【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!3rdシーズンat CHARANETA2
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!3rdシーズン - 暇つぶし2ch1:名無しになりきれ
10/07/10 03:10:28 0
今日までのあらすじ

学園入学を果たした消灯後の学園。
「総裁の周りをかぎまわる人間が次々姿を消す」という噂を聞きつけ、物見高い生徒たちは、総裁のお宅拝見ツアーなるチームを結成する。
無事屋敷も発見し、一同は陽動係と潜入係を決めたのだが、陽動係メンバーには、姿を見せない大蜘蛛の脅威が迫る!
麻痺毒で倒れたユリ、メイションをかばいながら、果たして目的は達成可能なのだろうか!!
また、侵入係のユーリ、リリ、グレンは屋敷の外壁布巾までたどり着くが、今頃になってリリィは今頃になって怖気づく。
「侵入しないでこのまま帰ろうよー」と言い出したリリィに対し、ユーリの反応は・・・・・・?!

一方、メイションを捜し夜の学園をデー・・・・・・捜索するエンカとセラエノは、神の話を発端にギクシャクし始める。
そこに現れたのは、ユリの友人ミク。
ミクは自分の操る蜘蛛を密かに使い、なぜかセラエノを襲撃しようとする!

蜘蛛の麻痺毒を受けたセラエノ、エンカの運命やいかに!


2: ◆jntvk4zYjI
10/07/10 07:46:49 0
統一基準歴355年。  
魔法文明は隆盛を極め、あらゆる場所、場面に魔法が活用されていた。  
そんな栄華の果てにいつしか異変が起きる。  
確認されたのは20年前にもなるだろうか?  

ある属性の魔法に異常なまでの適性を示す。  
ある魔法を生まれつき能力として有している。  
未知なる力に開眼する。  

今までは天才と言われて来た種類の子供たちが続々と生まれ始めたのだ。  
このことに世界は大いに恐れ、憂慮した。  

なぜならば、本来数十年単位の修行と研究の果てに身につけていく力を僅か数年の学習で身につけてしまうのだ。  
あるいは以って生まれてくるのだ。  
修行と研究は何も力を得るためだけの時間ではない。  
力を振るう為の経験や知識をも身につけるための時間でもあるのだ。  

そして大きな力を当たり前のように使える事への危惧は現実のものとなる。  
世界各地で引き起こされる悲劇に、統一魔法評議会は一つの決定をなした。  

魔法学園の開設!  

魔海域を回遊するとも、海と空の狭間にあるとも言われるフィジル諸島に魔法学園を開校し、子供たちに学ばせるのだ。  
己が力を振るう術を。  


―― 【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!2ndシーズン ―― 


■舞台はファンタジー世界。謎多きフィジル諸島にある全寮制の魔法学園です。  
■学園が舞台だからといって参加資格は学生キャラのみではありません。  
  参加キャラは生徒でも、学園関係者でも、全く無関係な侵入者でも可。敵役大歓迎。  
■当学園には種族制限はありません。お好きな種族と得意分野でどうぞ。  
■オリジナルキャラクターでも版権キャラクターでも参加できます。  
  完走したスレのキャラを使ってもOKですが、過去の因縁は水に流しておきましょう。  
  また版権キャラの人は、原作を知らなくても支障が無いような説明をお願いします。  
■途中参加、一発ネタ、短期ネタ大大大歓迎。  
 ネタ投下の場合、テンプレは必ずしも埋める必要はありません。  
 ただしテンプレが無い場合、受け手が設定をでっち上げたり改変したりすることになります。ご了承を。 

■(重要) 
 このスレでは、決定リール、後手キャンセル採用しています。 
 決定リールとは、他コテに対する自分の行動の結果までを、自分の裁量で決定し書けるというものです。  
 後手キャンセルとは、決定リールで行動を制限されたキャラが、自分のターンの時に 
 「前の人に指定された自分の未来」を変えることが出来るというシステムです。 

例:AがBに殴りかかった。  
 その行動の結果(Bに命中・ガード・回避など)をAが書く事が可能です。 
 これを実行すると、話のテンポが早くなるし、大胆な展開が可能となります。  
 その反面、相手の行動を制限してしまう事にもなるので、後からレスを書く人は、「前の人に指定された行動結果」 
 つまり決定リールをキャンセル(後手キャンセル)する事が出来ます。 
  
 先の例に当てはめると、 
 AがBに殴りかかった→Bはまともに喰らって受けては吹き飛んだ。 
 と決定リールで書いてしまっても、受け手(B)が自分の行動の時に、 
 「Bはまともに喰らったように見えたが紙一重で避けていた」 
 と書けば、先に書いたレスの決定書き(BはAの拳をまともに受けては吹き飛んだ。)をキャンセル出来るのです。 

ただし、操作する人の存在するキャラを、相手の許可無く決定リールで喋らせるのはマナー違反です。気をつけましょう。

3: ◆jntvk4zYjI
10/07/10 07:50:38 0
※参加に関して不安があったり、何かわからないことがあったら、どうか避難所にお越しください。
  相談、質問何でもOKです。 

 ■過去スレ 
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!2ndシーズン(前スレ)
スレリンク(charaneta2板)
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ! 
スレリンク(charaneta2板)

■避難所 
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!避難所  
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

■テンプレ  

名前・  
性別・  
年齢・  
髪型・  
瞳色・  
容姿・  
備考・  
得意技・  
好きなもの・  
苦手なもの・  
うわさ1・  
うわさ2・  

【備考】  
全部埋める必要はありません。  
テンプレはあくまでキャラのイメージを掴みやすくしたりするものです。  
また使える技や魔法も、物語をより楽しむためのエッセンスです。  
余り悩まず、気楽に行きましょう。  

(参考サイト)  
各キャラクターのプロフィールやTRPに関する用語の確認はこちらでどうぞ  
千夜万夜  
PC:URLリンク(verger.sakura.ne.jp)
携帯:URLリンク(verger.sakura.ne.jp)

※アクセス規制の巻き添え等、書き込めない時の代理投稿依頼スレもあります。  
 自分で書き込めない場合は、代理投稿スレで代行をお願いしてみましょう。  

代理投稿スレ(なな板TRPGまとめサイト、千夜万夜さん内)  
URLリンク(yy44.60.kg)

【なな板】書き込みたい人のレスを代行しようず!【過疎阻止】(なな板避難所内)  
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

4:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/10 07:51:38 0


――テンプレは以上です。
では、引き続き学園生活をお楽しみください。

5:ミク ◆sto7CTKDkA
10/07/10 16:11:06 0
前スレ>218 >228 >230
>幹を蹴り、枝へと飛び移るグラディス。高さは大蜘蛛の位置とほぼ同じ。
>夜闇の中でも見通せる人狼の眼は、しかと捕らわれたユリを見据えた。
樹上に上がったグラディスの見たものは、複雑に木の間に張り巡らされた蜘蛛の巣だった。
この蜘蛛はエンカやセラエノを襲った蜘蛛とは違い、巣を張って獲物を捕らえるタイプの蜘蛛だったのだ。

>ベキッ!と枝が折れる音と共に、グラディスは乗っていた枝から跳ぶ。
>「うるぁぁああああああああ!!」
グラディスの声と木の枝の折れる音に反応し、蜘蛛は地上に向けて放っていた糸をグラディスに向けて放つ。
だが糸が当ったかどうかにかまわず、素早く大蜘蛛は巣の上を移動して侵入者から距離を取り始めた。
これはグラディスの攻撃から身を守るための行動だったが、結果的に大蜘蛛はユリから大きく離れることになる。
ユリを助ける絶好のチャンスだが、敵は大蜘蛛だけではなかった。
糸でくるまれて目を回しているユリの周りに、小さくても様々な種類の蜘蛛が群がっていたのだ。
突進するグラディスに、蜘蛛たちは恐れることなく飛びついて噛みつこうとする。
自身の安全など顧みず、まるでユリを守ろうとするかのように、だ。
そのほとんどは噛まれても痛いだけで実害はない蜘蛛だが、中には明らかに毒蜘蛛とわかる種類のものもいた。

>「グラディース! とっとと済ませて戻ってこいよ!
> いつまで待っても帰ってこないから探してみたら仲良く蜘蛛の餌になってましたとか
> そんなヘマやらかしたら許さねぇからなー!」
一方、グラディスから距離を取った大蜘蛛は、中空に張りめぐらされた巣を自在に走りながら糸を吐き出す。
狙いは地上にいる桜花とレイヴンだが、しかし糸は当らない。
ついに蜘蛛は、動き回るのをやめて動きを止めた。
あきらめたのではない。
一瞬の溜めの後、大きい投網のように大量の糸をレイヴンに向けて吐き出したのだ。
そして、蜘蛛自身は巨体に似合わぬ素早さで、空中から桜花に向かって飛びかかる。
大蜘蛛の体の後部から、糸が巣までつながっているのに気づけるだろうか。
単に避けるだけなら大蜘蛛は再び巣に戻り、再度空から攻撃を仕掛けようとするだろう。


6:ミク ◆sto7CTKDkA
10/07/10 16:19:14 0
前スレ >223-227
>「判っていたわ。あなたから悪意が流れ込んできたから。
>だから用意はしていた。蜘蛛だったのは残念ね。」
セラエノの言葉に、ミクはやっと足を止め、後ろを見た。
そこにあるのは、さっきまで使い魔の蜘蛛を通して見ていたのと同じ光景。
大蜘蛛に押し倒されたセラエノと、その側で立っている砕けた石を握ったエンカ。
ただ、大蜘蛛はもう動かない。
代わりに、蜘蛛の下から動けないはずのセラエノが立ち上る。
なるほど、蜘蛛に不意打ちされても落ち着きを失なわず的確に対処するとは、神を名乗るだけのことはある。
ミクはそう考えながら、セラエノの動きに意識を集中する。
エンカの動きから、彼がすでに毒に侵されているのは見て取れた。
エンカよりセラエノを警戒した最初の見立ては、間違っていなかったという事だ。

セラエノのスカートの下から、奇妙な形状の魚が5匹飛び出した。
魚はセラエノを守るように動きながら、正確な狙いで人形の頭を打ちぬく。
中に隠れていた蜘蛛は人形から飛び出して茂みに消え、蜘蛛糸の支えを失った人形は枯れ木に戻って崩れ落ちる。
>「いい機会だから説明を続けるわ。(中略)
>だから信仰も迫害も受けていない私の力はこの程度。」
>「あなたはご利益があるかも、といったけど、エンカは私を信仰していない。(中略)
>だから私がエンカに与えられるの神としてのご利益ではなく、友人としての助けだけよ。」
自身の存在について説明しながら、セラエノは指先に2つの炎を灯す。
ミクにはその違いがはっきりと理解できた。
存在しないはずの場所に、存在しないはずのものを作りだす能力。 それを奇跡と呼ばずになんと呼ぼう。
ミクは、壊れた人形の残骸から鉈を拾いだした。
悪意を感じ取るセラエノにどこまで通じるかはわからないが、視覚に訴える方法の有効性をミクは知っていた。
武器を目の前にして、それに注意しないものはいないからだ。
使い魔の攻撃の威力と速さには気を付けなければならないが、血に濡れた手が、セラエノは無傷ではないことを教えている。
主人を倒せば、使い魔がどれほど強かろうと恐れるに足りない。

>「悪ぃな、セラエノ。友人として助けられてやりてぇところだけどよぉ。
> 俺はお前が支えるには重過ぎるみてぇだ…」
>「セラエノ、さっき話しかけてたみてぇだけど、ミクは無事なのか?目が見難くなってきた。
> あいつに伝えてくれよ。ここは危ねぇから早く逃げろってなぁ…」
まだミクの本性に気づいていないエンカの言葉に、ミクは声を立てずに笑う。
他人の心配をする前に、自分の心配をすべきなのに。
そうしないエンカを、ミクは笑う。

「あなたは思い違いをしているわ。セラエノ。
 神は、人に作られるような存在ではない。
 神を前にして人にできるのは、恐れ、怯え、敬い、贄となって神にささげられる事だけ。
 人が神の存在を左右するのではなく、神が人の生死を自由にもてあそぶの。
 エンカが言った通り、人は自分より強い存在に翻弄され続ける弱い生き物なのよ」
そう言ってから、ミクは自分の言葉に自嘲気味に笑った。


7:ミク ◆sto7CTKDkA
10/07/10 16:21:23 0
ミクは、手にした鉈を大きく振りかざし、振りおろした。
途端に周囲に十重二十重に張り巡らされていた強固な糸が、セラエノに向けて襲いかかる。
ミクが歩きながら張っていた糸には、脆い探知用の物と、敵を裁断する攻撃用の物の2種類があったのだ。
恐るべき力と速さで操られる糸は、使い魔ごとセラエノを締め上げ、輪切りにしようと殺到した。

ミクは同じように、エンカも糸で輪切りにしようとした。
しかし、エンカを切断するはずの糸は途中で止まり、それ以上操られることなく地に落ちる。
心に引っかかっていたエンカの一言が、ミクの動きを止めたのだ。
それは、大蜘蛛が飛び出す前のエンカの言葉。
浦島太郎が幸せになる方法を考えてみよう、の一言だった。
時に言葉は人を刺し、時に言葉は人を縛る。
あの時、どうすれば“浦島太郎”は幸せになれたのか?
はるか昔に置いてきたはずの疑問を、エンカの言葉でもう一度ミクは思い出してしまったのだ。

「まったく、つまらない昔話なんてするものではないわね。
 興が削がれたわ。 今は、食事はこの役立たずで我慢しましょう」
ため息とともに吐き出されたその言葉と共に再び糸は動きだし、地面に倒れたまま眠っていた大蜘蛛を解体する。
ミクはバラバラになってもまだ動いている足の1本を拾い上げ、体液の滴る切断面にかじりついた。
暫く噛み、肉を呑み込み、足の残りをセラエノに向かって放り投げる。
「食べなさい。 あなたもこんな危険な森で、体がわずかでも麻痺したままなんて困るでしょう。
 その肉は解毒剤になるように変えておいたから。
 悪意が読み取れるなら、私の言葉に嘘が無いことも見抜けるはずよね?」
蜘蛛神となっているミクには、蜘蛛の体から解毒薬を作り出すなどわけの無いことだ。

「必要と思うなら、エンカにも食べさせてあげなさいな。
 もっとも、好都合にも麻痺していて動けない生贄を食べたい、と思うなら話は別だけど。
 あら、それともまだ人間を食べたことがないのかしら?
 あなたみたいな駆け出しの神が力を増すには、能力のある生贄を食らうのが一番の近道よ。覚えておきなさい。
 …人間から迫害も信仰も受けられるから、その面でもあなたの目的に適うわね」
ミクが合図を送ると、木の上から数本の糸が降りてきてすぐにミクを引き上げ始めた。
茂みに消えたミクの使い魔が、樹上から引き揚げているのだ。

