10/10/05 09:15:27
中学の時、何が悲しくてなのか弁当を必ずフタで隠しながら食ってる奴がいたな。
皆で「何で隠すんだよ～」や「何かヘンなモン食ってんのか～」とか言ったけど
本人がいない時に内緒で弁当をあけてみたら、メシの上にタクアンが数枚のってるだけの弁当だった。
無言でフタをして元に戻し、その日からは誰も彼の弁当のことに触れなかった。
後日、今にも崩れそうな汚い小屋の前を通った。小屋の前に洗濯物がぶら下がっているのを見た俺は
「何コレ？人住んでんのかよーww汚ねぇなーw」と声を出して笑った。
一緒にいた友人がポツリと「○○(弁当の彼)ん家だよ…」と言った。俺は言葉が出なかった。
後に彼の家は父親がおらず、病気の母親と二人暮らしだと知った。
先日ふと気になって、17年ぶりに彼の家を見に行った。建物は朽ち果て、庭は藪になっていた。
彼の行方は知れない。
1993年の実話です。