10/11/09 23:42:12 HMBmXpYo
俺は焦っていた。またもや出遅れたからだ。
今日は休みで一日暇だったのにフェアのことなどすっかり忘れ寝ていた。
夕方5時くらい、久々にけいおんスレを覗いた。スレの速度が早い。なんだ。
ローソンのフェアが今日からだった。ローソンのHPを見ようとするも、おまえらがアクセスしまくっててなかなか表示されず少し苛立つ。
前にフェアの告知が出たとき、今回はそんなに欲しくないからいいや、ちょっと覗くだけで。そう思っていた。
しかしいざスレの住人のレスや画像を見ると無性に欲しくなってくる。いつもそうだ。
俺は立ち上がった。都会では瞬殺だろうが、田舎だからまだ残っているかもしれない。
ローソンは家の近くになく普段あまり行かないので、場所を知っているのも2店舗くらいだ。
1つはうちの県で一番でかい駅の前で2つ目は一番でかい私立高校の真ん前。
どっちも朝から学生でごった返しているからある筈なんてない。
電車通勤で車は持ってないので自転車でいくしかない。
自転車でいける範囲で他にはないかとローソンの店舗検索で探してみると隣町の山の中に1つあった。どこだここは。
調べてみるととんでもない場所にあった。ただでさえ田舎なのにさらにその田舎の辺境に位置する。
どうやらあたり一帯が工業地帯らしく、山のあちこちに工場があってそこの中だ。
工場で働く人たち以外はまず寄り付かないであろうローソン。
これはいけると確信した俺は自転車で6時過ぎに出発した。
正直ぶっ飛ばして片道2時間はかかる距離。さらにいくつか山を登ったりして相当疲れるだろう。
町と町を繋ぐ大通りから脇道にそれると人気はなく山と田んぼしかない世界。
道は結構でかいが歩道はない。街頭なんてあるわけないし店も家も一軒もなく真っ暗だ。
寒すぎて痛いし暗いし怖いし、唯一の救いは残っているかもという希望とイヤホンから聞こえる唯たちの歌くらいだ。
俺自身も大声で歌いながら立ち漕ぎで急ぐ。ハンパなく長くて急な上り坂を登っているときにふでペンがイヤホンから流れる。
ところどころ歌詞が今の俺の状況にマッチしているような気がして「がんばれふでペン」らへんで泣きそうになりながら、
「ここまできたからかなり本気よ」と俺も決心を固くして漕ぎ続けた。
山を２つ３つ登り降りしたら明りが見えてきてローソンが見えた。やっと着いた。
自転車を止めて入り口に向かって歩き出す。緊張の一瞬。
店内に入ると入り口のすぐ近くにコーナーがあったが俺は愕然とした。
全滅しとるやないか。お菓子すらない。しばらく途方にくれていると店員さんが「そのアニメすごいですね、今朝工場のおじさんたちが買っていって朝すぐになくなりましたよ」と。
俺はちょこちょこスレも覗いていたから若い子だけでなく30代や40代、果てはじじいくらいまでけいおんが好きな人が多くいることは知っていた。
なのになぜ若者が寄り付かないコンビニは無事だと思ったのであろうか。工場の近くのコンビニなんて近くで勤めている人の利用率はかなり高いだろう。だからこんなところに建っているのだ。
仕方なく午後ティーを買って帰ることにするが、来るときはよかった、まだ希望があったから。でも帰り道はどうだ？
絶望した。行きはテンションも高く大声で歌ったりあずにゃんぺろぺろぺろおおおおなど叫んだりしていたけどそんな気分ではない。
俺はしょんぼりしながら行きに見つけた田舎とかによくあるプレハブでAVやらエロ本が売っている小屋でAVを買って帰った。
残念な結果に終わったがいい思い出にもなったしおじさんたちにもけいおんが愛されていることが直に知れてよかったと思う。
クリアファイルを手に入れた人たちはどうか大切にしてやってくれ。一番くじも正直いいやって思っているがどうせまた欲しくなると思うので頑張ることにする。では。