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暁美さんの心の中に、他の誰かが居ることはわかっていた
私に優しくしてくれるのは、何かしらの負い目からだと言うことも、薄々気がついている
それでも私は・・・彼女の温もりをもっと近くに感じたかった
「本当に良いのね?暁美さん」
恐る恐る背後から抱きしめ、形の良いあごに右手を重ねながら尋ねると、彼女は頬を染めて俯くばかりだった
その仕草を肯定と受け取った私は、お風呂上りのシャンプーと石鹸の香りに混じった、ほのかに甘い彼女の体臭を感じながら、頬に首筋にと軽く口付けた
そして、左手でなだらかな上半身の起伏をなぞりつつ右手でスカートのホックを外し、するりと落とすと、白く眩しい太腿が姿を現す
日頃から密かに見惚れていた彼女の脚線は、普段の黒いタイツ越しとは異なり、雪のように白い肌がほんのりとピンクに染まっていて、軽い感動すら覚える
屈み込んで内腿に飛びついて口付けると、処女雪に走り回って足跡をつけるような密かな喜びを感じつつ、流れるように指と唇を下へ下へと這わせる
「・・・ん」
わずかにくすぐったそうな声を上げる暁美さん
そんな彼女の細い肩に手をかけて、ベッドに腰掛けさせ、隣り合わせて座る
上着のシャツの裾から右手を潜り込ませると、滑らかな肌触りと共にひんやりとした感触が指を通して伝わってくる
冷たい肌を温めるように、へその周りを軽く撫で回した後、プチプチと襟元からボタンを外していく
「・・・」
相変わらず俯いたまま何も言わない彼女から、どこか怯えた様子を感じ取った私は、
その艶やかな黒髪を優しく撫でた後、ドキドキと激しい鼓動を伝える心臓を軽く深呼吸でなだめると、勇気を振り絞って唇を重ね合わせた
最初は触れ合うだけの軽いキス
二度目は軽くついばみ、舌先で唇をなぞってみる
(やっぱり・・・まだだめね)
瞳を覗き込んでもすぐに視線を逸らされてしまい、わかっていても軽い失望感を覚える
そんな気まずさを誤魔化すように肩を抱き寄せると、その細身をベッドに押し倒して再び唇を塞いだ
「・・・ん、くっ」
先ほどと違い舌を差し入れ吸い上げる、貪るような長いキス
唇が離れた後、二人の間に架かった透明な糸を拭いながら、はぁはぁと呼吸を整える
暁美さんを尻目に、私はいそいそと服や下着を脱ぎ散らし、生まれたままの姿を晒す
「愛してるわ、暁美さん」
返事を期待せずささやき、彼女の華奢な身体に覆いかぶさって、肌と肌をすり合わせる
火照った身体の熱と共に、この感情も伝わるように・・・無駄と知りながら
事を終えた後、泣き疲れた子供のように眠る暁美さん
脳裏には、彼女の髪に結ばれた赤いリボンを解いた際の、まるで母親と引き離された幼児のような不安げな表情が浮かぶ
そんな光景に罪悪感を覚えながらも、シーツに残った僅かな赤い痕を見ると、達成感を感じずには居られない
(暁美さんの一番じゃなくてもかまわない・・・)
そんなことを思いながら、彼女の鎖骨の辺りを吸い上げ、残ったキスマークを指でなぞった