「私は先に進むことにするわ。
 あなたたちがまだ危険な夜の散歩を続けたいなら、糸を目印に石畳の道に出なさい。
 その先に、メイション達がいるはずよ。
 もっとも、次に会った時に私とまた敵同士かもしれない事は、忘れない事ね」
ミクの姿が見えなくなった後も聞こえていた声は、それを最後に消えた。
ただ、ミクの立っていた場所から、夜目にも見えるほど太い蜘蛛糸が森の中に伸びている。
その糸をたどれば、総帥の家に迷わず進めることだろう。


8:黒い猫その名はグレン ◆cOOmSNbyw6
10/07/10 17:21:02 P
前229
>「私、寮の部屋を抜け出した時に使った縄持ってるでちゅ!
  あ、だけど・・・・・・煙突っていうのは、この建物のどの辺にあるんでちゅかね?」
「煙突は常に一番上にあるよ」
(にゃおん)
木に登って煙突の有無を確かめるグレン
どうやら二本あるようだ
「煙が出てる煙突と出てない煙突なら出てない方を選ぶよ」
(なにゃにゃーにゃにゃ)
煙が出ているということは使用中ということであり
その中に入れば猫の丸焼きの出来上がりである
ロープを口でくわえ木を伝って屋根に飛び移り煙突にロープを結わえようと・・・・・
・・・・・・・ロープを結わえようと
・・・・・・・・・・ロープを(ry
だがしかし猫であるグレンにはロープを結わえるという器用な真似は無理であった
「積んだ・・・・・」
(にゃあ・・・・・)

果たして猫の肉球でロープを結べるだろうか?いや結べまい
いざとなったらこれを使って逆召喚して手伝わせるか?
と何処からともかくカードのようなものを取り出し眺めるグレン
URLリンク(web2.nazca.co.jp)
だだよく考えたら今主人は全裸である
猫は裸でも平気だが人間は裸を恥ずかしがるはずだ
仕方が無いので下に降りて行くグレン
「この手じゃ結べないから代わりに結んでよ」
(にゃにゃにゃおん)
とリリィに頼み込むのであった

>「このまま潜入しないで、グラディス君達と一緒に寮に戻りまちぇんか?
 私達が屋敷に入らなければ、道に迷って、たまたまここに来て、蜘蛛に襲われたと言い訳できるでちゅ。
 ・・・・・・・ちょっと苦しいでちゅが」
どうやらリリィは出直すつもりらしい
「まだお屋敷に潜入して残り物漁りもしてないのに?」
(なにゃあ?)
やはりグレンは食べ物に生きているようである


その頃フリードはまだ普通にすやすやと寝ていた
「姉さん止めて・・・・・僕をモデルにそんないかがわしい本を描かないで・・・・」


9:ユーリ◇gIPsgrF.N6
10/07/11 07:16:50 0
>>229
「・・・・・・で、これからどうするでちゅか?」
屋敷の様子を陰からそっと伺っていると、おかしな口調でリリィがそう質問してきた
「さあ?実はあんまり考えてなかったり」
とユーリは笑ってみる。その実笑いつつ色々考えている訳ではあるのだが
「私的には、こうやって窓からお屋敷の中を見られたし、大満足なんでちゅが。
ユリたんのことも心配だし・・・・・・・」
「それじゃここまで来た意味がないでしょ
………かと言って総裁殿に直に訊くのも馬鹿みたいだし」
リリィの言葉に難しい顔のままに自身の額を抑えながら突っ込む
こういう時、あるかないかは別にしてセオリー通りに行くと盗聴だろうか
などああでもない、こうでもないと考えを巡らせていると、窓の向こうにメイドが右往左往しているのが目についた
(給仕に化けるのもアリか……)
と何とか屋敷に潜り込む算段をしているとリリィから意外な言葉が飛び出した
「このまま潜入しないで、グラディス君達と一緒に寮に戻りまちぇんか?
(中略)
・・・・・・・ちょっと苦しいでちゅが」
その言葉にユーリは顔色を変えずに考えを巡らせる
ついさっきは意外。と言ったがリリィは元から乗り気じゃなかったのかも知れない
そうだとすれば「戻ろう」という言葉は意外でも何でもない
「そうね。どうせ手詰まりっぽいし、今日のところはさっさと戻ってさっさと寝ましょうか」
先程までの難しい顔を感じさせぬ笑顔であっさりリリィの提案を肯定してしまう
さらに
「じゃあ私は先に寮に戻るから」
と踵を返し手をヒラヒラさせてその場を去ってしまう

戻る。と言ったがアレは嘘だ。リリィたちが蜘蛛を退治した後、何らかの形(治療を受けるか捕まるか)で屋敷に入るかも。という予感がした
だから空間の歪みに身を隠して蜘蛛退治を見物しようという算段だ


10:グラディス ◆e2mxb8LNqk
10/07/12 00:14:58 0
前スレ>228>>231
ちょっと時間を戻す。
>「・・・やれやれだな、出さなくてもいい無粋な音楽を奏でる事になるとは」
>「グラディース! とっとと済ませて戻ってこいよ!
> いつまで待っても帰ってこないから探してみたら仲良く蜘蛛の餌になってましたとか
> そんなヘマやらかしたら許さねぇからなー!」
「おうおう、二人ともいい感じだなー!信用してるぜー!」
にひひと笑うグラディス。人狼の姿は威圧感たっぷりのはずである。
が、ファンキーな感じが勝ってある意味滑稽だった。
これもグラディスの人格が為す技か。

>5
そして現在。
案の定、大蜘蛛の放つ糸は地上組からグラディスへと放ってきた。
「やっぱりなッ!んなもん予想してたぜえええっ!」
身動きの利かない空中にて、それを爪で逆袈裟に切り裂く。
無論完全には切り裂けず、引き裂いた左腕に残骸が纏わり付いた。
粘着質なベチャリという気持ちの悪い音がするが、グラディスは意に介した様子を見ない。
すたりとユリのいる木の枝へと降り立つ。

降り立ってすぐにキョロキョロ見渡すと、大蜘蛛は張り巡らされた巣に移動している。
グラディスには、ユリの周りには何も無いように見えた。
「チャンス!……ぬわぁっ!?」
チクリと刺すような痛み。すかさず痛みの元を見てみれば、小さな蜘蛛。
確認してすぐに、ガサガサと物凄い勢いで大量の何かが迫る音がする。
見るまでも無い。大量の蜘蛛である。
「ちくしょっ、厄介だー!」
素早く手で払ったり足で蹴ったりとやっきになって落とそうとするが、一向にその成果は上がらず。
毛むくじゃらの体が見る見る間に纏わり付かれ始めている。
そもそも狼の体は小さすぎる相手と戦えるような風には出来てはいない。
故に、同じような体を持つ人狼にとって蜘蛛は意外な強敵なのである。

「……あーっ、くそっ!くそう!邪魔っちい!虫とか反応し切れねーっ!
 ああもう、邪魔!邪魔!!邪魔だぁっ!チクショウ、強行突破ああああッ!」
4秒後、グラディスは蜘蛛の集団との戦いに音を上げた。
蜘蛛たちを振り切ることを諦めて、すぐさまユリを救出して蜘蛛から離れることを選択。
勢いの続く蜘蛛たちを意識して無視し、木の枝をへし折りつつユリを救出に向かう。
「どぉぉぉぉけぇぇぇぇッ!」
待ち構えていた蜘蛛が雪崩れ込んでくるが、それすらも意固地に無視。
あちこちを刺される感覚はあるが、幸いにも即効性の毒は回っていない。
ギリギリ腕の射程圏内へと入ったユリへ、右手を伸ばし……!

「……ッ!取ったっ!うおりぃぃぃぃあああああああああああっ!!」
雄叫びを上げながら、掴み取ったユリを抱えて蜘蛛のいない地面へと旅立つ。
体は蜘蛛まみれでお世辞にも格好良いと言えはしないが。
「きゅーしゅつ成功ぉー!……おぶぅ!?……」
木から下りたグラディスは、自らの体で着地。足は地面の在らぬ方向へと差し出されていた。つまり着地失敗である。
その姿はかなり痛そうだが、ユリは抱えられていたので無事に隣に転がっている。
軽い打ち身はあるかもしれないが。

しかし、精一杯とはいえども、人狼が木から下りた程度で体を打つなどというのはまずありえない。
それぐらい人狼とは身体能力は高いはずなのだが、何故着地に失敗したのだろうか。
その原因は……
「……おろ?おろろ?なんで……って、やばい、眩暈?」
見れば分かるだろうが、蜘蛛の中には毒々しい色合いの、まさしく「毒持ってるZE☆」と自己主張極まりない者もいる。
そいつらがグラディスのあちらこちらに点在していた。即効性、遅効性とあるだろうが、あとは言わずもがな。
「まずった……毒蜘蛛とか普通にいるよなー……うげえ」
ぐるぐる回る視界の中、気持ち悪そうに撃沈した人狼が地面に転がりつつ溜息を吐いた。

11:セラエノ ◆LGeruanYjI
10/07/12 22:52:24 0
>「悪ぃな、セラエノ。友人として助けられてやりてぇところだけどよぉ。
> 俺はお前が支えるには重過ぎるみてぇだ…」
「引き上げる手や方向を示す指、為になる言葉。そんなものなくてもいいのよ。
立場、向かう方向、力が違っても、同じ心の場所に共に立ち一緒に進んでいれば。
だから、あなたが非力であろうと神を否定していようと私たちは友達よ。」
蜘蛛の麻痺独によって動けなくなりながらも話すエンカに答えるセラエノ。
エンカの言葉に強い共感を抱きながら。

エンカは自分自身が圧倒的に大きな何かに翻弄されて生きていくしかない一人だと言った。
それはセラエノにも、いや、セラエノにこそ当てはまる事なのだから。
だがその事について今は話している時間はない。
打ち抜かれた人形から鉈を拾っているのだから。

ミクの視覚に訴えるという狙いはセラエノには通用しなかった。
元々目抜きもない鏡の仮面を被っているセラエノは視覚に頼っていない。
強力なテレパシーによって直接周囲を把握しているのだから。
だからこそ、真なる狙いを察知ていた。
またそれに対する手段が自分にもないことも。

「可哀想に」
神と人の関係について語り自嘲気味に笑ったミクに憐憫の言葉を返す。
そして振り下ろされる鉈を高圧の水弾が打ち砕く。
それがセラエノに出来得る最後の抵抗。
僅かとはいえ麻痺毒に犯された身体では呪文を紡ぐ事はできず、出来たとしても今の状況を脱する魔法は持ち合わせていない。
ガンフィッシュの高圧水弾では周囲から殺到する糸を断つことも防ぐ事もできない。

最早手詰まりとなったにも拘らず、セラエノには輪切りにはされなかった。
糸を、ミクを止めたのは強力な魔法でもなく、使い魔の力でもなく、エンカの言葉の力。
結局のところミクの気まぐれによって救われたようなものだが、危機を脱したのだ。
既に敵意のない事を察したセラエノは投げられた大蜘蛛の足を拾い口に運んだ。

> あなたみたいな駆け出しの神が力を増すには、能力のある生贄を食らうのが一番の近道よ。覚えておきなさい。
> …人間から迫害も信仰も受けられるから、その面でもあなたの目的に適うわね」
樹上に引き上げられながらアドバイスを投げかけるミクに小さく、小さく呟くように答える。
「知っているわ、そんな事」
そう、セラエノはミクの言葉の意味を、その行為を、知っていた。
信仰も迫害も受けていないセラエノが曲りなりにも奇蹟を発現させる事が出来る理由は…
唯一セラエノを神と認めた両親のその行為による為なのだから。
生贄は恐れと畏れを産み神の力を増していく。
太古から神が行ってきたオーソドックスな方法なのだ。

既に姿の消えたミクを追う様に視線を宙に向けながら、微かだが喜びの感情を味わっていた。
なぜならば、ミクはセラエノを神と認めてその前提で話をしていたのだから。

12:セラエノ ◆LGeruanYjI
10/07/12 23:00:04 0
ミクが去った後の夜の森の中。
冷たく刺さるような月光に照らされながら麻痺し気絶しているらしいエンカを膝枕で介抱するセラエノ。

「カテゴライズの問題なのよ。
例え私が他人の痛みがわかったとしても…
あなたが瞼を開き、目に映るものが見えてしまうように。
私を信仰する万の人間がそれを意識無意識問わずそれを願えばそれを実現してしまう。
そういう装置のような存在なのよ。」

強大な人々の意思の力を吸い上げそれを実現せざる得ない。
そこに己の意思はなく、あったとしても一人のちっぽけな意思など大海の一滴の水も同じ。
蜘蛛が糸を紡ぐ術を知らずとも糸を紡ぐ力を有するように。
神は人々の信仰と意思を制する術を知らず、ただ実現する力を持つ。
信仰を、畏怖を得なければ存在し得なく、存在する為に信仰を集める。
人がパンを食し生きる活力とするのと同じように。

麻痺し気絶状態のエンカにこの言葉が届いているとは思っていない。
これは独白。
理由もなくただ口から零れた…
エンカが言った「圧倒的に大きな何かに翻弄されて生きていくしかない」という言葉。
正にそれはセラエノ自身に言えることなのだから。

そうした後、麻痺するエンカの口に蜘蛛の肉を咀嚼して流し込んだ。


「与えられた役目を否定し、自分で望むお話を作るという発想はなかったわね。」
解毒剤となった蜘蛛の肉が効果を表し、エンカが気付くと微笑みながら言葉を発する。
そのセラエノの手には太い蜘蛛糸が握られており、横にはコイノボリがゆったりと浮かんでいた。
「大丈夫?ミクは先に行ったわ。目印の糸を残して。
まだ痺れが残っているのなら帰りましょう。大丈夫なら、糸を辿るけど?」
エンカが起き上がるとこれからについて尋ねる。

エンカが帰るといえば森を後にして寮に帰るだろう。
逆にエンカが進むといえばコイノボリに乗り糸を辿っていく事になる。

13:名無しになりきれ
10/07/13 08:11:34 0
ワンワン!

