【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!3rdシーズンat CHARANETA2
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!3rdシーズン - 暇つぶし2ch62:ミク ◇sto7CTKDkA代理
10/07/28 20:35:11 0
>52 >54 >58
>「いや、雛型達は全員この部屋に迎え入れるつもりだよ…(中略)
>見ていたまえ面白い余興が始まるぞ…」
「余興…ですの?」
総裁の言葉の意図をミクが考える前に、余興が押し寄せてきた。
それは、セラエノが作り出した大量の茨の波だった。

糸が風を切る音と共に、窓からなだれこむ茨の先陣が切り払われた。
だが大量の茨はその程度では止まらない。
瞬く間に壁も床も天井も、茨に覆われて見えなくなっていく。
>「予期せぬ事態ではあるが…この力恐らく…」
「魔法の茨ではありませんから、これはおそらくセラエノの奇跡でしょうね。
 御存じかしら? 新入生の彼女、奇跡が使える神でしてよ」
大量の茨に囲まれた部屋の中、平然と立ち続けるベッドフォードに、ミクは空中から話しかける。
別に空を飛んでいるわけではない。
茨が防ぎきれないのを見て瞬時に糸を張り巡らし、室内を自身の巣と変えたのだ。

壁や床に付いた糸が伸びる茨に切られても、すぐに新たな糸が茨の上にまで張り巡らされ。
糸同士は絡み合ってより強固な糸となり。
結果茨と様々な太さの蜘蛛糸のため、絢爛豪華だった室内は無残にも廃屋のように様変わりしている。

>「蜘蛛よ…では覚醒について話すとしよう………」
>「その前に・・・・・・あなたは、20年前からの異変についてどうお考えですか?」
思わぬ方向から話しかけられて、ミクは怪訝そうにリリィの顔を見た。
操り人形には何もできないだろうと考えて、リリィの事は意識もしていなかったのだ。
リリィの顔は、前髪に隠れて見えはしない。
>「20年前から現れ始めた・・・・・・天才と呼ばれる存在のことですよ」
最初ミクは、ベッドフォードがリリィの口を借りて言わせているのかと考えた。
次に、これも【覚醒】の一種であるのかと考えた。
どちらにしても、原因を知る方法をミクは持たない。
ミクは寮の自室の近くで同じ問題について語り合っていた、赤服、黒服、白服の3人組の事を思い出した。
あの3人はそれぞれ違う考えを持っていたが、白服の娘の考えは自分の考えに近かった。
あの娘はなんと言っていただろうか?

「ふふ…そうね…。 今までは考えられなかった事ですものね…。
 あなたたちのように集められるほどに天才がいる、なんてことは。
 私の考えでは、誰かが天才を求めたから天才が増えたのよ。
 時代か、人々か、あるいは神と呼ばれるようなもっと大きな意志かが天才を求めたの」
白服の少女は「だから期待に応えられるようにお勉強がんばろーね」で話を閉じていた。
しかしミクの考えは、その先は違うものだった。

「人の世は昔から問題に直面する時、それを乗り越える能力を持った人物を排出するもの。
 そして能力を持たない者は、嵐の中の船のように能力を持つ者に翻弄されるもの。
 私のように道と時間を踏み外さない限りは…ね。
 あなた達が集められたのも、案外近い将来に起きる事に備えるためかもしれないわよ?
 自分が持つ者の側にいることを喜んで、日々精進なさいな。
 能力を持つ者は、持たない者の全てを手に入れることが出来るのだから。
 総裁もそうお考えでしょう?」
弱肉強食。それがミクの考えの根底にあった。
支配し支配され、奪い奪われ、結びついては離れていく。
人の世は同じ事の繰り返しだとミクは思っている。
今まで見てきたように、これからも。何があっても。


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