【らき☆すた】つかさ×こなたに萌えるスレ 6at ANICHARA2
【らき☆すた】つかさ×こなたに萌えるスレ 6 - 暇つぶし2ch255:ナハト
10/12/01 00:03:06 xvPtYjjh0
以上です

あと六日とあるように、後五話ほど脇がメインの話になります

まぁ、一応こなたもつかさも多少は出るんですけどねw

ではでは ノシ

256:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/02 17:58:45 NHOTKgCnO
こな「ほっほっほっほっ」つか「しゅっしゅっしゅっしゅ」
こな「ほっほっほっほっ」つか「しゅっしゅっしゅっしゅ」

かが「・・・二人でなにやってんの」
こな「えー?わたしが『ほ』!」
つか「そしてわたしが『しゅ』!」
こな・つか「二人あわせて『」
かが「あー、『ほしゅ』ね、はいはい・・・」
つか「おねーちゃーん」
こな「かがみーん」
こな・つか「最後まで言わせて!!!」

257:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/04 03:26:12 nOOB6RPXO
補習

258:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/06 07:24:57 QNnTJ0yiO
つか「ほ・・・ほっかむり!」
こな「し・・・しもやけ!」
つか「ゆ・・・ゆきんこ!!」

259:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/07 05:34:40 siPFZAhZ0
うにょん

260:ナハト
10/12/07 23:14:33 WEMqL5z40
どもども

 Section11「苗木を守る人達~柊まつり~」

投下します

本文5レス使いますねぇ~

261:ナハト
10/12/07 23:15:23 WEMqL5z40
「お姉ちゃん……ここ……どうやるの?」
「ぅえっ!?えっと……どこ?」
「この問題……」
ぬぅ……数学かぁ……。苦手なんだよなぁ~。
「か、母さんは出来るよね!?」
「えっ!?……こ、こんな風にやれば……って、プリント見れば良いんじゃない!」
「そりゃそうなんだけどさぁ……なんか負けた気がしない?」
「……まつり、それは言わないで……」

dear -Section11「苗木を守る人達~柊まつり~」

我が家での勉強会が無事に終わり、今は私と母さん二人でつかさの勉強を見ている。
本来ならばかがみが教えた方が良いんだけどね、的確だし教え方も上手だから。
だけど、今は残念ながらそれはできない。
なぜなら……。
「母さん、まつり、つかさが勉強しているんだからもう少し静かにしていなさい」
「あ、ごめんなさい。私ってば、つい……」
「……はーい……」
父さんがここで『監視』をしているから。

二人が休学する事になったあの日から
私は何度も父さんと母さんにそれをやめさせるように説得しようとした
でも……全く駄目だった
せめてこちらの言い分だけでも聞いてくれれば良いのに
それすら聞いてくれなかった

「……あ、そっか……じゃぁ、こう解けば良いんだ……。お父さん、お母さん、終わったよ」
「じゃぁ、私はご飯の支度始めるわね」
「あぁ」
「んじゃ、私は部屋に……あ、やっぱ今日は手伝うよ」
「あらめずらしい事。じゃぁ手伝ってもらおうかしら。つかさもお願いね」
「はい……」

家事に関しては父さんもとやかく言わない
だから私はこの時間が好きだ
……たまにしか出来ないんだけどね

「今日の晩御飯は何?」
「串カツ、豆腐と海藻のサラダ。茄子とピーマンの揚げ浸しに……あともう一品、おつまみになる物が欲しいんだけどね……」
「お母さん、納豆袋でも作る?材料は揃っているし」
「そうね、そうしましょうか。じゃぁつかさ、そっちはお願いね」
「私は何を手伝う?」
「じゃぁ……串カツの準備をしてもらえる?」
「はーい」

傍から見れば、至って普通な台所の一コマ
でも、つかさ……だけでなく、我が家の女性陣からすれば一番落ち着く事が出来る一コマ
実際、つかさは家事をしている時『だけ』生き生きとした表情を見せてくれる
だけど、その顔色は日々悪くなっている
……父さんはそれを理解しているのだろうか?
そして、もう一人……

「姉さん、ちょっといい?」
「ん?良いけど。何?」
「かがみ、まつりに話しが有るのなら、後にするかこちらで話しなさい」
「はい……じゃぁ姉さん、後で話すね……」

262:ナハト
10/12/07 23:15:48 WEMqL5z40

これだ
例の手紙の一件があってから、父さんは
『勉強会』と『食事』
これ以外でつかさとかがみが近付く事を禁じている
……その結果……
かがみの顔色はつかさ以上に日に日に悪くなっている
何故、これ程までに二人を近付けさせたくないのだろうか?
今はこなたちゃんからの手紙を受け渡す事など出来ないのに
……昨日、姉さんから聞いたみゆきちゃん一家がこの『計画』に参加した理由……
『子離れ』が出来ていないと思われる
それでこんな事をするのかな……

「納豆袋出来たよ~」
「串カツも出来たよ~。後はパン粉を付けて揚げるだけ~」
「二人ともありがとう。それじゃ、仕上げましょうか」
「は~い。じゃぁ納豆袋炙るね~」
「……ほい、衣の準備出来たよ~」
「じゃぁ揚げるわね。まつり、お皿出してもらえる?」
「は~い」

……今夜は……ちょっと違った角度から攻めてみようかな?
父さんと母さんが、本当に『子離れ』しているかどうか
それを、確かめるために



「父さん、母さん、ちょっといい?」
「何だ?またいつもの話しか?それなら……」
「あ、違う違う。それじゃない話しなんだけど」
「なら良いぞ。そこに座りなさい」

はぁ、やっぱり警戒してるなぁ……

「で、何の話しだ?」
「あのね、……父さんと母さんはさ、つかさとこなたちゃんが付き合うのは認めないって言ってたよね」
「あぁ、……結局はいつもの話しじゃないか」
「まぁまぁ、お父さん。最後までちゃんと聞いてあげましょうよ」
「……母さんがそう言うなら仕方が無いな。で、それがどうしたんだ?」

よしよし、先ずは第一段階クリア

「それって『同性だから』って言ってたよね」
「あぁ、そうだ。何度もそう言っているだろう」
「そうなんだけど……。でね、もし、もしもなんだけど……私や姉さんが男の人を連れて来て『この人が恋人なんです!』って言ったら……どうする?」

さぁ、どう出る?

「それは……相手にもよるな」
「母さんは?」
「そうねぇ……私も相手によるかしら。あんまり変な人だと困っちゃうし」
「どうして?私や姉さんが選んだ人だよ?」
「それでも、よ。相手がちゃんとした人かどうかが肝心なんだから」
「そうだな、どこの馬の骨かわからんような奴と付き合われては困るからな」

263:ナハト
10/12/07 23:16:31 WEMqL5z40

成る程ねぇ~
それじゃぁ、これはどうかな?

「そっか……。じゃぁさ、私や姉さんが『一人暮らしをしたい』って言ったら?ほら、私だって何もなければ再来年から社会人でしょ?」
「一人暮らしか……まぁ、会社が遠いのなら仕方が無いが……出来ればそれはしてほしくないな」
「そうね、近場なら自宅から通えるんだし。……あなた達が一人で何をしているのかと思うと……お母さん不安で眠れなくなっちゃうわ」
「不安でって……一応私も姉さんも成人してるんだよ?」
「成人していようがいまいが、私達の『娘』である事はかわらないだろう?そういうことだ」
「『娘』の事を心配しない親なんか居ませんよ」

じゃぁ、つかさはどうなのさ……

「あとさ、今までのとは関係ないんだけど、ゼミで『親離れ・子離れ』についてのディスカッションが今度あるんだよね」
「ふーん、そんな事もやるのね」
「うん。でね、参考までになんだけど、父さんと母さんは『親離れ・子離れ』についてどう思う?」

さぁ、どう答える?

「その質問は明らかに愚問だな」
「え!?そうなの?」
「あぁ。なぜならさっき言った通り『親』にとって『子』は何歳になっても『子』だからだ」
「そうね、『親離れ・子離れ』と言ってもそれは言葉の上だけ、あなたも親になればわかると思うけど、『子』はいつまでも『子』なのよ」
「……つまり、父さんと母さんからすれば『親離れ・子離れ』は有り得ない、と」
「そうだな。有り得ないどころかそんな考えすら無いぞ」
「私もそうよ」

……これは……手強いなぁ

「そっか、ありがと」
「あまり参考にならなくてすまないな」
「ううん、そういった意見も有るって言えるから大丈夫だよ……あ、そうだ」

最後にもう一度確認しておくか

「さっきの質問……というか言葉なんだけど、もしかがみとつかさが恋人の事とか一人暮らしの事を聞いてきたら……どうする?」
「高校生なんだし、駄目に決まっているだろう」
「あ、今じゃなくてこれから先にって事」
「……駄目だな」
「そうね」
「へっ!?何で?私達は相手によりとか勤め先によりとかでオッケーなんでしょ?」
「いのりとまつりはそれでも構わないが、あの二人は別だ。……まぁ、この先どんな人生経験をするかでさっきの返事は変わるがな」
「まだあの子達は色々な経験が少ないから。だから私も、今のところは駄目としか言えないわ」
「あ、だからといって『同性』は有り得ないからな」
「それだけはいくらあの子達……だけじゃないわ、あなた達の誰かが言ってきても駄目よ」
「まぁ、我が家の娘達はもうそんな事は言わないだろうがな」
「そうね、つかさもかがみも大丈夫みたいだし」

……言葉だけで実際には娘の事を全然見ていないんだな……
誰がどう見たって二人ともストレスで潰れそうになってるじゃん……

「やっぱり『休学』させたのが良かったのかな」
「少しは悟ったんでしょう。自分達の考えが間違っているって事を」
「そうだな。……っと、すまんすまん。それで?まだ聞きたい事が有るのかな?」
「……ううん、大丈夫だよ、ありがと。それじゃおやすみなさ~い」
「おやすみ」
「おやすみなさい」

264:ナハト
10/12/07 23:17:07 WEMqL5z40



……まさかあそこまで『子離れ』出来ていないとは思わなかったなぁ~
あ、姉さんに一応報告しておかないと


 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

 姉さん

 今日、父さんと母さんに『親離れ・子離れ』について聞いてみた
 みゆきちゃんの両親が言う通り、全然出来ていない感じだったよ
 特にかがみとつかさに対しては全くだね~
 流石の私もビックリだよ

 それじゃ、残業頑張ってね~

 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~


「……送信っと。……ふぅ……」

『特にかがみとつかさ』……か……

かがみとつかさ
産まれる前からずっと一緒だった二人
そして……私の大切な妹達……

そういや……この間姉さんが言ってたな……
この計画に参加したのは『かがみを守りたいからだ』って……

私は……
私は何でこの『計画』に参加しようと思ったんだろう……

こなたちゃんの『計画』を知ったから?
……いや、違う
それを見せられる前からずっと……
父さんのかがみとつかさに対する理不尽極まりない仕打ちに嫌気がさしていたんだ……
そして、私は、そんな父さんに現実を知ってもらいたくて……

そうか……
私は、父さんと母さんに
自分達の娘の『今』を
見てもらいたかったんだ……

……父さん……母さん……
私達はいつまでも『娘』のままじゃないんだよ
いずれ私達は自立し、家庭を持ち、『娘』から『親』になるんだよ
もしそうなった時……
それでも父さんと母さんは私達を『娘』として見るの?

私は……そんな風に縛られるのは……嫌だよ
私だけじゃない
姉さんも、かがみも、つかさも
みんな、そう思っているよ

265:ナハト
10/12/07 23:17:37 WEMqL5z40

いつまでも『親』で居続ける事は出来ないんだよ
いずれ、必ず、『親』でなくなる日がくるんだよ

それでも……
あなた達二人は
『子離れ』という現実から目を背け続けるの?

私は、父さんと母さんにその現実をしっかりと見てもらいたい
そして……不幸にも引き離されるかわいい双子の妹達……
私達から離れ行くつかさと残されるかがみを守りたい

それが『計画』に参加した私の理由……


「まつりねーさーん!お風呂空いたよー!!」

あれ?もうそんな時間!?
……ちょっと物思いに耽り過ぎたか……

「わかったよー!かがみー!!」

さーてと、今日は姉さんも残業だし、ノンビリと入りますか~
実行日に体調を崩さないように、しっかりと身体を休めないとね!

「ねーさーん!!聞こえたー?」
「はーい!!今行くー!!」


Section11「苗木を守る人達~柊まつり~」 End


実行日まで
あと五日

266:ナハト
10/12/07 23:19:05 WEMqL5z40
以上です

ではでは、また来週火曜日に投下しますね~ ノシ

267:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/08 07:01:11 DBp6BygD0
どうみても両親異常です。
本当にあり(ry

268:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/09 01:58:34 qB4MZxfE0
○○らき☆すたの鷲宮神社への初詣の行き方○○
【★★行く年~大晦日の夜★★】 ~JR線・地下鉄各路線終夜運転実施。
○湘南新宿ライン(逗子~横浜~新宿~大宮~宇都宮)60分間隔で終夜運転。
東鷲宮駅下車。タクシーが便利5分程度。
他に武蔵野線・埼京線・埼玉高速鉄道&東京メトロ線・都営地下鉄
山手線(10-12分間隔)・京浜東北線(大宮~大船)・中央総武線(20-40分間隔)
が大晦日の夜は終夜運転。
※久喜・鷲宮・春日部周辺の東武鉄道は終夜運転は実施しません。
【○○来る年~元旦の始発以降○○】
○JR宇都宮線(東北線)・湘南新宿ライン久喜駅乗換え東武線鷲宮駅下車。
○地下鉄半蔵門線/急行久喜行で終点で乗り換え東武線鷲宮駅下車。
東武鉄道は(PASMO/Suica)は使えますIcocaは使えません。
★久喜までのJR線の場合、ホリデーパス(首都圏地域JR線フリーきっぷ)2300円のが
お得な場合があります。自動券売機でお得なきっぷのところをタッチしてみてください。
★遠路の人や複数人での初詣は青春18きっぷ(発売は12/31まで)の活用もお勧めします。

269:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/09 02:01:08 RFGGDPzF0
中では平穏だったけど、いざ外に出ようとすると柵になるのか
典型的なカゴの中の鳥すなぁ

270:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/09 23:38:52 xSymhqaG0
742 圧縮注意

271:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/09 23:52:49 6mQShmhR0
あれ・・・?