14:リリィ ◆jntvk4zYjI
10/07/13 18:19:34 0
>8-9
>「この手じゃ結べないから代わりに結んでよ」 (にゃにゃにゃおん) 
一生懸命訴えるグレン。
フリードでなくても、ぐりぐり頬擦りしたくなるくらいかわいい。
リリィはこっくり頷くと、縄に細工を施した。
「ところでそのカードはなんでちゅか?もしかしてフリード君のプロマイドでちゅか?」

そして現在。

>「まだお屋敷に潜入して残り物漁りもしてないのに?」 (なにゃあ?) 
「残り物って・・・・・・もしかしてグレン、おなかすいてるでちゅ?晩御飯食べてないでちゅか?」
1人と一匹の間に、変な沈黙が流れた。

>「そうね。どうせ手詰まりっぽいし、今日のところはさっさと戻ってさっさと寝ましょうか」 
「はい!一階の配置図の記録も、ユーリ先輩の頭脳ならばっちりですもんね!
 下見としてはこれで十分かと」

>「じゃあ私は先に寮に戻るから」
「はい!・・・って?!・・・・・・・ええええええっ?ちょ、待っ!!」
リリィが引きとめようとしたが、時、既に遅し。
ユーリの姿はどこにも無かった。

>ワンワン!
どうやら犬が放たれたようだ。
まあ、あれだけ派手に騒いでいれば、当然の結果だろう。
大型犬のようなものが3匹、グラディス達が居る茂みの方へと突進していく。
その後を、黒っぽい服に身を包んだ男性達が追っていった。
彼らの手には鈍器のようなものが見て取れた。

3匹の犬らしき影は、グラディス達を見て一瞬ひるんだようだ。
だが、怯えながらも一番近くに倒れていたメイションに飛び掛かる。
だがメイションに飛び掛る直前、犬は彼の触手の先端を踏んだ。

「ああ、大変なことに・・・・・・どうしよう、どうしよう・・・・・・そうだ!!
 グレンたん、あなたは今のうちに逃げるでちゅ!
 もしも私達の身に何かあったら、どうか助けを呼んで欲しいでちゅ。さ、早く行くでちゅ!」

この後リリィは、驚くべき行動に出た。
「すみません!すみません!どなたかいらっしゃいまちぇんか?」
リリィは両手で窓を叩き始めた。
「友達が森の中で蜘蛛に襲われたでちゅ!このままじゃ皆、食べられちゃうでちゅ!
 お願いでちゅ、どうか助けてくだちゃい!!」 

15:エンカとメイション ◆jWBUJ7IJ6Y
10/07/13 21:21:51 0
>12
> 「与えられた役目を否定し、自分で望むお話を作るという発想はなかったわね。」
> 解毒剤となった蜘蛛の肉が効果を表し、エンカが気付くと微笑みながら言葉を発する。
「…なんだ!?俺は…助かったのか?」
エンカはそう言ってがばっと起きた。もしも自分がセラエノに膝枕されていたとわかっていたら、
もう少しゆっくり起きただろうに。
「いや待てよ。おかしいんじゃないっすか?たぶん俺は質の悪い毒蜘蛛に噛まれたはずっすよ?
 そんなに都合よく回復できるのかぁ?もしかしてこれも幻覚なのかよ?」
エンカは今自分が見ている景色が夢が現か疑った。
> 「大丈夫?ミクは先に行ったわ。目印の糸を残して。
> まだ痺れが残っているのなら帰りましょう。大丈夫なら、糸を辿るけど?」
「そうっすね。俺達はメイションを探しに行かなきゃならねぇんだったよな~。
 夢だろうと現実だろうと、そこんとこは変わらねぇぜ。」
エンカは先に行くことに決めた。
「へぇ、そのコイノボリ空を飛ぶのかよ。(やっぱり俺、夢ってんのかぁ?)」

>14
> 3匹の犬らしき影は、グラディス達を見て一瞬ひるんだようだ。
> だが、怯えながらも一番近くに倒れていたメイションに飛び掛かる。
> だがメイションに飛び掛る直前、犬は彼の触手の先端を踏んだ。
メイションの触手、上海ハニーの先端を踏んだ犬が、
パシャっという音をたてて崩壊した。
メイションの周りに琥珀色の液体が飛び散る。そう、犬は全身が液状化したのだ。
あえてその液体に触れてみようとする者もいないだろうが、別に触れても無害である。
味も見ておこうとする勇敢なチャレンジャーがいれば、それがハチミツのように甘い事がわかるだろう。
上海ハニーはひと味違うのである。

16:ユリ ◆sto7CTKDkA
10/07/14 16:16:33 0
>10 >15
>「……ッ!取ったっ!うおりぃぃぃぃあああああああああああっ!!」
「ふにゃぁぁぁぁぁ……目が回る…。 目が、目がいっぱいギラギラ…ガブリ……」
毒の効果で悪酔いしているため、ユリの反応は要領を得ないものだった。
それもそのはずで、ユリの毒は彼女の体の頑強さを知っているミクが、特別に用意した物だ。
この毒は命に別状はないが認識能力を乱し、標的に何が起こったかを理解させない効果がある。
囮代わりのユリの再利用のため、蜘蛛が関係している事をあまり知られないようにと使ったはずだったが。
あるいはミクに、自分でも気づかないような、何か別の感情が働いたのかも知れない。
使われた毒はどう考えても必要十分な量ではなく、ユリは起きていることをある程度認識しているからだ。

>「きゅーしゅつ成功ぉー!……おぶぅ!?……」
>「まずった……毒蜘蛛とか普通にいるよなー……うげえ」
「う~…グラディスの顔が1、2、3、たくさん… みんなで助けに来てくれたんだね…ありがと……」
グラディスの横で仰向けに寝転がったまま、助けてもらった事を理解したユリは礼を言った。

>メイションの周りに琥珀色の液体が飛び散る。そう、犬は全身が液状化したのだ。
琥珀色の液体は、仰向けに寝ていたユリの顔にも飛び散った。
「ん…なにこれ… いい匂い……」
基本的に食欲魔人であるユリは、条件反射的にその液体を舐めとった。
ある意味勇敢なチャレンジャーと言えるかもしれない。
液体は蜂蜜のように甘かった。
当然ユリの脳は、その液体が極上の蜂蜜であると解釈した。
「あまうま…」
動けなかったはずのユリは、ごろりと転がって飛び散った蜂蜜の続きを舐め始めた。


17:黒い猫その名はグレン ◆cOOmSNbyw6
10/07/15 00:25:19 P
>14
>「ところでそのカードはなんでちゅか?もしかしてフリード君のプロマイドでちゅか?」
「これはね・・・・・・」
(にゃんお・・・・・・)
とカードの説明をするグレン
1、使い魔契約の時に出現した物である
2、天に掲げキーワードを唱えると一瞬でカードに描かれた持ち主を召喚できる
3、その時に相手の都合はガン無視である
4、本来ならば描かれているのは使い魔の方である
5、フリードが術式を少し変え逆に主人を呼べるように変えた
6、その為元ネタと違ってマジックアイテムは呼び出せない
7、グレンがその説明を受けたのは食堂から男子寮に移動する間の書かれていない空白の期間である
とのことである


>ワンワン!
「に”ぁ~~~~~~~~~~~~~!?」
突然現れた犬に心底驚いたグレン
基本的に猫は犬が苦手である
狼は平気なのか?と言われるかも知れないが
彼は人間ベースの狼男であるから大丈夫なのであろう・・・多分

>「ああ、大変なことに・・・・・・どうしよう、どうしよう・・・・・・そうだ!!
 グレンたん、あなたは今のうちに逃げるでちゅ!
 もしも私達の身に何かあったら、どうか助けを呼んで欲しいでちゅ。さ、早く行くでちゅ!」
言われなくてもスタコラサッサだぜとばかりに全力で逃げるグレン
全力で走る小動物の速度はマッハを超える・・・・・のか?
よく分からないがとにかく早い速度で逃げるグレン

目指すは保健室である
保健室には医者がいたはずだ
医者がいるなら怪我をした人間がいてもなんとかなるはずだ
それに保険医は大人である大人なら何とかしてくれるはずだ
だが保健室にも・・・・・・・・・
「に”ぁ~~~~~~~~~~~~~!?」
そこには犬がいた・・・・先程のドーベルマンのような犬種ではないが
それでも犬であることには違いない
やはりスタコラサッサだぜとばかりに全力で逃げるグレン

今度は一路フリードの眠っている男子寮に逃げるグレン
入れ違いにぐったりした幽霊の先生の足を・・・・・どうやら西洋の幽霊には足があるらしい
足を引きずった保険医とすれ違ったがそんな事はお構いなく全力で逃げるのであった
何処が戦闘能力皆無やねん!!


18:黒い猫その名はグレン ◆cOOmSNbyw6
10/07/15 00:28:07 P

「といあ!!」
(にゃあ!!)
全力で体を伸ばし寮のドアノブを回すと中に入る、中には完全に睡眠をむさぼっている己の主人
やはり全裸である!このままでは戦力にならない!!

「そうだ!僕にいい考えがある!!」
(にゃあ!にゃにゃにゃー!!)
そう言ってグレンはブリーフをタンスから取り出しフリードに履かせ
続いてシャツズボン等を器用に・・・・・器用に履かせようと思ったが
猫の手では限界がありズボンのチャックでつまずいた
仕方が無いのでチャックやボタンのない服を探し・・・・・
「これだ!」
(にゃあ!)
見つけたのは男子用の体操服
これならゴムなのでチャックを閉めたりボタンをはめたりしなくていい
寝ている間に体操服を着せられたフリード

「主従逆転下克上合体!ソウルユニオン!!」
(にゃにゃにゃ!にゃにゃん!!)
寝ているフリードと強制合体し翼の生えた長靴をはいた猫の騎士の姿になると元の場所に走って戻るのであった


19:名無しになりきれ
10/07/15 22:22:32 0
>14
「お前、一体どこから入りこんだんだ!」
「怪しい奴、地下牢にでも放り込んでおけ」
リリィは両脇を抱えられ、屋敷の中に引きずられていった。

>10 >15-16
「犬が蜂蜜に変わっただと?!お前らいったい何をした!」
犬の後から現れた3人の男は、全員棒状の武器を持っていた。
棒の先端は帯電しており、たとえ掠っただけでもスタン状態となるに違いない。

男達は、まだ立っている者達に襲い掛かった。

20:ベッドフォード ◇k4Jcxtcj
10/07/16 21:28:18 0
「失礼致します総裁、屋敷に何者かが侵入した模様です 
報告によれば侵入者は子供 恐らく学園の生徒ではないかと」 

薄暗い部屋に姿は見せず男の淡々とした声のみが聞こえる 

「そうか…恐らく彼らは我が計画の雛型達だ… 
状況はどうなっている?」 

「はい、警備の者が対応に当たっております 
先程 >>14>>19侵入者の一人である少女を確保し地下牢に捕らた様ですが…」 

「分かった だがくれぐれも殺さぬようにな」 
老人は男の報告を途中で遮った 部屋からは男の気配が消え 時計が時を刻む音のみが響く 
この屋敷は仮にも最重要人物の屋敷 外の男達は全力で彼らに向かってくるだろう 
学園の生徒達が皆 魔法の素質に溢れた天才達とは言え ここで彼らが死んでしまえば計画は水泡に帰す 
だからこそ殺さぬよう厳命した 
「まだ命を懸けさせるのは少し早い… 
幾許かの戦いを経させ見極めねばなるまい」 
手に握った杖の先でそっと叩く 
すると>>14少女が捕らえられている牢の鍵が金属音を立てゆっくりと開いた 
外の喧騒とは打って変わり何故か屋敷の中は誰一人おらず鎮まり返り返っていた 

21:セラエノ ◆LGeruanYjI
10/07/16 23:18:27 0
>15
「彼女の目的が何で、何を思って攻撃を止めたかは判らない。
でも彼女は嘘は言っていないわ。この糸を辿ればメイションのところに辿り着くはずよ。」
コイノボリの上で糸を辿りながらエンカが気絶している間の事を話し、こう締めくくった。
蜘蛛をけしかけたのはミクであり、糸での攻撃で二人は輪切りになるところだった。
だが突然攻撃をやめ、解毒剤を渡した上に案内の糸を残した事まで。
自分のテレパシーの能力で判別するにそれが嘘ではない事も。

前スレ>202
そう話しているうちに、それは偶然、だった。
月明かりを反射する地上の月。
草むらに隠れるファンブルマンのスキンヘッドを見つけたのは。

「こんばんは。確か、ファンブルマン先生、でしたね。
何か騒がしいようですが、何をしているのですか?」
茂みの中のファンブルマンに声を駆け、その先の騒ぎに目をやる。
そこには入り乱れて戦う混乱が広がっていた。
「セラエノです。お昼にお世話になりました。
こちらはエンカ。彼の叔父を探しに来たのですが…なんですか、あれは!失礼します。」
カオスな状況にセラエノの口元が歪む。
樹上の大蜘蛛にミクの影を感じたのだった。
ファンブルマンに事情を話した後、コイノボリを降り、大股でそこへと近づいていく。


倒れるユリ、グラディウス、メイション。
戦うレイヴン、桜花、そして警備の男たち。
謎の猫の騎士グレンと木の上に蠢く大蜘蛛。
混乱の場の中心に突如として光球が出現した!

