【らき☆すた】つかさ×こなたに萌えるスレ 6at ANICHARA2
【らき☆すた】つかさ×こなたに萌えるスレ 6 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/07 15:11:35 Ly9yH2/30
充分書き込み間隔に余裕があったにもかかわらず
前スレが落ちましたのでアニメキャラ個別板に再度たてた

3:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/07 15:12:46 Ly9yH2/30
規制でこれないということでしたら
ここなど書き込み代行スレを利用して下さい

4:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/07 15:13:48 Ly9yH2/30


レス代行はここでおk その2
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

5:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/07 15:48:05 m2+dty660
肉便器が演じてるから円光とかしてるだろこなた

6:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/07 22:31:54 Ly9yH2/30
これか

ぼっちスレより
8 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2010/08/07(土) 15:39:10 ID:???
981まで行って24時間書き込みなかったら落ちる

7:ナハト
10/08/07 23:39:59 giN5maSq0
>>1乙です!!

成る程……では、次にそこまでレスが進んだら気をつけた方がいいって事ですね
了解です ("`д´)ゞ

8:913
10/08/08 03:09:45 JOni7eM30
>>1乙であります!
色々知識が身についてくるなぁ、情報感謝です。

「今日はそろばんの日なんだって~」
チャッチャッ、ビィィィィィィィッ
「へー、つかさそろばん出来たんだ」
「えへへ、小学生の時に買ってもらったんだー」
チャッチャッ、ビィィィィィィィッ
「………最初のビィィーしか出来ないんだけどね」
「まあ今は電卓とかあるし…うん」

9:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/08 22:22:44 AEOnAG8a0
「一緒にいたいだけじゃだめ?」

10:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/09 12:46:04 Iz13nI+GO
つ「こなちゃーん、食パン焼けたよー」
こ「おぉっ!つかさの手作りパンかー。いただきま……」
つ「どしたの?こなちゃん」
こ「これ……この黒い粒……なに?」
つ「ひじき」
こ「……はい?」
つ「だから、ひじき」
こ「ひじきしょくぱん……?」
つ「そうだよ!美味しいみたいだから作ってみたの~」
こ「そ、そう……なの?」
つ「うん!ねぇねぇ、食べてみて~」
こ「う、うん……。じゃぁ、いただきます……ムグムグ」
つ「どう?」
こ「……あんまり『ひじき』って感じはしないね」
つ「うん。でも栄養分はたっぷりなんだよ~」
こ「ひじきだからねぇ~。……でも、なんでいきなり?」
つ「だって……最近こなちゃん元気なさそうだし……。午前中もいっぱい欠伸してたし……」
こ(つかさが夜寝かしてくれないからなんだけどなぁ……)
つ「ん?どしたの?」
こ「あ、いや、何でもないよぉ~」
つ「そう?……まだあるからいっぱい食べていいよ~」
こ「うん!元気にならないとね~」
つ(……そして、今夜も……ふふっ)
こ「つかさ、どったの?」
つ「ん~、何でもないよ~。私もいっぱい食べよーっと」



ひじき食パン旨いッス~

11:2-613
10/08/09 23:32:58 vTBdNbDF0
8月9日

「ねえつかさ、今日って何の日か知ってる?」
「え?えーと…長崎に原爆が落ちた日だよね?」
「そうなんだけど…」
「はわわ、こなちゃん何するの?」
「今日はハ(8)グ(9)の日なんだよ。だから」
「そうなんだぁ…」
「ってつかさ?その手のわきわきは何?」
「こなちゃん、ぎゅー」
「わわわわ」

「…あんたらハグの日関係なしに一年中やってるじゃないの」
「ちなみに今日は8と9で野球の日でもあるそうですよ」
「私たち野球見ないし」
「他にはシンガポールの独立記念日にもなっていますね。薬草の日とか駐車場の日にもなっています」
「さすがみゆき。一般人は普通知らないわよこんなの…」

12:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/10 06:51:30 3JbEcoXR0
どんな色?

13:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/10 06:52:11 3JbEcoXR0
>>11

14:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/11 00:16:26 NibBN7Tm0
☆ゅ

15:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/12 00:07:19 fvsFygKp0
うにょん

16:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/13 06:23:11 yiV5u5gU0
捕手

17:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/13 07:44:00 L21fUjMFO
こ「『まこも』も用意したし、お供えの材料も揃ってるね、よしよし」
つ「こなちゃんおはよ~。……草と食材?」
こ「オハヨ、つかさ。……まぁ、そう言われればそうなんだけどさぁ……ププッ」
つ「え~、なんで笑うのぉ~?」
こ「ゴメンゴメン。えーっと、今日は何の日でしょう?」
つ「今日は……金曜日……13日か……ん?……ふぇっ!……『13日の金曜日』!?」
こ「いや……まぁそうなんだけど……そっちじゃなくてさぁ……」
つ「ほぇっ!?……えっと……あ!迎え火」
こ「せいかーい!やるのは夕方だけど、足りないものが無いか確認をしていたのだよ~」
つ「そっか……今日はみんなも来るのかな?」
こ「ゆーちゃんも、ゆいねーさんも来るってさー」
つ「ふーん……おじさん大変そうだねぇ~」
こ「『大変そうだねぇ~』って……私達も朝ごはん食べたら出掛けて手伝う予定だったと思うんだけど……」
つ「あれ~?そうだっけ~?……あ!そうだった!ごめ~ん、すっかり忘れてた~」
こ「まぁ、まだまだ時間あるから大丈夫だよ~。さ、朝ごはん食べちゃお」
つ「そだね~。あ、私顔洗って来る~」
こ「はーい、じゃぁ準備しておくよ~」
……今年のお盆にも、帰ってきてくれるよね……おかーさん……

18:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/13 19:39:50 9NotZW+YP
生理とムダ毛の話が出たのってらき☆すたくらいだった

19:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/13 20:13:16 TxCHvb120
えっち

20:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/14 05:24:24 876DTYIb0
「私が嘘をつくとしたら嫌われないための嘘だけだよ」
「じゃあこなちゃんは嘘をつく必要ないよね」

21:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/14 23:40:45 sDuLnEz20
こなちゃんぺろぺろ

22:2-613
10/08/15 21:06:31 lfce4M6pP
3日目に一般参加してつかさが死に掛けてた訳がようやく理解できました。

「うーん、やっぱりあの場所は慣れないか」
「ふぇ~~~~…(ばたり)」
「百戦錬磨の私でもしんどいからねー。流石に東と西を間違えることはなくなったみたいだけど」
「1から3と4から6が分かれてるなんて…」
「そこは慣れだよね。ほらつかさ、お水飲む?」
「んー…ちょうだい?」
「わかった(んくんく)」
「こなちゃん?」
「ん(口移し)」
「んん~~~~…(こくん)」
「楽になったでしょ?」
「別の意味で辛いかも」
「ふぇ?」
「もっと欲しいなぁ」
「あ、あのーつかささん?そんだけ元気あるならもう…」

チュ~~~~~~~~~~~~~~~

「ん、楽になったよーありがと、こなちゃん」
「…はぁ…はぁ…どういたしまして…(今度は私が脱水状態かも…)」

23:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/15 22:22:25 8kMD9WbQ0
こなた乙w

ちょっと保管のことで提案がありますのでスレ住民の方は
保管庫避難連絡ページをご覧ください
URLリンク(www8.atwiki.jp)

24:1-724
10/08/15 22:23:08 8kMD9WbQ0
コテ忘れ1-724です

25:イクシデズタル(元594) ◆uNcghuDOu2
10/08/15 23:11:09 8COlSEqRP
移動してたの気がつかなかったあああぁぁぁあ

乙(´・ω・)

26:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/16 12:38:16 KCVhbjVdO
☆ゅ

27:ナハト
10/08/16 22:26:54 KCVhbjVdO
パチ……パチ……
「おかーさん……今年も、もうお別れだね……」
パチ……パチ……
「そういや、ちっちゃい頃は『帰っちゃいやだ』って泣いてたよね……」
パチ……パチ……
「でもね、もう泣かないよ……だってさ……」
パチ……

「こなちゃん、どこ行ってたの?探したよ~」
「ごめんごめん……じゃぁ行こうか」
「うん!みんな待ってるよ!……おじさんは、一足先に酔っ払ってるけど……」「全く……おとーさんったら……」
「ゆいさんが介抱してるから、多分大丈夫……じゃないかなぁ」
「よし!ここは私がしっかりと叱ってあげよう!つかさ、行くよ!!」
「あ、待ってよこなちゃ~ん」

だって、大切な人が側に居てくれるから……。

「こらぁ~!おとーさーん!おかーさんに言い付けるよぉー!!!」


盆の送りなので小ネタ
あ、迎えも私です。コテ忘れてました~。

28:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/17 13:03:22 gr4l47QJO
☆ゅ

29:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/17 23:20:04 ue1plrjP0
♪ゆっくり流そう、oh!つかこな

はいはい昭和ネタ

30:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/18 06:52:33 2huCAKs50
こなちゃんのおっぱいかわいいね

31:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/18 23:06:53 DSaA9QEM0
こなちゃんぺろぺろ

32:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/19 21:56:16 ld+TphDHO
「つかさぁ~何舐めてるの?」
「ん?こなちゃん飴」
「へ?」
「だから~こなちゃん飴」
「そ、そうなんだ」
「こなちゃんぺろぺろ」

密かにつかさ飴を作ろうと決心するこなたであった

33:1-724
10/08/20 06:26:12 7UhaeUz40
「むふふ」
「ん、どしたのこなちゃん」
「いやつかさ飴をつくってきたのだヨ」
「わーわたしにそっくり」
「ではつかさをぺろぺろするカナ(ぱく)」
「あ」
「んーつかさはおいしいネ」
「わたしもたべたいなあ、(チューレロレロ)」
「ひゃう、つかひゃ、舌入れないでひょ」

結局つかさにたべられるこなたであった

34:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/21 07:59:51 b1YaxAOF0
皆さん規制?

35:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/21 08:16:35 71qrsrq1P
もりもり規制中

36:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/22 00:13:33 DAF8XwMZ0
はあ

37:ナハト
10/08/22 00:38:30 +n/epSLx0
>>36
つか「こなちゃんどうしたの?ため息なんかついて……」
こな「ん……なんかさぁ……みんな規制なんだなぁって思うと……ちょっとね」
つか「きせい?」
こな(あ、しまった!つかさにはこのスレの事話してなかったんだっけ!)
つか「……ねぇ、『きせい』って……お盆に実家に帰るアレ?」
こな「そ、そう!それそれ!!いやぁ~、みんな実家に帰っちゃってるみたいでさぁ~」
つか「ふーん……。あれ?でも、もうお盆終わってるよ?」
こな「あ、そ、そうだね……あは、あは、あははは……」


38:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/22 22:47:35 hTKMh+JF0
「まつりお姉ちゃん、きせいってなぁに?」
「んー?あー、ほら、お母さんとお父さんってそれで結ばれたらしいよ」
「あれあれー何か今爆弾発言を耳にした気がスルヨー」
「事実は小説より奇なり、ってね!」
「そんな得意げな顔で言われましても」

「そっかぁ…こなちゃんと結婚するにはきせいしないとだめなんだ…」
(非常に間違いを生んだ気がするけど丸く収まったからいっかー)

39:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/23 21:01:32 /t2nKlFi0
「こなちゃんと既成事実しよっと」

40:ナハト
10/08/24 15:02:27 9LAK6mOeO
こな「たっだいま~」
つか「こなちゃん……お帰りなさい……ご飯にする?お風呂にする?それとも……」
こな「それとも……?まさか『それとも、わ・た・し?』とか言わない……よね?」
つか「……」
こな「え゛?な、なにその沈黙は……まさか、正……解?」
つか「……うん……」
こな「な、なんですとぉ!?」
つか「こなちゃんと『既成事実』を作ろうかなぁ~って……テヘッ」
こな「……つかさ、それって一体何の『既成事実』を作るの?」
つか「へっ!?」
こな「だから~、何の為の『既成事実』を作るの?」
つか「こなちゃんと……一緒に暮らす為?」
こな「ハァ……毎週末一緒に過ごしているのに……。さっきの台詞は『既成事実』になりません。てかさー、そんなの必要無いじゃん」
つか「えー、でも私に『裸エプロン』を教えてくれたのはこなちゃんだよぉ~」
こな「まぁ、それは、そうだけど……」
つか「ん?……あ!そっか~『既成事実』はもう出来てたんだね~」
こな「ほぇっ!?」
つか「だってさ……」

つかさ、こなたにしなだれる。

つか「だって……私にこんな恰好を覚えさせたんだもん……ちゃんと、責任、とってね……」
こな「う、うん……」
つか「じゃぁ……私を美味しくた・べ・て♪」



昼間から失礼しました~

41:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/24 23:01:48 eMr3n+9i0
昼でも夜でもどんとこいですGJ

42:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/25 13:24:11 4+28Ve8w0
「ねぇこなちゃん、朝ご飯にする?朝風呂にする?それとも…朝」
「んー朝寝にしよっか」
「うん♪」「「すかー」」
「はーいお前ら起きようかー」

43:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/25 21:40:40 fbyIndpY0
「で、おねえちゃん「かがみん」はなぜふとんのなかにいるの」

44:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/26 19:04:48 z2XgjseqO
かが「だって……折角二人が遊びに来るっていうから楽しもうと思ってたのに……」
こな「のに?」
かが「いつの間にか二人の世界に入っちゃうんだもん……」
つか「……ごめんね、おねえちゃん……」
こな「私も……ごめん」

45:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/26 20:42:38 HGPp1Mgn0
「(きゅぴーん!)じゃあ今日はおねえちゃんを気持ちよくしよう」
「なっ?」
「よしよし、さびしがり屋のうさちゃん」
「ちょっおまえらなにを…」

46:ナハト
10/08/27 08:03:26 WRGFO0/CO
つか「大丈夫だよ~おねえちゃん」
こな「そーそー、何時も私達がやってるコトをするだけだよ」
かが「ちょっ……何時もやってるコトって……」
つか「最初は~、肩のマッサージで~す。こなちゃ~ん、お願いしま~す」
こな「はいは~い。……お客さん、こってますねぇ~」
かが「そうなのよ……最近面倒な仕事が多くてさ……って、気持ちよくするってこういう事!?」
こな「まぁ~、最初は軽目な所からスタートするから……」
つか「それでは次の場所で~す。腰マッサージお願いしま~す」
かが「おぉ……これは……効くわぁ~」
こな「……ふぅ、ちょっと汗かいてきちゃったよ。つかさぁ~、交代してぇ~ん」
つか「おっけーだよ!こなちゃん!」
かが「つか、普通に呼べばいいんじゃないの……?」
こな「ではでは!本日のセミファイナルです!足ツボマッサージ!つかさ先生、お願いします!!」
つか「は~い!じゃぁまずは軽く……」
かが「……あんまり感じないなぁ~」
つか「じゃぁ、ちょっと強く圧すね……」
かが「……ん?……ぃ……ぃぃたたたたたたたたいたいぃいいぃいぃいぃぃ!!!!」
こな「うーん、かなり痛がってますね~。じゃぁ、これくらいで終了しますか」
つか「そだね~。おねえちゃん、ごめんね~」
かが「ハァ……ハァ……あ、べ、別に、つかさが、悪いわけじゃ、ないから、気に、しないで、いいわよ……ハァ……」
こな「……辛そうだから、今日はここで終わりにしようか?」
かが「……あとは?」
つか「えっ?」
かが「さっきセミファイナルって言ったでしょ……てことは、あと一つ、有るのよね」
つか「う、うん」
かが「つかさ!こなた!じゃぁその最後のをお願いするわ!」
こな「いやー、やめたほうが……」
かが「いいから!最後はなに?」
つか「……わかった!じゃぁやってあげるよ!ね、こなちゃん」
こな「そだね~。かがみんもやる気満々だしね~」
つか「それじゃ、最後は……えっとね~、最初は痛いんだけど~、何回もやってると気持ち良くなってくるんだよ~」
こな「そうだよね~、私も最初は痛かったよ……」
つか「ちょっとテクニックが必要なんだよね~」
かが「テ、テクニックって……あんたたち……」
こな「ん?どったのかがみん」
かが「あ、何でもない何でもない。……まぁ、恋人同士なんだから、そういったことしてても問題は無いわよね。……あれ?でも私にするのよね……」
こな「じゃぁ、つかさ先生!お願いします!!」
つか「じゃぁ……おねえちゃん……優しくしてあげるから……リラックスしててね……」
かが「え?優しく?リラックス!?てかなんでいつの間にか私下着一枚になってるの!?」
つか「おねえちゃん……いくよ……」
かが「えっ!?そんな所を!?……んっ……んくっ……」
つか「段々と強くするからね……リラックスだよ……」
かが「んぁっ!……ぃ……ぃいいたーいぃぃぃ!!!」

★数分後★

つか「おねえちゃん、どうだった~?私のリンパマッサージ」
かが「……プシュー……」
こな「まぁ、慣れてくれば痛くなくなるから、定期的につかさにやってもらうと、むくんだりしなくなるよ~」
つか「こなちゃんとマッサージのしあいっこしてるから、お肌ツヤツヤだし、むくんだりもしないんだよね~♪」
こな「ね~♪」


かが「……教訓……バカッポーに……ちょっかいを出しては……いけ……ない……」

47:1-724
10/08/27 22:06:08 L+Yny1n20
ネタ振りレスばかりですみません
ナハトさんもすっかりこのスレの
ミスリード的芸風になじんでらっしゃるw

48:ナハト
10/08/27 22:32:46 HOB36oiE0
いえいえ、こんな感じの会話劇は書いてて楽しいからもーまんたいですよw
SSは書いているんですけど……上手くまとまらないから放置してるんですよね~www

シリアスものなら8割ほど書き上がっているんですけどね、ここ向きじゃないからどうするかな~って状態ですしw

49:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/29 01:09:34 ObHD6Y2c0
☆ゅ

50:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/29 01:53:59 4nSNsTU+0
シリアスでも微エロでもつかこなであればバッチコーイです

51:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/29 21:54:49 ObHD6Y2c0
5スレのミニネタを保管しました
TOP絵を変更しました



保管庫(非常時には避難連絡所になりますのでスレ住民はURL保存推奨)
URLリンク(www8.atwiki.jp)
保管庫避難連絡ページ
URLリンク(www8.atwiki.jp)

52:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/30 01:29:55 oG7i4GR/0
欝展開バッドエンドでなきゃいいんじゃない?

53:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/30 07:21:21 yO3zsFBPO
欝展開バッドエンドにはなりませんよ~

んじゃぁ、導入部とクライマックス以外はもう書き上がってるので、導入部が書き上がり次第投下しますね~

54:ナハト
10/08/30 07:21:47 yO3zsFBPO
コテ忘れスマソ

55:名無しさん@お腹いっぱい。
10/08/31 02:17:34 ZKRlatuu0
>>51
保管乙です!

56:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/01 00:36:36 Dogp/56G0
こなちゃんぺろりんこ

57:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/02 19:33:16 NHsznC8d0
「こなちゃん何で机の下にいるの?」
「防災訓練」
「あれ、今日だったっけ。じゃあ私も」
「いやつかさはそのままで」

58:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/02 22:22:13 n0GzKr1v0
で、実際に地震が来たら
迷うことなく小さな躰で被さってつかさを護るこなた

59:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/04 00:04:59 pVmIyfUZ0
☆ゅ

60:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/05 01:23:50 BkznEpN70
捕手

61:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/06 01:12:16 dvK1kB/e0
「ひかげちゃんってこなちゃんより…」
「つかさ…わかってるけど言わないで」

62:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/06 20:59:13 QZIOdxAb0
またみんな規制?

63:ナハト
10/09/06 21:12:19 v1HK6fh+0
プロローグ書いてます
てか連作物(どマッタリ)の途中分岐で「あり得たかもしれない未来」として書いてたから
入りが難しいんッスよ~。
とりあえずプロローグ半分出来たから、もう少し待っててくださいませ~

64:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/07 21:07:40 KIAFraOq0
「吸えばおっきくなるって本当かだね、ちゅぱちゅぱ」
「腫れてるんだってば、つかさ」

65:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/08 01:54:37 WiXE59620
「こなちゃんくぱぁ」
「9/8か」

66:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/08 14:18:23 BzOHJIA8O
「違うよこなちゃん、くぱぁだよ」
「つかさ……真っ昼間から、そんな事を……」
「……?これだよ?」
「これって……そんな!こんな場所で……って、あの~、つかささん?」
「な~に?」
「これって……」
「だから~『くぱぁ』だって」
「……私の記憶によると、これは確か……『クッパ』だったような気がするんですがねぇ~」

67:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/09 20:01:03 +WMIFmj60
「つかさはここも甘いねー」
「はぅ、こなちゃんはずかしいよ」

68:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/09 23:22:18 FBUyJN0M0
コッソリフッキ!913
「9月9日はきゅうきゅうで九九の日ー」
「つかさが算数の話するなんて地球オワタ」
「こなちゃんのくせにー!じゃあ問題出すよー」
「spd全振りの私に速度で挑むというか!来たまへ!」
「ににんが」「シノブ!」
「さざん」「アイズ!」
「ななに」「んのナナ!」
「はっぱ」「ふみふみ!」
「こなちゃんすごーい、私こんなに速く計算出来ないよ」
「ネトゲしてるからネー、クエ関連とか簡単な計算出来ないとやってられんのだよー」