今84だけど・・・

272:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/10 07:15:08 VfPUOOZz0
>>271
>>270は総スレ数で、立っているスレの数が740を超えたらに圧縮が近いと言う意味

圧縮チェッカー
URLリンク(eriko.s201.xrea.com)
701以降の赤い部分が総スレ数750になったとき700に圧縮されて消えて落ちる
ただし圧縮はすぐにあるときも24時間くらい後にある時もある

圧縮については>>107-113を見て

273:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/11 17:31:01 JdMzSCo70
600/742

274:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/11 18:19:57 MTSGU+VUO
「うぅ~、寒いよぉ~」
「こなちゃん!しっかりして!!」
「つかさぁ~、私……もぉダメかも……」
「そんな事言わないで!!きっと助かるから!!」
「……なんだか……眠く……なってきた……」
「ダメ!寝ちゃダメだよ!!!」
「……つかさぁ……私、つかさに会えて……幸せだったよ……」
「そんな事言わないで!!二人一緒に助かるんだよ!!」
「つかさ……あり……がと……」
「……こなちゃん?……こなちゃん!!こなちゃぁぁぁーーーーん!!!!!」


「かがみさん……あれは もしかして……」
「そう、王道の『雪山遭難ごっこ』」
「でも、どうして……」
「ん?『寒い雰囲気を存分に味わってからこたつに入るととても幸せ計画』だって、こなたが言ってたわ」
「はぁ……」
「ま、私達はみかんでも食べてましょ」
「……そうですね」


「こなちゃ~ん、私達もこたつに入ろうよぉ~」
「……へんじがない、ただのしかばねのようだ」
「もぉ……みかん『あーん』ってしてもらいたいんだけどな……」
「……」
「あ、それじゃぁ……今してもらおうかな♪」
「……今?」
「今」
「……みかん無いよ?」
「みかんの変わりに……こなちゃんを……」
「は、はいぃぃぃ!?」
「あむぅ~!」
「うひゃぁぁぁーー!」


「……なんだか、雪が全部溶けそうな位に熱々ですね……」
「みゆき、それは言わない約束よ……」

275:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/12 07:30:05 cMmEzadj0
秘密の遭難ごっこ

276:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/13 10:41:38 qpzKoTNY0
632/748☆ゅ

277:ナハト
10/12/14 00:53:49 WB6lUC200
どもども

 Section12「苗木を守る人達~岩崎みなみ~」

投下します

本文6レス使いますね

278:ナハト
10/12/14 00:54:18 WB6lUC200
「じゃぁ、いってきます……」
「いってらっしゃい。あ、折りたたみ持った?」

お母さんの言葉に私は無言で頷き玄関から外に出る。
外に出ると、昨晩の雨で出来た水溜まり。
そこには上空の梅雨空が映っている。
……少し、肌寒いな……ゆたかは大丈夫かな……

dear -Section12「苗木を守る人達~岩崎みなみ~」

~♪

駅の改札を抜けた辺りで携帯が鳴った。
……ゆたかからだ……あ、マナーモードにしておかないと……
メールの着信音に慌てて携帯をマナーモードにして、メールをチェックする。
……そっか、じゃぁ帰りにお見舞いに行こうかな……。
メールには「具合悪いからお休みします。みなみちゃんごめんね」と書いてあった。
……昨日まで暖かかったからね……仕方ないかな……。



……えっと……3ーB……あ、ここだ……。
今は昼休み、教室の中からは楽しそうな笑い声が聞こえる。
……泉先輩……居るかな?
教室の中を覗くと、泉先輩を中心に高良先輩、峰岸先輩、日下部先輩の姿が見えた。

「あの、泉先輩!」
「あ、みなみちゃん!どったの~?」
「あの……ゆたかの事で……」
「あ~、ゆーちゃんの事?まぁそんな所に居ないでこっちに来なさいな~」
「はい……失礼します」

「んで?ゆーちゃんに何か用?……てゆーかメール行ってるよね」
「ん?ちびっこ~、ゆたかちゃんがどうかしたのか~?」
「あ、今日休んでいるのだよ~。体調崩しちゃったみたいでさ」
「……大丈夫なの?」
「大丈夫だと思うよ~。大抵一日休めば良くなるし」
「風邪ですか?」
「うーん、昨日の夜に雨が降った急に冷えたからね~、多分それでじゃないかなぁ」
「あの、それで……プリントを届けるついでにお見舞いに行こうかなと……」
「そう?ありがと~。ゆーちゃんも喜ぶよ~」
「あ、でも……今日は泉さん……」
「え?……あ、そっか……おとーさんも夜まで帰ってこないしな~」
「……何か不都合があるんですか?」
「ほら……今日は、みゆきさん家だから……」

……あ、そうか……今日は火曜日だっけ……。

「忘れていました……すみません、それでは帰りにプリント持ってきますので、ゆたかに渡して……」
「あ、ちょっと待って……みなみちゃんにこれを預けておくよ~」

何かを閃いた泉先輩は鞄の中から鍵を取り出し私にそれを差し出した。

279:ナハト
10/12/14 00:54:35 WB6lUC200

「……家の鍵……ですか?」
「いえ~す!今日はおとーさんも居ないからさ、これで家に入ってもらえる?鍵はゆーちゃんに預けておいてもらえればいいから」
「あ……はい……じゃぁ、確かに預かりました……」
「ゆーちゃんの事お願いね~」

家にはゆたか一人か……早く行ってあげないとね……。



……ここを曲がって……えっと……あ、あそこだ。
何度か来たことのある泉家。
ゆたか一人の時は……初めてかな?
……鍵は……確かここに……うん、あった。

鍵には可愛らしい犬のプレート型キーホルダーが付いている。
前に、泉先輩とつかさ先輩は「お揃いなんだ~」と言って私に見せてくれた。
……泉先輩……つかさ先輩と引き離された時……どんな気持ちでこれを見ていたのかな……。



泉家に着いて、念のためにインターホンを押してみる。
……返事は無いか……寝ているのかな?
預かった鍵で中に入ると、物音一つしていない。
私は静かに扉を閉め、靴を脱いでゆたかの部屋へ向かう。……起こしたら悪いから……静かに……静かに……。
扉をノックしても返事は無い。
……熟睡しているのかな?それなら良いんだけど……。
静かに扉を開けて中に入ると、規則正しい寝息が聞こえてくる。
入るときと同様に扉を閉めてベッドの脇に腰を下ろし、鞄を置いてゆたかの寝顔を見つめた。
……顔色は悪くなさそうだね……熱は……。

「ちょっとごめんね……」

私は小声でそう呟くと、そっとおでこに自分のおでこを当てた。
……熱もなさそうだね……良かった……。
静かに体を起こして再び寝顔を見つめる。
……冷え込んだのもそうだけど、眠れなかったのかもしれないな……。

一昨日、『作戦会議』のあと、私の部屋に田村さんと三人で集まった時、ゆたかは自分に言い聞かせるように宣言をしていた。

「私、頑張るよ!お姉ちゃんのためだもん!絶対に成功させるよ!!」

……『計画』の事……『役割』の事……成功した後のゴタゴタ……全部わかった上であんな宣言をしたんだよね……。

ゆたか
私が高校に入って最初に仲良くなった、大切な……親友
体が弱いのに、クラス一負けん気が強くて……どんな時でも前向きで……
私は、そんなゆたかを見ているのがとても好きで……

「あ……そうか……」

私は……ゆたかを……。

280:ナハト
10/12/14 00:54:55 WB6lUC200

「ん……あれ?みなみちゃん?」
「あ……ごめん、起こしちゃったね……」
「ん~ん。……あれ?みなみちゃんが居るって事は……学校終わったの?」
「うん。プリント……持ってきたよ」
「ありがと~。……よいしょ……っとと!」
「ゆたか!」

プリントを受け取ろうと体を起こしたゆたかがふらついて頭を壁にぶつけそうになったので、私は慌てて腕を掴んだ。

「あ、ありがとう……」
「大丈夫?」
「うん、みなみちゃんが掴んでくれたから大丈夫だよ」
「……良かった……」

クッションと枕で背もたれを作り、ゆっくりと掴んでいた腕を離し、起こした体をそこに寄り掛からせた。

「……私……本当に大丈夫なのかな……」
「……どうして?」
「だってさ……今はまだお姉ちゃんが居るから、今日みたいに具合悪くなってもなんとかなる……でしょ?」
「そう……だね」
「でも、お姉ちゃんが居なくなったら……今日みたいに体調崩してなんかいられないんだよ……それなのに……」
「……」
「……ほんっと、情けないよね……お姉ちゃんには『大丈夫だよ』って言って……みなみちゃんと田村さんには『頑張る』って言ったのにさ……」
「ゆたか……」
「……もぉ……グスッ……嫌になっちゃうよ……どうして……グズッ……こんなにも……私の身体って……弱いのかな……」

……そんな事は無い。
私は同じクラスになってからずっとゆたかを見てきた。

だから……そんな事は……

「もぉ……嫌だよぉ……ヒック……もっと……もっと……グズッ……強くなりたいよぉ……エグッ……」
「ゆたか!」

私は思わずゆたかを抱きしめた。
そうせずに居られなかった。

「グズッ……みなみ……ちゃん?」
「大丈夫、ゆたかは弱くなんか無いよ……」
「でも!今日だって……」
「『身体』は弱いかもしれないけど、『心』はとても強いよ……」
「ここ……ろ……?」
「うん……。あのね、一昨日ゆたかが私の部屋でさっきの言葉を言ったでしょ……」
「う……ん……」
「ゆたか達が帰ったあとに考えてみたの……もし私がゆたかの立場だったらって……」
「わたしの……たちば?」
「うん……でね、私だったら……ゆたかみたいに言えないなぁって思ったんだ」
「……そう……なの?」
「だってさ……『計画』が成功したあとって……一人ぼっちになっちゃう……でしょ?」
「……気付いてたんだ……」
「でも……ゆたかは……それをわかった上で……あの言葉を言った……だから、ゆたかは弱くなんかないよ……」
「みなみちゃん……ありがとう」
「もう大丈夫?」
「うん……」

281:ナハト
10/12/14 00:55:18 WB6lUC200

私は抱きしめていた腕を解き、ゆたかの両肩に手を置いて真っ直ぐにゆたかを見つめた。
……これだけは……言っておきたかったから……。

「ゆたか……これだけは覚えておいて」
「な、なに?」
「私は……この先どんな事が有っても……ゆたかの味方だから……」
「……うん……ありがと……グスッ……」

ゆたかは私の言葉に涙ぐみながらも笑顔を見せてくれた。
……良かった……笑顔が戻って……。

「……やっぱりゆたかには笑顔が似合うね」
「ふぇっ!?いきなりどうしたの?みなみちゃん」
「あ……その……昨日も、一昨日も……ゆたかの笑顔を見ていないなぁって……思って……つい……ごめんね、変な事言っちゃって……」
「……ううん……嬉しいよ……そんな風に言ってもらえると……」
「そう……なの?」
「うん!だってさ、友達に『笑顔が似合う』なんて言われたら……みなみちゃんだって嬉しいでしょ?」

……以前の私なら「わからない」とこたえていただろう
小さい頃から『無表情』『暗い』ってレッテルばかり貼られていたから
……私は『笑顔』と無縁の生活を送っていた
でも今は……ゆたかのおかげで……私は自然な『笑顔』をいつしか見せられるようになっていた
だから……ゆたかの問いにも……自信を持って答えられる
最高の、『笑顔』で

「……そうだね。嬉しいよね」
「でしょでしょー?そうだ、前にお姉ちゃんとおじさんが言ってたよ『笑顔は人を幸せにする』って」
「私も……そう思うな……だって……」
「……だって?」

『ただいまー。……ってあれ?お客さんかな?』
「あれ?おじさん帰ってきた。おかえりなさーい!お仕事早く終わって良かったですねー!」
『ん?今のはゆーちゃんかい?』
「あ、はい!すっかり元気になりましたー」
『そうなの?……入るよー』

ノックの音がしたかと思うと、おじさんが部屋の扉を開けて入ってきた。

「あ……お邪魔しています……」
「あぁ、みなみちゃんだったのか。こんにちは。……ゆーちゃんのお見舞い?」
「はい……あと、プリントも……」
「そうか、いつもありがとね……ゆーちゃんもすっかり元気になったみたいだな」
「はい!お蔭様でぐっすり眠ったら元気になりました!……てゆーかおじさん、許可も無くレディーの部屋に入るのはどうかと思いますけど?」
「ん……?おぉっと!こいつぁ失礼!!」
「次からは気をつけて下さいね。……今回で三回目ですけど……」
「……三回も……?」
「あー、それについては……その……なんだ……ごめんなさい」

ゆたかの言葉におじさんは頭を深々と下げて謝った。
それを見たゆたかは何故か笑顔を見せている。

282:ナハト
10/12/14 00:55:42 WB6lUC200

「……なんで……笑っているの?」
「え?んーっとね……いつもおじさんこんな調子だから面白くって」
「ゆーちゃーん……。ゆーちゃんまでこなたみたいな事言わないでくれよぉ~」
「はいはい……もう怒ってませんよ」
「うぅ~、かなたぁ~。ゆーちゃんまでこなたみたいに俺の事をいじめるよぉ~」
「うふふっ」