それは眩い光ではなく、あたりを優しく照らす光。
夜闇の森を明るく照らし出す。

元々視覚に頼っていないセラエノは状況を見るために光球を出したわけではない。
カオスな場を停止させ、注目を一点に集める為だ。
そしてそこに響くセラエノの声。
テレパシーを併用したその言葉は余す事無く一体の者たちの耳に流れ込む。

「静まりなさい、何事ですか!
私はセラエノ・プレアデス。ベッドフォード邸に行っているエンカの叔父、メイションを探しに来ました。
館の関係者は取次ぎをお願いします。
そして、樹上の大蜘蛛は明確な敵意を持っています。
まずはそれの排除を!」
胸を張り高らかに宣言をした。

【エンカに事情を話しながら移動。
ファンブルマンを見つけ声をかける。
光球を出現させ辺りに自己紹介と共に蜘蛛の撃退を依頼】


22:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y
10/07/17 06:57:20 0
>21
> 「彼女の目的が何で、何を思って攻撃を止めたかは判らない。
> でも彼女は嘘は言っていないわ。この糸を辿ればメイションのところに辿り着くはずよ。」
> コイノボリの上で糸を辿りながらエンカが気絶している間の事を話し、こう締めくくった。
「マジかよ!?あの女、次に蜘蛛をけしかけてきたら二度と許さねぇ!」
とエンカ。
> そう話しているうちに、それは偶然、だった。
> 「こんばんは。確か、ファンブルマン先生、でしたね。
> 何か騒がしいようですが、何をしているのですか?」
「先生?何してるんすか?こんなところでよぉ。」
エンカとファンブルマンはこの時が初対面である。
セラエノの方はファンブルマンと面識があるようだった。
大股で歩くセラエノにエンカもついて行った。

> 混乱の場の中心に突如として光球が出現した!
> それは眩い光ではなく、あたりを優しく照らす光。
> 夜闇の森を明るく照らし出す。
セラエノにとってはともかく、エンカにとっては状況を見るのに役にたった。
動かないメイションを見つけたエンカは、すぐに彼に近づいた。
「おい、メイション!どうなってんだ!?しっかりしろよなーっ!」
メイションは口から泡を吹いて動かない。エンカにとってはどうしようもない。
同時にセラエノはテレパシーで周りの人間に呼びかけていた。
> 「静まりなさい、何事ですか!
> 私はセラエノ・プレアデス。ベッドフォード邸に行っているエンカの叔父、メイションを探しに来ました。
> 館の関係者は取次ぎをお願いします。
> そして、樹上の大蜘蛛は明確な敵意を持っています。
> まずはそれの排除を!」
「セラエノ!たぶんメイションは蜘蛛の毒にやられてるぜーっ!
 ああ…いや、グラディスとユリの様子もおかしい!セラエノ、さっき使った解毒剤は…
 セラエノ!近づくな!番犬がいるぞ!」
セラエノのテレパシーは人間の言葉を解する者にはともかく、
犬や蜘蛛には意味が無さそうだとエンカは思った。
幸いエンカとユリは、さきほど犬を一匹崩壊させたメイションのそばにいるため、
少なくとも犬からは警戒され、近づこうともされなかった。
「なんだこのベチャベチャしたものはよーっ!?」
エンカはふとセラエノの蜂蜜酒を思い出した。

23:リリィ ◆jntvk4zYjI
10/07/17 08:48:29 0
>17
「つまりそれって、フリード君召喚用カードってこと?でも普通それって使い魔召喚用だよね?
 普通と逆じゃない?」
リリィはうーん、と考え込んだ後、
「そうか・・・・・フリード君って、骨の髄まで猫好きなのね。グレン、あなた愛されてるわよ」
と言って、うんうん頷いた。

グレンが走ってその場を去った後、屋敷の窓を叩いたリリィ。
だが。
>「お前、一体どこから入りこんだんだ!」 
「フ、普通に歩いて・・・・・」
>「怪しい奴、地下牢にでも放り込んでおけ」 
「待って、友達が蜘蛛に噛まれて・・・・・・お願いです、治療してあげてくだちゃい」
だが屋敷の人間は聞く耳を持たなかった。
>リリィは両脇を抱えられ、屋敷の中に引きずられていった。 

そして現在。

>20
真っ暗な部屋に放り込まれたリリィの後ろで、重々しい音を立てて扉が閉まる。
部屋の中はじめじめして、カビと血と動物の匂いが混じったような異臭がした。
「待って!行かないで!友達を助けて!
 ちゃんと治療しなかったら、蜘蛛の毒で友達が死ぬかもしれないの!!」
どんどんと両手で叩くも空しく、足音は遠ざかっていった。
「行かないで!行かないで!皆は何もしてないの!」
リリィの叫びを聞くのは、暗い通路に置かれた明かり取りのランプだけだった。

「・・・・・・・どうしよう」
廊下側に作られた、食事用の小窓から外を覗くが、既に全員去って久しい。
リリィの声はもうどこにも届かない。

リリィは堅く閉ざされた扉の前に、ずるずると座り込んだ。
次第に目が慣れてきたようで、部屋の中の様子も見えてくる。
部屋の右側には石造りのベッドらしきものの上に、粗末な麻で出来たボロ布が置いてあった。
左側の壁際には、手枷と足枷が壁に吊り下げられている。

一気に頭が冷えたリリィは、ようやく自分の置かれた立場を自覚し、震え上がった。
「ああ、どうしよう・・・・・・!」
今頃になって自分の行動を悔やんでも、後の祭りである。

ピチョン、ピチョンと水の滴る音がする。
リリィは石造りのベッドに座り、肩を落としていた。
「皆、どうしたかな」
ここに自分以外運び込まれていないところを見ると、うまく逃げおおせたたのかもしれない。
そうであってくれれば良いと思う。
「これから、どうなるのかな・・・・・・」
入学したばかりだと言うのに、早くも退学だろうか?それとも
「フホーシンニューとか、ショーガイとかアンサツミスイでタイーホされちゃうでちゅか・・・・・・ん?」
静まり返った牢の中に、鍵が外れたとしか思えない音がした。
リリィは慌てて扉に飛びついた。
「誰かいる?カラs・・・・・・みんな、なの?」
仲間の名前を大声で読んだらまずい、というくらいの知恵はあったようだ。
堅く閉ざされていたはずの扉は、驚くほどあっさりと開いた。
リリィはそっと廊下の様子をうかがったが、相変わらず人の気配は全く感じられない。
釈然としないものの、チャンスは今しかない。
リリィは足音を忍ばせ、一目散に逃げ出した。

24:リリィ ◆jntvk4zYjI
10/07/17 08:53:25 0
屋敷の中は広く、まるで迷路のようだった。
壁に並んだ彫刻や鎧、古めかしい肖像画。
名のある物かもしれないが、招かれざる客としては、どれも不気味にしか思えなかった。
「変ね、なんでこんなに人の気配が無いの?」
さっきユーリ先輩と中の様子を覗いた時には、忙しく働くメイド達の姿が見えたのだが、
今の屋敷の中はメイドはおろか、物音一つしない。

「どういう事なの?私、夢でも見ているの?」
赤い絨毯が敷かれた廊下、同じような扉、古めかしい調度品。
リリィは次第に、同じところをぐるぐる回っているような錯覚に襲われてしまった。
「・・・・・・部屋の窓から、外の様子とか見えないかな?」
リリィは、他よりも豪華な装飾が施された扉に手をかけ、そっと押してみた。
「ここは・・・・・・?」

25:ユリ ◆sto7CTKDkA
10/07/17 22:49:52 0
>17-22
>「静まりなさい、何事ですか!
>私はセラエノ・プレアデス。ベッドフォード邸に行っているエンカの叔父、メイションを探しに来ました。
>館の関係者は取次ぎをお願いします。
>そして、樹上の大蜘蛛は明確な敵意を持っています。
>まずはそれの排除を!」
寝転がったまま無心に蜂蜜を食べていたユリは、セラエノのテレパシーと大声と光で覚醒した。
しぼりたての雑巾くらいには。だったが。
「あれ…私なんでこんなとこで寝てるんだっけ…
 えーと、確かいきなり木の上に引っ張り上げられて、何かに噛まれて…
 グラディスが助けに来てくれて…
 そーだ! グラディスは!? 大丈夫!?
 …ありゃりゃりゃりゃ~ なんか体に力が入らないよう…」
跳ね起きようとして、やっぱり力が出ずにユリはその場に突っ伏した。

>「セラエノ!たぶんメイションは蜘蛛の毒にやられてるぜーっ!
> ああ…いや、グラディスとユリの様子もおかしい!セラエノ、さっき使った解毒剤は…
> セラエノ!近づくな!番犬がいるぞ!」
セラエノの事は知らないが、後から聞こえてきた声はエンカだとユリにもわかった。
「あー…エンカ来てくれたんだ…
 私としたことが、不意打ちに気づかないでやられちゃうとは不覚…」
まだ毒の効果は残っているため、ユリはほとんど動けない。
>「なんだこのベチャベチャしたものはよーっ!?」
「それ蜂蜜…美味しいけど食べるのは後にして、先に毒を魔法で消せないかな…
 私もグラディスも、毒でやられちゃったみたいで…
 メイションは大丈夫…?」
魔法をよくわかっていないユリは、魔法使いは万能であると本気で思っていた。

光に照らされて、木々の間に張られた巣を動き回っていた大蜘蛛が良く見えるようになった。
光から逃げるように蜘蛛は動こうとするが、見えない糸に拘束されたようにすぐにその動きが止まる。
動かなくなった大蜘蛛は、代わりに1本の足を大きく振り回し始めた。
館から出てきた警備員が一人、悲鳴を上げて宙を舞い始める。
大蜘蛛はリリィを狙った時と同じように糸を伸ばして警備員を振り回しているのだ。
振り回される警備員と糸に当たれば、弾き飛ばされるか警備員と一緒に空を飛ぶ事になる。

26:ミク ◆sto7CTKDkA
10/07/17 22:50:51 0
時はその少し前にさかのぼる、
樹上を移動してきたミクは、少し離れた木の上から大蜘蛛の戦いを眺めていた。
エンカとセラエノが臆病風に吹かれて帰っていれば、戦いに介入しようと考えていたのだが。
どうやらその必要は無かったようだ。
セラエノの光が戦いの場を照らし、その声が響くのを聞いて、少しだけミクは笑う。
「2人ともこちらに来たのね。 そんなに叔父との出会いが大事なのかしら。
 それとも友達が心配だったのかしら?
 どちらにしても、派手に名乗りを上げてから共通の敵を作るなんて、見事な手際ね」
ユリが向かったこの屋敷は、学園の重要人物にして有名人のはずだ。
堂々と乗り込めば、逆に自分の立場を守ろうとして下手な手出しができなくなる事は十分に考えられた。
相手が強引に事実をもみ消そうとしなければ。

ミクは状況を自分に有利にするために、複数の細い糸を大蜘蛛に巻きつける。
それまで木々の間に張られた巣を走りまわっていた蜘蛛は、磔にあったように動きを止めた。
これが、急に蜘蛛が動きを止めた原因だった。
時間が経てば糸はさらに締り、大蜘蛛を輪切りにするだろう。
その前に蜘蛛が倒されても、それはそれで良し。
要はしばらく注意を集められれば、それで蜘蛛は役目を果たすことになるのだ。

地上の戦いにはそれ以上干渉せずに、ミクは張り渡した糸を使って空中から総帥の館に移動した。
何回か粘着質の糸を貼りつけてから窓を壊し、館の中に侵入する。
特に目的があるわけではなく、単なる好奇心からの行動だった。
仮に総帥とやらがごく普通の善人なら、適当に悪事の証拠らしきものをでっちあげるのもいいだろう。
本当に悪事の用意があれば、ユリたちより先にその情報を掴むのも悪くない。
とにかくミクは、楽しみに、刺激に飢えていたのだ。
館の中を散策しながら、ミクは硬い糸と柔らかい糸を張っていく。
糸は獲物を捕らえるのに必ず役立つはずだ。
それが館の住人か、後からこの館に乗り込んでくる者かは、まだわからないが。

27:グレンSUフリード ◆cOOmSNbyw6
10/07/17 23:41:00 P
木を伝い屋根を駆け抜け元の場所に戻ろうと走るグレン
体のサイズは大きくなっても猫としての能力は変わらない

念のために保健室に寄るグレン
そこにいたのは犬っころと取っ組み合いを演じるゴーストの教師であった
ゴーストなのに物理的に殴り合えるとはよほど強力な霊に違いない
加勢しようと犬に近寄るグレン
ただの猫では勝ち目はないが今のグレンはフリードと合体しているため負けはない
そうグレンは考えたのである
「その犬に近づいては駄目だ!」
とグレンに警告する保険医
「何故故?」
(にゃん?)
なぜ近づいてはいけないのかと保険医に問うグレン
保険医は犬の能力を斯く斯く云々と説明する
「なるほど・・・・・・」
(にゃ・・・・)
と肉体を持たぬ幽霊である彼だからこそその能力を無効化出来ると納得したグレン
「そんな事より蜘蛛が毒で大変なんだ!!」
(にゃにゃにゃにゃ~な!!)
と毒蜘蛛がいるからすぐに毒消しを持ってきてくれと保険医に頼むグレン
果たして保険医は来てくれるのだろうか?

>23
「やや?リリィさんがいない!?」
(にゃにゃ?にゃにゃにゃにゃ!?」
しばらく経って戻ってきたはいいが肝心のリリィが居ないことに驚くグレン
「一体全体どこに行ってしまったのだろう?」
(にゃにゃお?)

蜘蛛を見ると同行していた保険医はおもむろに消毒用アルコールの瓶をぶん投げ
「毒は熱消毒だぁ!!」
と火の点いたマッチを投げ捨てた
まさに外道である
誰かこのレズば・・・・・・お姉さんを何とかしてやってくれ
それを見たグレンは・・・・・ああこの人も性格は考慮せず能力だけで呼ばれたんだな
と妙な方向で納得したようだ
もしこの保険医が強力な攻撃魔法が使えたならばダンジョンのボスをダンジョンごと吹っ飛ばしたに違いない
「そんな事より転がってる人の毒を消してよ」
(にゃにゃにゃおん)


28:ベッドフォード ◇k4Jcxtcjwo
10/07/19 22:47:21 0
「ええい!なぜ俺にすぐ報告をしなかった!
敷地内への侵入を許すとは怠慢も甚だしい!」
緑色の軍服の上からコートを肩に羽織り颯爽と廊下を歩く銀髪の細身の男
男は部下を叱責しながら帽子を被りつつ身仕度を整えていた
「申し訳ありません!我々も謎の蜘蛛対応に追われておりまして…」
「言い訳は良い!万一総裁の御身に何かあれば我々は只ではすまんぞ!」

「オワゾー殿はどのみち当てにはならん
私が不埒者の相手をしてくれる…」

>>21 >>26

>「鎮まりなさい!…」

「くっ…なんだこのテレパシーは…
蟲使いもいるとは厄介だ」
男は窓の外に目をやり樹上に蜘蛛を探していた最中 背後にいた部下の悲鳴と共にガラスが割れた
屋敷内にも張り巡らされた蜘蛛の糸が部下を窓の外へ引きずり出したのだ
「屋…屋敷にも糸は張り巡らされているのか…」
窓の外を始め至る所で部下達の悲鳴が響いている 蜘蛛にやられているかまたは別の侵入者にやられているのかは男に分かるはずも無い
「こうなれば蜘蛛であれ誰であれ叩き斬ってくれよう…
この私、アドラス・ヴィエーダーが相手をしてくれるっ!」
アドラスは腰から剣を抜くと雄叫びをあげ窓から外へと飛び出した


29:ベッドフォード ◇k4Jcxtcjwo
10/07/19 22:48:02 0

>>24
リリィの目前には見覚えのある一人の老人がいた
壁一面ガラス張りの大窓から後ろ手に手を組み外を眺めている
「来たか…どうやら侵入してきたのは君達だけでは無いようだな」
振り返る事もせず窓の外を見続けたまま言葉を発していた
大窓からは時折閃光が差し込み 薄暗い部屋を瞬く照らす
「だが、あの蜘蛛は君達の覚醒を促す良いきっかけとなってくれるだろう…
誰であれ役に立てばそれでよい」

「さあ、かけたまえ」

老人はゆっくりリリィの方を振り向くと 目前にあるソファーへ座るよう促した
「手荒く扱った無礼を詫びよう


さて、何故ここへ来た?」
老人の目はまるでリリィを突き刺すかのように鋭くなり、じっと彼女を睨みつけるかのようだった

30:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y
10/07/20 21:10:07 0
>25>27
> 「それ蜂蜜…美味しいけど食べるのは後にして、先に毒を魔法で消せないかな…
>  私もグラディスも、毒でやられちゃったみたいで…
>  メイションは大丈夫…?」
「メイションも毒にやられた!それに悪いが、俺には毒を消すような魔法はできないっすよ!」
エンカはメイションの背中から生えた触手に触れないように気をつけた。気味が悪いからである。
「なんでこんなところに蜂蜜がぶちまけられてんだよーっ!?」

