのだった。
自らのスタンドでジョージと自分の体を地面に叩きつけた為、多少擦り傷や
鼻血などは出たが外傷はなさそうだ。

>「影に攻撃するなら―影を作らなければいいんだよね? ぴったり壁に手をついたら影はできないもん」

「なるほどな……頭が良いな、お嬢ちゃん。」

真っ二つに裂かれた帽子を見つめ、灰島はジョージの姿を見据える。
「あんたが殺人鬼だってのは、ミカエルの半身が触れた時に感じた。
どうして、そうなったかは分からないが……1人殺せば1つの人生を壊す。
あんたはその手でいくつの人生を壊してきた?
俺はあんたが死ぬなんて許さないぜ……必ず、その力を壊して―警察へ突き出す。」

ジョージと体を密着させ、ゼロ距離からのパンチを放つ。
「オラァアアアッ!!!!」
2人の影が重なり合い、それは完全に同化した。
相手の戦意と体力を一瞬で奪う技。

【ゼロ距離から攻撃、あくまで灰島は刑務所の件を聞き出すつもりです】

45:ジョージ ◆BhCiwB2SCaJ5
10/08/09 22:54:59 0
>42-44
シャドウクイーンの射程内でヘリコプターのプロペラの影がぐわんぐわと暴れ狂う。
時間的にはヘリコプターとの接触は数秒の出来事であったのだが最初に襲われたのは布良。

>「――っ! おじさん! 伏せて! べったりと!」布良は叫ぶ。
先ほど木を燃やし木の影を消してシャドウクイーンの呪縛から逃れた少女は
すでにジョージのスタンドの特性を理解しているようだ。今度はその身を地面に密着させて対象となる自分の『影』を消す。

「なぁにぃー!!」
自分の体をフタにして影を消す。それは傍から見れば少しマヌケな姿に見えなくも無いのだがシンプルかつ合理的な回避方法であった。

そしてジョージ自身にも理解不能なのだがスタンドという物には特定のルールがあるらしく
人間の身に付けているものなどの影は無生物であってもジョージに操作できなかったりする。
そこは一括りに「人」と言う生き物として扱われているのかも知れない。
(植物などは微量の抵抗はあるが操作でき動物などの自分の意志を持って動けるものは操作出来ないに等しい)

>「なるほどな……頭が良いな、お嬢ちゃん。」
布良の言葉で灰島も地面にぺたりと身を伏せる。

「なんだよっ!これじゃ意味ねーぜ!」
ジョージはプロペラが灰島を襲う前にスタンド能力を解除した。地面にぺタリこんだ灰島をただのヘリの影が通過する。

地面に仲良くぺタリこんでいる布良と灰島。スタンド能力は解除しているのでジョージも立ったまま生きている。

>「ちょっと恰好悪いし、何より服が汚れたけど――ま、命には代えられないよね」

「きっさまら~」ジョージの影の中から漆黒の人影がゆっくりと浮き出てくる。

それはシャドウクイーンの真の姿だった。

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

>「あんたが殺人鬼だってのは、ミカエルの半身が触れた時に感じた。
>どうして、そうなったかは分からないが……1人殺せば1つの人生を壊す。
>あんたはその手でいくつの人生を壊してきた?
>俺はあんたが死ぬなんて許さないぜ……必ず、その力を壊して―警察へ突き出す。」

「くっくっく…警察へ突き出すだと?突き出したきゃ勝手に突き出してみな…」

ニヤリと笑うジョージの視線は灰島ではなく通りの向こうを歩く人影を見ていた。

>「オラァアアアッ!!!!」

「うりぁやぁあぁあーーーーっ!!!!」

ドグシャァッ!!

レディ・ジョーカーの攻撃はシャドウクイーンのカウンターを難なく上回る。
2人の影が重なり合い一つになると、ジョージの戦意と体力が一瞬で奪われた。
次の瞬間、ジョージの傾いた頭部から花火のように飛び出す二枚のディスク。
それを通りの向こうを歩く人影がこっそり受け取りどこかへ歩いてゆく。

「…ここは…どこだよ?」
その場に残ったのはジョージの抜け殻。殺人犯でもあるボロボロの久本譲治だけだった。

【ジョージ:ディスクに戻る。ディスクを受け取った謎の人影はこれと言って誰と決まっていませーん】

46:徳井一樹 ◆MnJrk02a/Yx.
10/08/11 18:14:08 0
>まさかあんた達こっちに向かってる?来るのは止めた方がいいわ。
>カフェと交差点は頭のおかしいスタンド使いのせいで血の海。あんたの隣にいる男が混乱に乗じて何かしてこないとも限らない。
>私はすぐ援護できる位置に控えてるからそいつの出方を伺ってみて。」

着信拒否どころか怒ってすらいない。どういうことだ、と
徳井は首を捻ったが、あまり深くは考えず“ラッキー”程度に考えた。

「ああ…今、まさに死に掛けた。……は?別のスタンド使い?
なんだそりゃ…スタンド使いのバーゲンセールかァ~~ッ?冗談じゃあねーー
出方、ね。オッケーオッケー。まあ、任せとけよ」
話を終え、通話ボタンを切ると肝心の情報提供について話すのを忘れていたことを思い出した。
自分の間抜けさに少し呆れたが出方を伺うことに変わりはない、と開き直る。

>「嘘!? そんな、早すぎ……!」

唐突に、マイソンの声と同時に、風が砂を巻き上げ、徳井の足元に空き缶が転がった。
サングラスをかけていたのが幸いして砂が目に入るということはない。

─が、空き缶を踏んづけ徳井はギャグマンガのように派手にスッ転ぶ。

転ぶ先には、空き瓶の破片。このままだと後ろ首に刺さりかねない。
かといって今無理矢理避けるような、万全の状態でもない。
徳井は何もせずそのまま空き瓶の破片がある地面に転ぶ。

「うおおおおおおおおくっ…首がァァ……」

「“ある”ッ!」

地面から起き上がり、何事もなく首をくるりと一回転させる徳井。
首は縦半分にぱっくりと裂け、血は出ていないものの向こう側の景色が見える程傷口は大きい。
─否、徳井自身が『開いた』のだ。

「セイヴ・フェリスで首を縦半分に切開した。瓶の破片は切開内を“通った”だけにすぎねー。
だけど超イラつくぜェ~~~ッ!“再び”か?“再び”なのか?3度目もあんのかよ?」

熱した鉄のような憎しみを込めた顔つきでマイソンを見据える。
しかしその表情もすぐに和らいだ。

「まっ……!いいよ………故意でも偶然でも………
許してやろうじゃあねーか…………寛容な精神で………!」

即座に、脳裏に“ぶっ殺す”という単語が浮かんだが
貴重な情報源という有用性を考えれば、その思いもすぐに踏み止まることが出来た。
それよりも問題は情報を聞きたくても自分の身に『災厄』が降り注ぐことだ。
なによりもまず、この災厄から身を護る盾を手に入れなくては。
自分のすべき行動を整理すると、『セイヴ・フェリス』を発現させ徳井はつかつかとマイソンに歩み寄っていく。
─そして対峙したマイソンの額に、全力でデコピンを食らわせてやった。

「やっぱ、腹が立つからそれでお相子な。で……お前の能力………
二度も食らってやっと理解したが、お前と関わる奴ほど不幸になって死ぬような出来事が起こるんだな?
…──だが俺には関係ないぜ……おしゃべりの最中はともかく、“移動中”に関せばな」

徳井がそう言い放った後、セイヴ・フェリスが徳井の背中を切開した。
中は青黒い謎の空間が広がっている。広さもよくわからない。

「俺の能力、逃げることと敵をバラす以外にも使い方があるんだよね~~~実は」

背中が裂けた着ぐるみ状態の男が、自身有り気に不敵に微笑んだ。

※    ※    ※

47:徳井一樹 ◆MnJrk02a/Yx.
10/08/11 18:34:57 0

「やっと見つけた……チクショーもうちょろちょろと動き回ってんじゃあねーよ……
探すのに手間取っただろうが……いや…今思えば佐藤さんに探してもらえばよかったか…」

ここまで来るのにかれこれ20分はかかっただろうか。
落下した電柱が直撃した時に思った以上に背中を痛めたらしく
ナメクジのようなスピードでノロノロとしか歩けなかったが。

─後は、この行動が徒労に終わらないことを祈るばかりだった。

「なあ……よね君……」

徳井が地面にへたり込むと、背中から蝉の抜け殻のようにマイソン・デフューが顔を出した。
その姿によねは大なり小なり驚きの声をあげたかも知れない。
あげずとも驚いたかも知れないが。

「切開した中身は俺のセイヴ・フェリスが任意で異空間を生み出せる……
まあ…滅多に使わないがよー…閉じればそこは隔絶された場所で…文字通り誰とも関与できない……
そして俺に降り注ぐ不幸にもインターバルはあった…そのインターバル中に空間内にこいつを放り込めば……
不幸はおきない……!だってそりゃあそうだよな………文字通り誰とも関わってないんだから…!」