……なんか……物凄いやり取りを見ている気がする……。
でも、これがこの家の『日常』なんだろうな……。

だけど……その『日常』も……もうすぐ無くなっちゃうんだよね……

「……ところで、みなみちゃん。そろそろ帰らないとまずいんじゃないか?もう五時半だよ」
「え……?もうそんな時間ですか?」

慌てて時計を確認すると、確かにもう少しで五時半になる。

「じゃぁ……ゆたか、また明日……学校でね」
「うん!今日はありがとね!」
「よっし、それじゃ俺が車で駅まで送ってあげるよ」
「……ありがとうございます……では、お言葉に甘えて……」
「ばいばーい!また明日ねー!」



「いやー、みなみちゃんはゆーちゃんの特効薬だな~」
「……特効薬……ですか?」

駅へと向かう車の中、おじさんは突然そんな事を言った。
……どういった意味なんだろう……。

「ん?大した意味じゃないよ。ただ……みなみちゃんが来るとさ、ほぼ必ずと言って良いくらいゆーちゃんが元気になるんだよね」
「そう……ですか」
「そう。だから『特効薬』って思ったんだけどさ……嫌だったらごめんね」
「いえ……嫌では……ありません……」
「そぉ?良かった~、変なおやじって思われなくて」
「そ、そんな事……思いません……」

そこで会話が途切れた。
元々他人が苦手な私が……親友がお世話になっているおじさんとは言え……会話を続けるなんて事自体無理な話だ。

「俺さ……不安だったんだよね」

そんな心中を察してくれたのか、おじさんが再び話しはじめた。

「……不安、ですか?」
「そう。……俺が居ない間にゆーちゃんにもしもの事が有ったら……こなたも居ないのに……ってね」
「そう……ですか」
「そしたらね……なんか『こなたもゆーちゃんもいなくなったらどうしよう』って考えちゃってさ……そんな事無いのにね」

そう言うと、おじさんは自嘲気味な笑みを浮かべて話しを続けた。

283:ナハト
10/12/14 00:56:05 WB6lUC200

「だけど一度そんな考えが頭を過ぎるとそれからが大変でさ、何をしていても手につかない」
「それは……大変ですね……」
「だろ~?……だから今日は打ち合わせもそこそこに急いで帰ってきちゃった」
「はぁ……大丈夫なんですか?」
「んー、まぁ何とかなると思うよ。それにしても……なんであんな事考えたんだろうな~。……有り得るはず無いのに……」
「……そうですよ、ゆたかが居なくなるなんて……有り得ませんよ」
「……そうだよね……最近疲れているのかなぁ~」
「……あまり無理をしないで下さいね……ゆたかが心配していましたよ」
「ゆーちゃんが?……そっか、気をつけないといけないな……」

その後も、おじさんが話して私が答えるという形だけど、他愛のない話しをいくつかした……時折、笑顔も見せたりした。
……こんな事が出来るのも……ゆたかのおかげだよね……。

「お、この先のロータリーで良いかな?」
「あ、はい……お願いします」

気が付くと、駅はもう目の前。
外はいつの間にか降り出した梅雨の雨。

「傘有るかい?」
「はい……折りたたみが」

駅に着き、外に出ると雨と共に冷たい風が私に襲い掛かった。
慌てて傘を開き、車のドアを閉める。
すると助手席の窓が開き、おじさんが顔を近付けた。

「みなみちゃん……ゆーちゃんの事……これからも頼むよ!」
「あ、はい……」
「それじゃ、気をつけてね」
「今日はありがとうございました……おじさんもお気をつけて……」

おじさんは親指を立てると、窓を閉めて自宅へと車を走らせた。
……ゆたかの事を頼むよ……か……。

一昨日、お母さん達が『計画』に参加した理由を言ってた
でも……私の理由はお母さん達とは違う

ゆたかは……私に色んな表情を見せてくれる
私は、そんなゆたかを見るのが……好きだ
ゆたかは……私を変えてくれた
一人ぼっちだった私を……
だから、今度は私の番
ゆたかが一人ぼっちにならないように……
ゆたかの笑顔が無くならないように……

ゆたかを、支え続ける

それが、私の理由。


Section12「苗木を守る人達~岩崎みなみ~」 End


実行日まで
あと四日

284:ナハト
10/12/14 00:58:40 WB6lUC200
以上です

みなみちゃんがしゃべり杉
と思われる方もいらっしゃるでしょうが
ゆーちゃんと一緒に居る時はこんな感じで話してるのかなぁと思って書きましたw

ではでは、また火曜日に ノシ


285:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/16 07:16:17 jRoo2e+YO
☆ゅ

286:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/18 23:26:19 /VHcda2CO
うに④

287:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/18 23:54:03 6sbZ5uTL0
    /: :/ : : : : 〃: 'l V:ト 、 : : !: : : ハ   キラ  ,':.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:./|::i:.:.:.:.:.:.:|ヽ::.、:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:\
  /:/: /: : 斗.'/ |:/ |  ',:ト、ヘ : :|: : : : ハ  ☆  |:.:.:.i/:.:.:.:.::,':-‐:/ |:|.:.:.:.:.i::| ーl-|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.∧
  /ィ.:,' /: : : l/  !'    リ ヽ.: : |: : : : |: :l.      |:.:.:,':.:.:.:.:.::|:.:.:./  !|::.:.:.::|:.l  |::|、:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.、:.:ハ
 / ,': :||: : /xぅ外     fぅメ、}: : : : !: :!     |:.:.|:.:.:.:.:.:.:|:.:/___ |:.:.:./|/_|/ ∨:.:.:.:|:.:.:.:.:.|\
  l: : !∧ .〃ん: ハ      ん 小: : : | |: :l ☆.  |:.:.|:.:|:.:.:.:||:/三三 |:/ 三三 /::∨::.:|∧:.:.:| ☆
  l: : !: :.} ハ 辷り/ / / ,弋に:フ7: : ∧!: :!.     |:.:.|:.:|:.:.:/|´            ・ハ:.:.:|:.:/  \:| ☆
  | :∧: :|: :}     '    ¨ /: : //: Ⅵ      |:.:.|/|:.:/::| xxx      `  xxx |:.:.:.:|/   ☆
  Ⅳ V个ゝ、   ⊂つ   /: :.イ/!.:/   ☆.  |:.:.:.::|/::.:.|、     'ー'^ー'    ,..':.::|:|  ∪ キラ
     ∨.:/l }>  .. __ .  <.:イ}/ l'☆ キラ.   |:.:.:.:.:|::..i::|::>::... __ __,..イ::i:.:.:.|:|      ☆
  ☆   Ⅴ jノ__r ィノ   Lr 、__ /       ☆.  |:.:.:.:.:.|:.:.|::|  \j  〈::.} ゛|::|:::.:.:|:|  ☆
        , ┤ ぅハr、.   { (ヽ  >、.  ☆       |:.:.:.:./|.:.:|::|\  \  ./  |::|:::.:.:|:|     キラ
 ▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△
 △ 【つかさ こなた一緒に】                         SAVE LOAD MENU▽
 ▽                                                     △
 △     おねえちゃん 『えろげ』って なぁに?  おしえて わたしわかんなぁい☆    ▽
 ▽                                                     △
 △▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

288:1-724
10/12/19 15:40:31 xMKBna/10
ここまでのミニネタとナハト氏SSdear -Section6から12を保管しました


保管庫(非常時には避難連絡所になりますのでスレ住民はURL保存推奨)
URLリンク(www8.atwiki.jp)
保管庫避難連絡ページ
URLリンク(www8.atwiki.jp)

289:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/20 19:16:20 CQBRm4uXO
>>288
保管乙です

290:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/21 08:04:28 yPzknh5r0
>>287
その問いに私は…
 二人を叱る
 こなたを叱る
 姉と言われる筋合いのないほうを叱る

>>288
保管乙であります!

291:ナハト
10/12/21 23:55:25 S2YYaIEn0
どもども、SS投下します

タイトル

dear -Section13「苗木を守る人達~日下部みさお・峰岸あやの~」

本文4レスつかいますね~


>>290
えっと・・・「二人を叱る」でお願いしますw


292:ナハト
10/12/21 23:55:58 S2YYaIEn0
「それじゃ、失礼しまーす」
「次は金曜日に来ますね」
「はーい。んじゃね~!」
「気をつけて帰ってね」

まつりさんとおばさんに見送られた私達は、家への道を歩きはじめた。
……明後日が最後……か……。

dear -Section13「苗木を守る人達~日下部みさお・峰岸あやの~」

「なぁ、あやの」
「……何?みさちゃん」

いつもの帰り道、でも明後日で終わる予定の帰り道。

「明後日で……最後……だよな……」
「えぇ……明後日で……最後よ……」

柊の『休学』が決まってから始まった『勉強会』
『計画』が成功すれば……これも終わる……はずだ

「今日で何回目なんだろうな?」
「……わからなくなる程に、いっぱい来たわね……」

そして……
ちびっこと……妹とも……

「……色々、あったよな……」
「うん……色々と、あったね……」

妹が休学して……
ちびっこが柊に手紙を託して……
柊も休学して……
ちびっこと喧嘩して……
『勉強会』が始まって……
ちびっこと仲直りして……
『計画』がスタートして……

「あのさ……あやのは……どうして、『計画』に参加しようと思ったの?」
「どうしてって言われても……なんでそんな事聞くの?」

どうして……か
そうなんだよな~
なんでなんだろう……

「……柊が『休学』してからさ……ちびっこと一緒に居る機会が増えたじゃん」
「そうね……一緒にお弁当食べたり、昼休みに話す機会が増えたわね」
「ちびっこと話したり……一緒にお弁当食べたりしてさ……ちびっこの事が色々とわかってきたら……」
「わかってきたら?」
「……私は、なんでこの『計画』に賛成したのか……わからなくなっちゃってさ……」
「……みさちゃんも、そうなんだ……」

……ん?
みさちゃん……も?

293:ナハト
10/12/21 23:56:20 S2YYaIEn0

「『も』って……もしかしてあやのも?」
「うん……。私も同じ……」
「そっか……」

あやのもわからなくなってたんだ……

「……みさちゃんは……なんであの時賛成したの?」
「ちょっ!それってさっき私がした質問じゃん!……まぁ良いけどさ」
「だって……人の意見を聞くときにはまず自分の意見を言うのが常識でしょ?」
「みゅぅ~」

確かにその通りなんだけどさぁ……
はぁ……、仕方無い、ちゃんと話すか……

「あの時……私は……ちびっこと妹が幸せになれれば良い!……って思ってさ、それで……」
「……私も……最初は高良ちゃんの事が気になっていたけど……大丈夫だってわかったら……」
「そっか……」
「……これって……賛成した理由になるのかな……」
「……わからない……」
「……だよね……」

お互い黙ったまま歩く帰り道
いつもと距離は変わらないはずなのに……
今日は、とても、長く感じる

「柊……大丈夫かな……」
「……どうして?」

あぅ……

「あやのぉ~、なんで高良が一人ぼっちになるのはすぐにわかったのに、柊の事がわからないんだよぉ~」
「え?……あ!そっか……。妹ちゃんがいなくなったら……」
「柊は……あの家で一人ぼっちになっちゃう……」
「で、でも、お姉さん達が……」
「……二人共居ない時は?いのりさんが残業で、まつりさんが飲み会だったら……柊と親しかいなくなるんだぞ!」
「あ……」
「それに!もしお姉さん達がたまたま旅行で何日か出掛けたら……」
「……その間、ずっと、一人ぼっち……」
「そんな……そんな状態で柊が普通でいられると思うか?妹とお姉さん達がいるのにも関わらず……あんな……ボロボロになって……」
「みさちゃん……」
「メイクで隠してるけど!目の下には隈が出来てるし!腕なんかも妹以上に痩せて細くなってるし!」
「……」
「柊は大丈夫って言ってるけど!どこが……どこが大丈夫なんだよ!」
「……無理してるよね……柊ちゃん……」
「だよな!……まったく……柊は中学の時から全然変わってないよな!」
「そう?」
「そうだよ!面倒な事は全部自分で抱え込んで!どんな時でも、自分が倒れない限り具合が悪くても無理をするし!」
「……そうだね……」
「なんで……なんで柊は……自分を大事にしないんだよぉ……」
「……正義感が強いから、じゃないかな……」
「……わかってる……わかってるよ……。でも!だからって……」
「柊ちゃんは……私達が注意しないと……突っ走っちゃうからね……」
「……グズッ……」
「みさちゃんは……優しいね……」
「……エグッ……」

294:ナハト
10/12/21 23:56:36 S2YYaIEn0
「もぉ!これは全部終わったら……柊ちゃんに一言……言わない……とね!……みさちゃん……を……泣かせたん……だよ……って……」
「……あやのだって……」
「……」
「あやのだって……泣いてるじゃんか……」
「……グスッ……みさちゃ~ん!」
「あやのぉ~!!」

夕焼けが照らす道の真ん中
私達は人目をはばかる事無く抱き合い泣き続けた



それからかなりの時間が経ったけど
涙は止まる事無く溢れ出ている

この涙は何の為に流れるの?
この哀しみは……どこから産まれてくるの……?

柊が辛い目に会ってるから?
それなのに私達は……何も出来ないから?

……多分両方なんだろうな……

柊……
正義感が人一倍強くて……
曲がったことが大嫌いで……
それが原因で人から誤解されたりするけど……
でも……
本当はとても優しくて……
いつでも他人に気を配ってて……
だから……いつでも自分は二の次で……

そんな性格だから……
私達に心配をかけないようにって思って……大丈夫なんて言っちゃうんだよな……

……そっか!
私達にしか出来ない事……あった!!

