【けいおん!】唯×梓スレ 22at ANICHARA2
【けいおん!】唯×梓スレ 22 - 暇つぶし2ch449:膝枕ネタ2
11/04/22 14:40:21.24 rBBGehWr0
「私もだよ、あずにゃん」

だから、なんで。
どうしてそこで、今まで眠っていたなんてことがうそみたいにはっきりとした声で、返答してくるのか。
すやすやと立てられていた寝息は、すっかりと普段の呼吸に戻って。
夢の中へと安らかに閉じられていたまぶたは、すっかりと普段のまんまる眼を見せてくれていて。
だけどぎゅっとしがみ付いた体は、これもまたいつもどおりに私を抱きしめたまま。
ああ、つまり。例えなんかじゃなくて、うそみたいに、とかじゃなくて。
本当にうそだったということ、ということで。

教えてください、こういうとき私はどう反応をすればいいんですか。
ずっと届かないって思っていた思いがあっさりと通じ合っちゃって。
天真爛漫だと思っていた私の大好きな先輩は、実は老獪な策士だったりして。
こんなの、教わってないです。
だから、どうしたらいいかわかんないです。

それはもうみっともないほど狼狽する私を、思わず逃げ出してしまおうとする私を、だけど唯先輩はぎゅっと抱きしめて離してくれなかった。
だから結局私はそのみっともない姿をさらしたまま、だけど先輩の傍から離れることが出来ずにいる。
先輩の腕がするりと私の方付近まで上がってきて、ふいっと私の太腿から重さが消える。
同時にかくんと音を立てながら視界が転がって、とさりと軽い音とともに私の体はソファーのクッションの上に横たえられて、そしていつの間にか覆いかぶさる形へとその体勢を変えていた唯先輩に、ぎゅうっと抱きしめられていた。

「大好きだよ、あずにゃん」

耳元でそんな言葉を囁かれて、だから私の体と心はあっさり溶けてしまう。
全部溶けてなくなっちゃって、その言葉と先輩とで埋め尽くされてしまう。
今ある、この事実。まるで夢のようなこの幸せが現実だって事を、その柔らかな優しいぬくもりが、地中渦巻くマグマよりもずっとずっと高い熱をもって体中に焼き付けられていく。

「本当に、いいんですか、だって―」

それでも口をついて出ようとする懐疑の言葉を、その唇を先輩はそっと綿のような優しさで塞いでくれた。
いいんだよって、こうなってもまだ往生際の悪いとしか言いようの無い私に、教え込むように。
だから、私は。
そこでようやくこれでいいんだって、幸せになってもいいんだって、この人と幸せになっていくんだって思い至り、そしてそれを誓い、覚悟を決めるように。
今まで届かないと思い込んでいたその距離の分だけ、そんなものなって及ばないほどの強さをこめて、ぎゅうっと私を包み込む優しい体を抱きしめた。



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