11/07/08 00:43:22.76 SdHnst1d0
誰もいないうちにちょっくらSS投下
2レスほどいただきます
NGハタイトルで
天の川
空を走る光の河は、見るものをその虜にする。
しかし運悪く、この時期は天候が悪く、それを見るには相応の運が必要になってくる。
時計に目を傾け、ユーノはふぅと溜息を吐いた。
また今年も見れなかったなと。
ユーノにとって天の川と言うものは知的好奇心を揺さぶるには十分なものだった。
幻想的な光の河。
あらゆる次元世界でも、そうは見れないものなのだ。
初めてなのはからそのことを聞いたユーノは、それからこの時期は決まって休暇を出し、日本に足を向けている。
自分の目で、それを見るために。
しかしその話から10年以上たったが、未だに天の川を見たことはない。
決まって海鳴の天候が悪いのだ。
梅雨という時期なだけにしょうがないのかもしれないが、それでも残念に感じてしまう。
別に天候の良い地域に移動してもいいのだろうが、ユーノはどうしてもその気になれなかった。
それは意地でもあるし、ただのこだわりであったともいえる。
しかし、それは得てして中々叶わないものだ。
「また今年も見れなかったね」
傍らに立つ女性、高町なのはがポツリとつぶやく。
やはり自分と同じことを考えているようで、少し残念そうな顔をしている。
なのははユーノが天の川に興味を持つと、嬉しそうに一緒に見ようと言ってきてくれたのだ。
それからというもの、毎年この時期は一緒に海鳴に足を運んでいる。
仕事で忙しいのではないかとも思うのだが、本人は好きでやっていることらしい。