「あやの」
「……グスッ……」
「泣き止んで……。私さ、わかったよ」
「……なに……が?」
「今回の『計画』に参加した理由」
「……?」
「あのさ……さっきも話したけど……柊って正義感強いよな」
「うん……」
「そんでもって、実はとっても優しい」
「……今の台詞を柊ちゃんが聞いたら、物凄く驚くわね」
「べっ、別に言ったっていいじゃんか~。……柊だっていないんだし……」
「フフッ……そうね。みさちゃん、柊ちゃんがいない所で色々と言ってるもんね」
「みゅ~、あやのがいじめるぅ~」
「ごめんごめん……つい、ね」
「全く……。んで、えーっと……どこまで話したっけ?」
「柊ちゃんが優しい、ってところまで」
「あ、そかそか。んで、結構周りに気を配る」
「……そう、だね」

295:ナハト
10/12/21 23:56:58 S2YYaIEn0
「……自分を二の次にして……」
「……」
「だからさ」
「……?」
「私達は……柊を支える役になれば良いんじゃないか?」
「柊ちゃんを……支える?」
「そ。柊が自分を二の次にしないように。……あんなにも悩んで苦しんでる柊なんて……見たくないよ……」
「……そうだね。私も……あんな柊ちゃんは二度と見たくないな……」
「やっぱ、柊は元気じゃないとな」
「そうね、それと笑顔!」
「本人は気付いてないけど、笑った柊って可愛いよな~」
「みさちゃん、それちゃ~んと柊ちゃんに言ってあげてねっ」
「そ、そんな恥ずかしいこと出来るわけないだろっ」
「冗談よ、じょ・う・だ・ん。……でも、柊ちゃんには笑顔でいてもらいたいよね……ずっと……」
「もぉ……。でも、そうだよな、柊には笑顔が一番似合うよな!」
「だよね!!」

怒った顔……
困った顔……
色んな顔があるけど
悩んで苦しんでる顔の柊なんて……
もう絶対に見たくない!!

「柊を二度とあんな顔にさせないためにも……」
「私達が頑張らないとね!!」

柊が二度とあんな顔しないように……
私達が全力で支えて、助ける

それが、私達の、理由


Section13「苗木を守る人達~日下部みさお・峰岸あやの~」 End



「ところでさ、私達って今回何も役割が無いじゃん?」
「そうねぇ」
「でさ……ちょっと耳貸して……」
「いいけど……何?」
「あのさ……ってのはどう?」
「えっ!?で、でも……」
「まぁ、ダメもとで相談してみない?」
「……そうね、今のままだと何も出来ないもんね」
「よし!じゃぁメールで……」
「オッケーしてもらえるといいね」
「『……相談に行っても良い?』っと……こんな感じで良いよな!」
「……みさちゃん、そこは『良いでしょうか』だと思うんだけど……」
「えっ!?……あ、じ、冗談に決まってるだろ~」
「……心配だからメール手直ししておくね……」
「……みゅぅ~」


実行日まで
あと三日

296:ナハト
10/12/22 00:03:08 S2YYaIEn0
以上です

先に謝っておきますが、次とその次もこなつか分ありません
_(__;)ゞ スイマセン

ついでにちょいと年末年始は投下出来そうにないのでそれも謝っておきます
m(_"_)m ペコペコ

携帯から小ネタ程度なら何とかなるんですがね・・・

一応このシリーズの投下再開は来年の11日・・・より前には再開したいなぁw

ではでは ノシ


297:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/24 16:40:14 2Jtso18T0
捕手

298:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/25 07:32:30 yIN3CB/DO
「おはよ、こなちゃん」
「おはよ、つかさ」
「……」
「どったの?」
「……サンタクロースって、本当に居るんだなぁって思って……」
「……?」
「だってさ、ちゃんと、プレゼント、置いていってくれたから……」
「ほぇっ!?どこに?」
「……ここに」
「……ここって……どこにあるの?」
「……私の目の前」
「目の前?……何も無いよ?」
「あるよ……ほら……」
「ん……?つかさの目の前……あ……」
「ね、あったでしょ?」
「……それを言ったら、私だって同じだよ……」
「……そうなの?」
「うん。……目の前に、とても素敵で……大切な……『つかさ』っていうプレゼントがあるよ……」
「……こなちゃん……」
「……つかさ……」
「大好き!!」
「私も大好き!!」

Merry Christmas to Tsukasa&Konata!!

299:stole【ストール】
10/12/26 20:59:16 tlUmbM/TO
Σ(; ̄д ̄)おぉ!!?

SS引退してから、板離れしてたけどまだ続いてたとはビックリだ!


(´・ω・`)久しぶりに何か書きますか?




300:ナハト
10/12/26 23:46:24 yhFD27l6O
>>299

おぉ!お久しぶりですー!
えぇ、まぁボチボチと続いてますよ~w


書いていただけるのならどんな内容でもおkです~
・・・他人の書いたつかこなに飢えはじめてきてるんでww

301:stole【ストール】
10/12/28 02:09:07 eMsRB8lxO
>>>299
(;´・ω・`)でも、かがみ×つかさ の方は無くなったみたいだね……


じゃあ、時間が空いたら書きますねヾ(=ω=.)

規制されないといいんだけどwwww

302:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/28 20:40:52 tG89TCub0
743 ☆湯

303:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/29 07:14:11 zKxINIGMO
ふと思ったんだが・・・
こなたはつかさを置いて有明にいくのだらうか?

304:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/30 13:19:52 HqK09K+y0
588/741 ☆ゅ

305:名無しさん@お腹いっぱい。
10/12/31 17:41:20 Its6qKYc0
「ごめんねこなちゃん…私から言い出したのに…うぅ…」
「その気持ちだけで嬉しいからさ、少し休憩して帰ろ」
「でもまだ中にも入れてないのにこれじゃこなちゃんが」
「欲しい本の大半は通販もやってるしさ、これ以上つかさの命を削るのは」
「……………」

「…こなた、買い物リスト全部よこしなさい」
「か、かがみん軍曹…まさか」
「つかさの想いを大切にしたいだけよ、あんたのためじゃないからね」
「お姉ちゃん…」

―見ておきなさいつかさ、これが姉の雄姿よ―

大半がピーな表紙の本だったけど頑張って買いましたあいつ許さん byかがみ

とかいう妄想を大晦日にしてしまったでござる

306:ナハト
11/01/01 00:23:53 19GOJwlUO
「つかさ~、あけおめ~」
「こなちゃん、あけましておめでとう。はい、お年玉どーぞ」
「ありがと~!……って、この紙切れは一体?」
「……お年玉だけど?」
「……あ、何か書いてある……手料理券?」
「うん、私が手料理するの」
「へぇ~。……何か嫌な予感がするけど……何を?」
「それはもちろんこなc」
「ちょっと待ったストーップ!!」
「え~、なんで~?」
「まだ今日は元旦なんだし、ね」
「そっかぁ~」
「そうだよ~」
「じゃぁ、明日ならいいんだね?」
「いや、だから、そのさ、えと……」


あけおめことよろです~

307:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/01 03:45:08 8oBd1CGD0
今年もつかさ×こなたは地道に不滅です

308:2-613
11/01/01 22:30:46 hQfI+UiuP
「「あけましておめでとうございます」」
「あけましておめでとう。こなた、つかさちゃん」
「って事でうちのほうはもういいよ、じゃつかさの家に行ってくるね~」
「ちょっと待ってよこなちゃ~ん」

「うう…年を追うごとにオレへの挨拶がどんどんおざなりになっていくのは気のせいなのか…?
しかし、こなたがどこぞの男とくっつく事を考えたらそれはそれで…うぉー、オレはダメな親父だぁー!」

ちなみにゆーちゃんはゆい姉さんと一緒に実家。

最近なかなかスレに書き込んでいられる余裕が持てませんでしたがあけましておめでとうございます。

309:1-724
11/01/02 02:27:23 Xgul7/gI0
つかさに姫はじめされるこなた

2-613氏お久しぶりです

310:ナハト
11/01/02 20:19:37 872LcccSO
>>309
姫初めネタを書こうと思ったけど・・・



自重したでござるw

311:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/03 01:58:20 aPZ0Q8680
☆ゅ

312:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/05 05:15:46 6ORa8xnWO
おもちうにょ~ん

313:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/06 04:53:19 fzwCyMoQ0
「あのね、初夢にこなちゃんいっぱい出てきたんだー」
「い、いっぱい?そかー私もつかさの夢見たよー」
「えへへ嬉しいなぁ…どんな夢だったの?」
「んー曖昧みーまいんだけど…つかさに膝枕してもらって…て、そんな感じカナ」
「じゃあ、初夢が正夢になったんだね」
まだ、と言い返そうとした時私の頭は既につかさの膝上にあった。
そうか、もうナチュラルすぎて気付かなかった。
「そだねー。あと耳かきとほっぺにちゅーとかもしてくれたヨー」
「もー脚色しちゃダメだよこなちゃん」
こりゃ流石に調子に乗りすぎたかな?

頬に唇が触れる。それと同時に薄紫の髪の毛が私の首筋を往復してくすぐったい。
「耳かき手元にないから…ごめんね」
「んーん、耳かきは気のせいだたよ。しゃーわせしゃーわせ」
「じゃあ、正夢だね」
何だか嬉しそうな声。こういう純粋なところもつかさの魅力だよね…
「私の夢も正夢にならないかなぁ?」
「やーそれはナイナイ」
「ガーン」

314:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/06 23:03:02 rUNZRHC90
☆ゅ

315:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/08 00:53:25 wup3eGEcO
こ「ホイコーロー!」
つ「シューマイ!!」
こ「ユッケ!!!」

か「……なにやってんの?」
つ「あ、お姉ちゃん。三連休のメニュー決めてるんだよ~」
こ「んで、さっきの三つに決定したのだよ~」
か「……叫ぶ必要性が無いような気がするのは……気のせいだろうか……」

316:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/08 01:17:56 tKCGELAS0
↑そんなに精力つけたらこのスレ的にはつかさが暴走すると思う

317:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/09 13:08:06 nNpTuRRX0
うにょーん

318:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/11 00:04:02 tQPYsQHh0
「おねえちゃんを開いちゃおうか」
「ああ、かがみん開きか」

319:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/11 08:10:01 1Wye7efU0
「な なにをする きさまらー!」

320:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/11 22:41:20 QOPGeS2c0
つかさスレから転
URLリンク(ls-up.matome.org)

321:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/14 02:46:37 jCBvgOvj0
685/705
24時間以上空けると何時おちても不思議ではない状態

322:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/14 10:25:27 r7YNf6s90
つかさとこなたの出会いをラブコメ風に30分アニメやってほしい

323:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/15 10:38:44 TWfsjtDeO
外国人「Ano sumimasenn 」
つかさ「ふぇっ!?」
外国人「Eki ha dochiradesyouka?」
つかさ「あの、えと、ふぇぇぇ~」
こなた「むむっ!○岸あ○り似の少女が悪漢に襲われている!!これは助けなければ!とうっ!!!」

324:ナハト
11/01/15 16:29:46 LWGP1paH0
どもども、ようやくPC起動できたのでSS投下します

タイトル

dear -Section14「苗木を守る人達~田村ひより~」

本文6レス使います~

325:ナハト
11/01/15 16:30:16 LWGP1paH0
「ホッホッホッホッ……」

……元々は体力をつけるために始めた夜のジョギングだけど……

「ホッホッホッホッ……」

まさかこれが役立つとはねぇ~、三ヶ月前の自分が知ったら驚きっすね

「ホッホッホッホッ……」

駆け落ちかぁ……
あの日……泉先輩に釘を刺されたけど……
こんな良いネタ、ほって置く訳にはいかないっすよ~

dear -Section14「苗木を守る人達~田村ひより~」

でも……あの時の泉先輩は怖かったなぁ~



「……ひ~よりん。ちょ~っと一緒にあっちに行こうね~」

泉先輩に呼ばれた私は、素直に後を付いて行った。
……多分、怒ってるっすね……
そんな事を考えながら歩いていると、少し離れた場所で不意に立ち止まりこちらを向いて小声で話しかけてきた。

「……ひよりん……さっきさぁ『ネタ』って……言ったよね」
「は、はい。確かにそう言ったっす……」
「まぁ、漫画を書いている人からしたら、今回の事はかなり良い『ネタ』だよね~」
「……」
「素直に答えてよ。ね、ひ~よりん♪」

そ、その最後の『♪』がとても怖いんすけど!
何か今までに見たことのない笑顔だし!

