11/10/28 23:34:41.97 SI8t5oUd0
海水浴に行かなければよかったのか。
それとも、もっと前から歯車は狂っていた?
いくら考えても答えは出てこない。
ガサガサ
心地よい虫の鳴き声の中に草が擦れ合う音が聞こえた。
憂は首だけを動かすと、そこには野犬が数匹こちらを見ていた。
バサッバサッ
上空からは鳥が羽ばたく音も聞こえる。
そして、憂はわかってしまった。
自分が今からどうなるか。
この動物達がなぜ、ここに集まっているのか。
憂「む”わ”―!ん”ん”―!!」
憂は声を絞り動物たちを追い払おうとするが、すぐに声も出なくなり出るのはヒューヒューという音だけだ。
憂「(お姉ちゃん、なんでこんな風になったのかな。・・・もういいや。寝ちゃおう。すぐにそっちに行くね、お姉ちゃん。)」
その夜から数日間は動物達の咀嚼音が森の中で響き、憂の元に動物達が寄らなくなった頃、森の中に聞こえるのは虫の鳴き声だけだった。