69:ナハト
10/09/10 08:12:57 zzCQt5tDO
こな「あれ?あそこにいるのって……」
つか「あー!913さんだ~!!」
こな「おかえり~」
つか「おかえりなさーい」
こな「そっか~規制解除されたんだ~、長かったねぇ」ウンウン
つか「え?既製事実って解除されるの?」
こな(はっ!しまったぁ~!!)
つか「ねぇねぇこなちゃん、既製事実って……」
こな「え、えーと、それはねぇ……、あの、その……」

以外(ry


てなわけで、解除オメですー

70:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/11 22:00:01 ryIHgFyt0
ぺろ

71:ナハト
10/09/13 00:19:04 Y3SPeBcv0
どもども、一応プロローグが出来たのでうpします

タイトルは
 dear -Prologue 「嵐の中の苗木」
です

本文5レスほど使いますね~

72:ナハト
10/09/13 00:19:41 Y3SPeBcv0
「とうとうこの日がきたか……」
「そうだね……」
目の前には柊家の玄関。
私達はある『お願い』をするためにやってきた。
「みんな、揃っているんだよね」
「うん……ちゃんと『大事な話がある』って言っておいたから……」

 dear -Prologue 「嵐の中の苗木」

それは、昨日の事だった。
二ヶ月前から『恋人』として付き合い始めた私達だけど、友人以外……特にお互いの親には……秘密にしていた。
でも、秘密というものは往々にして漏れるものだ。
むろん、私達の関係も……。

「こなたー、ちょっといいかー?」
鼻歌混じりに食器を拭いていると、急におとーさんから声をかけられた。
「ん~、ちょっと待ってて~。もう少しで食器拭き終わるから~」
食後のコーヒーかな?まぁいいや。さっさと拭いちゃお~。

「おまたへ~。な~に?コーヒー?」
おとーさんが待つリビングへ行くと、既にそれぞれお気に入りのマグカップにコーヒーが注がれて、テーブルの上に置かれていた。
「なーんだ、コーヒーあるんじゃん。んで、なーに?」
椅子に腰掛けてコーヒーを一口飲み込んだ。
「うぅ~ん、うまひ……。あれ?おとーさん飲まないの?」
よくみると、さっきから腕を組んで座ったままで全く口をつけていない。
「……真面目な……話……なんだ」
私がそう言うと、おとーさんは静かに頷いた。

しまった……。
私は心の中で舌打ちをした。

二人分のマグカップ
口をつけていないコーヒー
腕を組んだまま微動だにしていない。

おとーさんが真面目な……しかもかなり重いテーマの話しをする時のスタイルじゃないか……。まずいなぁ~、心構えが出来て無いよ……。

「こなた」
「は、はいっ!」
不意におとーさんが口を開いた。
「……そろそろ、俺にも話しておいた方がいい事が有るんじゃないのか?」
……それって……やっぱり……アレ……だよね……。
「それとも、親には話せないような事なのか?」
「そ!そんなことは無いよっ!」
「ふむ……。じゃぁ、改めて単刀直入に聞こう。こなたとつかさちゃんは、『友達』ではなく『恋人』として付き合っているんだよな」
「な!なんでそれを!?」
そんな!一言も話した事ないし!怪しいそぶりもしていなかった筈なのに……。
「秘密ってのはな、往々にして漏れるものなんだぞ。……まぁ、父さんがそれに気付いたのはついこの間……先週辺りなんだけどな」
「えっと……どうして気付いたの?」
「何となく、なんだけどな。ここ最近の話題の主人公がほとんどつかさちゃんだったし……」
「それだけで!?」
「あと、こなたが誕生日に貰ったプレゼントを披露するときに、つかさちゃんのを一番大事そうにしていたからな」
……しまったぁ~!プレゼントに浮かれてて、そっちまで気が回らなかったよぉ~!!
「……で、実際どうなんだ?つかさちゃんと付き合っているのか?」
おとーさんは真剣な表情で私を見つめてきた。こんなおとーさんを見るのは……受験するとき以来かな……。それだけ、大事な事、なんだよね……。
「うん……付き合って……いるよ……」


73:ナハト
10/09/13 00:20:12 Y3SPeBcv0
「『恋人』として、なんだな」
「うん……。出来れば、この先も……一生ずっと……一緒に居たいって……思ってる」
「そうか……」
そう言ったきり、再び口を閉ざしてしまった。
「……おとーさん……おとーさんは、私達の事……どう思うの?」
「ん……?俺の考えか?」
コーヒーを一口飲んだおとーさんは、静かに話しはじめた。

「俺は、物書きだ。それに色々なゲームをやったりアニメを見ている。だから、同性同士の恋愛ってのも理解はしている」
「……うん」
「だがな……、それは所詮『フェイク』なんだ。ゲームやアニメや小説の中だから成立する関係であって、『リアル』では決して成り立たない関係なんだよ」
「……」
「だからな、俺は二人が付き合う事に『反対』だ」
「そう……なんだ……」
そうだよね……やっぱり、理解されないよね……。
「ところで、こなた達の事をつかさちゃんのご両親は知っているのか?」
「知らない……と、思うけど……」
「ふむ……そうか……。じゃぁ、今からつかさちゃんに連絡をして、明日にでも二人の関係をちゃんと伝えなさい。もし、柊さん達が全員認めるのなら……父さんも認めよう」
へっ!?
「今……なんて……?」
「だから、もし、柊家の両親とお姉ちゃん……えっと、三人か。その五人全員が二人の関係を認めるのなら、俺は反対はしないって言ってるの」
「で、でもでも、さっき……」
するとおとーさんの大きな手の平が私の頭のにポンと置かれた。
「いいか、こなた。俺の幸せはこなたが幸せになる事なんだ。だが、今のままでは、こなたは幸せになれない……わかるよな」
「……うん……」
「だけどな、もし、つかさちゃんのご両親が二人の関係を認めたのなら、その時は柊さん達の力で幸せになる事が出来るかもしれない」
「……そう……なのかな?」
「あぁ、そうだとも……だから、もしそうなった時、俺は反対しないよ。……『賛成』もしないけどな」
「うん……わかった……」
「それじゃ、俺はこれから仕事に取り掛かるから。ちゃんと、つかさちゃんに連絡をするんだぞ」



「……こなちゃん?」
「あぁ、ゴメン。……ちょっと考え事してた」
「大丈……夫?」
「うん、大丈夫だよ」
「じゃぁ、扉、開けるよ」

私達の『想い』が、柊家のみんなに受け入れてもらえますように……。



……空気が……重い……。
居間では既に全員が座卓を囲んで座っていた。
「つかさから聞いたよ、『大事な話』があるそうだね、こなたちゃん。さ、そこに座りなさい」
おじさんが促した場所に座る。私の隣にはつかさとかがみが、正面に対峙するおじさんの隣にはおばさんが、座卓の短辺にはそれぞれいのりさんとまつりさんが座っている。
「それで、どんな話なんだい?」
いつもと変わらない口調。だけど、その顔にはいつも浮かべている笑みは全く見えず、瞳は明らかに怒りの光を放っている。
「……単刀直入に言います。二ヶ月程前から、つかささんと『恋人』として交際をさせていただいてます。本日は、それを認めていただきたく……」
「断る!」
おじさんは、私の話を最後まで聞くことなく否定の意思を明らかにした。
「ちょっとお父さん、こなたの話を最後まで聞いてあげたって……」
「聞いたところで返事は変わらないわよ」
「お母さん……どう……して?」
思わず上げたかがみの言葉を、今度はおばさんが遮った。

74:ナハト
10/09/13 00:20:47 Y3SPeBcv0
「どうしたもこうしたもないだろう。第一、同性同士が付き合うなんて事自体、馬鹿げている!」
「ちょっ!父さん!」
「まつりは黙っていなさい。これは私達二人とつかさ達二人の問題だ」
「……わかったよ……」
おじさんの一言で、まつりさんは黙ってしまった。

なんで……?これっておじさんとおばさん、それと私達だけの問題なの?
いのりさんは?「応援するよ」って言ってくれたかがみとまつりさんは?

……みんな……蚊帳の外、なの……?

「外野が何を言おうと関係ない。つかさとの交際は認めない。わかったね」
「ちょ、ちょっと待ってよ!お父さん!!」
大声を上げたのは、それまでずっと黙っていたつかさだった。
「なんで!なんで私達の話を最後まで聞いてくれないの!?」
「つかさの言う通りです。おじさん、どうして私達の考えすら聞いていただけないのですか?」
「ふむ、それもそうだな。じゃぁ、最後まで聞こうじゃないか。……ただし!聞いたところで考えは変わらないがな!」
「そんな……お父さん……なんで……」
涙声になったつかさの手を、そっとにぎりしめた。
「なんでも何も、さっき言ったじゃないか。こんな馬鹿げた事を認める親がどこにいる!?君の父親はどうなんだね、認めているのか!?」
「……いえ……認めたとしても、柊家の皆さんに認めてもらえるような事があれば。そう言っていました」
「成る程。あの人は小説家だから無理を承知でそんな条件を出したんだろうな」
そんな……おとーさんはわざとそんな事を言ったの?
「……さて、これでわかっただろう。お前達の味方は、ここには誰一人として居ないって事を」
「わ……私は二人の味方よ!!」
「かがみ……」
「お姉ちゃん……」
こんな状況なのに……それでも、味方でいてくれるの……?
「ほぉ、かがみは二人の味方か……。だが、残念だったな。それでも一人だけだ、他に味方は居ないぞ。……そうだよな!いのり!まつり!」
その言葉に、いのりさんは複雑な表情で頷き、まつりさんは「私は部外者なんだろ!」と言って部屋を出ていってしまった。
「こら!まつり!!……全く、後でしっかりと言っておかなければ……。とにかく、そういう事だ!わかったらさっさと帰ってくれ!もうこの家に用は無いだろう!」
「で、でも……お父さん……」
「つかさちゃんはこっちにいらっしゃい。かがみちゃん、こなたちゃんを玄関まで送ってあげて」
「母さん、そんな事しなくても良いだろう」
「お父さん、お客様はきちんとおもてなししなくてはいけないでしょう?さ、かがみちゃん、お願いね」
「……はい。こなた……」
「うん……それでは、失礼致します。……お騒がせして、申し訳ありませんでした。……つかさ、また明日、学校でね」
「うん……また明日……ね」
部屋を出る時に、おじさんの呟きが聞こえた。
「学校……か……」

玄関へ向かい、靴を履き、外に出た。
「こなた……あんまり気を落とさないでね」
「あ~、うん。まぁ、いきなり言って認めて貰えるなんて、レアモノをゲットする確率位思ってなかったからね~」
「……相変わらず、わかり辛い例えだな……」
「それに……学校で会うことは出来るから……次は、認めて貰えるように頑張るよ……」
「……そっか。こなた、私も応援するから、あんたも頑張んなさいよ」
「もっちのロンだよ~かがみんや~」
「全く……」
でもね、かがみ。かがみが『味方だ』って言ってくれたから、もう少し頑張ろうって思えたんだよ……。