「……で、ど・う・な・の・か・な?」
「……とても……良い……『ネタ』……っす……」
「うんうん、そうだよね~。こんな事、普通に生活してたらまず巡り会う事なんてないもんねぇ~」
「……そうっす」
「そりゃぁ、『ネタ』にもしたくなるよね~」
「そりゃぁもぉ、こんな事有り得ませんからね!」

この時に、ちゃんと自重してればよかったんすよね~

「両親によって恋人と会えなくなった娘!それを助け出そうとする恋人!もぉ、王道っすよー!」
「ふぅ~ん」
「恋人を助け出すために策を練り上げ、それを実行して恋人と駆け落ちする!……はぁ……ロマンチックっすね~」
「ほぉ~」
「そして、駆け落ちした先での数々の試練!……それを乗り越えた二人はさらに愛を深め、そして……えへへ……」
「ひよりんは、そんなさきのことまでかんがえているんだね~」
「はい!……って、なんで棒読みな感じで言うんす……はっ!」

思わず勢いで色々と話してしまった私を、泉先輩はとても清々しい笑顔で見つめていた。
……目は笑っていないけど……。

「……あ、あのぉ~」
「な~に?」
「す、すみません……でした……」
「何が~?」

326:ナハト
11/01/15 16:30:35 LWGP1paH0

……これは怖い、てゆーかかなり怒ってるっす~

「えと、その……『ネタ』にした……事っす……」
「別に~、『ネタ』にするのは仕方ないよ~」
「え!?じ、じゃぁ……」
「でもさ」

そう言うと、泉先輩は急に真面目な顔でこんな事を言ってきた。

「私は……真剣なんだよ……だからさ……」
「は、はいっ!」

ビビりまくる私を見た泉先輩は、表情を一転させて満面の笑みでこう言った。

「『自重』しよ~ね~」
「す、すみませんでしたぁぁぁぁーーーー」
「そんなに謝らなくてもいいよ~。……ただし『罰』は受けてもらうけどね」
「……はい、どんな『罰』でも受けるっす……」

はぁ……自分が蒔いた種だし、仕方がないっす……

「それじゃぁねぇ……、うーん、どうしようかなぁ~」
「あ、あのぉ……出来ればそんなに厳しくない感じで……」
「そう言われてもねぇ……。あ、そうだ!……良い事考えた♪」

だからその『♪』が怖いんすよぉ!

「あのね~、『計画』には役割分担があるんだ~」
「役割……分担?」
「そ。私が動かない代わりに、みんながそれぞれに仕事をするんだよ。……どんなのかは知らないけど……」
「はぁ。……で?その……役割分担と『罰』の関係は……」

この時、物凄くテンパってたんすね~
少し考えりゃわかる事なのに……

「そりゃ勿論有るよ~。えっと、ひよりんは『罰』として、一番大変な仕事を担当する義務をあげよう」
「……頑張るっす……」
「さ、それじゃ二人の所に戻ろっか~」
「……はい……」

「ゆーちゃ~ん、みなみちゃ~ん。ひよりんが『一番大変な仕事をやってあげるよ』って言ってくれたよ~。うぅっ、こんな先輩想いの後輩を持って、わたしゃ幸せだよ……」

そんな!私自分からなんて言ってないし!!

「た、田村さん……本当なの?」

あぅ……小早川さんと岩崎さんが心配そうに見つめてる……
でも……仕方がないっすね……

「あ、えと、うん。が、頑張るっすよぉー!!」



「ホッホッホッホッ……」

でもまぁ、最初は辛そうに感じたけど……以外と楽そうっすね~
大変は大変だけど、そんな言うほどとてつもなく大変って感じはしないし……
やっぱコミケその他で鍛えられてるからっすね!流石は私!!

327:ナハト
11/01/15 16:30:52 LWGP1paH0

……コミケかぁ……
……泉先輩とヲタ話するの……楽しかったなぁ……
でも……
それももう無理なんすね……

はぁ……
こればかりは小早川さんや岩崎さん相手に話す事は出来ないからなぁ~
……って、あれ?……待てよ……
確か泉先輩が見せたから、二人とも私が書いた同人誌がどんな物かを知っているっすよね……
……じゃぁ……さらにディープでカオスな……

『ひよりん!自重しよ~ね~♪』

「ひぃぃぃぃ!」

い、今のは気のせい?
それともテレパシー?
……はい……自重します……



「ホッホッホッホッ……」

コースの半分通過っす!
……そういや、岩崎さんが言ってたな……

『私は……ゆたかが笑顔でいられるように……支えつづける』

うひゃぁ~!か~っこい~!!
こんな事をサラッと言っちゃうあたり、流石岩崎さんって感じっすね~
う~ん、やっぱりこの二人は絵になるなぁ~

頼りにしていた従姉妹……いや、この場合は姉って事にしておいて……
突然姉と離れ離れになった娘
その娘からは以前のような笑顔が失われていた
その笑顔を取り戻すべく、心の支えになろうと懸命に頑張る……

「あぁぁぁぁー!ダメダメダメダメ!!……自重しろー!自重するんだ!私!!」

……はぁ……
なんで私ってばすぐにこんな風に考えちゃうんすかねぇ……
いくら締め切りが迫っているからって……こんなんじゃ……

「友達、失格っすね……」

……ちょっと休憩しよっかな……



「はぁ……ヒンヤリしてて気持ち良いっす……」

自販機でスポーツドリンクを買って、公園のベンチで一休み……
流石にこの時間ともなると、歩いている人も殆どいないっすね……

「駆け落ちかぁ……」

未だに実感が湧かないっすね……
……やっぱ『当事者』とは言え、結構ギリギリなところでそうなってるから……なのかなぁ

328:ナハト
11/01/15 16:31:10 LWGP1paH0

「はぁ……」
「どうしたの?ため息なんかついて……」
「ぬぉふわぁっ!?」

……だ、誰!?
……あ!

「峰岸先輩……」
「田村さん、こんばんは」
「ど、どうしたんすか?こんな所で……」
「ん……、ちょっとした夜のおさんぽってとこ……かな」
「はぁ、そうっすか」
「田村さんこそ、どうしたの?こんな所で」
「あ、私は日課のジョギング中にちょっと疲れたんで一休みしてる所っす」
「そう……」

峰岸先輩はそう言ったきり、夜空を見上げている。
……そういや、おさんぽって言ってたけど……

「あの……『おさんぽ』って……よくされるんすか?」
「うん……たまにちょっと気分転換したい時とか……ね」
「気分転換っすか……」

再び訪れた沈黙。
辺りは時折車の音がするだけ。
静かな空間を、久しぶりに見せた満月が照らしている。

「……『計画』の事……かな?」

その沈黙を破って峰岸先輩が声をかけてきた。

「へっ!?」
「田村さんがため息ついてた理由。そうでしょ?」
「……はい」

はぁ……やっぱバレバレっすかね~

「で?どんな事で悩んでいるのかな?」
「あ、いや……そんな言うほどの事でも……」
「言うほどの事じゃないのに、ため息なんかつくの?」
「あ、いや、えと……」

……どうしたら良いっすかね……
ちゃんと話すのが良いのかなぁ

「……無理に理由を話せなんて言わないわ。……でもね、一人で抱え込んでも……何も解決しない時もあるわよ……」
「……そうっすね……」

いいや!ここでウダウダとしてても仕方がないっす
ここはキッパリサッパリと全てを話した方が後腐れないっすね

「実はですね……」



「……そうなんだ……」
「はい……だから……私なんかがこの『計画』に参加する資格があるのかなって……『理由』も明確じゃないし……」
「うーん……」

329:ナハト
11/01/15 16:31:23 LWGP1paH0

あ、考え込まれちゃったっす……
まぁ、難しい問題だから仕方ないっすね……

「すみません……変なこと言っちゃって……」
「ううん、変なことじゃないわよ。……だって、その考えでいけば私達……みさちゃんと私も同じ立場になるから……」
「……同じ?」
「えぇ、私達だって元々は妹ちゃんや泉ちゃんととても仲が良かった訳じゃないし……」

えっ!?

「そう……なんすか?」
「うん。中学の頃からずっと、遊ぶのは柊ちゃんだったからね、妹ちゃんとはあまり遊んでないの」
「それは……以外っす」
「そうかしら?だって……妹ちゃんには妹ちゃんの友達がいたし……それにクラスも違ったからね」
「成る程、それならわかるっすね」
「だから……今回の事も、田村さんの理論からすれば私達もギリギリの所で関わっているのよ」

うーん……でも……

「でも……峰岸先輩も日下部先輩も、泉先輩やつかさ先輩と仲が良いっすよね」
「『今は』ね。泉ちゃんなんか以前は全く話したことないし」
「でもそれはまだ友達になっていなかったから当たり前じゃ……」
「そうね……でも、今は友達だから……友達が関わっている事だから……友達のために協力するのは普通の事、でしょ?」
「まぁ、そうっすね『友達が困っていたら助ける』。それは人としての常識っす

私は腕を組んで頷きながら答えた。

「そっか~、常識か~」
「そうっす!常識っす!!」
「じゃぁさ……田村さんと泉ちゃんや妹ちゃんは……友達じゃないのかな?」
「……友達というよりも……大切な先輩っすね」
「……じゃぁ、その『大切な先輩』が困っていたら……どうするの?」

……あ、そっか……

「勿論、助けるっす!」
「……ね、ギリギリな所じゃなくちゃんと関わっているでしょ?それに……今回の『計画』で、あなたの『大切な友人』が辛い目に会うでしょ?」
「……小早川さんっすね……」

『計画』が成功した暁には、一人ぼっちになっちゃうんすよね……

「田村さんは……小早川さんの『支え』にならなくても……良いの?」
「そんな!『支え』にならない訳無いっすよ!」
「それなら……充分に『資格』があるし……それが『理由』になるんじゃないのかな?」

あ……

「そっか……私……ちゃんと『資格』も『理由』もあったんすね……」
「そうよ。だからそんなに考え込まないの。あ、それと……何でも『ネタ』にしちゃう事についてだけど」

……やっぱ、それはまずいっすよね……

「別に構わないんじゃないかしら?」
「……へっ!?」

なに……ゆえ!?

330:ナハト
11/01/15 16:31:39 LWGP1paH0

「あのね、前に高良ちゃんのおじさんが『作家は自分を切り売りして作品を作る職業だから、今回の件で作風が拡がるんじゃないかな』って言ってたの」
「……つまり、泉先輩のお父さんも、今回の『計画』を小説の『ネタ』にする可能性がある……と」
「多分ね。実際、こんな『ネタ』を体験することなんてこの先まず無いだろうし……フェイクじゃなくてリアルを書けるんだから」
「そうっすね、やっぱナマの体験は貴重っす。想像では限界があるっすから」
「そーゆーこと。だから、田村さんもあんまり気にしなくて良いと思うわよ」
「そうっすか?」
「そうよ」
「そうっすか!ありがとうございます!」
「そんな、お礼を言われる程じゃ無いわよ~」

峰岸先輩はそういうけど……私からしたらいくらお礼を言っても言い尽くせ無いっすよ……

「あ、でもね、書くのならある程度時間を置いてからの方がいいと思うわ」
「あー、それはそうかもしれないっすね~」
「う~ん、そう考えると……」

考えると?
……何をっすか?

「今度の『冬コミ』くらいかしら?」
「……はぃぃぃーーー!?」
「ま、あんまり焦らなくて大丈夫よ~。それじゃね~」
「ちょちょちょっとー!!峰岸せんぱーーーい!!!」

私の絶叫も虚しく、峰岸先輩は手を振りながら公園を出て行った。
てか、峰岸先輩……冬コミ知ってるんすね……とても意外っす……

「はぁ……世の中って……狭いっすねぇ~。……ジョギング再開しますかね~」



「ホッホッホッホッ……」

……ま、最後の言葉はアレっすけど……峰岸先輩と話せて良かったなぁ~

「ホッホッホッホッ……」

……小早川さんの『支え』、か……
私一人じゃ多分無理だけど……岩崎さんと一緒なら、やれる気がするっす!

「よーし!頑張るっすよー!」


小早川さんの『支え』になる

それが、私の理由。


Section14「苗木を守る人達~田村ひより~」 End


……あとは漫画のネタとしても……
『ひ~よりん♪』

「うひゃぁぁぁぁ!!!」


実行日まで
あと三日

331:ナハト
11/01/15 16:36:43 LWGP1paH0
以上です

次回は来週中に投下出来ればなぁ・・・と思っていますが
体調や仕事の具合と相談しつつ投下しようと思います

ではでは ノシ

332:ナハト
11/01/15 16:37:47 LWGP1paH0
あ・・・ミス発覚w

SSのラスト
「あと三日」じゃなく「あと二日」でした
失礼しました m(。_。;))m ペコペコ…

333:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/17 07:53:56 TcfeK+TlO
☆ゅ

334:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/18 17:45:05 +zNjFN03O
うにょ~ん

335:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/19 05:25:03 C7bxqQ8C0
穂志柚

336:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/20 20:30:13 vmgNpoaBO
干し湯

337:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/22 11:03:19 +tlecP7S0
"柊つかさです。メールアドレスを変更しました、ahogelove@barusami.kosです"
「…かがみん、これ私もribonloveとかに変更したほうがいいかな?」
「はいはいノロケノロケ」

338:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/23 04:05:57 +34kODXS0
リボンならかがみもしてるからな
面白いけれどちょっと詰めが

339:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/25 23:13:33 qsgcBqVQ0
☆ゅ

340:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/27 16:50:22 JXC2VPZw0
「という意見を頂いたのでつかさにしかない特徴をメルアドにしたいと小一時間」
「で、決まったの?」
「いやー…天然も妹も巫女もいるしなかなか難しいねぇ」
「でもつかさにしかないものがあるから好きになったんでしょ?」
「…そっか、ありがとかがみん。決まったよ。」

「shigusa_eros@tinti
「おい待て」

341:名無しさん@お腹いっぱい。
11/01/29 02:57:04 eVVZ6vz/0
「寝逃げでリセット」
「あ、こなちゃんズルイ」

342:1-724
11/01/30 21:57:36 2PpR83cm0
ナハト氏SS
dear -Section13と14話と
ここまでのミニネタを保管しました

保管庫(非常時には避難連絡所になりますのでスレ住民はURL保存推奨)
URLリンク(www8.atwiki.jp)
保管庫避難連絡ページ
URLリンク(www8.atwiki.jp)

343:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/01 07:22:24 CYLv8ZzYO
>>342
保管乙です!

344:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/03 00:36:00 E6hyByOb0
過疎

345:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/03 16:09:45 FQ0OB0QK0
>>342
保管乙であります!