> 蜘蛛を見ると同行していた保険医はおもむろに消毒用アルコールの瓶をぶん投げ
> 「毒は熱消毒だぁ!!」
> と火の点いたマッチを投げ捨てた
「なんてクレイジーなんだ!それに、よく見たら保険医さんじゃないっすか!?」
エンカは彼女の治療を一度受けているので、彼女の顔を知っていた。
> 「そんな事より転がってる人の毒を消してよ」
「まず蜘蛛から始末するってのは考え方としてはおかしくねぇ。」
エンカは保険医の行動を肯定した。
点火された蜘蛛に驚いて犬達が逃げ出したのもありがたかった。
「お前こそなんだよ!?俺はおめぇみてぇな奴知らねぇぞ!?」
エンカはグレンに言った。
「さっきリリィがどうのこうの言ってたよなーっ!?
 どういうことか教えろよ!退散するか突入するか決められねぇからよーっ!!」

31:リリィ ◆jntvk4zYjI
10/07/21 06:29:40 0
薄暗い部屋の中、窓際には人影が立っていた。>
>「来たか…どうやら侵入してきたのは君達だけでは無いようだな」 
「その声は、 ベッドフォードさん・・・・・・ですか?」
驚きのあまり、自身の口調がいつのまにか元に戻っていることにも気づいていないようだ。
(どういうことなの?閉じ込められたのは、ベッドフォードさんの指示じゃなかったの)
リリィは先程まで、侵入者として地下牢に閉じ込められていた。
なのに指示した筈の人間は、自分の姿を見て人を呼びもせず、無防備な背を向けているのだ。
もっとも、たとえ背後を取ったとしても、リリィに何が出来るわけでもなかった。
入学式の時に見た壇上の姿よりも圧倒的な存在感と威圧感に、言葉すら満足に出てこないのだから。
まるで、蛇に睨まれたかえるのようだ。

だがそんな状態も長くは続かなかった。
>大窓からは時折閃光が差し込み 薄暗い部屋を瞬く照らす 
その光が、リリィがどう行動するべきか教えてくれた。
「あの!」
リリィは畏れを振り払うように、ぎゅっと拳を握り締めた。
「あの・・・・・・私たち、見たことも無いような蜘蛛達に襲われて・・・・・・。
 動けない子もいるのに、警備の人が犬をけしかけてるのを見ました。私、友達を助けて欲しくて。
 噛まれて毒を受けた子もいるみたいなんです。
 勝手にお屋敷の敷地に入ってしまったのは謝ります。本当にごめんなさい。
 ですが、私達、ベッドフォードさんに危害を加える気なんて無いんです。
 だからお願いします。私の友達を助けて!!」
>「だが、あの蜘蛛は君達の覚醒を促す良いきっかけとなってくれるだろう… 
>誰であれ役に立てばそれでよい」 
「そんな・・・・・・」
リリィは絶望的な思いで、ベッドフォードの後姿をみつめた。
話し合いは無駄なようだ。
リリィはくしゃっと顔を歪めると、皆の所に戻ろうとドアへと駆け寄った。
「・・・・・・・?!」
だが何度試しても、ドアはまるで壁のように重く、ピクリとも動かない。

>「さあ、かけたまえ」 
>老人はゆっくりリリィの方を振り向くと 目前にあるソファーへ座るよう促した
リリィは怯えた顔で、弱弱しく首を横に振った。
(あ・・・・・何で?体が勝手に・・・・・・!!)
リリィは操り人形のようにふらふらと動き、豪華なソファへと身を沈める。 

>「手荒く扱った無礼を詫びよう 


>さて、何故ここへ来た?」 
「と、友達と学内探検をしてて、たまたまこの場所に・・・・・・・きゃあああ?!」
突如リリィの足元に魔法陣が浮かびあがったかと思うと、八方から黒い影が伸び、彼女に襲い掛かった。
「いやあ!やめて!私の中に入ってこないで!!・・・・・誰か・・・だれ・・・・・か・・・」
助けを求めるように伸ばされた手も見る見るうちに漆黒に染まる。
光の消えたリリィの目から一粒涙が零れ落ちた。
やがて影は完全にリリィを飲み込み、室内には静寂が戻った。

リリィはゆらりとソファから立ち上がった。
「ここを訪れたのは、総帥の身辺をかぎまわる人間が消えるという噂の真相を確かめに、です。
 ユリという名の少女の発案のようです。子供の肝試しの延長に近いかと思われます。
 同行者の名前は、ユリ、グラディス、響桜花、レイヴン、メイション、鋼、そして猫のグレンです」
リリィは抑揚の無い声で質問に答えた。
「今現在私の使える魔法は、飛行術と発信のみのテレパシーです。」

リリィはベッドフォードに歩み寄ると、彼の足元に跪き、靴にキスをした。
「何なりとご命令を。――我が君」

32:ユーリ◇gIPsgrF.N6
10/07/21 20:56:45 0
>>30
>「さっきリリィがどうのこうの言ってたよなーっ!?
どういうことか教えろよ!退散するか突入するか決められねぇからよーっ!!」
計画通り遠巻きに見ていたがこのまま退散されちゃ面白くない。そう思ったユーリは行動に出る
「リリィなら――」
つい今さっき戻ってきた風を装って木陰から飛び出る
「屋敷の中に運び込まれた………」
と最後は消え入るように呟き、小刻みに震える体を抱き顔を伏せ
「私、これ以上怖いのはもう嫌っ、無理っ!!」
と言葉を絞り出して走り去ってしまった
………ように見せかけてまた木陰から空間の歪みに身を隠す
(まさか、リリィちゃんの方が当たりだったなんてなぁ)
と先程とはうって変わってケロッとした顔で頭を掻く。念のためにリリィの方も覗いていたらこんな結果になるとは
しかし、これでリリィを助けに行かせるように煽り、かつユーリは退場したかのような印象つけを出来た訳だ
あとはエンカ達が勇気(或いは蛮勇)を発揮してリリィの奪還に行けば、それに便乗する算段だ

33:グレンSUフリード ◆cOOmSNbyw6
10/07/21 22:51:57 P
>30>32

>「お前こそなんだよ!?俺はおめぇみてぇな奴知らねぇぞ!?」
「僕の姿はなんども見ているはずだよ」
(にゃあん)
「まず大きさの概念を捨てるんだ!そして黒い猫を思い浮かべるんだ
 この学園で見たことある二足歩行する猫と言ったら?そうそれが僕さ」
(にゃにゃにゃぁお!にゃん にゃんにゃんなや~)
正体隠す気全く無しのグレン
「好きな言葉は下克上!それが僕グレン・ダイザーさ」
(にゃん!にゃにゃ~ん)
サブキャラであるグレンがメインキャラであるフリードの出番を根こそぎ奪っているので下克上は大成功であろう

>「さっきリリィがどうのこうの言ってたよなーっ!?
  どういうことか教えろよ!退散するか突入するか決められねぇからよーっ!!」
「よくわかんないけどさっきまでいたはずの場所に居ないんだ」
(にゃな~)
斯く斯く云々と一匹で応援を呼んだこと等を説明するグレン
「毒を消すなら医者ってわけだよ」
(にゃ~ん)

>「リリィなら――」
>「屋敷の中に運び込まれた………」
>「私、これ以上怖いのはもう嫌っ、無理っ!!」
確か彼女は上級生でありフリードの姉と同程度の実力を持っているはずだ
まあフリードの姉なら「もうめんどくさいから屋敷ごと吹き飛ばして気絶したリリィさんを回収しましょう!」
とか言い出しそうである
実際そんな事を出来るかどうかグレンは知らない
私だって知らない・・・・・そんな事が出来たら早く卒業しろと突っ込みたい
そんな彼女が怯えるベッドフォード卿・・・・・一体どんな化物なのだろう?

「そんな事どうでもいい!毒の治療をさせろ!この新薬を試させるんだ!!」
そう言って紫色の怪しい薬の入った注射器を取り出す保険医
絶対マッドだこのババァ!?
「毒は完全に治るだろうが・・・・・・幼女になる!
 死ぬかTSか選べ!!」
しかもロリコンだこのババァ
ちなみに普通の毒消しも当然持っているのだが彼女は趣味に走っているようだ

「まあ当然返してもらいに行くよね?」
(にゃあ?)
ババァを見なかったことにしつつリリィを助けに行くのだろうと尋ねるグレン
フリードが起きていたなら「ここで助けないなら男じゃありません!!」と言っていたに違いない


その頃、グレンSUフリード内で爆睡中のフリードの夢のなか
「変身!!」
スワン!キャット!(電子音)
「僕は一人と一匹で一人の魔法使いだ!!
 さあお前の食べずに捨てたパンの耳の数を数えろ!!」
 僕は人を殺さない!その心を殺す!行くぞ!マインドブレイクだ!!」(廃人確定)
キャットマジカルマキシマム(電子音)

相変わらず意味不明の夢を見ているようである


34:セラエノ ◆LGeruanYjI
10/07/21 23:47:34 0
ベッドフォード邸付近の森では激しい戦いが続いていた。
樹上の大蜘蛛は身動きが取れないまま糸を飛ばし、屋敷の警護の者たちはそれに交戦する。
毒に犯され動けない者達。
火炎瓶を投げつつ毒に苦しむ者に究極の選択を迫る保険医。
月明かりの指す森の中、場はカオスそのものであった。

そんな中、セラエノは何をしているかというと…
血溜まりの中で倒れていた。
その原因は、混乱の最中にエンカの届いた一言。
>「セラエノ!たぶんメイションは蜘蛛の毒にやられてるぜーっ!

アルビノの美少年が蜘蛛の毒に犯され…犯され…犯…
賢明な読者は何が起こったかは既にわかっているだろう。

################################

線の細くアルビノの美少年が蜘蛛の巣に磔になりもがいている。
身動きが取れないままもがく姿がそそられるが、それだけでは終わらない。
じっくりと身動きの取れない美少年に近づく醜く巨大な蜘蛛。
ここ、醜いというところが重要なので読み落さない様に!
美しいものが醜いものに蹂躙されるこのギャップが(ry
毒液の滴る牙がゆっくりと近づき、怯える美少年。
その表情を楽しむかのように剛毛に覆われた足が美少年の頬を撫で、その首筋にゆっくりと牙を立てていく。

【10行ほどの妄想が続きますが、自主規制のためカットされました】

毒で弛緩しても美少年の美しさは損なわれない!(←ここは譲れない)
蜘蛛の糸が美少年の裸体を締め上げ、亀甲縛りのまま吊るされるのだ。
最早なすがままの美少年に蜘蛛は圧し掛かる。
産卵の為に…!

##############################

勿論こんな事はない!
これはセラエノの脳裏に流れるヴィジョンという名の妄想である。

自分で妄想しておいて鼻血を噴出して倒れていては世話はない。
しかしいくらセラエノがショタ好きとはいえ、ここまで変態趣味はなかったはずである。
ベッドフォードが望む形とはかなり方向性が違ってしまっているが、何か覚醒してはいけないものに覚醒しそうなセラエノだった。

物語は切迫したシーンだというのにこんなのでいいのか?
よくない!言い訳がない!
だがこれで良いのだ!

なぜならば、血溜まりの中倒れるセラエノの口元は幸せそうに笑っているのだから。

35:ユリ ◆sto7CTKDkA
10/07/22 16:38:55 0
>27-28 >30 >32-34
>「メイションも毒にやられた!それに悪いが、俺には毒を消すような魔法はできないっすよ!」
「ええー…魔法使いなのに?
 魔法使いって、ごにょごにょって呪文唱えたらなんでもできるんじゃなかったの?」
とんでもない偏見だが、ユリのいた地方での魔法使いのイメージはだいたいそんなものだ。

蜘蛛退治のために保険医は火を使う。
森の中で火を使うのは危険極まりない行為だが、そこは変態でも学園教師。
炎は木に燃え移ることはないよう計算されている。
> 「そんな事より転がってる人の毒を消してよ」
>「まず蜘蛛から始末するってのは考え方としてはおかしくねぇ。」
「その考えおかしいよ絶対…毒消しを先にくれないと、私達狙われたら危ないじゃん…」
脅威の始末は重要だが、毒で困っているユリたちからすれば治療を先にお願いしたいのが人情というものだ。

>「お前こそなんだよ!?俺はおめぇみてぇな奴知らねぇぞ!?」
>「好きな言葉は下克上!それが僕グレン・ダイザーさ」
>「リリィなら――」
>「屋敷の中に運び込まれた………」
>「私、これ以上怖いのはもう嫌っ、無理っ!!」
「う~~いいから、先に毒消しお願い~」
行われる話し合いの中、いつもなら元気に会話に加わるユリも、毒で頭クラクラ状態ではそうもいかない。

>「そんな事どうでもいい!毒の治療をさせろ!この新薬を試させるんだ!!」
救いの神は患者を忘れていなかった。
患者のためというより自分のためかもしれないが、ユリからすれば毒が治ればそんなことはどうでもいい。
>「毒は完全に治るだろうが・・・・・・幼女になる!
> 死ぬかTSか選べ!!」
「幼女でいいから早く薬…」
座り込んでいたユリは毒々しい色の注射器を受け取り、針を引き抜くと、一気に薬を口の中に流し込む。
「……まっず~い! もう一杯!」
容量も用法も正しくない使い方だったが、薬は幸いすぐに効果を発揮し始めた。
毒消しと幼女化、両方の効果を。 正確に。

36:ユリ ◆sto7CTKDkA
10/07/22 16:40:39 0
「よっし!これで完璧!!
 ありがとう先生! 私はもう大丈夫だよ!
 他の人の毒も治療してあげて!」
少し後、ユリは手刀で適当に切った忍者服を身にまとい、引っ張って破った袖を帯代わりに腰に巻きつけた。
幼女化によって着ていた服がだぶだぶになって動きにくくための、やむを得ない措置だ。
危険な治療薬がなくなった今、メイションやグラディスにはまともな毒けしが使われるだろう。

「それじゃまずはあの大蜘蛛を倒そう!それから…あっ!」
ユリがそう言った時、明かりと燃える火に照らされていた大蜘蛛の動きに異変が起きた。
最初に地面に落ちたのは、警備員を振り回していた足だ。
もちろん切断されたのは足だけではない。
後を追うように蜘蛛だった体が、バラバラに輪切りにされて巣から地面に落ちていく。
ミクが用済みとなった蜘蛛を始末したのだが、ユリにそんなことはわからない。
「蜘蛛がバラバラになっちゃった… これってもしかして、エンカと一緒に来たセラエノって人の魔法?
 …ってあああああ!死んでるー!?
 どうしたの!? 大丈夫!? しっかりしろ傷は浅いぞ!」
血だまりに倒れたセラエノを見て、ユリは慌てて駆け寄り抱き起す。
その顔は幸せな夢を生きた者らしい安らかなものだったが、ユリは空気を読まなかった。
「せんせーい! 怪我人の治療お願いします!
 体中血まみれのちょー重傷患者です!!!」