「かがみ!!大事な話がある!そんなところで話し込んでないで、さっさと戻ってきなさい!!!」
「ありゃ、今日のお父さんはかなりご機嫌ななめだなぁ~」
「じゃぁ……かがみ、また明日ね。早く戻らないと今度はかがみに迷惑がかかっちゃうよ」
「迷惑ねぇ……。ま、私はたいしたこと無いと思ってるんだけどね。でもまぁ、これ以上機嫌が悪くならないうちに戻りますか。じゃぁね、こなた」
「ばいばーい!」

75:ナハト
10/09/13 00:21:10 Y3SPeBcv0



「ただいま~」
柊家で気力を使い果たした私は、這うようにして自宅へと戻った。
「お姉ちゃんお帰りなさ~い。……大丈夫?」
「まぁ……何とか。あれ?おとーさんは?」
「打ち合わせだって。さっき出てったよ」
そっか……じゃぁ、『報告』は夜かな……。
「……本当に大丈夫?なんだか顔色も良くないよ?」
「そんなに?」
「うん。ちょっと横になってた方が良いんじゃないかなぁ~」
うーん、そうなのか~。
「じゃぁ、お言葉に甘えてそうしてるよ。晩御飯の時間になったら起こしてね」
「うん……。晩御飯、チキンカレーなんだけど……別のにする?」
「おぉ!ゆーちゃん特製チキンカレー!そんな、別メニューだなんて殺生な!?食べるに決まってるよ~!」
「ふふっ、じゃぁ出来たら呼ぶから、それまで休んでてね」
「ほーい」



「ふぅ……」
部屋に入り、一息ついて、ベッドに倒れ込んだ。
仰向けになり、天井をボーッと眺めていると、さっきまでの事が次々と浮かんでくる。
「やっぱり……難しいなぁ……」
反対される事は、多少予想していた。
でも……。
「あそこまで完全に否定されるってのは……結構……キツイなぁ……」
晩御飯を食べて、ゆーちゃんがお風呂に入ったら、おとーさんにちゃんと『報告』しないとね……。それに、おじさんが言ったあの言葉、それも確かめなきゃ……。
全部済んだらつかさにメールで報告しておこうかな。明日会う前に教えた方が安心すると思うし。
「でも……気になるなぁ……」
おじさんが最後に言ったあの『言葉』。
あれって一体……。



「それじゃ、おじさん、お姉ちゃん、お休みなさーい」
「お休み」
「ゆーちゃんお休み~」

耳を澄ませて、ゆーちゃんが自分の部屋に入った事を確認する。
流石にこんな話を聞かせる訳にはいかないからね……よし、大丈夫。
「おとーさん、……ダメだったよ」
「ま、そうだろうな」
「……おとーさん、つかさのお父さんが『無理を承知でそんな条件を出したんだろうな』って言ってたけど……、もしかして本当にそうなの?」
「ほぉ……流石、神職に就いているだけあるな、そこまで読まれているとは思わなかったぞ」
「じゃぁ、本当に……」
「あぁ、そうだ。第一、お前達の関係が世間一般から遥かに掛け離れている事ぐらい、火を見るより明らかだろう」
そりゃぁ、そうなんだけどさ……。
思わず口を衝いて出そうになる言葉を、慌てて飲み込んだ。こんな事、今この場で言ったら、どうなるかわかったもんじゃない。
「ま、これに懲りて学生の本分に……勉学に集中するんだな。……つかさちゃんの事は、素直に諦めろ」
……ちょっと、今のは、頭にきたよ!
……でも、我慢我慢。今は下手に波風立てないほうが良い。
「諦めろって、そう簡単に諦められる訳無いじゃん。学校で毎日会ってるんだよ」
「あぁ……そうだな、毎日会ってるよな」
「だからね……」

76:ナハト
10/09/13 00:22:02 Y3SPeBcv0
そこまで言って、コーヒーを飲み干し立ち上がる。
「私は、諦めないから。おとーさん達に認めてもらえるまでずっと」
「ほぉ、そうか。……まぁ、足掻くだけ足掻いてみろ」
「言われなくてもそうするよ。おやすみなさい」
そう言い残して居間を出ると、後ろからおとーさんの呟きが聞こえた。
「学校……ねぇ……」
……おじさんに続いておとーさんまで……。一体何なのかなぁ。



「お、つかさかな?」
部屋に戻ると、携帯のランプが点滅していた。時計を見ると時刻はそろそろ十時半、どちらかが眠たくなるまでの『まったりメールタイム』だ。
「どれどれ……ほえ?かがみから?……珍しいなぁ~。なんだろ?」
メールを開くと、かがみらしくない事務的な文章でこう書いてあった。


こなたへ
急な用事が入ったから、明日の朝はちょっと遅れる。先に行ってて


「ふーん……『了解しますた。じゃぁ、つかさを頼んだよ~』っと……送信ボタンをポチッとな」
用事ねぇ……、つかさに聞いてみるかな?


件名
かがみからメールもらったよ~
本文
んもぉ~、かがみにメールさせるなんて……水臭いなぁ~
ところでさ、わざわざ用事なんて書くって事は、何かあったの?
まぁ、言いにくい事なら答えなくてももーまんたいだけどね~


「送信……っと。さて、返事が来るまでネトゲでもしてますかねぇ~」



「……遅い、いくらなんでも遅すぎる」
メールを送信してから約三十分。お風呂に入ってたりして遅れる事はたまにあるけど……。
「まさかもう寝ちゃってた!?」
どんなに遅れてもせいぜい十五分、これだけの時間が経っても返事が来ないって事は、その可能性がとても高い。
「まぁ、今日は色々と大変だったからねぇ~。ん~!私も早目に寝ようかな~。あ、寝る前にメール送っとこ~」


件名
もう寝ちゃったかな?
本文
これを見るのは朝かな?ってことは
(ノ°Д°)おはよう~!!

でも私は今から寝るです
(.-ω-)ノおやすみ~


……明日の『作戦会議』、頑張らないとね……。


Prologue End

77:ナハト
10/09/13 00:26:49 Y3SPeBcv0
以上です

本来ならこの次に書きためていた物を……と思っていたんですけど
上手く繋がらないんでもう一話、繋げる為の話しを入れてからメインに入る予定です

んで、今回のプロローグを読んで「これってここ向きじゃ無いんじゃね」と思われる方がいらっしゃいましたら
遠慮無く書き込みお願い致します

ではでは、次は約1週間後にお逢いしましょ~

ノシ

78:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/13 21:10:22 +g6EE3Pk0
こなたが一人っ子というところがネックなんです
つかこなの未来的にシリアスになってしまうので足踏みしてるワタシ

79:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/14 22:50:26 IIZMDhgI0
圧縮きてた落ちなくてよかった

80:ナハト
10/09/15 01:01:18 hSpm9F06O
えーっと……
ネタバレになるんですけど、一応泉家は大丈夫です
……とだけ書いておきましょうw

81:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/15 22:52:38 IIVCppTi0


82:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/16 00:30:35 OchE+T1FO
「うぅ……喉渇いたなぁ……何か飲み物はっと……」
「ジュースなら有るよ」
「ぬぉわぁっ!!つ、つかさ、驚かさないでよ!!」
「あ、ごめんね~。で、何ジュースが飲みたい?」
「あ、えっと、オレンジジュースで」
「手搾りと機械搾りとあるけど、どっちが良い?」
「あー、じゃぁ手搾りで」
「はーい。……んしょ……んしょ……」
「あ、あの……、何をしているのかな?」
「えぇー、手搾り、だよー、んしょ……」
「そうなんだ……つかさ……せめてスクイーザ使おうよ……」
「……んしょ……んしょ……」

83:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/17 00:57:24 VR2O3aX/0
こなちゃん生搾り

84:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/17 21:55:24 yOzuYqko0
つかさの手の汗が味ってマイルドになりそう

85:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/17 21:55:58 Ab8SQxQ9O
「ありがとつかさ……って私達未成年じゃーん!」
「……あ、そうだったね~」

86:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/18 10:49:44 gS1OxbfQO
☆ゅ

87:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/19 11:14:45 gXMVWpzv0
ちょっとすっぱいこなちゃん

88:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/20 13:31:32 4vU7iN5z0
「ドロ液ニカワget…おぉ金塊が出たーこりゃんまぃ!テーテッテレー」
「こなちゃん、ずっと同じ姿勢でいたら身体に悪いよぉ」
「えー毎日こんなんだからだいじょーぶー」
「あ、そういえば姿勢が悪いと背が縮むって聞いたことあるよ」
「…あ、あんですとー?」
「整体屋さんで身体の骨をボキボキしてもらったら身長少しは伸びるかも…」
「行って参る!」

「つかさぁー身長伸びたよー!」
「うわああこなちゃんひょあああ!!」

「…っていう夢を見て…怖かったよこなちゃぁん…ひぐっ…」
「ンー喜んでいいの?悲しんでいいの?こなたわかんなぁい」

89:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/21 22:02:47 uW/fPY9U0
「背が伸びても貧乳こなちゃん」
「つかさ何気にひどいよ」

90:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/22 07:22:42 02/LB/kuO
「ん~、やっぱこなちゃんは今のままが良いかな?」
「え゛っ!?……それは身長的に?それとも……胸のサイズ的に?」
「どっちもだよ~」
「どっちもっすか」
「うん。だってね……」
ムギュ
「後ろから抱き着くと、私の体にスポッと収まるし~」
プチプチ……ムニムニ
「ほら……私の手の平にピッタリ……でしょ?」
「……もぉ……朝からエッチなんだから……遅刻しても……知らないよ……」

91:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/23 00:52:01 n0oHWnLx0
「こなちゃんはちっちゃい分だけ神経が集まってるんだね(ぺろ)」
「ひゃう、ちっちゃいっていわないで」

92:ナハト
10/09/23 11:30:19 HMwhDjvs0
どもども、約1週間後とか書いておきながら1週間以上経ってからの投下です

タイトルは

 dear -Section1 「掘り返された苗木」

です
本文6スレ使いますねー

93:ナハト
10/09/23 11:30:45 HMwhDjvs0
 dear -Section1 「掘り返された苗木」

「おっはー、みゆきさん」
「あ、泉さん。おはようございます。……あら?つかささんは?御一緒ではないのですか?」
「うん、昨日かがみからメールがきてさ、『用事があるから先に行ってて』って」
するとみゆきさんは不思議そうな顔をした。
「えっ……。ですが、先程お見掛けしましたよ」
「ほえっ!?どこで?」
「丁度職員室に入るところだったので、後ろ姿なのですが……あの髪形はかがみさん以外いらっしゃいませんので、間違いはないかと」
「じゃぁ、あのメールは一体……?よし!」
私は気合いを入れて立ち上がった。
「あ、どちらへ?」
「隣のクラス行って、かがみに直接きいてくる!」



