11/09/21 23:21:28.60 UN+7murn
少し投下
スペースをお貸しください
当時17歳の俺には、1つ上で社会人の彼女がいた。
数年前には活気があった、駅近くの今では寂れた商店街を手を繋ぎ歩いていた。
信号待ちに颯爽と現れた大型のバイク。
それを見た彼女
「あれ、何ていうバイク?」
もともとバイクが好きだったらしく、手を繋いだまま興味深々な様子で俺に問いかける。
「カワサキのゼファーってやつだね。確か750ccの。」
「へえー、かっこいいね!」
なんて、なんでもないごく普通の会話を交わす。
その二年後、その彼女と別れることに。
最後まで俺の心配をしてくれた彼女。
彼女は涙を流しながら
「アナタに課題を与えます。それは、もっといろいろな世界を見ること。」
「お互い大人になったらまた会いましょう!」と言った。
それから少し経ったある日
ふと出先のバイク屋で見たゼファー750を見て、それまで忘れていた先の話を思い出す。
幸い、車検が残っていたのでバイク屋のオヤジにお願いし、試乗してから30分でスピード契約
年式が古いポンコツだけど、壊れる度に愛着が増す。
「いろいろ世界」を目指して、これからもこのゼファー750と走り続ける。
大人になった君と笑顔で語り会えるその日まで