【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!3rdシーズンat CHARANETA2
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!3rdシーズン - 暇つぶし2ch26:ミク ◆sto7CTKDkA
10/07/17 22:50:51 0
時はその少し前にさかのぼる、
樹上を移動してきたミクは、少し離れた木の上から大蜘蛛の戦いを眺めていた。
エンカとセラエノが臆病風に吹かれて帰っていれば、戦いに介入しようと考えていたのだが。
どうやらその必要は無かったようだ。
セラエノの光が戦いの場を照らし、その声が響くのを聞いて、少しだけミクは笑う。
「2人ともこちらに来たのね。 そんなに叔父との出会いが大事なのかしら。
 それとも友達が心配だったのかしら?
 どちらにしても、派手に名乗りを上げてから共通の敵を作るなんて、見事な手際ね」
ユリが向かったこの屋敷は、学園の重要人物にして有名人のはずだ。
堂々と乗り込めば、逆に自分の立場を守ろうとして下手な手出しができなくなる事は十分に考えられた。
相手が強引に事実をもみ消そうとしなければ。

ミクは状況を自分に有利にするために、複数の細い糸を大蜘蛛に巻きつける。
それまで木々の間に張られた巣を走りまわっていた蜘蛛は、磔にあったように動きを止めた。
これが、急に蜘蛛が動きを止めた原因だった。
時間が経てば糸はさらに締り、大蜘蛛を輪切りにするだろう。
その前に蜘蛛が倒されても、それはそれで良し。
要はしばらく注意を集められれば、それで蜘蛛は役目を果たすことになるのだ。

地上の戦いにはそれ以上干渉せずに、ミクは張り渡した糸を使って空中から総帥の館に移動した。
何回か粘着質の糸を貼りつけてから窓を壊し、館の中に侵入する。
特に目的があるわけではなく、単なる好奇心からの行動だった。
仮に総帥とやらがごく普通の善人なら、適当に悪事の証拠らしきものをでっちあげるのもいいだろう。
本当に悪事の用意があれば、ユリたちより先にその情報を掴むのも悪くない。
とにかくミクは、楽しみに、刺激に飢えていたのだ。
館の中を散策しながら、ミクは硬い糸と柔らかい糸を張っていく。
糸は獲物を捕らえるのに必ず役立つはずだ。
それが館の住人か、後からこの館に乗り込んでくる者かは、まだわからないが。


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