10/11/26 22:20:56 Bd6MA59/0
転載・・・
994 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 22:13:07 ID:OZqydTv4 [12/12]
>>1000ならある日の深夜……
安らかに眠っていた俺は,バチンと頬に強い痛みを感じた。
「っだ!?」
最悪の目覚め。どうやら頬を張り飛ばされたらしい。
…………そういえば,前にもこんなことがあったような……。
しかし今回は,あのときとは明らかに様子が違っていた。
暗くてはっきりとはわからないが,そいつの身体は小刻みに震え,噛み殺した
ような嗚咽も聞こえてくる。
「き,桐乃……??」
俺はそいつの名前を口にした。すると桐乃は,いきなり俺の胸に顔をうずめて
泣き始めてしまった。
「お,おい,一体どうしたんだ!?」
「もうどこにも行かないで……お願いだから……!」
…………どうやら桐乃は,俺が死ぬ夢を見たらしい。
ようやく事態を把握した俺は,やや当惑しながらも,泣きじゃくる妹の頭をな
でてやった。
「安心しろ。俺はどこにも行かないし,お前より先に死んだりもしない」
「……………………本当?」
「ああ,本当だ。だからもう……泣くな」
「うん……」
そして桐乃は安心したように,そのまま眠ってしまった。
俺は桐乃を自分のベッドに寝かせ,毛布をかけてやる。
「…………まったく,世話の焼ける妹だぜ」
俺は目元の涙を指でぬぐってやりながら,自然と微笑んでしまうのだった。