11/01/05 04:03:04 AfxjOyOQ0
つづき
―ワイワイがやがや
村人1「おんやまぁ? 誰かと思えばあんた薬屋さんじゃないかね。」
村へやって来た二人に気づいた村人の一人が剣心たちに声をかけてきます。
とくに剣心はたびたび村へ
薬を売りに来ているので村人たちにもすっかり顔は知られています。
剣心 「やぁこれはどうも。………新年あけましておめでとうございます。」
巴 「……本年もどうか、よろしくお願いいたします。(ぺこり)」
剣心に続いて妻の巴も折り目正しく頭を下げ村人たちに挨拶をする。
初詣目的ではあるが、ついでに村人たちへの新年の挨拶も兼ねている事は言うまでもない。
村人1「いやいや、こちらこそよろしく。
………今日は奥さんも一緒かね?
たしか前に何回かお会いしたね。えっと名前はたしか―」
巴 「………巴と申します」
村人1「そうだったそうだった。―巴さんだったな。
………それにしても、あいかわらず別嬪さんだねー、奥さんは。」
巴 「………い、いえ、そんな。(ポッ)」
村人2「ほんに、ほんに。
………薬屋さんが毎度々々張りきって薬を売りに来るのも、こりゃ無理ないわ。」
村人3「あはは、全くじゃなぁ。」
剣心 「い、いや、これは………まいった、な。(ポリポリ)」
二人仲良く連れ立っているのを村人たちにからかわれ。
巴はもちろん剣心も照れるばかりだった。
若い美男美女の組み合わせは嫌でも人目を引き、たちまち周りに人が群がりはじめました。
女房1「おやまぁ、巴さんじゃないか
………今日は旦那さんと一緒なのかい?」
巴 「え、ええ………その、初詣にやって来たんです。(ポッ)」
たまに巴も剣心と一緒に村へ買い物をしにやって来るので何人か顔見知りの人がいます。
女房2「あいかわらず仲良いね~羨ましい。
………あんた達を見てると、なんだか昔を思い出しちゃってね。
これでも昔はこのあたりで一番の別嬪って言われてたんだよ~。(遠い目)」
村人4「はは、今は丸っきり昔とは変わっちまってるけどな。」
巴 「まぁそんな、おかみさんは現在もとてもお綺麗です――ね、あなた。(ちらっ)」
剣心 「(コホン)………あ、ああ、うん、そう…だね。
………いや、さすがに一番と呼ばれただけありますよ。(ポリポリ)」
女房2「(頬に手をやって)………あらまぁ、やだよ、こんなおばさん掴まえてさー!
………嬉しいけど
そういうことは隣にいる奥さんに言ってやるもんだよ、やだよぉ。(ぽっ)」
全員 「(一斉に)………あっははは―」
祝言を挙げ人里はなれた里山の一軒家に越してきて以来
今やすっかり本業(!?)となった薬を売るため定期的に村へやって来ていることもあってか
剣心たちもいつの間にかすっかり村人たちに溶け込んでいるようです。
――つづく