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【野球】巨人ナイン 飛ばないボールに自身喪失
●「重い」「飛ばない」にこんなはずでは…
坂本が首をひねり、亀井が天を仰いだ。
3日の巨人キャンプ第1クール最終日。フリー打撃に登板した若手投手相手に、強打を
誇る坂本、亀井、脇谷ら主力打者が沈黙だ。田中、亀井、加治前がバットをへし折られる など、打者のサク越えはゼロ。
宮崎で取材している評論家の橋本清氏がこう言う。
「この時期は総じて投手の仕上がりの方が早いもの。まだ、生きた球に目が慣れていない
打者は苦労するものですが、それを差し引いても失速する打球が目立った。今季から
採用される反発係数の小さい新公式球、いわゆる飛ばないボールの影響があると思います。
実際に坂本に話を聞くと、『打感が重い。(打球が)飛びません』と言っていた。『ピッチャー
有利、絶対に有利ですよ』と言っていたのは亀井で、脇谷も『昨年までのボールを打った
感触がカーン!とかパーン! だったとすると、新しいボールはグニャという感じ。バットの
芯で捉えればそんなに影響はないですが、バットの少し先っぽや根元で打ってしまうと
飛びませんね』と口を揃えていました。投手にとっても、ボールが滑る、縫い目が高くて
引っかかる、と弊害はありますが、やはり打者の方が飛ばないボールの影響を受けるのは
間違いありません」
ボールを作るメーカーの話では「従来の公式球に比べ飛距離は1メートル減」とのことだが、
巨人選手の実感はそれ以上。ナインからは「重い」「飛ばない」と悲鳴が上がっているのである。
これにニンマリだったのが、巨人キャンプを視察する中日の筒井スコアラー。「まだこの時期
ですから」と前置きしながらもこう続けた。
「ボールが飛ばなくなって影響が出るのは、長距離打者が並ぶ巨人でしょう。投手陣を中心
としたチームには逆に有利に働くのかな、と思っています。中日? うちには有利じゃないです かね」
昨季、自己最多の44本塁打を放った阿部も、「バットの芯に当たれば、あまり変わらない気も
するけど、芯に当たらないと、ごまかしが利かなくなる」と話している。
ごまかしが利かなくなれば、狭い東京ドームでの詰まったような当たりがスタンドインする
“ドームラン”は確実に減少する。