11/08/08 17:09:20.37 ogS/Fo9L0
巴さんの淹れてくれる紅茶は私が知る限り一番美味しい。
ある日、なにかコツがあるのか聞いてみた。
「コツはあるけど、それはお店で出てくる紅茶も同じでしょうね。」
「そうなの?」
「あとは、決定に違うことがあるけど…」
「?」
なんだろう?黙って続きを待っていると、巴さんはにっこり笑って、いつものイタズラっぽいウィンクをした。
「それは企業秘密なの」
「そう言われると余計気になるわね」
「じゃあ、ヒントをあげる。私があなたに振る舞うものには必ず入っているのよ」
紅茶に限らず、どんな料理にも必ず入れているらしい。
やたらとニコニコしている巴さんに、彼女の望むままの答えを返すのが照れ臭くて、答えを探す振りをする。
「わからない?」
「ええ。でも…」
「料理上手は愛情上手よね」
「ふふ、明日の朝はオムレツにしましょうか」
それはきっと、甘い甘い愛の味。