【まどか☆マギカ】杏子×さやかスレ15【杏さや杏】at ANICHARA2
【まどか☆マギカ】杏子×さやかスレ15【杏さや杏】 - 暇つぶし2ch489:寂寥の渦
11/11/14 20:43:38.01 /F5r+OmR0
 ほんのちょっとだけど、魔女の気配を感じる。
これは―きっと使い魔だな。
この町に来て正解だったぜ。
魔女の卵があちこちにいるじゃねえか。
巴マミも”正義の味方”で居続けるには困らなかっただろうな。
狩りは陽が沈んでからでいいとして、
「なんか食うか……」
とりあえずは腹ごしらえだ。
といって別に空腹というわけじゃない。
昼飯はたっぷり食ったし、激しい運動もしていないから腹が減るわけがない。
これは……私のちょっとした悪い癖のようなものだ。
大の男が煙草を手放せないのは、それがおしゃぶりの代わりになるからだと聞いたことがある。
言い訳するつもりはないけど、私もそんな感じだ。
何か食っていないとどうにも落ち着かない。
自覚はあるけどやめることはできない。
呼吸のついでに食ってるんだと思えば、いくらかは気が楽になる。
さて、甘いものが欲しくなったな。
この近くで手頃なのは―あそこの鯛焼きか……。
「………………」
―ふうん。
ずいぶんとぼろっちい佇まいだね。
老舗って感じだけど、さっきから全然客が入ってねえじゃんか。
「ん…………?」
なるほどね、原因はあれか。
通りを挟んで少し行ったところに、大きな和菓子屋がある。
開店して間がないらしい。
看板も綺麗だし、それに引っ切り無しに人が出入りしてる。
人間ってのは新しいモンが好きだからね。
あんなデカイ店が近くにできたんじゃ、こっちの見窄らしい鯛焼き屋もお終いだな。
………………。
私は息をひとつついて鯛焼き屋の前を通り過ぎた。
甘い匂いが風に乗ってくる。
悪いけど今は買わないよ。
―ー今はね。
私の目当てはあっちの小奇麗な店なのさ。
店の近くまで来た私はしばらく辺りの様子を窺った。
人通りはそう多くはない。
繁盛しているように見えたのは、過ぎる人の殆どが立ち止まるからだ。
「すみません」
客がいなくなるのを待ってから店員に声をかける。
「いらっしゃいませ」
出てきたのは気の良さそうなおばさんだ。
にこにこと笑ってる。
営業スマイルってやつか。
こういうのを相手にするのは気が引けるが仕方がない。
「これと……これ、2つずつください」
「ありがとうございます。合計で1,240円になります」
店員が値段を言ったところで、私はそっと手を振った。
「なに言ってんのさ? 代金はさっき払ったじゃんか」
「え……? あ、失礼しました! 申し訳ありません! ええっと―」
「2,000円出したからお釣りは760円だよ」
「あ、はい! すぐにお持ちします!」
慌てて店員がレジに走る。
私から”代金を受け取ったと思い込んでいる”おばさんは、すぐに包んだ商品とお釣りを持って戻って来た。
「大変失礼を致しました。こちら商品と760円のお返しです」
「ありがと、また来るよ」
目当ての物を受け取ったら、余計な詮索をされる前に店を出る。
奥から他の店員でも出てきたら厄介だ。


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch