10/09/15 17:32:06 IMKDUyWn0
きっかけは加藤ミリヤだった。
コンビニの雑誌コーナーに並んでいたギャル誌『BLENDA』8月号の表紙を飾る彼女の表情が、あまりにも困っていたのだ。
「あれ、こんな顔してたっけ?」とモヤモヤ感がぬぐえず、調べてみると表紙だけではなく、CDのジャケもPVもみんな困り顔だった。
しかも、検索エンジンで「困り顔」と検索すると、関連ワードとして「困り顔+加藤ミリヤ」が出てきた。中には「加藤ミリヤの困り顔に困ります」という書き込みまで。
さらに調べてみると、彼女だけではなく、OLのカリスマ・梨花もファッション誌『Sweet』9月号の表紙のキメ顔も憂いを帯びた表情だった。
さらにさらに、女のコ向けストリート雑誌では、「困り顔メイク」の特集まで組まれており、
「この秋絶対流行るSWEETこまり顔。キュート系のドールメイクVS強め系キャットメイク。この2大フェイスを攻略すれば、秋のメイクはカンペキです♪」と謳っている。
「困り顔の定義」といわれる八の字眉毛に潤んだ瞳にぽってり唇、頼りない感じの表情……なんだか惹かれる気がする。
思い返してみると、男ウケする顔といわれる皆藤愛子、綾瀬はるか、最近ではAKB48のセンターにファン投票で選ばれた大島優子などもコレに当てはまる。
これはもしや、ツイッターをきっかけに支持を集めた「アヒル口」の次に来る、フェロモンの新機軸なのか?
「アヒル口と同じで、男のほうが優位に立てそうという大ざっぱな共通点はありますね。また女性側から見ても、ひと昔前は、“媚びないオンナ”が同性の支持を集めていました。
ところが、そうも言っていられない時代背景となり、生き残ろうとして『救ってあげたい』という男の根源的な優しさをくすぐる路線にいったのも要因のひとつでしょう」
と語るのは、女性タレントウォッチャーで「分類王」の石黒謙吾氏。……意外と奥が深いかも。そこで本誌は、「困り顔美女」の魅力に迫る!
困り顔美女のブームが起こっているのはリアルな世界の中だけではない。実はアニメ界では、リアル界に先駆けて「困り顔キャラ」がジワジワ浸透中だ。
「最近の深夜アニメは4コマ漫画原作が一つのジャンルです。これらの作品は、まったりとした日常の中で、個性豊かなキャラクターが登場するのが特徴で、その中に困り顔キャラが登場します。
そのキャラが同じようなパターンで困る様子が繰り返しオチとして描かれることでキャラが確立し、視聴者にとってはそれがホッとする“お約束”になっているんですね」
と語るのはアニメ評論家の藤津亮太氏。そんな藤津氏が困り顔キャラの1位に推したのが『けいおん!』の中野梓。
彼女のフィギュアには、なんと困り顔の別注モデルも存在している。
「彼女は軽音楽部の5人の中で唯一の下級生で、一番マジメなキャラクター。先輩たちにイジられて、ムキになったり恥ずかしがったりするシーンは、ファンからも人気がありますよ」
さらに次の3つの作品にも、個性的な困り顔キャラが。
「『涼宮ハルヒの憂鬱』の朝比奈みくるは、アイドル的なルックスと気弱な性格が災いして、主人公のハルヒに無理やりコスプレをさせられたりするキャラクターです。
彼女がオモチャ扱いされて困惑する様子は、視聴者サービスの一つといえるでしょう。
『WORKING!!』の伊波まひるは、ファミレスでバイトをしているのに、極度の男性恐怖症。男性に近づかれると、困ったあげくに殴り倒してしまうという定番ギャグは『俺も殴られたい!』という気すら起こさせます(笑)。
また、より悲壮な困り顔を見せてくれるのが、『機動戦士ガンダム00』のマリナ・イスマイール。貧困とテロに苦しむ国の皇女となり、転落していく人生から、ファンの間では『貧乏姫』とも呼ばれています」
実は、昔の作品にも、困り顔の萌芽ともいえる名キャラが。
「困り顔キャラの元祖的存在と言えるのが、68年公開の『太陽の王子ホルスの大冒険』のヒルダです。
悪魔の手先として村に送り込まれた彼女が、自分の素性を明かすべきかと苦悩する場面の表情がそう。
当時葛藤の表情がアニメでここまで微妙に描かれたことはなく、苦悩の困り顔をいかに描くか監督とアニメーターが苦闘しました。初めて困り顔が真剣に描かれた名シーンかもしれません。
また、困り顔の歴史を考えるうえでは『ちびまる子ちゃん』のまる子も外せません。漫画由来の、顔の縦線で戸惑いを表す手法は、もはや定番。あ、でも、困り顔美女ではありませんね(笑)」
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