ひとまず危機から脱して安心したユリは、エンカに聞きたい事があった。
「そういえばなんでエンカここにいるの?
 私達総裁の館に行くなんて言ってたっけ?」
もちろん、危険は去ったように見えるだけであり、実際には新たな危機が迫っていた。
館から剣を抜いたアドラスが向ってきたのだ。
呑気に話をしている場合ではない。

「えーとえーと、私達忘れ物を取りに来て森に迷い込んで、ここで蜘蛛に襲われて…って人の話聞いてるー!?」
リリィからのテレパシーを思い出して言い訳を始めるユリだが、剣を持つ相手に説得が通じるかは疑問に思えた。
「グレン! さっきリリィを助けに行くかって聞いてたよね!
 もちろん私は行くよ! ここで逃げたら女がすたる!」
熱血直情馬鹿のユリの辞書に、逃走の2文字は無い。
闘争の文字があるのみである。
幼女化してもそれは変わらない。
ユリの右手に、魔法で呼び出されたデッキブラシが現れる。
今のユリに使える、数少ない魔法のうちの一つだ。
「それじゃあいっくよー! 敵陣一番乗りはわたしだーっ!!」
ひらりとデッキブラシに飛び乗ったユリは、館に向けてブラシを急加速させる。
位置的に、ちょうど館から出てきたアドラスの正面だ。
「とっつげきぃぃぃぃぃぃl!!!!」
アドラスが突撃を避ければ、ユリは窓ガラスをぶち破って館に侵入するだろう。

37:ミク ◆sto7CTKDkA
10/07/22 16:42:55 0
>29 >31
「騒がしくなってきたわね」
館の中を歩きながら、ミクはユリの周辺の会話を聞いていた。
十分大蜘蛛は注意をひきつけたわけだ。
「お疲れ様。 あなたは本当に役に立ってくれたわ」
ミクは大蜘蛛に巻き付いていた糸を操り、締め上げる。
今頃はバラバラになった大蜘蛛が、外の人間に目撃されているだろう。
なにかあったら、あの時助けてあげたのにと恩を売ることもできるわけだ。
死んだ後まで役立つとは、よくできた蜘蛛ではないか!

ただ、歩きながらも館内に警備の人員がいないことが、ミクは気がかりだった。
外に警備員がいるのだから、館の中にも配置していなければおかしいはずなのに。
考えられる可能性は2つある。
1つは館の主人が底抜けの間抜けであること。
もう一つは…
そこまで考えて、ミクは歩みを止めた。
少女が1人、ミクには理解できないほど豪華な扉の中に入っていくのを見たからだ。

ミクは扉の前まで行くと、中の会話が聞き取れないものかと耳を澄ませた。
何も聞えなかった。
ため息をついてミクは1本糸を取り出すと、片側の端を自分の耳に当て、反対側を扉に当てる。
糸を使って内部の会話を盗聴しようというわけだ。
2方向で盗聴というわけにはいかないのでユリたちの会話は聞こえなくなるが、これは仕方がない。

>「だが、あの蜘蛛は君達の覚醒を促す良いきっかけとなってくれるだろう…
>誰であれ役に立てばそれでよい」
聞えてきたのは、糸を通して聞いたことのある総裁の声だった。
いきなり当りを引いたというわけだ。
>「と、友達と学内探検をしてて、たまたまこの場所に・・・・・・・きゃあああ?!」
会話を聞いていたミクは、リリィの悲鳴に眉をひそめる。
中で何が起こったか、盗み聞きしているだけのミクにはわからなかったのだ。
それでも、リリィを助けるために中に入ったりはしない。
事の顛末を聞きとろうとミクは盗聴を続ける。

>「何なりとご命令を。――我が君」
生気のない口調で全てを話すリリィの声を聴いて、ミクは事情を理解した。
つまり護衛は配置されていないのではなく、必要ではなかったのだ。
ミクは声を立てずに楽しそうに笑うと、扉を叩いて来訪を告げ、返事も待たずに中に入る。
「夜分お楽しみの所失礼しますわ。ベッドフォード総裁。
 私はこの学園の新入生、初音美紅と申します。
 今後ともよろしく」
リリィを跪かせたベッドフォードに笑いかけ、頭はさげずに本題に入る。
「実は私、友達のユリがあなたの事を調べようとしているのを止めに来ましたの。
 あの子ったら止めても聞かなくて…
 もちろん総裁に、調べられて困るような後ろ暗いことなどありませんわよね?
 総裁の周りを調べていた者が姿を消すなんて、根も葉もない噂話ですもの」
そんな事は露ほどにも思っていなかったが、ミクはそう言った。

「それで私、総裁にお願いしたいことがありますの。
 好奇心から出たいたずらでも、罪は罪。
 でも、私の友達のユリを見逃して下さるなら、私が総裁のお手伝いをさせていただきますわ。
 ユリ以外の者達はご自由にしていただいて結構ですから」
むろんユリ以外の者には、操られているリリィも含まれる。
リリィを助けに部屋に入らなかったのはそのためだ。
「よろしければ先ほど言われていた【覚醒】の事、もう少し詳しくお聞きしてもよろしいかしら。
 それとも、私の助力なんて必要ないと思っていらっしゃるのかしら?」

38:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y
10/07/22 23:07:25 0
>32>33>36
> 「よくわかんないけどさっきまでいたはずの場所に居ないんだ」
> 斯く斯く云々と一匹で応援を呼んだこと等を説明するグレン
「なるほど、丸々牛々っつーわけっすね。」
何故か理解したエンカ。
> 「リリィなら――」
> つい今さっき戻ってきた風を装って木陰から飛び出る
「あんたはユーリ!リリィ達と一緒だったのかよ!?」
木陰から飛び出たユーリにエンカが聞いた。
> 「屋敷の中に運び込まれた………」
「なんだってーっ!?そいつはめっちゃまずいっすよーっ!」
> 「私、これ以上怖いのはもう嫌っ、無理っ!!」
> と言葉を絞り出して走り去ってしまった
「あ!コラッ!逃げてんじゃねーっすよーっ!」

> 「そんな事どうでもいい!毒の治療をさせろ!この新薬を試させるんだ!!」
「あ…あぁ、そうっすよ!早くメイション達を元気に…」
> 「毒は完全に治るだろうが・・・・・・幼女になる!
>  死ぬかTSか選べ!!」
「ハァ!?」
保険医の言葉に当惑するエンカ。エンカには彼女が冗談でそれを言っているようには見えなかった。
> 「まあ当然返してもらいに行くよね?」
「リリィは助けにいくっす!でも、メイションをほっといたらこの保険医に幼女にされちまうじゃねーかっ!」
しかし、メイションを性転換させられる心配はすぐに無くなった。その薬を使ったのがユリだったからだ。

> 血だまりに倒れたセラエノを見て、ユリは慌てて駆け寄り抱き起す。
> 「せんせーい! 怪我人の治療お願いします!
>  体中血まみれのちょー重傷患者です!!!」
「気をつけろユリ!魔法による攻撃かもしれねぇぞ!」
とエンカ。
> 「そういえばなんでエンカここにいるの?
>  私達総裁の館に行くなんて言ってたっけ?」
「知らなかったのか?メイションが食堂の掲示板に書き込んでたんだぜ?」
> 館から剣を抜いたアドラスが向ってきたのだ。
> 呑気に話をしている場合ではない。
> 「えーとえーと、私達忘れ物を取りに来て森に迷い込んで、ここで蜘蛛に襲われて…って人の話聞いてるー!?」
「ユリ!その剣士はおめぇに任せるぜーっ!俺は他の奴らの相手をする!うぉおおおおっ!」
そう言って突撃したエンカは、警備の三人組にあっさり捕まってしまった。

39:ベッドフォード ◆k4Jcxtcjwo
10/07/23 10:27:41 O
>>31

>「なんなりとご命令を…」

「ならば君達の仲間にテレパシーで伝えるのだ
私に捕まり、身の危険を感じていると、な」

>彼の足元に膝まずき靴にキスをした

老人は腰を屈め靴に口づけをするリリィの頬をねっとりとそして優しく右手で撫でる
「怒りこそ最大の要因になるやもしれん
ふふ 良い子だ…私の為に働いておくれ 可愛い雛型よ……」
彼はゆっくりと立ち上がり 意味ありげな笑みを浮かべひざまずくリリィを見下ろしていた

>「夜分お楽しみの所失礼しますわ私は新入生の…」

突然現れた謎の少女は簡単に自己紹介を済ませると早々に本題へと話を進ませた

>「それで私 総裁にお願いしたい事が」
>「宜しければ【覚醒】の事」

招かれざる来訪者を前にしても老人は眉一つ動かさず言葉を発する

「良かろう…君の好きにするが良い…」
ミクの願いはいとも簡単に許された
だが、老人はただし…と言葉を繋げる
「見た所、君は只の生徒ではないな…?
是非君の正体を教えて貰いたい
さすれば【覚醒】が何であるか全てを話そう」


>>36
>「とっつげきぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」

自分の目の前にはブラシに跨がり 猛スピードで突っ込んでくる謎の少女
剣を抜いてはいるもののこの速度は正直恐ろしい
剣が耐えられるか その前に自分にぶつかれば大怪我では済まない などとアドラスは色々な想像を頭の中を駆け巡らせていた
「避けるべきか…避けぬべきか…………」
アドラスは剣を構えたまま立ちすくむ
もし屋敷に突撃を許せば隊長である己の責任 なにより制裁が恐ろしかった

「屋敷へはネズミ一匹通さぬぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!」

剣に風魔法を付着させ横に薙ぎ払うとユリをブラシから振り落とさんばかりの強風が轟いた


40:レイヴン ◆70VgGM3HY6
10/07/23 22:15:56 0
>5
大蜘蛛は空中に複雑に張られた巣を駆け回り、糸で捕らえようと仕掛けてくる。
鴉は刀で糸を斬り、桜花は『音』で糸を避ける。何度か繰り返されたそれはしかし、
大蜘蛛の唐突な行動の変化で途切れる事になった。

>一瞬の溜めの後、大きい投網のように大量の糸をレイヴンに向けて吐き出したのだ。
なんと、今までは点での攻撃しかしてこなかった大蜘蛛が面での攻撃に切り替えてきたのだ。
所詮は獣と蜘蛛を侮っていた鴉はそれに対処しきれず下半身に引っ掛けてしまう。
蜘蛛の糸は極めて高い剛性と柔性と言う相反する特性を両立した物質であり、
生半可な膂力では引き千切る事などできはしない。

>そして、蜘蛛自身は巨体に似合わぬ素早さで、空中から桜花に向かって飛びかかる。
そして鴉の動きを封じ込めたのを確認してから、大蜘蛛は桜花へと飛び掛った。
前に出るべく足を踏み出そうとするが……糸が邪魔で動けない。
しかも大蜘蛛は後部と巣を糸で繋いでおり、初撃を避けたからと言って
脅威が去るわけでもない。己の無力さを呪い、無意識に刀を握る手に力が入ってしまう。

……瞬間、全身に流れる『何か』が急速に失われ右手に、もっと正確に言えば
刀に流れ込んでいく感覚に襲われた。せめて刀を投げる程度の妨害を、と
振り上げた手はしかし刀を手放す事はなく、代わりに青白い光のようなものが
刀身から放たれて大蜘蛛を一撃で両断してしまった!
驚いて刀を見ると……うっすらと先ほどの青白い光を放っており、
手をかざすと何故か熱を感じた。しめたとばかりに足に絡みついた糸をその熱で焼き切り、
自由を取り戻す鴉。だが蜘蛛に苦戦している間に、事態は大きく動いていたのだった。


>19、>21、>28
流石に騒ぎすぎたのか、屋敷から警備兵が犬と共に現れたのだ。
警備兵はそれぞれが棒のようなものを持っている。一見貧弱に見えるが、
仮にもベッドフォード財団所属、その棒もただの警棒ではあるまい。
人死にを出さずに済ませるのは無理かも知れない、と気を入れ直した矢先

>「静まりなさい、何事ですか!(中略)
>まずはそれの排除を!」
頭の中に声が響く。その声は昼に、自分の服の記憶を見せてくれた
自称神様、セラエノのものだった。
「普通ならいいタイミングなんだが……どうも今回は外れらしい」

>「こうなれば蜘蛛であれ誰であれ叩き斬ってくれよう…
>この私、アドラス・ヴィエーダーが相手をしてくれるっ!」
屋敷の窓をぶち破って、警備兵の統括らしき男が登場したのだ。
律儀に門から出てきてくれたならまだ違うのだろうが、今回に限って言えば
こちらの言い分はまず通らないだろう。
「参ったね、こいつは……面倒ばっかり増えやがる」

41:レイヴン ◆70VgGM3HY6
10/07/23 22:16:43 0
>32、>36、>38-39
>「リリィなら――」
>「屋敷の中に運び込まれた………」
>「私、これ以上怖いのはもう嫌っ、無理っ!!」
リリィと一緒に屋敷に潜入すると言って姿を消したユーリだったが、
衝撃的な内容を伝えた後怯えたように走り去っていった。
……鴉はその言動に強い違和感を感じた。入学式の時も出発直前であった時も、
大よそこの程度で怯むようなノミの心臓じゃないと思い込んでいたからだ。

普段なら『女らしい一面もあるんだな』で済ませるのだが、この非常事態で
鴉の警戒心や猜疑心も大きく高まっており、ユーリのそれを演技ではないかと
思ってしまったのだ。もっとも、内容を偽っていると言う可能性は考えていない。
ウソをついてユーリが得をする理由が鴉には思いつかないからだ。

>「とっつげきぃぃぃぃぃぃl!!!!」
そんな事を考えている内に、酷い副作用つきの解毒薬でょぅι゛ょと化したユリが
警備兵統括アドラスに向かってデッキブラシに跨りながら突撃していた。
ユリの実力は疑う余地がないが、今は薬のせいで子供になってしまっている。
そんな状態で全力を出せるかと言うとまず無理だろう……急激なサイズの縮小から来る
リーチの差や、未発達な筋肉を無理やり酷使する事になればいつもより限界も早いだろう。