「えーっと今年は南南東なんだね」
「こっちがキターあっちがミナミだから南南東はこんくらいかな」
「凄いねこなちゃん、私方角とか弱いんだー」
「こういう時に便利なのが磁石なのだよ、こっちが北でこっちが南」
「東と西ってどっちかわからなくならない?右か左かーって」
「いやーそれは…そろそろ食べよっかー」
外出る時は手を繋ごう、そう思うこなたであった

346:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/03 20:25:51 DsmodklKO
「ふぅ、お風呂でさっぱりしたよ~」
「こなちゃんこなちゃん」
「ん~?」
「はい、お風呂上がりのデザート」
「……これは山○の○ールちゃん?」
「そ、デザートも恵方巻だよ~」
「ナイスアイデア!じゃぁ一緒に食べよっか」
「うん!」


「……ふぁぶぇうあいえぇ(食べづらいねぇ)」
「……うぁうぁいえうえぇ(ふわふわしてるねぇ)」
「……普通に食べよっか……」
「……そうだね……」



○崎のロー○ちゃんで恵方巻は無謀ですた・・・orz

347:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/03 22:05:43 E6hyByOb0
買い物する二人
「えーっと、いわし、太巻き…」
「柊はつかさがいるから大丈夫だね」
「じゃあお豆ちゃんはこなちゃんので」

348:ナハト
11/02/05 14:00:53 kjyta+++0
どもども
久しぶりにPC立ち上げられたのでSS投下します

タイトル

dear -Section15「苗木を守る人達~泉そうじろう~」

本文6レス使います~

349:ナハト
11/02/05 14:01:21 kjyta+++0
「ふぅ……。今日はこのくらいにしておくか……」

時計を見ると、針はとっくに日付を跨いでいた。

「流石に……締切が重なると……辛いなぁ~っと」

同じ姿勢のままで強張った身体を伸ばしながら、そんな事を呟く。

「さてと……おやすみ、かなた」

仏壇に声をかけ、既に敷いてある布団に潜り込み、目を瞑る。
連日の夜更かしが祟ったのか睡魔は即座に訪れ、俺は眠りの世界へと導かれていった……。

dear -Section15「苗木を守る人達~泉そうじろう~」

―……う……ん、そ……くん
まどろみの中、誰かの声が聞こえる。
……うるさいなぁ……
―そう……ん、そうくん
……誰だぁ?俺の名前を呼ぶのは……
―そうくん、そうくん!起きて!!締切は今日でしょ!!!

「ぬぁぁぁっっ!!!」
『ふふっ、やっと起きた』
「あ?……なんだ、かなたか……もう少し寝かせてくれよ……」

全く……相変わらずヒヤヒヤさせる起こし方するんだもんなぁ~、まいっちま……えっ!?

俺の思考はそこで一時停止した。
目の前に座っているのは、少女と見間違えそうな程幼い顔立ちの女性。
独特のくせ毛と泣き黒子が無いだけで、外見はこなたそっくりだ。
だが、その女性がここに居るはずがない。
かなたは……遥か前に……この世を去っている。
こなたの変装かとも思ったが……それは有り得ない。
どんなに言い方を似せたとしても……あの声や微妙な言い回しは、物心つく前に母を失ったこなたには……真似出来ないからだ。
ならば……まさか!

「本当に……かなた……なのか?」

怖ず怖ずと問い掛ける俺。
すると女性は満面の笑みで答えてくれた。

『はい、そうですよ。……久しぶりだからわからなかった?』
「いや……わからなかったんじゃなくて……意外というか……驚いちまって……」
『……ま、それもそうよね。死んだはずの人間が目の前に居るんだし……』
「……てことはだ、やっぱり……幽霊……なのか?」
『幽霊……なのかな?やっぱり……』
「……でも、なんで今?お盆にはまだ早いだろう?」
『……わからない……でも、どうしてもそうくんと話さなきゃならない気がするの……』

話さなきゃならない……?

「話した方がいい、じゃなくてか?」
『うん……でもその理由がわからないのよね……』
「理由……か」

350:ナハト
11/02/05 14:01:43 kjyta+++0

……本来、霊魂というものは何かの未練がある場合にさ迷い出ると聞いたことがあるが……
理由も無く出てきたと言う事は、もしかしたら……

「理由は……俺が呼んだからかもしれないな……」
『呼んだから?』
「あぁ……ちょっとな。こなたの事で悩んでいて……な」
『こなたの?……一体何があったの?』
「……少し……込み入った話しなんだ……。始まりは……」

俺はこなたとつかさちゃん、二人に起こった事を淡々と話した。
かなたはその間、黙ってじっと聞いていた。

『……そんな事が……。でも、なんでそうくんは悩んでいるの?』
「……俺は最初、柊さんが言った『二人を会わせないようにしたいから、つかさを暫く休ませます』って言葉を鵜呑みにしていたんだ」
『鵜呑み……?でも実際つかさちゃんは……』
「スマン、言葉が足りなかったな。俺は柊さんの言葉を『一週間程度、何らかの理由をつけて休ませる』って意味だと思っていたんだ」
『そうだったの?』
「あぁ。実際柊さんも『少し会わない期間を設ければ共に頭を冷やすでしょう』と言っていたからな。だが……」
『一週間どころか一ヶ月以上……』
「それに、本来は関係の無いかがみちゃんまで……」
『そうくん……』
「俺はこなたからそれを聞いた時、流石に耳を疑ったよ。それでこなたが家を出た直後に電話をしたんだ」
『……柊さんは、なんて?』
「『これが我が家の方針だから、余計な口出しをしないでいただきたい。それに、うちの娘をたぶらかしたのはお宅の娘さんじゃないか』と言われたよ」
『そんな……酷い……』
「だろ?第一これはこなたとつかさちゃん二人の問題なんだから、かがみちゃんは無関係じゃないか!」
『そうよね、そうくんの言うとおりだわ』
「それに!俺が『こなたの大切な友人だから、せめてかがみちゃんだけは』って食い下がったらなんて言ったと思う!?」
『そうくん、落ち着いて……』
「『私はそんな友人など認めない!』って言ったんだぞ!有り得るか!?有り得ないだろう!?なんだよその言い草は!!」

俺の怒りは止まることを知らなかった。
だから、気付かなかった。
扉の向こうで聞き耳を立てている小さな影が有ることに。

「二人はこなたにとってとても大切な友達なのに!なんで、なんでそれを引き離すんだよ!?そりゃあ、俺も最初同意したさ!!でも、だからって!だからって……!」
『……そうくん、辛かったのね……』
「俺が……!あの時……!そこまでしなくてもと一言言っていれば……!そもそも二人の仲を認めていれば……!こんな事には……」

俺は年甲斐も無く涙を流していた。
自分の不甲斐無さ、それがとてつもなく悔しかった。
俺のせいで……そんなことを呟いていると、身体が不思議な感覚に包まれた。

『ダメよ、そうくん。自分を責めちゃ……』

気付くとかなたが俺を優しく抱きしめていた。
……幽霊の触感ってこんな感じなのかな?

「だってそうだろ?俺がもっと寛容な気持ちで二人の仲を見守ってあげていれば……、ちゃんと二人を信頼していれば……」
『それはそうだけど……でも、過ぎてしまった事を悔いても仕方が無いわ』
「かなたぁ……俺はどうしたら良いと思う?俺はこなたに謝りたいんだ。でも……あの一件からこなたはずっと俺を避けていて……」
『まぁ、こなたからしたら当然でしょうね……。少なくともそうくんは柊さんと共に「敵」とみなしているだろうし……』
「……そう考えるのが妥当だよな……」

俺はずっとその事で悩んでいた。
おそらくかなたが此処に来た理由はこれなんだろう。

351:ナハト
11/02/05 14:02:00 kjyta+++0

「どうしたらこなたに話しをすることが出来るんだろう……」
『……あ!ね、そうくん。話しじゃなくて手紙なんてどうかしら?これなら取り敢えず目を通すくらいするんじゃない?』
「そうか……手紙か……盲点だったな……。それじゃ、ひとつ書いてみるとするか」

そう意気込み、かなたから身体を離して机に向かおうと……思ったんだが、かなたが右腕をしっかりと握って離してくれない。

「かなた……スマンが腕を離してくれないかな」
『そうはいきません。だって今、そうくん手紙を書こうとしてたでしょ?……今はまだ書いちゃダメよ』
「今は?……なんでだ?」
『なんでって……そうくんが私に書いたラブレター、覚えてる?徹夜で書いたって言って渡してくれた……』
「……覚えてる……そういや誤字脱字だらけで支離滅裂だったなぁ……」

そういやあれは恥ずかしかったな……
一世一代の名文だ!なんて思っていただけに……

『でしょ?だから……』
「あぁ、そうだな。一眠りしてこなた達が学校に行ったら書くよ……ふぁ~あ……」
『あ、もうこんな時間……それじゃ、おやすみなさい』
「……かなた……ありがとうな……」
『どういたしまして……私こそ、こなたの事を相談できて嬉しかった……そうくん、ありがとう……』
「……そろそろか?」

見ると、かなたの濃度とでもいうのか、それが先程よりも薄くなっている。

『うん……でも……そうくんが眠って、こなたの顔を見てからだけどね』
「そっか……『次』は……あるのかな……」
『もし又何か困ったら、その時に……かもね……』
「……まぁ、いずれは会えるからな……遠い先になるとは思うが」
『そうよ。少なくともこなたが大人になって、独り立ちをして……ってこれじゃもう条件を満たしているわねぇ~』
「おいおい……勝手に死期を決めないでくれよ」

相変わらずというか……死んでもというか……生前の茶目っ気はそのままだな……

「ま、少なくともあと60年位は生きるから、ちょっとだけ待っててくれないか?」
『はーい。……あんまり早く来たら……承知しないからね……』
「あぁ。肝に銘じて長生きするよ……それじゃ、また」
『うん……またね、そうくん』

かなたの声を聞き、俺は再度布団に潜り込む。
どうやら話した事で多少なりとも胸のつかえが取れたようだ。
俺は十数える間もなく、眠りに落ちていった……。



「おじさーん!朝ご飯ですよー!!」
「……ん?……ふぁ~ぁ……朝か……」

それにしても……今日の夢はリアルだったなぁ~
手紙か……それも有りだな、うん

「おじさーん!起きてますかー?」
「あ、あぁ。今行くよ」

洗面所で顔を洗い、居間に入るとこなたとゆーちゃんが朝食を食べていた。

352:ナハト
11/02/05 14:02:17 kjyta+++0

「こなた、ゆーちゃん、おはよう」
「おはようございます」
「……おはよ」
「あ、今コーヒー煎れますね」
「あぁ、すまない。……こなた、ちょっといいか?」
「……ごちそうさま。ゆーちゃん、私先に学校行ってるね」

……今日も変わらず……か
例の一件から、こなたはあからさまに俺を避けるようになっていた。
当たり前と言われれば、その通りなのだが……。
……やっぱ手紙しかないかなぁ~

「はい、コーヒーどうぞ」
「ありがとう、ゆーちゃん」
「どういたしまして」

コーヒーを一口飲んだところで、扉の音が聞こえた。
……行ってきますくらい言ってくれても良いと思うんだがなぁ~

「あの……おじさん。ちょっといいですか?」
「ん?なんだい」

そう言ったゆーちゃんは何故か小難しい顔をしている。

「えっと、単刀直入に聞きます。……夜中に言っていた事は、本当ですか?」
「……えっ!?夜中?」
「はい。喉が渇いて目が覚めたので、飲み物を取りに台所に向かう途中におじさんの部屋から声が聞こえたんです」
「声?」
「そうです。それで……悪いとは思ったんですが、盗み聞きを……」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。ゆーちゃんは『声』って言ったけど……それって俺の声かい?」
「はい。ただ……会話をしているような感じだったので……つい」
「……なんてこった……それじゃぁ、あれは『夢』じゃなかったんだ……」
「『夢』?」
「あぁ……かい摘まんで話すと……」

俺は昨晩の出来事をざっと説明した。
流石にゆーちゃんも驚きを隠せないようだ。

「かなたおばさん……だったんですか……」
「おそらくね。いやー、てっきり『夢』だとばかり思っていたんだがな~、世の中色んな事があるもんだなぁ」
「そうですね……っと、それはそれとしてですね、おじさんが言った言葉、あれは本当の事なんですか?」
「……本当だよ……まぁ、謝って済むような問題じゃない事は重々承知しているけどね」
「……でも、少なくともおじさんがお姉ちゃん達の事を認めているのなら、お姉ちゃんも少しは心強いと思います!」
「……心強い?どうして?」
「それは……あ!もうこんな時間!おじさん、細かい事はメールしますから!」
「あ、うん。わかった」
「それじゃす、みませんけど後片付けお願いします!行ってきまーす!!」
「いってらっしゃ~い」

……はて?一体何が『心強い』んだろう……?