んーと……、居ないなぁ~。
「おーっすちびっこ!どったの?」
「あ、みさきち……峰岸さんも、おは~」
「おはよう、泉ちゃん。柊ちゃんに用事?」
「うん……ちょっと聞きたい事があってね……」
「柊なら、職員室に行ったきりだよ」
「そっか……じゃぁ、また後で聞きに来るよ」
「そうね、そろそろHRの時間だし……じゃぁ、また後でね」
「またな~」
「じゃ~ね~」
……むぅ、空振りか。それにしても……なんでつかさが居ないんだろう……。



「よっしゃー!HR始めるでー。みんなさっさと席につきー」
HRが始まっても、つかさは来なかった。……本当に、どうしたんだろ……。
「えーっと、最初に残念なお知らせがある。柊が暫くの間『休学』することになった」
ふーん……えっ!!!
先生の一言で、クラスは騒然となった。
「ほら、騒がない!」
今、『休学』って言ったよね……。じゃぁ、メールの『用事』ってその事?つかさに何かあったの!?
「せんせー!つかさ……柊さんは何で休学するんですかー?」
「うーん、それがなぁ~、センセも知らされて無いんや……。『一身上の都合で休学する』って、まるで会社にでも提出するような理由しか書いとらんかったからなぁ。……泉は心当たりあるんか?」
「いえ……全く……」
「そかー。んじゃ、何かわかったらセンセに教えてくれな~。ウチの方でも何かわかったら教えるさかい」
「わかりました、お願いします」
「ほんじゃ、次の話なんやけど、今日の午後に……」
HRの最中、私はずっとつかさの事を考えていた。
つかさ……一体何があったの……?



「おーっす!こなた、みゆき」
「いよぉ~、弁当食べようぜ~」
「今日もよろしくね」
「おぉ~!待ってたよぉ~」
「さぁ、皆さん食べましょう」
四時限目が終わって昼食の時間、今日は私達のクラスで食べる日だ。……本当なら、つかさもここにいるはずなのにね……。
「やったー!ミートボールだ!いっただっきまーす!!」
「みさきちは本当にミートボールが好きだねぇ~」
「そーゆーアンタは……珍しくお弁当なのね」
「うん、今日は何故か早起きしちゃってね~。だからゆーちゃんと一緒に作ったのだよ~」
「泉ちゃんのお弁当って、久しぶりに見たかも」
「そんなぁ~、峰岸さ~ん」

94:ナハト
10/09/23 11:31:01 HMwhDjvs0
「彩りよく詰められてますね、どれを作られたのですか?」
「卵焼きと、野菜の肉巻きフライだよ~」

『こなちゃんのお弁当って、いつ見ても美味しそうだよね~』
……!!

「泉ちゃん、どうしたの?」
「あ、ううん、何でもないよ~。ちょっと味付け濃かったかなぁ~って思っただけ」
「……泉さん、嘘はダメですよ……つかささんの事を考えていたんですね」
「みゆきさん……何でわかったの……?」
「それは……まぁ、一応ですけど、ここにいる皆さんの中では一番長く泉さんを見ていますし……」
そっか……。そうだよね、一年生の時からつかさと三人ずっと一緒だったもんね……。
「ところでかがみさん、なんでつかささんは『休学』されたのですか?」
「おぉ!それ!私も気になってたんだよ!柊ってば理由を全然話してくれないんだもん」
「私も気になるわ。なんで妹ちゃんは『休学』してるの?」
矢継ぎ早な質問に、かがみは押し殺した声で答えた。
「……ごめん……今は、ちょっと……。放課後、屋上に来てもらえるかな。その時、話すから」
その声に、みんな黙って頷いた。
「さ、お弁当食べちゃいましょ。あんまりのんびりしてると午後の授業始まっちゃうわよ」
「あ、そ、そうね」
「みゅー……午後一って英語かぁ~」
「みさきち~、寝ちゃダメだよ」
「あら、それは泉さんも同じですよ」
「み、みゆきさぁ~ん」
『アハハハハハ……』

放課後か……ってことは、他の人がいるここでは話せない理由なのかな……。



「おまたへ~」
「ちびっこ~、遅いぞ~」
「みさちゃん、仕方が無いじゃない。職員室に呼び出されてたんだから……」
「峰岸さん……なんかその言い方だと、私が物凄く『イタイ子』に聞こえるんだけど……」
「それで……黒井先生には何と言われたのですか?HRの時の感じですと、つかささんの事についてだとは思うのですが」
「うん、でも朝と変わらないよ。何かあったら教えてくれってだけで。てか『イタイ子』スルーっすか……」

「さて、みんな揃ったわね……」
その言葉に振り向くと、かがみが立っていた。
「うぉっ!いつの間に!?」
「扉の横に居ただけよ……で、つかさの事なんだけど……やっぱり、知りたい?」
「当たり前だろー」
「うん」
「はい、是非」
「こなた……覚悟は出来てる?」
「覚悟?」
「そう……アンタにとってはかなり辛い話になるけど……それでも……良い?」
辛い話……それってやっぱり昨日の事なのかな……聞きたくないって気持ちはあるけど……でも!
「うん……聞きたい……な」
すると、かがみは「わかった」と言って静かに話しはじめた。



昨日ね、こなたが家に来て両親に『恋人宣言』をしたのよ。もちろんつかさも一緒だったわ
だけどね、認められなかったの。『同性同士が付き合うなんて事自体、馬鹿げている』って
でね、こなたが帰った後に家族会議をしたのよ……一方的にお父さんが自分勝手な論理を振り撒いていたってだけなんだけどね……
暫くそれを聞いていたら、急にチャイムが鳴ったの
それで私が玄関に行ったら、おじさん……こなたのお父さんが居たの
……どうやらお父さんが呼んだらしいんだけどね……
おじさんはやって来るなり居間に入ってお父さんに土下座してたわ

95:ナハト
10/09/23 11:31:25 HMwhDjvs0
でもね、お父さんは特に責めたりしなかったの……
悪いのはつかさとこなただからって
……その後、お父さん達は部屋を変えて何か相談をしていたわ
どうやら「いかに二人を会わせないようにするか」って事だったみたい
暫く……って言っても多分五分くらいじゃないかなぁ、部屋から出てきたお父さんはこう宣言したの……。



「……『二人の為に、つかさを暫く休学させる』って……」

……ふーん、成る程ねぇ~。だからあんな事を……。
「お?ちびっこ、あんまり驚かないんだなぁ」
「おまぁねー。何と無く予想は出来てたし」
「予想?泉ちゃん、どんな予想をしていたの?」
「ん?どんなって……おとーさんとおじさんが『ぐる』だって事」
「えぇっ!そうなんですか!?」
「うん……。昨日ね、つかさの家を出るときにおじさんが『学校……か……』って呟いてたんだ。夜、おとーさんと話した時も、私が居間を出る時に『学校……ねぇ……』って言っててさ……」
「それでピンときたって訳か。流石というか……相変わらず鋭いわねぇ」
「うんにゃ、かがみが昼に『放課後に話すから』って言ったでしょ。それでだよ」
全く……やってくれるよねぇ~。そこまでして私達を引き離したいのかねぇ。

……でもね、ハードルが高ければ高い程私は本気を出すって事を、忘れてもらっちゃ困るよ……。

「こなた、どうしたの?」
「ん?あぁ、何でもないよー。あ、そうだ。かがみ、これをつかさに渡してもらえる?」
そう言ってポケットから一通の手紙を取り出しかがみに差し出した。
「手紙……?」
「うん。……多分、私の事も心配しているとおもうから……」
「そっか……わかった。渡しておく」
「ありがとね~」
つかさ……私は大丈夫だから、手紙読んで元気出してね……。

「でもさー」
手紙をかがみに渡した所で、不意にみさきちが口を開いた。
「柊、大丈夫なのか?もしその手紙が見つかったら……」
「大丈夫よ、別につかさだって常に見張られてる訳じゃないし。……携帯は取り上げられたけどね……」
「柊ちゃん……本当に大丈夫なの……?」
「もぉ~、日下部も峰岸も心配性だなぁ~。誰も居ない所でコソッと渡せば大丈夫だって」
「そうか~?なら良いけどさ……」
「無茶、しないでね……」
みさきちと峰岸さんが心配するのもわかる。もしこれが見つかったら……。
「ほらほら、こなたもそんな顔しないの。私が大丈夫だって言ってるんだから、心配無用よ」
「うん……でも、別に今日じゃなくても良いからね。渡せそうな時で良いから……」
「わかった。無茶はしないように気をつける。……ところでさ、この手紙って……いつ頃書いたの?まさか昨日の夜って事は無いだろうし……」
「ん?おとーさん達の『企み』に気付いたから、午後の授業中に書いたの」
「泉さん、授業は……?」
「みゆきさん!かがみ!頼んだ!」
「……ちゃんと授業受けろよ、受験生」
苦笑いをするみゆきさん、呆れた顔で答えるかがみ、それをみて笑ってるみさきちと峰岸さん。
ここにつかさが居ないのが少し寂しいけど……。つかさ!待ってて!絶対おとーさん達に私達の事を認めさせるからね!!



