11/08/11 03:56:51.17 ppM8Mxsy0
ループ四周目のこの二人の関係が気になる
ほむほむはあんなことがあった三周目の直後だし、もう誰にも頼らない状態でマミさんに関わろうとはしないだろう
でもマミさんからすると、自分の縄張りに突然見たことも無い謎の黒髪美少女魔法少女が現れて、よくわからない力で魔女を圧倒して狩りまくっていくわけだし
いくらほむほむがマミさんを避けたとしても、やっぱり何の接触もなかったとは思えないんだよね
「貴女、見かけない顔ね。一応この街は私のテリトリーと言うことになっているのだけれど」
「・・・そう。私はグリーフシード目当てなわけじゃない・・・でも貴女と関わる気もない。それ、差し上げるわ」
「言っている意味がわからないのだけれど?知りもしない人からの贈り物なんて受け取れないわ」
「・・・私はこの街で守りたい大切なものがある・・・それだけよ」
振り返りもせず言い残し、闇に消えていくほむら
(どうやら敵ではないようだけど・・・グリーフシード目当てじゃないのなら、一体何がしたいって言うの?)
数日後、マミは謎の魔法少女が同じ中学に新しく転校してきた二年生だと知り、放課後校門前で待ち伏せて接触を図る
「待ってたわ、暁美ほむらさん」
「・・・貴女と関わるつもりはないと言ったはず」
「そういうわけにも行かないのよ。私にはこの街を守る責任がある。暁美さんはどうやらグリーフシード目当てではないようだけれど」
「・・・もうすぐこの街にワルプルギスの夜が来る。私はあいつから大切なものを守りたいだけ。それが終わったらこの街から消えるわ」
まるで懺悔部屋で罪を独白するかのように呟き、目線を合わせようとしないほむら
そのどこか寂しげな美しい横顔に惹かれる自分に戸惑いつつ、手を差し伸べるマミ
(やっぱり・・・この子とは以前会ったことがあるような気がするわ。強がって見えても、どこか儚げで守ってあげたくなる・・・)
「それが本当なら私たちは協力できるのではないかしら?この街を守りたいのは私も同じよ」
「・・・その必要はないわ。ワルプルギスの夜が来れば、私が勝手に貴女に合わせて援護させてもらうから」
「どうして?どうして私をそこまで拒むの・・・?もっと私を利用した方が賢いじゃない」
予想外の拒絶に戸惑いを隠せないマミは、視線を合わせようとしない目の前の黒髪の少女のか細い肩に手を伸ばした
「・・・っ!私に手を触れないで!」
「え・・・暁美さん?」
一瞬指が触れた刹那、振り向いたほむらの瞳の奥には、マミに対する隠しようがないほどはっきりとした恐怖が滲んでいた
それ以降、互いに干渉を避けあった二人が話し合うことはなく、魔女の気配を感じたマミが現場に駆けつけた時には既にほむらによって倒されている・・・
そんな日々がしばらく続き、使い魔ばかりを相手にしていたマミが、ある時ようやく先に結界を抜けて魔女と対峙した夜のこと
(あの子の気配を感じる・・・殺気は感じないけれど・・・いいえ、それどころか見守られている?)
久々の魔女相手に少し梃子摺りつつも倒したマミは、グリーフシードを拾い上げると視線を感じた方角へ向かって声を上げた
「隠れてないで出てきなさい。そこに居るのはわかっているわ!」
「・・・早くそいつでソウルジェムを浄化した方が良い。貴女、もう随分魔女を倒せていなかったでしょう?」
「何よそれ、獲物を譲ってくれたって言うの?・・・何もかも貴女の思い通りってわけ?気に食わないわね」
「・・・偶々よ。それよりソウルジェムが濁りきれば大変なことになる・・・お願い、早く浄化して・・・巴マミ」
今まで一度も目線を合わせようとしなかった暁美ほむらが、心配そうな表情を浮べながら初めて自分の名前を呼んだことに多少自尊心をくすぐられながらも、その態度が問い詰めた内容を暗に認めた事を察したマミは、苛立ちを隠す事が出来なかった
「貴女の指図は受けないわ」
(ソウルジェムが濁りきったら・・・か。そういえばその先を考えたことはあまりなかったわね。魔力が尽きたとしても肉体が無傷なら死ぬ事はないはず。・・・まぁグリーフシードさえ持っていれば浄化自体はいつでも出来るか)
そうして結論を先延ばしにしたマミは、ほむらの存在が自らの中でどんどん大きくなっていて、その彼女に拒絶された事がソウルジェムの濁りを予想以上に早めていたことに気がついては居なかった
その夜、どこかで見たようなおさげ髪の少女をリボンで束縛して射殺しようとする夢を見たマミは、二度と夢からさめる事はなかった
(巴さん・・・あれほど忠告したのに、どうして・・・)
かつて巴マミだった魔女を倒したほむらは、憧れの先輩の冷たくなった身体を抱き上げると無言で涙を流した