09/10/10 01:59:35 zsGsnkWh
心神喪失で無罪と言うと、たびたび議論になりますね。心神喪失で無罪となるのは、刑法39条が根拠です。
(心神喪失及び心神耗弱)
第三十九条 心神喪失者の行為は、罰しない。
2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
では、なぜ心神喪失状態になると無罪になるのでしょうか。それは、本人にもどうしようもない状態で、非難することが出来ないからです。
そもそも、犯罪者に対してなぜ刑罰を科すかと言うと、やってはいけないとわかっているし(=是非弁別能力があって)、
犯罪を踏みとどまることが出来たのに(=行動制御能力があったのに)、やってしまった事に対して、
「なぜ、やってしまったんだ。そんなことをやってはダメではないか」と非難するためです。
これに対し心身喪失状態だと、非難することが出来ません。やってはいけないとわからない人に「やってはいけないとわかっていたはずだ」
とは非難できませんし、行動を制御できない人に「犯罪を踏みとどまることはできたはずだ」とは非難できません。
だから、心身喪失(要するに池沼)だと非難できないし、無罪になるのです。
逆に考えて見てください。心身喪失の人は、一体どうすれば良かったのでしょうか。好きで心神喪失になる人はだれもいませんので、
本人にすら対処法がありません。本人に対処法が無いのに、刑罰を科すわけにはいかないのです。
さて、心神喪失の議論で出てくるのが、「悪用される」と言うご意見です。例えば、心神喪失になって無罪になろうとして、変な薬を沢山飲み、
本当に心神喪失になって人を殺した場合はどうなるのでしょうか。この場合は、変な薬を飲む行為自体が人を殺害する危険のある行為として、
ちゃんと処罰されます。これを「原因において自由な行為の理論」と言います。ですから、「悪用される」心配はほとんど無いでしょう。
ちなみに、心神喪失で無罪になった場合でも、さらに危険がある場合には、措置入院等の手段が採られるそうです。
また、仮に無罪になっても、監督義務者(このスレだと飼い主や病院)には民事責任が発生することがあります。
ですから、被害者が完全に泣き寝入りというわけではないのです。