>「ユリ!その剣士はおめぇに任せるぜーっ!俺は他の奴らの相手をする!うぉおおおおっ!」
助太刀しようと思った矢先、エンカも同じように突撃したようだが……
あっさりと警備兵に取り押さえられてしまった。あのままだとエンカが人質に取られる恐れがあると
踏んだ鴉は、ユリへと向けかけた足をエンカの方へと向け走り出す。
「おいっ、そこのあんた! ここは俺たちで抑える!
 あんたは屋敷に連れてかれたリリィを探してくれ!」
ミクの張り巡らせた糸の罠を知らない鴉は、エンカにリリィ捜索を依頼するのだった。

42:リリィ ◆jntvk4zYjI
10/07/24 14:00:47 0
>39
リリィはテレパシーで、総裁に捕まり、身の危険を感じている旨を外の仲間達に連絡した。

>「怒りこそ最大の要因になるやもしれん 
>ふふ 良い子だ…私の為に働いておくれ 可愛い雛型よ……」 
「お心のままに」
意味ありげな笑みを浮かべるベッドフォードを、まだ涙の跡が残る顔のままじっと見上げる。
「仲間達には連絡を済ませました。次のご指示を」

>「夜分お楽しみの所失礼しますわ。ベッドフォード総裁。 
>突然現れた謎の少女。
リリィはふらふらと立ち上がり、ベッドフォードの盾になれる位置に身を置いた。
 
謎の少女は「ミク」と名乗った。
彼女は、ユリを助けるのを条件に、総裁に助力を申し出た。
つまり、それ以外の人間はどうなってもいい、という事だ。
>「良かろう…君の好きにするが良い…」 
>「見た所、君は只の生徒ではないな…? 
>是非君の正体を教えて貰いたい 
>さすれば【覚醒】が何であるか全てを話そう」 

リリィはどんな話を耳にしても微動だにしなかった。
ただガラス玉のような目で、じっとミクを見つめているだけだ。

新たな命令を受けない限り、リリィはベッドフォードの傍を離れないだろう。

43:ルイーズ ◆jntvk4zYjI
10/07/24 14:10:09 0
「・・・・・・何の騒ぎにゃ、これは」
草葉の陰、もとい、草木の蔭から騒ぎを見物している三毛猫獣人。
そう、先程セラエノ達のデート(?)を邪魔したルイーズだ。
彼女はファンブルマンを捜す(という名目の散歩)をしている最中、とんでもないモノを目撃してしまったのだった。

「あ、ファンブルマン先生みっけ」
こちらも偶然による発見なので、ファンブルマンを見ることが出来た。
「セラエノたんは、えらいことになってるニャー。
 でもこんな騒ぎに巻き込まれたら、下手したら退学ニャー。どうしたもんかニャー」
>「そんな事どうでもいい!毒の治療をさせろ!この新薬を試させるんだ!!」 
「まあ、先生方が同行しているから、さほど心配は要らないニャー」
ルイーズは楽観的だった。

>38
>「ユリ!その剣士はおめぇに任せるぜーっ!俺は他の奴らの相手をする!うぉおおおおっ!」 
>そう言って突撃したエンカは、警備の三人組にあっさり捕まってしまった。 
>「ヒャッハー!こいつもさっきの小娘と同じ地下牢に放り込んで・・・・・・ぐはっ?!」
べしゃっと水っぽい音がして、警備達の顔に何かがぶつかった。
>「何だこれは?」
>「腐った果物だ!ちくしょう、前が見えん!」
エンカを拘束していた警備の手が緩んだ。

「・・・・・・腐ってないウホ。ちょっと熟れすぎただけウホ」
草陰に隠れているのは、両腕だけを野生のゴリラに変化させた三毛猫獣人だった。
(別にグレンとキャラが被るから変化させたわけではない。多分)
「全く、世話がやける連中ウホホ」

>鴉は、ユリへと向けかけた足をエンカの方へと向け走り出す。 
>「おいっ、そこのあんた! ここは俺たちで抑える! 
> あんたは屋敷に連れてかれたリリィを探してくれ!」 
「同行者が毒に犯されてたら身動き出来な―― ウホッいい男」
1人突っ込みを入れていたルイーズは、倒れている男性陣の姿に気づいたようだ。

「勿体無いけど仕方ないウホ。後できっちり借りは返してもらうッホ」
ルイーズは、なけなしの毒消しを取り出し、比較的狙いやすい位置にいるメイションにぶつけた。
何回か呼吸すれば、体の痺れは取れるはずである。

【リリィ:仲間達にベッドフォードに捕まり身の危険を感じている旨をテレパシーで連絡。
 ベッドフォードの盾代わりに傍に待機中。指示待ち】
【ルイーズ:高みの見物。エンカを拘束していた警備員に腐った果物で目潰し攻撃。
 メイションに吸引式の毒消しをぶつける】

44:グレンSUフリード ◆cOOmSNbyw6
10/07/25 02:45:00 P
>34>36>38>41>43
>「ユリ!その剣士はおめぇに任せるぜーっ!俺は他の奴らの相手をする!うぉおおおおっ!」
あっという間に捕まるエンカ
「まあ子供一人が大人3人を相手にすればそうなるよね・・・・常識的に考えて」
(にゃお・・・ん)
>「ヒャッハー!こいつもさっきの小娘と同じ地下牢に放り込んで・・・・・・ぐはっ?!」
べしゃっと水っぽい音がして、警備達の顔に何かがぶつかった。
>「何だこれは?」
>「腐った果物だ!ちくしょう、前が見えん!」
>「全く、世話がやける連中ウホホ」
「猫とゴリラのヒューザー?」
そういうグレンは背中から羽根が生えている
>「おいっ、そこのあんた! ここは俺たちで抑える!
  あんたは屋敷に連れてかれたリリィを探してくれ!」
「達ってことは僕も入るわけだね」
(にゃあん)
「そこの警備員A僕が相手になるよ!」
(なにゃあ!)
>「最初に言っておくが私は一種の特異体質でね一切の攻撃魔法が通じないのだ。君たち魔法使いは私を傷つけることは出来ない」
とはったりか本当か不明なセリフを吐く警備員A
後ろのほうでBとCがおい聞いてないぞとかどうせはったりだろ?とか言っているが聞かなかったことにしよう
「僕・・・・魔法使いじゃないんだけど」
だがそもそもグレンは魔法を使えなかった
>「えっ」
「えっ」
>「なにそれこわい」
だいたい魔法使いは魔法が使える人であって魔法しか使えない人ではない
ぶっちゃけ魔法が効かないなら殴ればいいのである
「フィー坊が言ってた・・・・魔法が効かないなら殴ればいいって
 という訳で食らえ!ショルダーブーメラン!!」
(にゃあ・・・にゃん にゃあ!にゃなあ!!)
背中に生えた翼をぶっちぎって警備員Aに投げつけるグレン
ぶっちゃけ翼は飾りでしか無いので投げても問題はない
>「ぜんぜんショルダーじゃないじゃないですか!やだぁ!!」
というセリフを言い残す警備員A
別に死んでないけどさ


保険医がセラエノを治療している
世にも珍しいショタコンを治療するロリコンの図である
「少女はいいぞぉ・・・女同士だから一緒にお風呂入り放題だぁ」
「なんか洗脳っぽい事し始めた!?」
(にゃあ!?)
あっと驚くグレン
どっちにしても成長するので賞味期限が短いのは同じである
「安心しろ私は天才だ!」



45:桜花
10/07/25 05:32:50 0
(不快だ…実に不愉快な音がする) 
地面に倒れている桜花はぼんやりとした頭でそんな事を考えていた 
桜花は先ほどの大蜘蛛から空からの奇襲を受け、地面に倒れているのだ 
右脇腹から血が滲んでいる。致命的な致命傷ではないが消して浅くもないだろう 
(ドラムの音が大きすぎる…なんだこの演奏は… 
まるで物語になっていない…素人の演奏以下だ…) 
どうやら周りで行われている戦闘の音が今の桜花には演奏に聞こえるようだ 
(違う…そこはソロパートじゃない… 
そこは周りの音と協調性を… 
あぁ…違う違う。何もかもが違うよ) 
そんな桜花の頭をいっぱつで覚醒させる音が響く 

>リリィはテレパシーで、総裁に捕まり、身の危険を感じている旨を外の仲間達に連絡した。 

ガバッと頭を上げる桜花 
(うぐっ…!!痛い…なんだ?何が起きているんだ? 
いや、それ以前にリリィさんが捕まった?なぜ?どうして?) 
戦闘を遠目で見ながら必死に頭の中を整理する 
(私は…そうだ、蜘蛛からの奇襲を避け切れずに吹き飛ばされたんだ 
この傷はその時の物か 
リリィさんは確か屋敷に侵入して…クソ、落ち着け私、私に焦るなどと言う事はない 
落ち着いて素数を数えるんだ…) 
みんなも慌てた時は素数を数えて落ち着こう  

46:桜花
10/07/25 05:34:22 0


(…よし、落ち着いた。 
この状況をどうにか切り抜けるんだ。 
幸い、剣を握っている人物はまだ私が覚醒している事に気付いていない。 
…コンバスは無事か?…うん、幸い弦は切れていないようだな。なら私だけでも屋敷に侵入する事は可能だ。) 
寝そべりながら桜花はコントラバスの弦に指を掛ける 
(私の曲は…地面を走る) 
桜花が指だけで弦を弾くと違う場所で音がなる 
遠かったり近かったり、様々な場所から楽器の音が奏でられる 
一瞬、剣を持った人物の注意が逸れた。 
脱兎の如く駆け出す桜花 
屋敷に飛び込み、息を整える 
「私の声は風に流れる」 
屋敷前で戦闘をしている人物全員に桜花の声が風に乗り聞こえる事だろう 
「みんな済まない。私はリリィさんが心配だ。 
私は一足先に屋敷に入らせてもらう。」 
全員にメッセージを送ると屋敷の探索を始める桜花 
(ちっ…思ったより広いな…反響音が聞き取りづらい) 
とりあえず屋敷の中を走り始める 
(どこだ?何処にいるんだ?) 


47:ユリ ◆sto7CTKDkA
10/07/25 11:35:57 0
>38-46
時はユリが館に向かって突撃する少し前の、エンカとの会話だ。
>「知らなかったのか?メイションが食堂の掲示板に書き込んでたんだぜ?」
「えーっ!? あの書き込みを読んでここに来たの!?
 はっやーい! やっぱりエンカもメイションと会いたかったんだね!」
あんな夜中に、わざわざ食堂前の掲示板を見に行くとは思っていなかったユリは驚いた。
見るにしても早くて明日の朝だろうと思っていたのだ。
初対面でも親族は親族。
エンカとメイションの互いを思う心に感動するユリだった。
これで再び、時間軸はユリの突撃時に戻る。

>「ユリ!その剣士はおめぇに任せるぜーっ!俺は他の奴らの相手をする!うぉおおおおっ!」
「まかされたーっ!!」
止まる時のことなど考えない猛スピードで、ユリはアドラスに迫る。
>「屋敷へはネズミ一匹通さぬぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!」
迎え撃つアドラスは、その突撃を避けなかった。
「そんなところで剣なんか振ったって当らな…わぁぁぁぁぁ!?」
魔法の知識に疎いユリが魔法剣の効果など知っているはずもなく。
突然の突風に耐える間もなくデッキブラシから振り落とされる。
乗せていた主人を失ったブラシは大きく軌道を上に変え、館の上部に当たると光となって消えてしまった。
「いったーい!!…うぐぐぐ…」
一方振り落とされたユリも無事では済まない。
身体が小さくなっている分、衝撃にも弱くなっているのだ。
思いっきり背中を打ちつけてうめくユリに、リリィからのテレパシーが聞こえてきた。
それは、総裁に捕まって身の危険を感じている。 という内容のものだった。

「リリィ!?」
そのテレパシーを聞いて、ユリはがばっと跳ね起きた。
直情的で熱血系の性格の人間は弱点も多い。
しかし、時に感情の高ぶりをエネルギーに変え、普段の数倍の力を発揮したりもする。
今のユリがまさにそれだ。
友達を助けようとする思いが、力に変わるのだ。

>「おいっ、そこのあんた! ここは俺たちで抑える!
> あんたは屋敷に連れてかれたリリィを探してくれ!」
>「みんな済まない。私はリリィさんが心配だ。
>私は一足先に屋敷に入らせてもらう。」
「リリィが大ピンチだよエンカ!
 こっちは任されてるから、エンカも桜花と一緒にリリィを助けに行って!!
 はぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!」
エンカと桜花にリリィを任せ、ユリが雄叫びと共に地面を踏みしめると、小さな爆発と共にその体が光を帯びる。
俗にパワー爆発と呼ばれる、一時的に自身の戦闘能力を高める技だ。

「ボンガロ兄さん直伝! サニーゲイザー!!!
 リリィを助けるのを邪魔したいなら!! 私達の屍を越えていけぇぇぇぇ!!!!!!」
ユリが拳を地面に叩きつけて気を流し込むと、間欠泉のようにアドラスの足元から光となった気が噴出した。
まるで小さな太陽が出現したかのように、夜の森が明るく照らし出される。
技の威力は申し分ないが、欠点はユリがまったくペース配分というものを考えていない事だろう。
気の噴出が止まると同時に、ユリはものも言わずに前のめりにばったり倒れてしまったのだから。

48:ミク ◆sto7CTKDkA
10/07/25 13:12:36 0
>39 >42
>「良かろう…君の好きにするが良い…」
「総裁の御好意に感謝しますわ」
>だが、老人はただし…と言葉を繋げる
>「見た所、君は只の生徒ではないな…?
>是非君の正体を教えて貰いたい
>さすれば【覚醒】が何であるか全てを話そう」
正体を知りたいとの老人の言葉に、ミクは笑ってスカートを両手でつまむ。
勘の良いものならすぐ気づくだろうし、いつまでも隠せるとは思っていなかったから。
「ふふ…正体などとそのようなたいしたものではありませんわ。
 私は只の、この学園に巣を張るバケモノですのに」
ミクが少しスカートを持ち上げると、その中から2本の足が新たに伸びてくる。
人の足ではない。 うごめくそれは、黄色と黒の巨大な蜘蛛の足だ。
蜘蛛の足はしばらく動いた後、ミクが下ろしたスカートに隠れて見えなくなる。
「普段は人形遣いを称していますけど、これが私の本当の姿ですわ。
 ご満足いただけたかしら?」

外の騒動が大きくなり、館の中にいても外で戦闘がおきているのがわかるようになってきた。
ミクは、張っていた探知用の糸が切れるのを感じ取る。
館の中のものの可能性もあるが、今は侵入を許したと考えるのが妥当な線だろう。
リリィのテレパシーを聞いていたミクは、真っ先に乗り込んできそうなユリの状況を知ろうと糸を手繰る。
盗聴用の糸は、何も伝えてこなかった。
ユリが急激に動いたために糸が千切れたに違いない。

