10/10/07 02:22:32 Z8ZbfaIL0
小さい子の世界はとても狭い。
幼少期の憂にとって家の中はその時の世界のほぼ全てであった。
両親は育児放棄でいつも不在気味であり、その世界に唯と二人きりの憂は必然的に姉のことばかりを思うようになる。
そう、憂にとっては唯が全てであった。
その唯が周りと違うというだけで虐められる。
唯といる時間が多いこの頃の憂にとっては唯は普通であるしおかしいことなどない。
世間の言う『普通』が判らない憂にこのことは酷いショックを与えた。
そして誰も信頼することが出来ずに自分が唯を守ることを決意したのだ。
その後も小学校、中学校でも唯は蔑んだ目で見られることは変わらなかった。
その度に憂の決意は固くなり、唯に対する思いもまた強くなっていった。
憂は姉を守ることを生きがいとして今まで生きてきたのだ。
このような歪んだ環境が憂の歪んだ性格と唯への歪んだ愛を生み出してしまった。
今回の梓に対する行動は憂にとっては当然のことであり悪気など何も感じない。
憂「お姉ちゃんは私が守るんだから・・・梓ちゃん・・・もっと後悔させてあげるわ」
そして夜が更けていった。