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外部から
12月19日 朝日新聞 2010余話 ブレークへ オフの予兆
パ・リーグの本塁打王、オリックスのT-岡田外野手が約5倍増の年俸5800万円で契約更改した6日。
その10分の1の金額ではしゃぐ若手がいた。3年目の伊藤光捕手だ。
出場はクライマックスシリーズ進出がついえた後の2試合だけだが、提示は60万円増。「金額見て「えっ」って言っちゃいました」。
明徳義塾高からドラフト3位で入団。1年目でデビューしながら2年目以降は椎間板ヘルニアの影響に苦しんだ。だから喜びもひとしおだった。
昨年9月、選手寮の食事の取材で、芯の強そうな顔つきの伊藤に話を聞いて以来、気にはなっていた。
足腰の状態が飛躍的に良くなったのは、今年7月以降。脊髄を痛めた人らが通う東京の専門病院で治療を受けてからだそうだ。
関西の病院を10カ所近く回っても改善せず、困り果てていたところ、偶然見ていたテレビで知った病院という。
選手がプロでやっていくとき、こういう幸運が結構大事なのかもしれない。
シーズン中は、一躍脚光を浴びたT-岡田や最多勝投手の金子千、話題を振りまく岡田監督らを取り上げてばかりだった。
もちろんプロは実力重視だが、陰で奮闘を続ける選手を追うのも、球団担当記者の大きな楽しみ。オリックスの捕手陣は手薄だ。
仲のいい先輩、T-岡田のように来季ブレイクといくかどうか。ひそかに注目している。 （勝見壮史）