11/11/08 18:48:16.08 Mq3VL62T0
_i⌒)- _i⌒)- 映画化記念
( _,O 、.ノ ( _,O 、.ノ
__ ヾ/人__) , へL廴人__) --ヽ
へ._. イ、_. イ \__ Vハ \ 「タンポポって花があるよね。種を風に乗せて飛ばすやつ」
.// j j`ー--r--ヤ 「うん?」
.// 〈〈 「綿毛の種は風に運ばれて、故郷から遠く遠く離れて、
. 〈〈 _i⌒)- || もしかしたら草木なんか一本も生えてない砂漠に落ちちゃうかもしれない
. Vカア‐=7 ̄ミ( _,O 、.ノノ そんなとき、たった一粒のその種が何を思うか・・・・・・それを想像してくれれば
. / 廴人__)`ヽ 解ってもらえるかもしれない。わたしのこと」
. ー=ニ彡' \ 「・・・・・・」
/ ,/ /ハ ゙ , 僕はしばらく自分の中で、沙耶の答えを吟味した。
. / {〃 7⌒| ∧ | | j その間にも沙耶は、たとえ話の先を続ける。
// /^yr=ミ;、}/ ヽ∧⌒ ; | 「種は、もちろん草の種だからね。
. {/ / {_ヒri} yr=ミ;、 .′ j その気になって頑張れば、砂漠を砂漠じゃなくしてしまえる。
. 〃 / ′ {_ヒri}У ; ただ一粒だけの種でも、もしかしたら、頑張ろうって思うようになるかもしれない。
. | ∧ {ニニニイ / / ゙ 頑張って育って増えて、いつかこの土地が
. |从 ∧ f⌒ ー 、i / / / 一面のタンポポ畑になるまで頑張ろうってそう思うかもしれない。
_i⌒)-、`ミ 、__ノ / / / そんな風にタンポポの種が心を決めるとしたら、どんなときだと思う?」
( _,O 、.ノ’ ー - ―=/ / f 「・・・・・・それは?」
> 丁´ ,,...;:;;''',,,;;:;;;>---<;:.:.:.:.:.:;.,;."''' ヽイ Y 沙耶は優しく微笑んで、僕の頬に手を差し伸べた。
`ー==-' ;:;;;;;;:::::..;:.,:..::.:.;.,::.:.;,;:.:.::::;,'' ^ヽ/ 「それはね、その砂漠に―たった一人だけでも―
,,;:,;;''.,, ''''"' '';;.:;,.;,;''''":.;.: ,,;.,:.:;:.. ./
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┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