10/06/17 23:32:36 aITZGbEn
(以下、プリントから)
朝、出かけにお兄ちゃんに、置き手紙ををした。
「お兄ちゃん、お鍋にお豆がひたしてあります。それを煮て、今晩のおかずにしなさい。お豆がやわらかくなったら、おしょう油を少し入れなさい。」
その日も一日働き、私はほんとうに心身ともにつかれ切ってしまった。皆で、お父さんのところに行こう。私はこっそりと睡眠薬を買ってきた。
二人の息子は、そまつなフトンで、丸くころがって眠っていた。かべの子供たちの絵にちょっと目をやりながら、まくら元に近づいた。
そこにはお兄ちゃんからの手紙があった。
「お母さん、ぼくは、お母さんのてがみにあったように、お豆をにました。お豆がやわらかくなったとき、おしょう油を入れました。
でも、けんちゃんにそれをだしたら、「お兄ちゃん、お豆、しょっぱくて食べれないよ。」
と言って、つめたいごはんに、おみずをかけて、それをたべただけでねちゃった。
お母さん、ほんとうにごめんなさい。でもお母さん、ぼくをしんじてください。
ぼくのにたお豆を一つぶたべてみてください。あしたのあさ、ぼくにもういちど、お豆のにかたをおしえてください。でかけるまえに、ぼくをおこしてください。
ぼく、さきにねます。あした、かならずおこしてね。お母さん、おやすみなさい。」
目からどっと、涙があふれた。
お兄ちゃんは、あんなに小さいのに、こんなに一生懸命、生きていてくれたんだ。
私は睡眠薬を捨て、子供たちのまくら元にすわって、お兄ちゃんの煮てくれた、しょっぱい豆を涙とともに一つぶ一つぶ、大事に食べました。
このお話を読み終えたとき、私と母の目から、涙が出てきました。そうして、何度も、何度も、くり返し読みました。
私は、今まで、交通事故は被害者だけが悲しい思いをしていると思っていましたが、このお話を読んで、加害者も、私たち以上に悲しくせつない
思いをしていることがわかりました。
毎日、毎日、日本のどこかで、こういう子供たちが生まれているのかと思うと、とてもたまりません。
どうか、お願いです。車を運転するみなさん、交通事故など、絶対におこさないでください・・・・・。