「ただいまー。……あれ?ゆーちゃんは?」
家に帰り、居間に入るとそこにはおとーさんしか居なかった。
「おかえり、こなた。ゆーちゃんなら部屋で休んでるぞ、体調が優れないらしい」
「ふーん……そーいや体育の授業で走ってたなぁ~。頑張り過ぎたのかな?」
後で様子見てあげないとね。晩御飯のメニューも決まってないし。
「所で……こなたは俺に何か言いたい事、若しくは聞きたい事があるんじゃないのか?」
「ほぇっ!?別に無いけど……」

96:ナハト
10/09/23 11:31:58 HMwhDjvs0
「別に無いって……こなた、今日学校で何かあっただろう?」
「……あぁ、つかさが『休学』するって先生が言ってた。理由はわからないって言ってたけどね。……もしかして、その事?てゆーか、それだったら何でおとーさんが知ってるのかな?」
私は口の端を吊り上げてニヤリと笑いながらそう答えた。「全く……その様子じゃかがみちゃんから全部聞いているんだろう?」
「そりゃあもっちのロンだよ~。全部じゃないけどね」
「……聞かないのか?俺と柊さん夫婦の間で何を話したのかって」
「……聞いて何かが変わるんだったら聞くけど……少なくとも、私のとっての『良い情報』が得られないのは百も承知だからねぇ」
「まぁ、そうだな……こなたにとって有益な事は全く無いな」
「じゃぁ、やっぱり聞く必要無いじゃん」
「でも、気になるだろ?」
「そりゃあ……気になるけどさ……。てか何?おとーさんはそれを聞いてもらいたいの?」
「あ、いや、そんなつもりは全く無いぞ。ただ……あ、いや、何でもない」
私が不機嫌そうな顔でおとーさんを見ると、急に黙ってしまった。
「じゃぁ私、ゆーちゃんの様子見てくるからね。晩御飯決めなきゃならないし」
「あ、あぁ、そうだな。じゃぁ、頼んだぞ」
「ほーい」
私は返事を一つ返して居間を出た。
全く……おとーさんの『語りたい病』も大概にしてもらいたいよ……。



晩御飯の時にはゆーちゃんも体調を回復させていた。
だから、いつものようにみんなで一緒に晩御飯を食べた。
そして、いつものようにお風呂に入って、いつものようにお風呂上がりの牛乳を飲んで、いつものようにオヤスミを言って、自分の部屋に戻って……。
「だけど……今日から当分、つかさとメールは出来ないんだよね……」

つかさと恋人になってから、ほぼ毎日していたメール。
内容は本当に他愛もない事ばかりだったんだけど……。

「いざ『出来ない』ってわかると……結構辛いな……」
ベッドに倒れ込みながら、そんな事を呟いてみる。そうすれば少しは気が紛れるかな……なんて思ったんだけど、ダメだった。

余計に……淋しさが……増すだけだった……。



♪~
ベッドでボーッとしていると、不意に携帯が鳴った。
「この着メロは……かがみからだ!」
手紙を渡す事が出来たのかな?つかさの様子はどうなのかな?
はやる気持ちを抑えて、通話ボタンを押した。
「もしも~し?どったのかがみ~」
『……』
「あれ?もーしもぉーし!」
『……ごめん……』
「ん?何が?」
『……明日からは……会えないから……』
「へっ!?」
『……こなた……ごめんね……』
「ちょ、ちょっと!一体どーゆー事なの!?」
私がそう叫ぶと、急に電話の向こうが慌ただしくなった。
『……いいから私に貸しなさい!……あーもしもし、かがみとつかさの父だが』
「あ……はい」
『二度とあんな手紙の受け渡しをさせない為に、明日からかがみも休学させる事にした』
「えっ……」
『お前が余計な事をしなければ、何も問題は無かったんだがな』
「私の……せいで?」
『そうだ、ではもう話すことはないから切るぞ……っとそうだ。二人の携帯は明日解約するので、連絡を取ることは出来なくなる事を伝えておこう』
プツッ……ツー、ツー……

……そんな……かがみまで……手紙を託しただけなのに……どう……して……?

97:ナハト
10/09/23 11:32:14 HMwhDjvs0



朝、ゆーちゃんを先に行かせて、おとーさんに昨夜の事を話すと、一言「そうか」とだけ言って私を送り出した。
いつもより少し遅い電車に乗り、いつもより少し遅いバスに乗る。
いつもの席に座ると、いつものように車内が陵桜の生徒で賑わってきた。
いつもと同じように他愛のないお喋りが聞こえる『いつもの通学風景』……。

先週末までは、ここにつかさとかがみも居たのに……。

全部……私の……せい……なの……?



「おはようございます、泉さん」
「あ……みゆきさん……おはよ……」
「……大丈夫ですか?随分と気落ちしている感じですが……」
「ん……?まぁ、ちょっとね……」
「そうですか……。あ、そうだ。先程日下部さんと峰岸さんがいらっしゃって、泉さんを探していましたよ。えっと……『ちびっこに用事があるから、放課後屋上に来いって伝えてくれ』って言ってました」
「みゆきさん……別に言ったそのままを伝えなくてもいいから……。ところでさ、その時のみさきちと峰岸さんの様子、どんな感じだった?」
「どんなと言われると……えっと、何となくですけど、切羽詰まる感じでした。……それが何か?」
「あ、いや。大した事じゃないんだけどね。ありがと」
その様子だと……既にかがみから連絡が行ってるんだろうな……。放課後……か。あ、そうだ。
「みゆきさん。みゆきさんも放課後一緒に来ない?屋上に」
「えっ?私もですか?……今日は得に用事が無いはずなので、ご一緒する事は可能ですが……でもどうしてですか?」
「ん……。多分、みゆきさんも一緒の方が、良いと思って……ね」
私の言い方で、みゆきさんも何かを感じたようだ。
「……成る程、わかりました。では、放課後に私もご一緒させていただきますね。あ、HRが始まりますね。では、詳細は放課後に」
「うん。放課後に全部わかると思うよ」
さてさて、取り敢えず今日の授業をちゃんと受けないとね~。



「みさきち、峰岸さん、お待たせ」
「お二人共、お待たせしてしまい、申し訳ありません」
「ん?高良も一緒なのか?」
「うん……多分、一緒の方が良いと思って、私が誘った」
「そうね……高良ちゃんだけのけ者にする訳にはいかないものね」
「……で、勿論用件はわかっているよな」
「うん、かがみの事、だよね」
私は努めて静かに答えた。でもそれはみさきちの感情を逆なでするだけだった。
「あぁそうだよ!ちびっこがあんな事しなけりゃ……!」

あんな事……か。そうだよね……余計な事、しちゃったな……。

「みさきち、峰岸さん、みゆきさん、ごめんなさい……私が余計な事をしたから……」
私がそう言うと、みゆきさんが首を傾げながらこう言った。
「えっと、すみません。詳しい話を聞いていないので大まかな事しか推測出来ないのですが……昨日の『手紙』の件で、かがみさんに何か良くない事があったのですか?」
「……そっか、高良ちゃんにはまだちゃんと言っていないのね」
「うん、ここで話した方が良いと思ったから……」
「まぁ、そうだな……」
私一人だと『自分寄り』になりそうだからね……。

「昨日、私とあやのの携帯にかがみから電話がかかってきたんだ」
「落ち込んだ声で、『明日から休学する』って言ってきたの。理由を聞いたら『手紙を渡す時にヘマをした』って言ってたわ」
「最後に『ごめんね』って言って電話を一方的に切ったんだ。……その後はいくらかけても繋がらなかった」
「……多分、私の所に最後の電話をかけていたからだと思う」
「その時、かがみさんは何と?」
「明日からは会えないから、ごめんねって。……その後、おじさんが割り込んできて二人の携帯を解約するって言ってた……」
「……解……約……?」

98:ナハト
10/09/23 11:32:51 HMwhDjvs0
「おじさんが……言ってたの……?」
私が無言で頷くと、皆黙り込んでしまった。

いつもなら、ここにつかさとかがみが居て、みんなで他愛のない事を喋って、笑ったり、ふざけたり、そんな事をしていたのに……。

「全部……私の……せい……だよね……」
「決まってるだろ!!全部ちびっこのせいだよ!!あんな事しなけりゃ、柊だって……」
「ちょっと待って下さい!私達は昨日かがみさんに『無茶はしないように』と伝えて、かがみさんも『無茶をしないように気をつける』と言っていたじゃありませんか!」

ありがとう、みゆきさん。……でもね、いくらそう言っても、原因を作ったのは私だから……。

「みゆきさん……もう良いんだよ……みさきち、峰岸さん、ごめんね……」
「謝ったって元には戻らないんだ!!……もぉ……もぉ二度と私達に近付くなよ!!絶交だ!!!……あやの!行くよ!!」
「ちょ、ちょっと、みさちゃん……。そういう訳だから……泉ちゃん、ごめんね」
涙を浮かべたみさきちと峰岸さんは、そう言い残して扉の向こうに消えた。

……絶交……か。そう言われても、仕方ない……よね。

「……みゆきさんは?」
「はい!?」
二人を見て呆気にとられていたみゆきさんは、私の突然の問い掛けに慌てて振り向いた。
「みゆきさんは……いいの?二人の後に続かなくても……」
「……何故、続かなくてはいけないのですか?」
「だって……私のせいで……」
するとため息を一息ついて、こう言った。
「泉さん……私と泉さんの関係は、そんなにも希薄な物なんですか?」
え……?でも……。
「でも……みゆきさんがつかさやかがみと会えなくなる原因を作ったのは……私なんだよ」
「確かに……その一因を担ってはいますが、全てが泉さんの責任ではありません。手紙を渡し損ねたかがみさん、それに昨日、この場所で手紙を託す事を止めなかった峰岸さんや日下部さん、それに私も同じです」
「みゆきさん……」
「ほら……そんな顔をしないで下さい。……私は、いつでも泉さんの味方ですよ」
「うん……ありがと……。よし!少し元気出た!」
「その調子ですよ。カラ元気でも元気と言ってる人も居ますから」
「みゆきさん……それ何処で仕入れた知識……?」
「えっ?お父さんが持っているCDですけど……」
「あ……そうなんだ……まぁ、丁度はまる世代だからねぇ……」
はぁ……偉大なり!山本正之!!

「それで……泉さんは今後どうなさいますか?」
「うーん……取り敢えず考えるよ」
「考える?何をですか?」
「そりゃあ勿論、つかさとかがみの『奪還計画』だよ!」
「『奪還計画』、ですか……」
「うん!私は諦めないよ!絶対に何か方法が有るはずだから!!」
「……では、その『計画』を実行する時には必ず手伝わせて下さいね」
「モッチのロンだよっ!」

……待っててね!つかさ!!……かがみもね♪



『屋上での一件』から十日程経った昼休み。
私はその間ずっと考えていた『奪還計画』を実行するために、みゆきさんにあるお願いをする事にした。

「ねぇねぇ、みゆきさん」
「何ですか?泉さん」
「あのね……」

Section1 「掘り返された苗木」 End

99:ナハト
10/09/23 11:35:13 HMwhDjvs0
以上です

ここから先は書きためていた物を手直ししつつ順次投下しますんで
1週間後には続きを投下できると思います

ではでは ノシ

100:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/23 18:36:21 KF/pwYZi0
待ってるぜ!

101:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/24 23:31:37 pvHRd7W40


102:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/25 07:21:32 1kgDVWzaO


103:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/26 01:54:08 KOaFltj70


104:1-724
10/09/26 20:46:04 KOaFltj70
103レスまでのミニネタとナハト氏のSSを保管しました


保管庫(非常時には避難連絡所になりますのでスレ住民はURL保存推奨)
URLリンク(www8.atwiki.jp)
保管庫避難連絡ページ
URLリンク(www8.atwiki.jp)


なお呼びかけましたとおり当スレ分からミニネハは、作者別をスレミニネタに統合します

ナハト氏へ
作中かがみの携帯シーンなどの、文頭の「*」はwikiの構文で小見出しとして表示されますので全角スペースを入れて回避しています。

105:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/27 18:32:05 Puz8J/TqO
>>104
1-724氏
保管お疲れ様です
*の件、了解しました

ふむ……次からは気をつけないといけませんなぁ
メモメモ……゛φ(ロ_ロ)

106:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/27 20:28:41 Puz8J/TqO
連投になってしまうが……


このスレ、結構やう゛ぁい位地に居ますなぁ~

むぅ……落ちるのだけは勘弁してほしいなぁ

107:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/27 20:44:16 4IMnr/cF0
ナハト氏

この板は勢いでなく最後に書き込んでから経過時間の長い順で落ちるから
URLリンク(eriko.s201.xrea.com) で確認して
スレ数が750近くになったら書き込めば大丈夫

今のところボーダーラインは24時間以上経過のようですが
新番組が始まったらスレ乱立とかがおこるので注意

108:ナハト
10/09/27 23:41:45 48Cz7qF90
>>107
(・o・)ゞ了解であります!