誰に頼まれた訳でもなく、一人でべらべらと解説を始める。
スタンドエネルギーも限界に近く体もボロボロの男がよくここまで喋れるな、と関心されそうなくらいだ。
何よりこれが映画で徳井が映画の役者ならギャラは出ないが現実にギャラは出ないのだ。

「えーと……とりあえずフェーズ2使ってくれるかな?
じゃねーと…俺も君もお陀仏だぜ…いきなり空からロードローラーが落っこちてくるかもしれねー
詳しい説明は後だ。とにかく俺の背後にいるヤツと関わってると不幸になる」

出方を伺うのでの字も忘れた男の考えは、つまりこうだった。

災厄が身の回りの物質によって引き起こされるのなら、
周囲の物質が全く動かない静止した場所ならどうなるのか?である。
少なくともかなり防げるはずだ。しかし机上の空論では結果は分からない。
論より証拠、それに徳井にとって賭けであり、冒険であるのだから。


【よねさんに仕事要請。徳井は出方を伺うことを忘れてます。
フェーズ2によって防げるかどうかは、吉野さん次第で】

48:よね ◆0jgpnDC/HQ
10/08/11 23:08:30 P
上機嫌に街路を往くよね。
ドルド・プラチナへと続く道をスタンドを出しっぱなしで歩き続ける。

勿論、よねが探すのはスタンド使い。
少し歩いては立ち止まり周りを見渡し、また少し歩いては…と繰り返していた。
何度かそのループを繰り返した時だ。視界の中に明らかに浮いた男が居た。

「徳井…さん?なんか疲れてるみたいですが、大丈夫ですか?」

浮いた男の正体は徳井だったが、どう見ても様子がおかしかった。
その足取りはフラフラとまるで"何か重い物でも背負って"歩いているかのようだった。
よねには普段からおちゃらけた感じの徳井の顔が、引きつって見えた。

急に徳井がスタンドについて話し出した。
一通り聞くと、

/「えーと……とりあえずフェーズ2使ってくれるかな?
/じゃねーと…俺も君もお陀仏だぜ…いきなり空からロードローラーが落っこちてくるかもしれねー
/詳しい説明は後だ。とにかく俺の背後にいるヤツと関わってると不幸になる」

「フェイズ2をですか…わかりました」

よねは、ではと言ってから徳井から少し離れた。
幸い近くに一般の人間もそんなに居なかった。

「Sum41!Phase2ッ!全ての物理運動は"停止する"ッ!」

よねの足元から瞬時に黒い、影のような円が広がる。
やがてそれは徳井自身に触れて広がりを止めた。

「とにかく、何かやばそうですね。この"領域"の中なら空からロードローラーが降ってくる事もありませんよ」

よねはまず自身が円の中に入り、その後に徳井を手招きするように呼んだ。

―その頃、ほんの数分前までよねが歩いていた道の上。

【"嫌な予感"がしてならない…既によねクンはワーストと接触してしまったのか…?】

ハマは一旦辺りを見回すが、そこによねの姿は見えない。
ここには居ないなとハマは思うと、足早によねの歩いていった道を辿っていった。

49:灰島 ◆lcCn/SJQ7.
10/08/12 00:18:23 0
>>45
勝負が決する寸前、ジョージは不敵な笑みを浮かべた。
それは敗北からの無力感からか?それとも―別の何かか。
>「くっくっく…警察へ突き出すだと?突き出したきゃ勝手に突き出してみな…」
>ニヤリと笑うジョージの視線は灰島ではなく通りの向こうを歩く人影を見ていた。

「あぁん!?テメェ……何言って」
>次の瞬間、ジョージの傾いた頭部から花火のように飛び出す二枚のディスク。
>それを通りの向こうを歩く人影がこっそり受け取りどこかへ歩いてゆく。

再び灰島の目の前に出現した”ディスク”。それは
ジョージの体を離れ、何者かの元へ向かっていった。
すぐさま、懐から発信機を取り出しその人物の背中へ放り投げる。
その正体を確認するべく、通りへ走ろうとするが
既に時遅く……そこには誰もいなかった。

>その場に残ったのはジョージの抜け殻。殺人犯でもあるボロボロの久本譲治だけだった。

「しらばっくれんな!!テメェが連続殺人犯だってのは……俺が!!」

久本の首を掴み、叫ぶ灰島。しかし、違和感が全身を走る。
この男、さっきまでの雰囲気とまったく違う。
まるで別人のように感じる。先ほどの少女に向き直り、仕方なさそうに名刺を取り出した。

「悪いな、お嬢ちゃん。俺は灰島秀一、私立探偵だ。
今回は面倒な事に巻き込まれちまったが、君の力のことは
誰にも言うつもりはない。また、何か困った事や依頼があれば
遠慮なくここまで連絡してくれ。」