353:ナハト
11/02/05 14:02:37 kjyta+++0



「……なんてこった……」

予告通りに送られてきたメール。
一通目には『つかさ先輩とかがみ先輩の現況です』のタイトルと、つかさちゃんとかがみちゃんが現在置かれている状況が書いてあった。
そして……二通目には『驚かないで下さい』のタイトルと、こなたが……こなた達が実行しようとしている『計画』が書いてあった。

「俺は……こなたをそこまで追い詰めていたのか……」

やはりあの時……いや、やめておこう。昨日かなたにも言われたしな
ふぅ……取り敢えず手紙を書くか。そして……こなたにしっかりと謝って……
そんな事を考えていると、メールの着信音が響いた。

「ん?……そうか、わかったよ」

件名には『おじさんにしか出来ない事があります』、本文には『詳しい事は帰ってから話します。もしまだ手紙を書いていないのなら、そのまま書かずにいてください』と書いてあった。

「俺にしか出来ない事……か。なぁ、かなたは何だと思う?」

仏壇に問い掛けても、昨晩のように答えが返ってくる事は無かった。

「……考えていても仕方ないな、ゆーちゃんが帰ってくるまでに今日のノルマを終わらせておくか~」



「なぁ、ゆーちゃん……『俺にしか出来ない事』って……何なんだい?」

俺は向かい合わせに座るゆーちゃんに問い掛ける。
こなたは入浴中だ、聞くチャンスは今しかない。

「その前に……おじさん、誓ってもらえますか?お姉ちゃんの『計画』を止めさせないという事を」
「……もし俺が止めたとしても、こなたはなにかしらの手段を用いて実行するだろうからな……わかった、誓うよ」
「それじゃぁ……先ずはこの紙にサインをしてください」

目の前に差し出された紙には『誓約書』と書いてあり、その下に文言と記名欄がある。

「……それだけ『本気』だって事か」
「はい……そうです。そして、『計画』に参加する人全員がこれにサインをしました」
「そうか……」

俺がこれにサインをするという事は、つまるところ俺自身 が『俺の下から駆け落ちする』という事を認める意味になる。
……矛盾だらけだな……
だが、仕方ないか。これ程の『本気』を我が子から見せ付けられたんだからな……
親として、もう二度と娘をあんな目に会わせる訳にはいかないからな
俺は名前を書き込み、ゆーちゃんに渡した。

「……これで良いかな?」
「はい……ありがとうございます。それで……おじさんにしか出来ない事なんですけど……」
「うん。それは一体……」
「えっと、その前に……本来の計画で明日おこる事をお話しますね……」

それは俺が思っていた以上に綿密な計画だった。
もしこのまま明日を迎えていたら……俺は恐らく平常心を保つことなど出来なかっただろう。

354:ナハト
11/02/05 14:02:54 kjyta+++0

「凄いな……まるでドラマか何かのワンシーンじゃないか……」
「まぁ、これは今おじさんに話した時点で実行されなくなりましたけどね。それで……ここからが本題なんですけど……」
「うん」
「お姉ちゃんを抱きしめてあげて下さい」
「……へっ!?」

その言葉に俺は思わず驚きの声をあげてしまった。
抱きしめる?どうやって?
……ゆーちゃんにはなにかしらの策があるのだろうか……?

「なぁ、ゆーちゃん。それは……かなり難しいんじゃないのかなぁ」
「あ、もちろんその前にちゃんと謝ってもらいますよ。ちゃんとセッティングもするから安心してください」
「そ、そうか……じゃぁ、頼むよ。……でもさ、なんで『抱きしめる』なんだい?」
「それは……お姉ちゃんが安心出来るかな……って思ったから……」
「……安心?」
「えぇ。ほら、なんか不安な時とか親がギュッってしてくれると……なんか安心するじゃないですか」
「安心……か」

そういえば……こなたが落ち込んだり、悩んだりした時は……抱きしめて、頭を撫でて、俺なりの励ましをしていたんだっけな……

「そうだね……うん、わかったよ」
「ありがとうございます。……っと、そろそろお姉ちゃんがお風呂から出てきますね。じゃぁ私、部屋に戻っていますね」
「あ、あぁ。今日は色々とありがとうな、ゆーちゃん」
「どういたしまして……それじゃ、明日は頑張って下さいね」

居間を出て自室へと向かうゆーちゃんを見送ると、俺は仏壇の前に座り線香を上げた。

……かなた……

俺は心の中で呟く。

……ゆーちゃんの手前、ああ言ったけど……俺に出来るかな……
……もし、出来たとしても……俺の気持ちが伝わらなくちゃ、意味がないよなぁ
……気持ち?伝える?おぉ!そうか!!

突如として沸き上がったアイデアに、俺は慌てて仏壇に背を向け机の引き出しから便箋を取り出す。

ゆーちゃんには済まないが、これだけは書かせてもらおう

こなたに、俺の『本当の気持ち』を伝えるために。

Section15「苗木を守る人達~泉そうじろう~」 End


実行日まで
あと一日

355:ナハト
11/02/05 14:06:19 kjyta+++0
以上です

次回は・・・2週間後くらいには投下出来たらいいなぁ~

ではでは ノシ

356:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/06 06:35:17 mXXamaAp0
乙~
いよいよ次から実行か


357:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/08 00:52:42 extiSJ6F0
☆ゅ

358:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/09 08:44:18 n79zWZDB0
百合厨うざい

359:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/09 09:41:05 S1CxhOHoP
カプスレで何言ってんのこいつw

360:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/10 01:43:04 480CqDWh0
ツンデレな保守だな

361:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/10 10:47:37 lg06n/FoO
まさかのかがみん降臨・・・・か?

362:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/11 22:09:45 NqkJkYV20
☆ゅ

363:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/13 03:52:11 iUohb1qD0
本日も異常なし

364:1-724
11/02/14 01:06:38 q9oxS35s0
自分でチョココーティングしたものの固まって動けなくなったところを2時間後こなたに助けられるつかさ

救助法?
もちろんぺろぺろです

365:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/14 20:23:37 PxIl9nOaO
「つかさ!大丈夫!?」
「こなちゃん……たすけて……」
「えっと……チョコを割れば良いから……」
「わ、割る……の?」
「だって……完全に固まっちゃってるし」
「えと……痛く……しないでね……」

ボンッ!!

「つ……つかさぁ……」
「ど、どうしたの?」
「今の台詞は……反則だよぉ~」
「え?何?あの……こなちゃん?息が荒いよ?」
「ハァ……ハァ……」
「えと、その、んと」
「……いただきます」

数時間後

「ハァ……ハァ……救出……完了……」
「ハァ……ハァ……」
「つかさ……ごちそうさま……」



こんな感じでつね
わ(ry

366:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/16 13:15:34 mysbpBCQ0
あえて密着して体温で溶かしつつトロトロになったところに舌を這わせ…
ってエロパロ行きになりかねないですねはい

367:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/18 00:27:42 44EWUYxS0
また圧縮が近い☆湯

368:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/18 01:02:50 H9u0DBs5O
おぉう、ホントだ

369:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/18 16:01:05 FQtlknzD0
百合はマロンだね

370:ナハト
11/02/20 16:36:42.58 6Uhhe+Eb0
どもども

SS投下します

タイトル

dear -Section16「育ち始めた苗木」

本文8レス使います~


371:ナハト
11/02/20 16:37:09.74 6Uhhe+Eb0
「お母さん、揚げ浸し出来たよー」
「ありがと」
「えっと、後は……」
「じゃぁ、これ盛り付けてもらえる?」
「はーい……お皿ってこれで良いかなぁ?」
「うーん……そっちじゃなくて……それ、そう。その上の」
「これ?……よいしょっと」

『軟禁』されている私にとって、唯一『自分』でいられる時間……。
でも、その生活も今日まで。
……こなちゃん……早く……逢いたいな……

dear -Section16「育ち始めた苗木」

私が『計画』を知ったのは、昨日の『勉強会』だった。



「つかさ、大事な話があるの」

『勉強会』の途中、お父さんが居たら絶対に出来ないお茶の時間、いのりお姉ちゃんが真顔でそんな事を言ってきた。
見ると、まつりお姉ちゃんや峰岸さん、日下部さんも真顔だった。

「大事な……話?」
「そう。とても大事な話……。先ずは……峰岸さんと日下部さん、お願い」
「はい。妹ちゃん……これを読んでもらえる?」
「……封筒……手紙?」
「そ。とある人からの手紙だよ」

封筒を逆さにすると、一通の手紙がでてきた。

「誰から……えっ!?この文字って……」

久しぶりに見た癖のある文字。
こんな文字を書く人の事を忘れる訳が無い。

「こなちゃん……から?」
「そうよ。今日預かってきたの」
「取り敢えず読んでもらえる?それは回収しなきゃいけないから。……見つかると色々ヤバいし」
「う、うん……」

私は促されるままに手紙を読みはじめた。

~・~・~・~・~・~・~・~

親愛なるつかさへ

久しぶり、元気してた?
・・・って、そんなワケないよね。ごめんね
あのね、いきなりだけど、落ち着いて聞いて・・・じゃなくて読んでね

突然だけど、明日の土曜日、駆け落ちしようと思うんだ
思うんだじゃない、駆け落ちするよ、つかさと

色々と考えて、これを決めたんだ
・・・勝手に決めてごめんね
でも、私なりに考えたこれからの私達が幸せになる方法ってのが、これ以外に思いつかなかったんだよ

372:ナハト
11/02/20 16:37:28.71 6Uhhe+Eb0

だから、もしも、駆け落ちが嫌だったら、私はそれに従うよ。だって無理強いはしたくないから

でも、もし、駆け落ちしても良いっていうのなら・・・

お姉さん達が詳しい事を教えてくれるから、それに従って
私も、頑張ってこの家から抜け出すから

それじゃ、またね

P.S. なんか手紙の内容がグチャグチャでごめんね~
昼休みにいきなり『書いて』って言われたからさ~
しりめつれつ過ぎだよね~

それじゃ、バイニー
                  つかさの恋人 こなた

~・~・~・~・~・~・~・~

涙が止まらなかった。
それ程長い月日が経った訳では無いのに。
とても懐かしくて、愛おしかった。

「……つかさ、大丈夫?」
「グスッ……かがみお姉ちゃん……うん……大丈夫だよ……」
「それで、だ。私もあやのもなんて書いてあるかは知らない。それは高良が書いてほしいって頼んでたからな」
「ただ、大まかな事だけは聞かされたわ。そして……」

峰岸さんが一枚の紙を裏返しに差し出した。

「これを、託されたの。泉ちゃんに」
「こなちゃん……に?」
「そう。だからもし妹が手紙の内容を受け入れるんだったら……それに書いてほしい」
「書く……?」

私は恐る恐る紙をめくった。
そこには……

~・~・~・~・~・~・~・~

私、泉こなたは、柊つかさとの駆け落ちに同意します

私、    は、泉こなたとの駆け落ちに同意します

~・~・~・~・~・~・~・~

「……どうする?」
「まつりお姉ちゃん……」
「ちなみにだけど、私達は全員同意しているわよ」
「いのりお姉ちゃん……」
「私達だけじゃなく、みゆきやゆたかちゃん、それとみなみちゃんに田村さん後は……」
「高良ちゃんの両親、みなみちゃんの両親も同意しているわ、柊ちゃん」
「峰岸、ありがと。……つまりはそういうこと」
「かがみお姉ちゃん……峰岸さん……」
「あ、そうだ。これも預かってきたんだっけ……えっと……あった。これこれ」

日下部さんはそう言いながら数枚の紙を机に拡げた。

373:ナハト
11/02/20 16:37:46.01 6Uhhe+Eb0

「日下部さん……これって……」
「まぁ、私達が応援しているっていう証……かな?」
「……日下部にしては良いこと言うじゃない」
「『しては』って……私だってたまには真面目な事言うよっ」
「はいはい、『たまには』、ね」
「みゅぅ~。あやのぉ~、柊がドライアイスより冷たい~」
「まぁまぁ、みさちゃんも柊ちゃんもあまり時間が無いんだから……」
「おっと、そうだった。思わずかがみとみさおちゃんの漫才に見とれてたよ」
「漫才って……まつり、あなたねぇ。……ってそれは後に置いといて、……つかさ、どうするの?」
「え……どうするって……」
「こなたちゃんと『駆け落ち』するの?」
「……」

私は答えられなかった。
『駆け落ち』なんて、そんな簡単には決められない。

「……私達は、つかさがどんな答えを出しても誰も文句は言わないわ。だって、つかさの人生なんだもの」
「かがみお姉ちゃん……」
「ただ、これだけは理解して。もし今のままで居た場合、この先こなたちゃんに会えるという確率は……かなり低いわよ」
「えっ!?なんでですか、いのりさん」

峰岸さんの驚いた声に、いのりお姉ちゃんが静かに答えた。
それは、私にとってとても理不尽な内容だった。

「……つかさは、退学させられるわ。そして……縞根のおじさんの家で暮らす事になるの。一昨日、父さんと母さんがそう話していたわ」
「ちょっ!それって本当なの?姉さん!」
「えぇ、本当よ……私と三人で決めたんだから」
「そんな!いのり姉さん!?」
「かがみ、落ち着きなさい。……勿論私は『ふり』をしただけよ。そんなの本心から認めるわけ無いじゃない……」
「……はぁ……心臓止まるかと思った~」
「本当ね、みさちゃん」
「ビックリさせちゃってごめんね。……私、絶対にそんな事は認めないわ」
「……つかさ、どうする?」
「……『今』のままじゃ、この先そう簡単にはこなちゃんに会えなくなるんだよね……」
「えぇ、確率はゼロ……とまでは言わないけれど、かなり低くなるわ」
「そうだよね……」

私は自分でも驚く程に冷静だった。
『軟禁生活』で親の本性を嫌というほど見せ付けられていたからかもしれない。

「だったら私、やる!『駆け落ち』するよ!」
「……失敗したら、確実に会えなくなるわ。それでもやるの?」
「うん。……だって、お姉ちゃん達はこのために色々と頑張ったんでしょ?」
「それは……そうだけどさ」
「それに……私は『いつか会えるかも』じゃ嫌。『今すぐ』が良い」
「……そっか。じゃぁ……」

私はいのりお姉ちゃんに促され、紙に名前を書き入れて、手紙と共に峰岸さんに返した。

「確かに、預かったわ」
「あと……こなちゃんに伝えて。『絶対に会いに行くから』って」
「……わかった。高良に伝えてメールしてもらうよ」
「それじゃ、つかさ。『計画』を説明する前に一つだけ注意」
「何?」
「明日、絶対に、父さんと母さんに気づかれないようにすること。……つまり、今日までと同じように過ごすこと。……わかった?」