成る程……板によって違うんですなぁ~

109:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/28 06:13:30 9QhsKyWIO
☆ゅ

110:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/28 13:01:48 4ck4ub1h0
補足
750近くというのは立っている総スレ数ね
750に達したら700に圧縮される
その瞬間にこのスレが700番までならセーフ
701以下ならアウトでdat落ち

111:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/28 20:01:28 9QhsKyWIO
って事は、今デッドラインギリギリって事!?

o(><)oヒィィィィ-

112:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/28 20:37:03 4ck4ub1h0
あ、そうか携帯からじゃ圧縮チェッカー見れないですか
URLリンク(eriko.s201.xrea.com)

いまのところは24時間放置で600位くらいですね~
スレ数は書き込みが1001達したスレが順次落ちてるので736に減りました
でも30分で110位まで下がってるので板の流れは少し速めみたいですね

新番組始まったらスレ立てあらしとか全く予想が立たないですけれど

113:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/28 22:32:26 sTOYf41B0
PCから確認しますた
成る程……でも来週あたりは気をつけなくちゃいけないんですね
了解です("`д´)ゞ

114:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/29 03:22:22 h9KbThPI0
どうしてもベッドの上では
つかさにかなわないこなた

115:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/30 02:27:19 RhP+652F0
611/744

116:名無しさん@お腹いっぱい。
10/09/30 02:30:41 Yt505CSv0
【らき☆すた】こなた×みゆき 5【こなゆき】
スレリンク(cchara板)

117:ナハト
10/09/30 09:12:12 6wF00cWW0
どもども、木曜ですので約束通りに投下します
タイトルは

dear -Section2 「拾われた苗木」

です

本文5レス程使いますね~


118:ナハト
10/09/30 09:12:45 6wF00cWW0
「すみません、峰岸さん……少々お話したい事が有るのですが、よろしいでしょうか?」
放課後、委員会の用事で残っていた私は、同じく残っていた峰岸さんに声をかけました。
「あ……ええ、大丈夫よ。……人が少ない所で話したほうが良い話し……かしら?」
……やはり警戒していますね……。
「そうですね……、なるべくなら他の人には聞かれたくない話しですから……」
「じゃぁ、場所を移動しましょうか」
「あ、あの……日下部さんにもお話したいのですが……」
「みさちゃんにも……?わかったわ、多分もう少しで部活が終わるから……、その後、何処かで話せば大丈夫でしょ?」
「はい、それで問題ありません」
「じゃぁ、みさちゃんを迎えに行きましょう」
そう言うと、峰岸さんは警戒を解かずに早足で昇降口へと向かっいました。

大丈夫、きっと二人はこの計画を理解してくれるはずです……。

dear -Section2 「拾われた苗木」

ここは、通学路の途中にある公園。夏が近く日が長いとは言え、流石に5時近くにもなると人影もまばらですね。

「で、あたしとあやのに何の話しが有るっての?」
日下部さんは、多少苛々した声で話し掛けてきました。
仕方の無い事です、私が『お二人に』話しが有ると言うことは、間違いなく『泉さんとつかささん』に関係の有る話しですから。
「はい……、お二人はもう気付いていらっしゃると思いますが、泉さんとつかささんについてのお話しです」
「……やっぱりちびっこと妹の事か……」
「で、どんな話しなの?」
「昼休みに、泉さんから頼まれた事なんですが……」
峰岸さんに問い掛けられ、私は泉さんから持ち掛けられた『計画』を話しはじめました……。



ねぇねぇ、みゆきさん。
―なんですか、泉さん。
あのね……。お願いがあるんだけど……、あやのさんとみさきちに『かがみとの連絡』が出来る様に……頼んで貰えない、かな?
―……でも、それなら泉さんが直接……
……あの二人は私に対して物凄い嫌悪感を持っているから……。
―そうでしたね……わかりました。ですが、それだけではお二人は納得されないと思います。泉さんはかがみさんと連絡を取った後、一体どのようなお話をされるのですか?
……言わなきゃ……駄目……かなぁ……。
―はい。
……そっか……、うん、わかった。そうだよね、頼んでいるんだから、何を話すかちゃんと言わないとね。
―では……お聞かせ頂けますか?
うん……、実はね……。



「「駆け落ちぃっっ!!!」」
「……はい、泉さんはそうおっしゃっていました」
流石に、お二人共驚かれていますね……、仕方がありません。私ですら一瞬耳を疑った位ですから。
「で、でもさぁ~、なんでちびっこはいきなり『駆け落ち』なんて言い出したんだ~?」
「私もそう思ったので、即座に理由を聞きました」



―『駆け落ち』を選択すると言うことは、かなりのご覚悟が有ると思われるのですが、その理由は一体何ですが?ご無理で無ければお聞かせ願いたいのですが……。
理由……ね……、『おとーさんとつかさの両親が許せない』って事かな……、それと『私達の覚悟を知ってほしい』ってのも有るから……、その二つだね。



「『許せない』って……ちびっこはそんなに怒っていたのか……」
「『覚悟を知ってほしい』って、一歩間違えば『取り返しのつかない事』も厭わなかったって事……?」

119:ナハト
10/09/30 09:13:11 6wF00cWW0

私は黙って頷いた。
「でも、でもさ~、ちびっこと親父さんはすんげー仲良かったんだろ~、何でそんなに怒るかなぁ~?」
「泉さんは、こうもおっしゃっていました」



私やつかさに対して何らかの罰を下すのなら、まだ許せる。
だけど、かがみを休学させて、みさきちや峰岸さん、それにみゆきさんまで苦しめた。
それだけは、絶対に、許せない。



そこまで話して、私は息を一つつきました。
お二人は涙ぐんでいました、かがみさんが強制的に休学させられてから、お二人はずっと泉さんに冷たく当たっていました。
それなのに、泉さんは『二人を苦しめた事』に対する怒りを露わにしていました。
「ごめんよぉ~……ちびっこぉ~」
「泉ちゃん……今までずっと誤解してた……ごめんなさい……」
お二人は泉さんに対する謝罪の言葉を述べていました……ですが……。
「それは、お二人が直接、泉さんに伝えるのが良いのではありませんか?」
その方が、きちんと気持ちを伝えられますからね……。
「お話の場は、私が設けさせていただきます」
「そんな……悪いわよ。自分達がしてきた事だもの、自分達できちんとけじめをつけなくちゃ」
「いえ……泉さんにこう言われているので」



みゆきさん、もし二人のオッケーがもらえたら、みゆきさんの家で作戦会議を開きたいんだ。良いかな?
―ええ、構いませんよ。
ありがとう。あ、でもね、もしどちらかがノーって言ったら、この計画は全て無かったことにするからね。
―何故、ですか?
ん……、私はね、出来ればこの計画は『おとーさんとつかさの両親』以外全員の賛成がほしいんだ。
でも、実際にはそんなこと無理だから、せめて『かがみ、みゆきさん、みさきち、峰岸さん、いのりさん、まつりさん』
そしてもちろん『つかさ』
この人達だけでも賛成してくれたら、私は計画を実行しようと思う。
―裏を返せば、一人でも反対する人がいたら……。



「この計画はパーって事か、流石ちびっこらしいと言うか何と言うか……」
「では、お二人はこの計画に、賛成して下さいますか?」
「ええ!」「もっちろん!!」
「……ありがとうございます!!」
私は深く頭を下げ、謝辞を述べました。
泉さん……貴方のお気持ちは、きちんと伝わりましたよ……。
「では、今後の事について……」
私達はお互いの連絡先や住所等を交換して、それぞれの家路につきました。



翌日の放課後。
高良家の門前には、インターホンを押す小さな影が一つあった。
『どちらさまですか~?』
「あ、こんにちは~、泉です~」
『あら~、こなたちゃ~ん、どうぞ~』

いつものように門を開け、玄関に向かう。そしていつものようにノブに手を掛けようとした瞬間!
「ぬぉうっ!!!!!」

120:ナハト
10/09/30 09:14:59 6wF00cWW0
「あ~、ピッタリだったわぁ~」
ほぼ同時に、驚愕した声とのんびりした声が、高良家の玄関に響き渡った。
「び……びっくりしたぁ~、……こ、こんにちは、ゆかりさん……」
「うふふっ、びっくりした顔も可愛いわぁ~。……次はどんな顔を見せて貰えるかなぁ~」
悪戯っ子の様な顔をこなたに近づけながら、そんなことを口走るゆかり。
流石のこなたも動揺を隠せ無いようだ。
「や、ややややぁぁぁぁ、可愛いだなんて、いや、その、あの、えと……」
「オドオドしているこなたちゃんも、かぁ~わいぃ」
ゆかりはこなたのおでこを、指で『ツン』とつついた。こなたは顔だけでなく全身を真っ赤にさせ、俯いて恥ずかしさに耐えていた。
「お母様……それくらいにして頂けませんか?先程からみんなで待っているのですが……」
その声にこなたが顔を上げると、そこには親友であるみゆきの顔があった。
「や……やふぅ~……みゆきさん……」
「あらあら、そういえばそうだったわねぇ~。さ、こなたちゃんどうぞ」
「泉さん、こんにちは。お二人がお待ちですよ」
その言葉に、こなたはやや暗い顔をして俯いた。
「うん……わかった……、お邪魔します……」
みゆきの後について、二人はみゆきの部屋へと向かった。

その後ろ姿を、ゆかりは心配そうな表情で見つめていた。
―こなたちゃん……大丈夫かしら?。



私の部屋へ向かう間、泉さんは一言も口にせず、黙って私の後ろを歩いていました。
過度の緊張、なのでしょうか、いつもより明らかに歩みが遅くなっています。
「泉さん、中でお二人がお待ちです」
私が扉の前でそう言うと、泉さんは一瞬戸惑った顔を見せましたが、すぐに緊張した顔に戻りました。
「……ドアを開いても、構いませんか?」
「うん……、お願い」

「泉さんがいらっしゃいました」
私は扉を開け、努めて平静を装った声を出しました。
「あ……お、おっす……」
「こ……こんに……ちは」
「や、やふぅ~……みさきち……と……峰岸さん」
「……では、泉さん。こちらにお座り下さいませ」
私が促すと、泉さんは表情を全く変えずにクッションの上に座り込みました。
さて……ここからが正念場ですね……。



