10/09/20 23:37:41 pYAOkp3d0
唯先輩が優しく私を抱きしめてくれる。甘い香りと共にその柔らかな感触が私の全てを包み込んでくれた。
「唯…先輩?」
私を包む柔らかな感覚はそのままに、少しずつ意識が遠のく。
「あずにゃん、待ってるからね…」
その言葉を最後に、私は優しい香りと感触に包まれたまま深い眠りへと誘われていった。
「ん…」
窓から差し込む眩しい光に、私は思わず目を細めた。
「ふわぁ~あ…」
枕元にあった携帯を手に取り時間を確認する。
「8時32分…」
昨夜は遅くまで起きてたせいか、普段よりも遅い起床時間。
「今日は唯先輩と出掛ける約束…を…」
そう呟いた瞬間、私は目を見開いた。
「そうだ…もしもの世界!」
私は携帯を開き、登録された番号を確認する。
「あ…」
そこには間違いなく『唯せんぱい』の番号が登録されていた。
「私、戻ってきたの?それとも夢…だったの?」
今となってはそれが現実だったのか夢だったのかはわからない。
「夢…だとしても」
ただ、私の心には明らかな変化があった。
「もう逃げない、だって私には出来るんだから」
あの人が教えてくれた。あの人が待ってるよって言ってくれた。だから私は追いかけようあの人を。
「唯先輩…」
そして、いつの日か私の想いをあの人に伝えよう。
「待ってて下さいね、唯先輩!」
ただ一言、貴女が好きです…と。
終
すいません、思ってた以上に長くなってしまいました。