10/08/30 20:57:45 cc8/VL70
転勤先、名古屋営業所で迎えたとある日
不況の煽りを受け赤字転落、営業成績も勢いを見せず無惨だった
所内に響く営業員のため息、どこからか聞こえる「名古屋営業所はもうだめだな」の声
無言で帰り始める営業員の中、昨年のトップセールスDBは独り椅子で泣いていた
淫夢で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる男優・・・
それを今の名古屋で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」DBは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、DBははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいデスクの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってチュウチュウしなくちゃな」DBは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、DBはふと気付いた
「あれ・・・?撮影スタッフがいる・・・?」
部屋から飛び出したDBが目にしたのは、屋上を埋めつくさんばかりのスタッフだった
溢れんばかりにアイスティーがコップに注がれ、地鳴りのようにセミ兄貴の鳴き声が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするDBの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「DB、撮影開始だ、ギャラは全部やるぞ」声の方に振り返ったDBは目を疑った
「た・・・TDNさん?」 「なんだDB、居眠りでもしてたのか?」
「こ・・・故TNOKさん?」 「なんだDB、かってにTNOKさんを殺しやがって」
「ハタ何とか・・・」 DBは半分パニックになりながら台本を見た
三浦:TDN 中田:DB 中村:HTN 893:TNOK モデル:NSOK スカウト:DRVS カメラ:SBR 野獣:野獣 遠野:後輩
暫時、唖然としていたDBだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
KYNからユニフォームを受け取り、ボンゴを高速追突させるDB、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、営業所で冷たくなっているDBが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った