10/12/08 22:22:25 OIpwnLlT0
『…』
「あずにゃん、何で…」
「…唯先輩の胸が痛む時は、どんな時ですか?」
私の言葉を遮り、あずにゃんが問い掛けて来る。
「えっと、あずにゃんが私以外の誰かと楽しそうにしてる時とか…」
「他には?」
「んと、あずにゃんが私にそっけない態度をした時とかも…」
「…そこから導き出される答えは?」
「あずにゃんのせい」
「50点です、私のせいだと思う理由は?」
「…」
「どうして、私のせいで唯先輩がそんな気持ちになるんですか?」
「あずにゃんが他の人と仲良くするのが嫌だから…」
「どうして嫌なんですか?」
「だって、あずにゃんは私の…」
「私の…なんですか?」
「私の…あ!」
「後輩にここまで言わせないで下さい…私だって、こんな気持ちになったの初めてなんですからね」
「ごめんね、あずにゃん」
「謝罪よりも先に聞きたい言葉があります」
「…うん、そうだね」
「教えてください、唯先輩の気持ち」
「うん、私はあずにゃんの事が好き…大好きだよ」
「奇遇ですね、私もです」
「あずにゃん、何か言い方がずるくない?」
「人にキスまでさせておいて何を言ってるんですか」
「じゃあ、次は私から…」
「ノーセンキュー」
「な、なんでぇ~!?」
「何日も唯先輩分をオアズケさせられたんですよ?唯先輩にも同じ目に遭って貰わないと私の気が済みません」
「それは、私だって同じだよぉ~もう、ずっとあずにゃん分を補給してないもん」
私は泣きそうな声で駄々を捏ねる。
そんな私を見て、あずにゃんはやれやれと方を竦めた。
「だから、ね…唯先輩?」
蕩けそうな甘い表情。
「なぁに、あずにゃん?」
あずにゃんは両手を広げ、私に向かって囁いた。
「イッパイぎゅ~ってしてくれなきゃ、許しませんから♪」
「うん♪」
私達の恋はまだ始まったばかり。
いつか蕾が花咲くようにゆっくりとこの恋を育んでいこう。
そんな、ちいさなこいのうた。
おしまい!