11/03/07 18:00:42.88 DFNl2Tjs0
>>186の続きです
「で,でね!今度せなちーとお兄さんも一緒に,4人でご飯食べに行かない?次の日曜とか――」
「断る」
あんまり聞きたくはないんだが……ここはハッキリさせておかないと気が済まねえ。
「な,なんでよ」
「お前……あいつの事,好きなのか?」
別にこいつが誰を好きになろうと知ったこっちゃないが,あんな救いようのない
シスコン変態バカ兄貴に俺の妹をやるわけにはいかねーだろ!
しばらく桐乃はきょとんとしていたが,ようやく質問の意味を理解したのか,表情を一変させて怒鳴りつけてきた。
「は,はあ!?なんでそーなんの!そんなワケないでしょ!!だってあたしが好きなのは……」
「好きなのは……なんだよ」
「ッ……,な,なんだっていいでしょ!いいから行こうよ!あたしたちは邪魔しないからさ」
あたしたちは邪魔しないって……何言ってるんだこいつは。
「大体なんでそのメンツで飯食いに行かなきゃなんねーんだよ!」
「はあ!?せっかくせなちーと一緒に二人を会わせる口実作ってやったってのに,何その言いグサ」
さっきから妙に話が噛み合ってない。それになんだ,この寒気は……
俺の脳裏に巨乳メガネの後輩の姿が浮かぶ。そういやこいつら,あの夏コミ以来仲良くなって,
最近はあやせや黒猫達そっちのけで遊ぶようになってたな。
「ねぇ,ホントに……せなちーのお兄さんの事,何とも思ってないの?」
嫌な予感はますます膨らむ。さっきとはまた別種の,しかも比べ物にならないほど嫌な予感が。
「さっきから気になってたんだが……お前が後ろ手に隠してるのは何だ?」
「!!こ,これは……」
「いいから見せてみろ」
俺は立ち上がって桐乃が隠し持っていた物を取り上げようとする。桐乃は必死に抵抗したが,
その拍子にそれは床の上に投げ出されてしまった。
「!!」
嫌な予感は的中した。床に投げ出されたそれは……
いつか赤城が深夜販売に並んで買っていた,ムキムキの男たちが表紙に描かれたゲーム,「ホモゲ部」
桐乃は静かにそれを拾い上げると,こちらを振り向かずに言った。
「ねぇ,こういうの好きでいちゃ……おかしいのかな」 ―完―