ミクは少し迷ってから、罠に使おうと館の中に張っていた硬質の糸を緩める。
ユリが飛び込んできたのなら、まず確実に罠に突っ込むだろう。
ここでそうなるのはまずい。
「館に侵入してきた者がいるようですわ。
 総裁にお聞きしたいのですけれど、彼らをここに迎え入れて【覚醒】について聞かせるおつもりかしら。
 それとも、彼らに気かせる必要は無いとお考えかしら?
 聞かれたくないのでしたら、今、私だけに【覚醒】についてお話し下さいな。
 その後で侵入者を追い出してまいりますから」
そう言いながらもミクは、侵入してきた者達はすぐにでもこの部屋を突き止めてくるだろうと思っていた。
選択肢は多くても、選ぶ時間はあまり残されてはいない。

49:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y
10/07/25 19:24:27 0
>41>43>44>46>47
> >「ヒャッハー!こいつもさっきの小娘と同じ地下牢に放り込んで・・・・・・ぐはっ?!」
> エンカを拘束していた警備の手が緩んだ。
> 「・・・・・・腐ってないウホ。ちょっと熟れすぎただけウホ」
「その声はキンタローかっ!?」
違う、ルイーズである。そもそもエンカが名付けた名前を呼ぶにしても、タマタローの間違いである。
> 「おいっ、そこのあんた! ここは俺たちで抑える!
>  あんたは屋敷に連れてかれたリリィを探してくれ!」
「誰だか知らないっすけど!言われなくてもよーっ!!」
警備員Aはグレンが相手をして倒した。
残っているのはルイーズに果物をぶつけられた警備員Bと、
彼が離してしまったエンカを再び拘束しようとしている警備員Cである。
「言っとくけどよぉ、俺一人だけでもてめぇら三人を倒せるんだぜ~?」
>「小僧が偉そうなことを…ってなんじゃこりゃーっ!?」
エンカに触れた警備員Cが悲鳴をあげて彼から離れた。
>「狂ってるのかてめぇ!?体に毒蜘蛛をくっつけとくなんてよー!?」
「それほどでもねぇぜ?俺は毒蜘蛛の抗体が体に既にできてるからよぉ。」
警備員Cは間もなく小さな毒蜘蛛に噛まれ、体がしびれて動けなくなった。

> 「みんな済まない。私はリリィさんが心配だ。
> 私は一足先に屋敷に入らせてもらう。」
「オウカの声が聞こえるぜーっ!?」
> 「リリィが大ピンチだよエンカ!
>  こっちは任されてるから、エンカも桜花と一緒にリリィを助けに行って!!
>  はぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!」
ユリがエンカにそう言った。
「俺にもリリィのテレパシーが聞こえたぜ!だから、そうしてぇけどよぉ…」
エンカの前には警備員Bが立ちふさがっている。
「なんでてめぇは俺に触れてたのに平気なんだよ!?まさかてめぇも毒の抗体を持ってんのかーっ!?」
>「違う!しかし、問題ないんだぜ!」
警備員Bは上着を脱ぎ、マッチョムキムキの上半身をむきだしにした。
>「俺はハードニングという魔法が使える!肉体を鋼のように硬化させる魔法だ!
> だから俺には蜘蛛の牙が刺さらないんだぜ!」
「きたねぇっすよ!俺だってチクチク刺されるのを我慢してるのによーっ!」

その頃、メイションもルイーズの投げた毒消しにより体の痺れが取れていた。
>>「リリィお姉ちゃんが…危ない…!?」
彼にもリリィとオウカのメッセージが届いたようである。

50:グラディス ◆e2mxb8LNqk
10/07/25 22:32:34 0
「気分悪ぃ気分悪ぃ気分悪ぃ―……」
揺れることすらしなくなった人狼がブツブツと呟いてた。
保健医は女子の方を優先しているし、警備員が出てきて治療も満足に出来ない。
そもそも毛むくじゃらのグラディスは一見すればどちらからも敵に見えてしまう。

とどのつまり、グラディスの毒消しの優先度は低いのだ。
「あうあうあうあ―あうあうあうあ―あ―あ―……」
頭痛がするし吐き気もする、このグラディスはあんまり立てない状態である。
意識がしっかりしてるあたりはマシだろうか。

>42
「あ―……んあ……?」
突如、脳裏にリリィの声が響き渡る。
テレパシーだろうそれは、リリィの今の状況を伝えてくる。
「げ、げげ……不味いなー……」
状況の悪さを悟っても、グラディスは未だ毒が回っている状況。
普通ならこのままだろう。普通なら。


しかしグラディスは普通でない部類に入る。
人狼という種族は毒に対する抵抗は人並みだが、無理をするということに関しては中々融通が利く。
焦点はどこか微妙に合ってなく、毛の奥の肌はきっと青ざめてる。
不調でふらふらとしていて、しかし全てを飲み込み我慢して立ち上がった!
「ここで倒れたら……よー!
 男として!カッコがつかねーぜー!っぷ……」
しかし片手をきちんと口に添えてある。

>49
>「俺はハードニングという魔法が使える!肉体を鋼のように硬化させる魔法だ!
> だから俺には蜘蛛の牙が刺さらないんだぜ!」
>「きたねぇっすよ!俺だってチクチク刺されるのを我慢してるのによーっ!」
「んじゃあ、思いっきりぶつけたらどうなんだ。ちょいと実践して教えてくれやー」
グラディスはふらりとエンカの横に現れ、倒れるように右の掌を地面に叩きつけた。
すると、警備員Bの足元から小さな氷柱が生成される。
先は丸くしてあり、触っても凍傷以外には怪我することもないだろう。
「悪いと一個、最悪二個とも潰れるかもしんない。気をつけろよー?」
もう一度掌を叩きつけると、氷柱が一気に肥大化して――


警備員Bの股間に、棒なり玉なり潰れそうなぐらいの勢いで突き刺さった。

51:セラエノ ◆LGeruanYjI
10/07/25 23:29:10 0
      ピシッと割れる音がした。
  血は沸き立つように沸騰し、ブクブクと泡だてる。
         そして血に赤黒く染まった本からそれは溢れ出す。
      覚醒の顕在として!


血溜まりの中、朦朧としたセラエノは見た。
血に染まった自分を抱き起こし叫ぶ幼女を。
その姿を見て、ただ思う。
…凛々しく美しい、と。

血が足りない。
大量に吹き出た血のお陰で思考が纏まらない。
だからこそ、セラエノは周囲の状況が全て見えていた。
いや、流れ込んできたのだ。

ユリが凄まじい勢いで突撃し、窓を破って現れたアドラスが強風を巻き起こし迎撃する。
その結果、叩き落されるユリと主人を失ったまま館の上部にぶつかり光となって消える箒。
直後、桜花の走らせた音と交錯するようにアドラスの足ものから吹き上がる閃光。
力尽き倒れるユリ。
その隙に館に駆け込む桜花。

一方、エンカは館に向かうも三人の男にあっさりと捕まっている。
何処からか飛んで来た腐った果実に怯む男たち。
颯爽と現れ自らの羽根を毟りぶつけるグレン。
エンカの思いがけない反撃と、倒れていたはずのグラディスが立ち上がり、氷柱を形成しえげつない攻撃を繰り出している。

館から流れ出るテレパシーはリリィの危機的状況を伝えていた。

様々な情景が流れ込むが、セラエノは反応しない。
反応できるだけの血が足りないのだ。

そこへ現れた保険医が治療と共に怪しげな言葉を紡ぎだした。
朦朧とし鈍った思考には効果的な洗脳といえるだろう。
言葉と共に先ほどの幼女化したユリの姿がフラッシュバックしてきたのだった。

そして…

52:セラエノ ◆LGeruanYjI
10/07/25 23:30:51 0
ピシッと割れる音がした。
音の源はセラエノの鏡の仮面。
位置的には左目の上を縦断するように細い皹が入っていた。
「お、おお、お…ぶふっ!!!」
むくりと身を起こすとうめき声と共に盛大に鼻血を噴出した。
両膝両手をつきき血を垂れ流しながら呟いた。
「うふふ、高くなった血圧もこれで正常ね…!」
滴り血の池を形成し、大事そうに持ってきた何冊かの本は赤黒く染まっている。
血は沸き立つように沸騰し、ブクブクと泡だてる。
「よ…幼女!幼女は…いい!!」
呟きは徐々に大きくなり、最後には叫びとなって辺りに響く!
保険医の洗脳により、ショタ+加虐趣味にロリ+レズの趣味が加算されたのだった!
先ほどの鼻血はユリの姿に興奮しすぎて噴出したのは今更言うまでもないだろう。

そして血に赤黒く染まった本からそれは溢れ出す。
覚醒の顕在として!

血に染まった本から溢れ出したのは茨!
その茨からは全く魔力は感じられない。
つまり、召喚されたものでもなく、魔法によって作られたものでもない。
純然たる茨ではあるが、その量たるや最早津波。
剣で、魔法で防ぐ事もできるが、あまりの量の多さに追いつかないのだ。

茨の濁流に飲み込まれた犬や護衛たちがたちどころに倒れていく。
この茨の棘に触れたものは即座に深い眠りに落ちてしまうのだから。

際限なく溢れ出る茨だがエンカは避けて進むのはセラエノの意識がエンカを友人だと認めているからだろう。
そして倒れたユリも茨に埋め尽くされる事はない。
その理由は…わざわざ書く必要あるか?
洗脳によってロリレズ属性になったのだが、ショタSMな趣味も忘れたわけではない。
だからメイションは勿論、グレンにも茨が近づかないのは最早本能としか言いようがない。
そしてもう一人。
セラエノの横にいる保険医にも茨は近づく事はない。
同類だからなのだろうね、うん。
なんにしてもここに小さなオトモダチには危険すぎる神が誕生したのかもしれない。
男児にとっても女児にとっても。

辺り一帯を埋め尽くした茨はそれでも勢いが収まらず、ベッドフォード邸にも這い進んでいく。
館全体を飲み込むかのように壁一面に張り付いていく。
ベッドフォード、リリィ、ミクのいる部屋の窓が打ち破られた。
窓から雪崩れ込む茨が三人に襲い掛かる。

【治療と洗脳を受けショタSM+ロリレズの変態に目覚める。
本から茨が溢れ出し、幼女、美少年、エンカ、保険医以外の全てに襲い掛かる。
●茨の棘に触れると強力な眠りに落ちます。
●這いながら伸びるので宙に浮くか、美少年、美少女、エンカ、保険医の周りにいれば安全。
●茨からは魔法力を全く感じず、自然の茨と同じ強度です。
●但し際限なく溢れ出るのでキリがない】

53:ルイーズ ◆jntvk4zYjI
10/07/25 23:42:07 0
>「猫とゴリラのヒューザー?」 
「ウホッ?!ばれた?!」
がーん、とショックを受けるルイーズ。
>「その声はキンタローかっ!?」 
「違う、ニャンタローだウホ」
全員不正解である。
「あっ!間違えた。・・・・・・・あーあー。私タダノ通リスガリアルウホ。私カワイイ森ノ動物ウホね」
どう見てもかわいくないです本当に(ry

背中に生えた翼をぶっちぎって警備員Aに投げつけるグレン 
「ちぎった?!しかも投げた羽が元の場所に戻ったウホッ!!」
いろんな意味で凄すぎである。

「・・・・・・はっ、驚いてる場合じゃないウホ。次はあっちの男ウホッ」
いろいろ度肝を抜かれつつも、ルイーズは闇に乗じてグラディスの方へと移動した。
ちなみに、ルイーズにはリリィからのテレパシーは届いていない。
(リリィとは面識が無いため、仲間ではなく屋敷の関係者として認識されたのだろう)

「保険医ー。洗脳よりも回復のが重要ウホー。
 というより、ライバル増やしてどーするウホー」
ルイーズはこっそり突っ込んだ。
まあ、仮に大声で言っても保険医が聞き入れるとは思えないのだが。

「ふふーん。『お返しは三倍返しで』っと。これでいいウホッ!」
ルイーズは毒消しのカプセルにそう書き込むと、早速グラディスの背中めがけて投げつけた。
毒消しの中身はメイションのものと同じだが、今のグラディスは、氷魔法発動の真っ最中である。
魔法の呪文は集うには集中力が必要なのだが――
「まー何とかなるウホ。このくらいで気が散るとかありえないウホッ」
ルイーズは、やっぱり楽観的だった。

「そこのあんちゃん、そう、あなたウホ」
ルイーズはほれほれ、とレイヴンに合図を送った。
「さっさと戦わないと、おいしいところ全部持ってかれるウホ。
 ほら、そこでかあいい幼女が力尽きてるウホ。
 ここは幼女をかばいつつ、男らしく凛々しく戦うところウホ!」
ルイーズは小声でレイヴンをけしかけている。
「さあ、薔薇のように気高く咲いて美しく散るウホ!!
 私は森の動物だから、ここで一部始終を見てるウホ!」
すっかり存在がバレているというのに、本人だけはまだ隠れてやり過ごせると思っているようだ。
「・・・・・グッドラック♪」

だがそんなお茶目な発破も、セラエノ覚醒までのほんの余興に過ぎなかった!

54:ベッドフォード ◇k4Jcxtcjwo の代理
10/07/26 22:11:35 0
>>42>>48>>52

>意味ありげな笑みを浮かべるベッドフォードを、まだ涙の跡が残る顔のままじっと見上げる。
「仲間達には連絡を済ませました。次のご指示を」

老人は先程と変わらぬ笑みを浮かべリリィの涙の跡をゆっくりと指先で撫でる
頬から目元へと中指を這わせ リリィの目を覗き込んだ
「共に雛型達を待つとしよう…彼らから私を守る盾となっておくれ…」

>「ふふ…正体など大した物ではありませんわ……
ご満足頂けましたかしら?」

ミクの正体を老人は始めから知っていたのだろうか リリィから視線を変えうごめく蜘蛛の足を驚くそぶり見せず、じっと見つめている
「やはりな…君も私の正体に気づいているのかな…」
老人はどこか納得したように笑い リリィの頭を優しく撫でるとまた喧騒が響く大窓の方へと体を向けた

>「館に侵入してきた者がいるようですわ……」

「いや、雛型達は全員この部屋に迎え入れるつもりだよ…
無論、まだ【覚醒】について知らせるつもりはないがね…
まあ君にだけ話す時間は十分にあるだろう
見ていたまえ面白い余興が始まるぞ…」

突如 大窓のガラスを突き破り茨達が室内へと雪崩混む
瞬く間に部屋は茨に侵食されて行き 高価な調度品は茨が絡みその原形をなしえなくなっていく

「予期せぬ事態ではあるが…この力恐らく…」
握られた杖の魔力か 茨は老人の足元を避けていった
「蜘蛛よ…では覚醒について話すとしよう………」


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