11/01/27 20:05:24 R/6OelnmP
「みゃ!」
突然、ネコが澪のヒザの上を飛び出し、梓の前に飛び出す。
「あっ! あ……あずにゃん2号!」
(澪先輩が、あずにゃん2号って……)
「にゃ?」
2号が澪に呼び止められて足を止め、来た道をまた戻って澪のヒザの上に飛び乗った。
「にゃー」
むすっ。
梓は内心穏やかではなかった。
「澪先輩、私には“あずにゃん”って呼んでくれないんですか?」
「え?」
澪は素っ頓狂な声を上げた。
「えっ……だって、梓はあのあだ名で呼ばれるの嫌だって―」
「そんなことは言ってないです!」
(澪先輩にだったら呼ばれたいです)
とは、言えなかった。
「にゃーにゃー」
澪のお腹をふにふにと押してじゃれる2号。かまって欲しいのだろう。
(ぴきっ)
『子ネコなんだから怒ったり嫉妬したりしたってしょうがない』というのは頭で理解してても、梓の感情とは乖離していた。
ソファーから立ち上がり、澪の前に仁王立ちする。
「澪先輩? 呼んでくれないんですか?」
「……」
(え、なんで? そんなにあずにゃんって呼んで欲しいの……?)
澪にとっては決死の覚悟で。
「あ、あず……にゃん」
上目遣いで、モジモジされながら名前を呼ばれた。
想像以上の破壊力に―。
鮮血をまき散らして倒れた。
「あずさー!?」
「にゃー!!」
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