名刺を渡しながら、携帯で警察署へ連絡をする。
この男を引き取ってもらう為だ。


##############数分後#######


パトカーが到着し、その中から2人の警官が降りてくる。
その内の1人は、1部で久留家に迷い込みかけた新米警官・小栗くんである。
「いやぁ、探偵さん!こいつ、連続殺人犯っすよ!
まさかあんたが捕まえるなんて、マジビビったッスよ!」

「あれ?高寺さんはどーしたんだよ。お前らだけか?」

小栗は久本に手錠をかけながら捜査資料を取り出す。
そして、それを灰島に手渡しながら事の成り行きを説明した。

「最近、また神隠しが起きてるんッスよ。それで、高寺さんは
そっちの捜査が忙しいらしいんで。俺たちも毎日、夜の見回りで
クタクタですよ!あ、その資料渡したのは高寺さんの指示なんで。
俺は関係ないっすから!」

資料を見つめながら灰島は物思いにふけていた。
あのディスク。ワースト。何か引っ掛かる。
前にも、何処かで。自分が見た覚えがある。
いや、もっと重要な意味がある。そんな気がするのだ。
失くした記憶の中に、その答えがあるのだろうか?

【・久本は警察へ引き渡す。
・布良へ名刺を。・発信機をディスクを奪った人物へ。
・ディスクの存在と自らの過去に何かを感じる】

50:佐藤ひとみ ◇tGLUbl280s
10/08/12 13:27:11 0

>33
交差点を中心に一斉に活動を始めた謎のスタンド使い達。
自分に襲い掛かってきたスタンド能力を持ったカラス…『死の運命』を齎すスタンドと何か関係あるのでは…?
半ば勘に基づく推察を胸に抱き、徳井の遭遇したスタンド使いを監視する為現場に向かう佐藤ひとみ。

>「痛ッ!」
携帯片手に早足で歩を進めるひとみは肩に強い衝撃を感じてよろめいた。ぶつかって来た男がひっくり返っている。
「ごめんなさい!悪いけど急いでるの!」
スタンドシートは徳井の側に要る少年のスタンドの射程距離を読む為に使っている。
幸か不幸か男がスタンド使いだと気づくことなくひとみは再び歩き始めた。

>46 >47 >48
徳井とスタンド使いである男子高校生。
彼等の位置から死角となる壁の横に立ち、上空に飛ばしたフルムーンからの視点で二人の動向を伺うひとみ。
スタンドシートには少年を表すマーカーとスタンドの射程距離が映し出されている。

>「嘘!? そんな、早すぎ……!」

驚きの声を上げる少年の背後に歯をむき出して笑う骸骨形のスタンドが顕れる。
フルムーンの眼にはスタンドと別に徳井の周囲を取り巻く灰色の靄が見えていた。

風に乗った灰色の靄は空き缶を徳井の足元に転がしていく。ほぼ同時に分離した靄が側を通る車のタイヤに絡みつく。
タイヤに付いた靄は路面に落ちていたガラス瓶の欠片を空き缶の側まで弾き飛ばした。
直後、歩き出した徳井は空き缶を踏んづけ大きく体勢を崩し地面に倒れ込む。
上空から見る徳井の首には彼自身が切開したであろう大きな切れ目が見えた。
切れ目の中には靄が弾き飛ばした鋭いガラス片が…。

「ふーん…なるほど…恐らくあのスタンドは取り付いた者に『災厄を齎す』スタンド…。
あの灰色の靄が不幸を運ぶ『災厄の風』って訳ね…。
そしてあいつの意外そうな反応…あいつはスタンドを完全に制御できていない…?」

ひとみは呟く。

ここに来るまでの間シートには少年のスタンドの射程とは別に点々と煙のような不定形の色域がいくつか表示されていた。
大小濃淡を備えたそれらの色域の正体がこの靄であったことに思い至る。
靄が同時多発的に複数の場所に現れていたことを考えると、このスタンドの『災厄』の対象は一体に限定されない。
何らかの発動条件満たし災厄をセットされた者が靄に取り付かれるのであろう。
そして現在徳井に取り付いている靄が次第に濃くなっていく様から推察すると
靄の大きさは『少年と接触を持った時間』に比例する…?

ひとみは少年のスタンドの正体にアタリをつけると、よねと合流していた徳井の前に歩み寄った。

「取り合えず、よね君のフェイズ2の範囲内にいれば安心ね。
ここにいれば少なくとも『物理的な原因』で起こる不幸は防ぐことができるわ。」



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