374:ナハト
11/02/20 16:38:15.52 6Uhhe+Eb0

度重なる親からの抑圧。
その結果、私は自らの感情を押し殺してきた。
なので、いのりお姉ちゃんからの注意も、さして難しい事ではなかった。

「うん!大丈夫だよ!」
「そう?でもくれぐれも気をつけてね。……じゃぁ、本題に入りましょうか。えっと、まず最初に……」



「さてと、明日の天気はどうかな。まつり、チャンネル回してくれないか?」
「はーい」

時刻は午後八時五十七分。
お父さんが毎日欠かさずに見ている天気予報の時間。
そして……『計画実行』の合図……。

「……あ」
「どうしたの?まつり」
「姉さん、これから録画する番組ってある?」
「得に……無いけど」
「ホント!?よかった~。私この映画見逃してたんだよね~」
「何て映画?……あぁ、これね~。えっと~、結末はね~」
「ストーップ!言わなくて良いから。OK?」
「……二人共、静かにしなさい」
「あ……はい」
「はぁ~い。……んじゃ予約しておくから」

先ずは初手。

「……カフェオレ煎れてこよっと。誰か飲む?」
「かがみが煎れてくれるの?じゃぁお願い」
「はーい。って……いのり姉さんだけ?」
「あ、私も~」
「姉さん達二人ともブラック?」
「私はカフェオレが良いわ。ミルク多めで」
「私はブラックね~」
「はーい。じゃぁ煎れてくる」

これが二手目。

時刻は間もなく九時。
天気予報が終わる。
そして……

まつりお姉ちゃんが
三手目となる
電源ボタンを押した

「キャッ!!」

爆ぜたような音が響き、台所の悲鳴と共に暗闇が訪れる。

375:ナハト
11/02/20 16:38:32.78 6Uhhe+Eb0

「何!?」
「ブレーカーが落ちたんじゃない?」
「ちょっと待ってて、今上げるから。……えーっと、椅子は……アイタッ!!」
「かがみ、大丈夫!?」
「……大丈夫……暗くてぶつけただけだから……」
「母さん!かがみ!そこで待っていなさい!お父さんがやるから!」
「うん……わかった」

居間には外の光が差し込んでいるため、暫くすると目が慣れてきてきた。
お父さんが懐中電灯を片手に台所へと向かう。

「えっと……ここか。よいしょっと」

パチンという音がして、明かりが再び点灯した。

「これで大丈夫……しかし何でブレーカーが落ちたんだ?」
「さぁ……」
「明日調べてみるか……」

お父さんとお母さんの話し声が聞こえる。
その間、私は目を瞑ったままじっとしていた。
そして……ブレーカーを上げてから三十秒後……。

再び、暗闇が、訪れる。

「また!?」
「大丈夫だ、今上げるから」

パチンという音が静まり返った屋内に響く。
一度ではなく、何度も。

「……おかしいぞ!ブレーカーが上がらない!!」
「えっ!なんで!?どうして!?」
「かがみ、落ち着きなさい。考えられる理由としては……ってまさか……漏電!?」
「その可能性は高いな」
「それじゃぁ今すぐにお父さんは部屋と洗面所を見てきて!お母さんは台所!私達は自分の部屋を見てくるわ!」
「さっすが姉さん、この間会社で訓練しただけあって手際が良いねぇ」
「まつり、そんな事を言っている場合じゃ無いのよ!もし漏電だったら、火事にも成り兼ねないわ!」
「ホントに!?」
「よし、じゃぁいのりが言ったように各自急いで確認するんだ!」

よし、今だ!

「お父さん!じゃぁ私は居間を見てみるね!」
「そうだな!頼んだ!!」

皆が慌ただしく動きはじめる。
幸か不幸か、懐中電灯が一つしかないためかなり手間取っているようだ。
その隙に、私は目を開けて立ち上がり、素足のまま濡れ縁から庭に降りて、裏木戸を通り外へ出る。

停電の混乱に乗じて家を抜け出す。
これが私の初手。
二手目は、社の鳥居脇にある林の中、そこに隠れている田村さんに会う事。

素足でアスファルトの上を走るのなんて……何年ぶりだろうな
小さな頃は気付かなかったけど、結構痛いもんだね
……っと、余計なことは考えないで、今は集中!

376:ナハト
11/02/20 16:38:49.53 6Uhhe+Eb0

神社の裏を駆け抜け、大回りで鳥居の所まで走り抜ける。
夜風が心地好い。
もしこれが、親から逃げるためじゃなければ……どれ程清々しい気分だったのかな……。



「ハァ……ハァ……」

流石に……動いて無かったから……体力が……辛いね……
でも!こんな所でくじけちゃダメだよね!
こなちゃんが待っているんだし!

砂利の音を立てぬよう、静かに鳥居をくぐる。
いのりお姉ちゃんの言う通りなら、右手の林の中に田村さんが居るはず……。

「―か―輩」
「?」
「つか―先―」

何処からか私を呼ぶ声が聞こえる。
……どこから?
小さな声を頼りに林の奥へと進む。

「つかさ先輩……こっちっす」
「あ、田村さん。……久しぶり、だね」
「こちらこそ、お久しぶりっす。……少しやつれましたね」
「……ずっと閉じ込められてたからね……」
「そうっすね……。ってそんな事話している暇は無いっす」
「そうだね。それで……私はどうすれば良いの?」
「えっと、先ずは……脱いで下さい」
「ほぇっ!?」

ぬ、脱ぐぅ~?

「あ、あの、えと、脱ぐって言っても、これに着替えてほしいって意味で、別にそんな、その」
「……はぁ~、ゆいさんじゃ無いけど、お姉さんびっくりだー」
「……すんません……」
「いーのいーの、私も早とちりしちゃったんだし……。で、これに着替えれば……変装すれば良いのね」
「……多少はごまかせると思うんで」

私は素早く着ていたワンピースを脱ぎ、用意されたTシャツとショートパンツに着替える。

「……サイズピッタリだね」
「まつりさんが用意したんで、そこら辺はバッチリかと」
「そっか……」

お姉ちゃん……ありがとう……

「それで、これからなんすけど……」
「うん」
「ちょっと待って下さい……よいしょっと」
「……自転車?」
「はい。これに乗って『公園』まで行って下さい。西側の入り口に泉先輩が居るはずっす」
「『公園』って……どこの?」
「……私達が言う『公園』と言ったら……一つしか無いはずっすよ」
「私達の?……あ!」

377:ナハト
11/02/20 16:39:16.17 6Uhhe+Eb0

私達の言う『公園』
学校帰りにみんなでお喋りをしたり、アイスや肉まんを買って食べたりした『公園』
そして……こなちゃんから……告白された……『公園』

「わかったみたいっすね」
「うん、大丈夫。あの『公園』に行けば良いのね」
「そうっす。表通りをなるべく使わないで、裏通りを使って行けば安心っす」
「オッケー。じゃぁ……行ってくるね」

挨拶をして自転車に跨がる。
漕ぎ出す前にもう一度田村さんを見ると、とても寂しそうな顔をしている事に気付いた。

「田村さん……どうしたの?」
「……あの、つかさ先輩……一つだけ聞いても良いですか」
「な~に?」
「……さよならじゃ……無いです……よね」
「……うん。必ず戻ってくるから」
「本当……ですか?」
「本当だよ。だって……このままじゃ『逃げる』だけでしょ?私、そんなのは嫌だよ」
「じゃぁ……本当に……」
「うん。だから……みんなと待ってて。必ず、戻るから。……あ、そうだ……」

私はリボンを解いて田村さんに渡した。

「私達が戻ってくるまで、預かっててもらえないかな?」
「つかさ先輩……はい、確かに!」
「それじゃ、改めて……行ってくるね!」
「いってらっしゃい!気をつけて!」



『公園』までは約二十分。
車に気をつけながら、裏通りを走る。

流れる風景。
お姉ちゃん達と一緒に遊んでいた路地裏。
かがみお姉ちゃんや友達と一緒に歩いた通学路。
お母さん行きつけの美容院。
お父さんと一緒にパフェを食べた喫茶店。

涙がこぼれそうになる。
だけど、泣く訳にはいかない。
だから私は、それを振り切る為、脚に力を込める。

必要な物以外
全てを置いていく為に



「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」

さ……流石に……息が……切れて……きたよ……

「ハァ、ハァ、ハァ」

でも……もう一頑張り……

378:ナハト
11/02/20 16:39:39.93 6Uhhe+Eb0

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」

ここを……曲がれば……

体力不足の肉体に鞭を打ち、最後の角を曲がる。
目的地まであと僅か。
目を凝らして前を見ると、入り口と思われる場所に立つ街灯の下に一台の車。
その脇には人影が一つ。

「!!!」

近付くにつれ、人影がハッキリとしてくる。
まるで小学生の様な身長。
腰まで届く長い髪。
そして……風に揺れるくせ毛……。

視界が歪む
押さえていた感情が込み上げる

今すぐ聞きたい
その声を
今すぐ触れたい
その温もりに

私は最後の力を振り絞り、ペダルを漕ぐ脚を早め、ありったけの感情を込めた声で叫ぶ。

あの人に、届くように。

「こなちゃぁぁぁぁーーーーん!!!!!」



続く!

379:ナハト
11/02/20 16:40:32.63 6Uhhe+Eb0
以上です

続きはWeb・・・じゃなくてまた二週後くらいにw

ではでは ノシ

380:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/20 19:58:08.52 v2a5BSML0
いよいよ物語が動き出したな

よきかな

381:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/22 07:18:15.37 s0O2pXnMO
☆ゅ

382:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/22 17:38:26.99 tx2TPj8S0
待ち遠しくなってきたw

383:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/23 23:35:30.58 6b9fTRe20
保守

384:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/25 06:37:31.54 0Hn06QYZ0
ホッシュホッシュ

385:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/26 07:21:58.60 nc+VFbvIO
☆ゅ

386:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/26 20:25:37.71 yiDugM2d0
ho

387:名無しさん@お腹いっぱい。
11/02/28 00:12:23.04 31VXFngT0


388:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/01 07:46:51.19 wJczc9wUO


389:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/02 00:20:10.02 QnSH6CLO0
「まつりお義姉様お誕生日おめでとうございます」
「お、義姉さまっ?こなたちゃん可愛い、ぎゅうううう」
「ふぇえ?こなちゃんぎゅうーしちゃだめまつりお姉ちゃん」

390:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/03 00:52:25.28 pZ8frt8m0
「つかさー疲れたよー」
「もうちょっとだけ、着物のこなちゃんかわいいもん」

4GBのメモリーが埋まるまでこなたを撮影するつかさであった

391:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/06 01:07:50.33 A+sVdRMb0
☆ゅ

392:913
11/03/06 11:20:31.58 w/eCX+3r0
お久しぶりです、久々にミニ投稿ー。こなつかですが…('A'


お内裏様とお雛様、二人並んですまし顔~

「私ね、おだいりさまとおひなさまってちょっと苦手だったんだー」
「つかさにしては珍しや、なんでまた?」
「二人とも夫婦なのに、なんだか楽しそうじゃないんだよね」

一対の人形に目をやると確かに楽しそう、とは言い難い表情を浮かべていた。
むしろ無表情にすら感じる。対有機生命体(以下略)ってこんな感じなのかな。

「んーまぁすまし顔~ってうたってるくらいだしねぇ…オォ当時からツンは存在したか」
「手を繋いだりにこにこしてるのが夫婦だと思うの。お互い好きだから夫婦なんだし」
「極端というか純というか、つかさらしいネ」
「私はこなちゃんと一緒にいて凄く楽しいから…。わかんないよ」

小難しそうな表情で腕を組むつかさ。
意外とつかさなりに真剣に考えてるんだなぁ。
あまりにも無防備な体勢に私は優しく押し倒す。
「ふぇっこ、こなちゃん!?いきなりあの私その準備のっ心が」
「さてつかささんや、今誰かが入ってきたら恥ずかしいかね?」
「(ぱくぱくぱく)」
ただでさえ真っ赤な頬色が顔中に広がっていく。
おぉうこのままだと完熟トマトになってしまう。


「多分さ、照れ隠しなんだよー。一種のツンデ…いやこの場合クーデレ?」
「てれれくし?」
「人前じゃ恥ずかしいから澄ましてるんだヨ。二人きりになったらもう遺伝子レベルで激しく」
「は、はげしく…」

「そ、そっかぁ…じゃあ直す時は同じ箱に入れてあげないと可哀想だね」
「だねー。だから外にいる間はちゃんと照れ隠し照れ隠し」
「うん。…えへへ、二人とも照れ屋さんなんだね…」
捕らえ方が変わったのか、つかさは一対の人形を見て何か嬉しそうにしている。
悩んでるつかさもいいけどやっぱ尻尾ふってるつかさ萌へ。
そういやひなまつりネタのエロゲあったなーと思い出に浸りながら、私はつかさの笑顔を眺めていた。


URLリンク(ichigo-up.com)

次回、つかさとこなた二人っきりの箱の中。お楽しみに(嘘です

393:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/06 16:35:16.52 +SB6xxhsP


394:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/06 19:28:58.04 VRBAK0RpO
>>392
おぉ!お久しぶり~

相変わらず上手いですなぁ~
GJ!!!

395:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 00:33:28.13 u7CppJvO0


396:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 01:22:27.59 dKXL0s/u0
>>392
イラストは保管庫に保管済み、TOPに使用

397:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/08 01:23:40.86 dKXL0s/u0
保管庫
URLリンク(www8.atwiki.jp)

398:913
11/03/09 07:01:39.65 Fhata6XY0
保管お疲れ様です、ありがとうございます!

399:名無しさん@お腹いっぱい。
11/03/10 12:13:31.65 ADOryYUX0
うにょん


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