【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!3rdシーズンat CHARANETA2
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!3rdシーズン - 暇つぶし2ch36:ユリ ◆sto7CTKDkA
10/07/22 16:40:39 0
「よっし!これで完璧!!
 ありがとう先生! 私はもう大丈夫だよ!
 他の人の毒も治療してあげて!」
少し後、ユリは手刀で適当に切った忍者服を身にまとい、引っ張って破った袖を帯代わりに腰に巻きつけた。
幼女化によって着ていた服がだぶだぶになって動きにくくための、やむを得ない措置だ。
危険な治療薬がなくなった今、メイションやグラディスにはまともな毒けしが使われるだろう。

「それじゃまずはあの大蜘蛛を倒そう!それから…あっ!」
ユリがそう言った時、明かりと燃える火に照らされていた大蜘蛛の動きに異変が起きた。
最初に地面に落ちたのは、警備員を振り回していた足だ。
もちろん切断されたのは足だけではない。
後を追うように蜘蛛だった体が、バラバラに輪切りにされて巣から地面に落ちていく。
ミクが用済みとなった蜘蛛を始末したのだが、ユリにそんなことはわからない。
「蜘蛛がバラバラになっちゃった… これってもしかして、エンカと一緒に来たセラエノって人の魔法?
 …ってあああああ!死んでるー!?
 どうしたの!? 大丈夫!? しっかりしろ傷は浅いぞ!」
血だまりに倒れたセラエノを見て、ユリは慌てて駆け寄り抱き起す。
その顔は幸せな夢を生きた者らしい安らかなものだったが、ユリは空気を読まなかった。
「せんせーい! 怪我人の治療お願いします!
 体中血まみれのちょー重傷患者です!!!」

ひとまず危機から脱して安心したユリは、エンカに聞きたい事があった。
「そういえばなんでエンカここにいるの?
 私達総裁の館に行くなんて言ってたっけ?」
もちろん、危険は去ったように見えるだけであり、実際には新たな危機が迫っていた。
館から剣を抜いたアドラスが向ってきたのだ。
呑気に話をしている場合ではない。

「えーとえーと、私達忘れ物を取りに来て森に迷い込んで、ここで蜘蛛に襲われて…って人の話聞いてるー!?」
リリィからのテレパシーを思い出して言い訳を始めるユリだが、剣を持つ相手に説得が通じるかは疑問に思えた。
「グレン! さっきリリィを助けに行くかって聞いてたよね!
 もちろん私は行くよ! ここで逃げたら女がすたる!」
熱血直情馬鹿のユリの辞書に、逃走の2文字は無い。
闘争の文字があるのみである。
幼女化してもそれは変わらない。
ユリの右手に、魔法で呼び出されたデッキブラシが現れる。
今のユリに使える、数少ない魔法のうちの一つだ。
「それじゃあいっくよー! 敵陣一番乗りはわたしだーっ!!」
ひらりとデッキブラシに飛び乗ったユリは、館に向けてブラシを急加速させる。
位置的に、ちょうど館から出てきたアドラスの正面だ。
「とっつげきぃぃぃぃぃぃl!!!!」
アドラスが突撃を避ければ、ユリは窓ガラスをぶち破って館に侵入するだろう。


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