小説を書く大学生7at CAMPUS
小説を書く大学生7 - 暇つぶし2ch480:д・,,ミ ◆AlDFjNzVyc
11/01/14 03:00:46 dECRURjQ0
投下ドゾー

神原と横溝を取り巻く空気が、不意に不穏なものに変わった。
そして神原は、横溝を直視して小さく呟いた。
「しかし、今回もまた遺体から毒性の物質やウイルスは検出されなかった」
横溝の目に暗い光が宿った。眉間に皺が寄っている。
「実は、一昨日の夕方、警察庁の方に科警研から検体の検査結果が上がったそうなんです。毛髪から血液まで精密な検査を行ったとか。で、結果は陰性。全部篠崎から聞いた話なんですけどね。これじゃあ、警察も手の出しようがない」
「やはりそうでしたか。つまり、殺人者なき殺人。見えない殺人者とでも言い換えましょうか。そして、その殺人者がついに牙を剥いてしまった」
ソファに深く身体を預け、横溝は溜め息を吐いた。
「そして神原さんのおっしゃったことが事実なら、これでさらに闇が深まったことになります。臓器消失の不思議。検査結果陰性の不思議。警察は他殺だと信じて疑ってないようですが、実は他殺を証明する物的証拠は何も挙がっていないということになる」
神原と横溝が腰掛けているソファのすぐ脇で、二人の幼女が声を上げてふざけ合っている。保護者らしき人間の姿は確認できない。その幼女たちがあまりに無邪気で可愛らしかったので、神原はしばらく横目を使ってその様を観察していた。
沈黙。それを破ったのは神原だった。
「まるで、三年前の悪夢の再来ですね」
「ええ。私も俄かには信じられないです」
横溝の言葉は、神原の心に澱となって沈んでいった。


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