11/01/05 18:26:24 0+xTnDe0
天空の城ラピュタは、王制を否定的に批判しています。
物語には二人の王族の末裔が出て来ますが……
まず、ムスカ大佐について考えてみましょう。
ムスカは、『愚かしい王族』の典型です。天空に聳える王城ラピュタの力を
悪用しようと企てますが、それはあえなく失敗に終わり、最後は、
「目が~~、目が~~」というセリフを残して舞台を去ります。
天空の城ラピュタが勧善懲悪をテーマの一つにした物語である以上、
大勢の人々を殺害したムスカは、死亡した可能性が高いのです。
ムスカは、まさに、『権威、権力に目のくらんだ愚かしい王族』を
地でいくキャラでした。
対照的に、シータは、『賢明な王族』の典型です。しかしシータは、
『滅びたはずの禍々しい王城ラピュタのために惨劇に巻き込まれる』
という呪われた運命の娘、として描かれています。
このアニメは、冒険譚というよりは王国の悲劇を描いた深い作品です。
そしてシータは、物語の最後に、「バルス」という禁呪を唱える事により、
自らの意志で『王族の末裔としての身分と運命』を捨て去り、
庶民の身分に戻ってしまいます。
そもそもシータは、この物語の最初から最後まで『庶民の娘』として
描かれています。それがシータの魅力となっています。
こうして物語と登場人物を眺めてみると、『天空の城ラピュタ』が、実は
『痛烈に王制を批判した作品』である事がわかります。
保守的な日本では、王制批判は禁忌です。それを内容に盛り込んだ
アニメなどは、皆無に近い状態です。
少なくとも知名度の高い作品では、私が知る限り存在しません。
そういう意味で『天空の城ラピュタ』は、非常に希少価値の高い作品
であるわけです。
いやはや、もし(ネット)右翼の連中がこの事実に気が付いたら……
どうなるコトやら……(爆笑)
彼らは、『風の谷のナウシカ』や『もののけ姫』が嫌いで、それよりは
『天空の城ラピュタ』の方がまだましだ、という奇妙な理由で、この作品を
熱心に応援したりしていますから……
ま、「どうにもお気の毒さまみたいなものだ」というのが、私の感想です。
ジブリ作品で代表作といえば、『風の谷のナウシカ』か『もののけ姫』
になるのでしょうが、『天空の城ラピュタ』も、王制批判を盛り込んでいる、
という希少価値を考えると、上記の二つに遜色が無いような気がします。