10/11/04 22:19:11 xyJfkOW90
新歓ライブ当日、私は今、舞台裏で出番を待っています。あと数分で私の出番です。
(憂や純が手伝ってくれたり、そして何より、先輩たちとの思い出を培ってきたこの軽音部を潰すわけにはいかないよね)
そう考えると、緊張や不安も少し和らぎます。
とにかく自分の最大の演奏を聴いてもらう、それだけなんだと心の中で反芻する。
ここに立つのは去年の学園祭ぶり、その時は五人での演奏でした。
そしてこんな時に思い出すのは、決まってあの人のこと。軽音部に入るきっかけだって、新歓ライブでの
あの人の姿だったんだ─
あの人なら、緊張なんかしないよね
それに、不安なんかも絶対に感じない
とにかく前を向いていて、今を全力で生きていて
私もいつか、そうなれるかな─
練習しないでお茶ばかりして、ダメダメなところもあったけど
二年前のあのときから
私はあなたしか見えなくて
私がずっと追いかけてきたその背中
私がずっと憧れてきたその姿
私が軽音部へ入るきっかけとなったその演奏
そして今度は私の番─
追いかけられる背中へと
憧れられる姿へと
心を響かせるような演奏を
やってやるんだ─
あの人と同じ場所で
あの人と同じ立場で
自信を持って演奏するんだ─
そしていつかは
あの人と、同じ高みへ─
終わりです
冒頭に入れ忘れたけど、タイトルは『同じ高みへ』で
元ネタは某ゲームのBGMです