―カチコチカチコチ……

時計の音だけが、室内に響きます。
泉さんをお部屋に案内してからもう少しで十分が経ちます。
ですが……私達の間には、全く会話が有りません。異様な緊張感の中、三人共俯いたままの姿勢で固まっています。

話し掛けたい、という雰囲気は十分に伝わっているのですけどね……。

『ふぅ』と私は心の中で溜息を一つつきました。
そういえば、泉さんは『真面目な話しをする』ということが物凄く苦手でしたね……。
いつもならば、此処にかがみさんがいらっしゃって、泉さんのフォローをされるのでしょうが……。

では、本日は私がその役を努めさせていただきましょう……。

「泉さん」
静まり返った部屋に、私の声が響きました。
三人が顔を上げて私を見ます。
「……そういえば、泉さんのお飲みものを忘れていましたね。申し訳ありません、今からお持ち致しますね……」

121:ナハト
10/09/30 09:15:37 6wF00cWW0
私は軽く頭を下げ、部屋を出ようと立ち上がりました。

もし、予想が間違っていなければ、ここで……
「み、みゆきさん!の、飲み物は……後で……良いから……そ、そこに……座っていて……貰える……かな」
ふふっ、予想通りです……。
私には『常に周囲を観察してしまう』という悪癖が有ります、これを嫌悪することが度々有るのですが……。今回は役に立ちましたね……。

「あ、あの……」
私が座り直すと、泉さんが口を開きました。そして座ったままクッションから体をずらし、床に頭を押し付けました。
「……みさきち!峰岸さん!みゆきさん!ごめんなさい!!」
泉さんはそのまま言葉を続けます。
「私が、つかさと恋人同士にならなければ、今まで通りかがみと楽しく過ごせていたのに、それを私の我が儘で奪ってしまって……。本当に、ごめんなさい!!!」
お二人は……いえ、私も含めた三人は、何も言えずに泉さんを見つめていました。
峰岸さんと日下部さんは、困惑の表情を浮かべています。
そして……、恐らく私も。

泉さんがお二人に対して謝辞を述べられるのは、泉さんの性格からすれば『当然である』と思っていました。
ですが……何故私にも?これは完全に『予想外』の出来事でした。
私は……泉さんに何かしらの『不安』を与えていたのでしょうか……。

泉さんはそのままの姿勢で「ごめんなさい……ごめんなさい」と、涙声でつぶやいています。
すると、日下部さんと峰岸さんが立ち上がり、泉さんの前に座りました。
「ちびっこ……こっちこそ、ごめん!!」
「泉ちゃん……、私こそ、ごめんなさい!!」
お二人揃って、泉さんと同じ様に頭を床に押し付けました。
「ちびっこは、何も悪くないのに、私は自分勝手な気持ちで冷たく当たってた!」
「私だってそう、何であんな酷いことを言っちゃったんだろう……、本当にごめんなさい!」
お二人共、泣いていました。
「本当は、こんな事を言えるはず無いんだけど……ちびっこ、許してくれ!」
「私も、どんなことだってするから、許して下さい!」
泉さんは静かに顔を上げ、じっと二人を見ました。
「みさきち、峰岸さん、……それは私の台詞だよ……、私こそ、二人に迷惑をかけた事、許して下さい!!」
そして再び頭を下げました。

……又、沈黙が訪れました。
三人共頭を床につけたまま微動だにしません。
「……皆さん、そろそろ宜しいのではないのですか?」
私がそう言うと、三人は顔を上げました。
「『許す』とか『許さない』のではなく、泉さんも峰岸さんも日下部さんも、お互いに『謝った』……それだけで充分では有りませんか?」
そう声をかけても、三人は納得していない様子です。

困りましたね……では、先程の様に……。
「こなたも、日下部も、峰岸も、みんな謝ったんだから、これでこの話しは終わりにしなさいよ!」
「「「!!!」」」
ふふふっ、結構、似ていましたか?

「み、みゆきさん……。んもぉ~、なんでかがみの真似なんかするかなぁ~」
「ビックリしたぁ~、柊がいるのかと思っちまった……」
「た、高良ちゃん……今のって、やっぱり……柊ちゃんだったの……?」
流石に三人共驚かれたようですね……ふふっ。
「そうですよ……自信は……結構有ったんですけれど、……似ていましたか?」
その問いに、三人共無言で首を縦に何度も振りました。
「いやぁ~、ホントに柊そっくりだったよ~」
「高良ちゃんって、そんな特技が有ったのね……なんか以外だなぁ~」
「いやぁ~、私も長いことみゆきさんを見ているけれど、こんなみゆきさんは初めて見たよ~」
そう言った皆さんの顔に、笑顔が戻りました。
良かった……これで本題に移ることが出来そうです。
「ん、でも、本当にごめんな、ちびっこ」

122:ナハト
10/09/30 09:16:12 6wF00cWW0
「良いって~、こっちこそ、ごめんね」
「良いのよ……泉ちゃん。私達、この間高良さんから聞いて、その時からずっと、泉ちゃんに悪いと思っていたんだから……」
そう言い合って、三人でクスクスと笑い出しました。
「……さて、皆さん。そろそろ本題に移りましょうか。」
その瞬間、先程とは違う緊張感が漂いました。
「で……、あたしらは何をどうすれば良いんだ?」
「『柊ちゃんと連絡を取る』だけなら、明日出来るけれど……」
「……確か、つかさとかがみには二人が定期的にプリントを届けているんだよね」
「ええ、そうだけど……」
学校の方針で、休学している生徒には可能な限り、授業内容をプリントにして渡すという制度があります。
どのような理由付けで申請しているのか解りませんが、お二人は現在『休学』という扱いになっています。
「今、二人はどんな状態なの?常に親が見張っているの?」
「ん~、妹に関してはそんな感じだなぁ~。柊はそうでもないけど」
「おばさんとお姉さん二人が、ローテーションで見ている感じよ。携帯の番号も変えられたって言ってたわ」
「あと、妹は部屋を変えられて……ってゆーか、昼間はその日の担当と一緒に居間で、夜は両親と同じ部屋で寝ているって言ってたな~」
……つかささん、随分と制限を受けられているのですね……。
「そっか……、つかさは私のせいで、随分と酷い目に会わされているんだ……」
泉さんの顔色が変わりました。
私にも、良く解ります。いくら『泉さんと引き離す為』とは言え、これはやり過ぎです。

「じゃぁさ……、明日、かがみにこの手紙を渡してくれないかな?」
そう言って、一通の手紙を取り出しました。
「これを渡せば良いのね?」
泉さんは静かに頷きます。
「一体、なんて書いてあるんだ?」
日下部さんの問いに、泉さんは静かに答えました。
「みさきち、ごめん……それは、言えないんだ」
「えー、なんでだよぉ~」
「二人を信用していない訳じゃ無いんだよ」
「じゃぁ、どうして?」
「この中に書いてある事……それをかがみが実行してくれるかどうかが肝心なんだ」
「では……、かがみさんが実行して、それを確認出来たら……」
泉さんは私達を真っ直ぐに見つめて言いました。
「うん、その時には、ちゃんと話すよ。約束する」
「そうですか……わかりました。ではその時に、お願い致します」
「ちゃんと教えてくれよな、ちびっこ」
「泉さん、お願いね……」
「うん……それじゃぁ……『指切り』しよ!」
そう言うと、泉さんは私達の目の前で小指を立てました。
「『指切り』……ですか?」
「そう、だって『約束』って言ったら、これでしょ~」
「ははは、ちびっこっぽいや~」
日下部さんが指を絡めます。
「そういえば、定番よね~」
峰岸さんも指を絡めました。
「うふふ、嘘をついたら『針千本』ですよ、泉さん」
四人の小指が絡まりました。
「「「「ゆーびきーりげーんまーん、うーそつーいたーらはーりせーんぼーんのぉーます!」」」」

みんなで顔を見合わせて……。

「「「「ゆーびきったっっっっ!!!!!」」」」


Section2 「拾われた苗木」 End

123:ナハト
10/09/30 09:19:31 6wF00cWW0
以上です
あぅ……一つ間違い見つけてもーた

>>119の1行目なんですが

× 私は黙って頷いた。
○ 私は黙って頷きました。

です~。……チェックしたつもりなんだけどなぁ……

ではでは、来週の木曜日に~  ノシ

124:1-724
10/09/30 23:22:34 RhP+652F0
ここまでを保管しました

保管庫(非常時には避難連絡所になりますのでスレ住民はURL保存推奨)
URLリンク(www8.atwiki.jp)
保管庫避難連絡ページ
URLリンク(www8.atwiki.jp)

125:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/01 19:18:33 sSfTXlqIO
>>124
保管乙です!
おまけに修正までしていただいて……
感謝、感謝です _(._.)_

126:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/02 13:01:43 9SvyNuDrO


127:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/03 00:55:51 nbbTwDTz0
つかさの「ひゃん」は想像できるが
こなたの「ひゃん」は想像できない

128:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/03 21:33:06 +iqQXzG50
>>123
交際認めない事自体は、同性愛の茨の道に進ませたくない
親心もあるだろうし分かるけど
3年の大事な時期に学校に行かせないで軟禁はさすがにやばいな。
このスレでは新鮮な内容のSSでけに目が離せん。

129:ナハト
10/10/04 18:56:23 glb27SIbO
フライパンでにホットケーキを焼いているつかさ
そのすぐ後ろにはこなたがお皿を持って何かを待ち構えている。
「こなちゃん!いくよ!」
「オッケー!!」
フライパンを両手でしっかり持ち、中腰になるつかさ。
「せーの!ほっ!!!」
反動をつけて振り上げたフライパンから、ホットケーキがクルクルと回転しながら後ろへと舞い上がる。
こなたはそれを見ながら慌てて落下点へとお皿を滑り込ませた。
「うわうわうわうわ!シュッっと……」
「こなちゃん!やったね!!」
「ふふーん。私の運動神経をナメちゃいけませんぜ」
こなたが持つお皿には美味しそうに焼けたホットケーキが鎮座していた。
「さ、食べようか」
「うん!」


保守ついでに一ネタ

130:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/05 12:35:56 bX8aNN3FO


131:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/05 21:47:32 Zuxvb5rh0
つかさの点心爛漫な中華

132:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/06 14:17:20 MylZ6iQSO


133:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/06 21:05:06 v9WyaWLl0
嘘もつかさが云えば他愛ない内容だから可愛い

134:ナハト
10/10/07 23:11:10 gSc+PdAD0
それでは本日も投下致します
タイトルは

dear -Section3 「鉢に植えられた苗木」

です

今回も本文5レス使いまする~

135:ナハト
10/10/07 23:11:32 gSc+PdAD0
ピーンポーン
……日下部達、来たわね。

『こんにちは……』
『二人共、いらっしゃ~い』
『まつりさん、妹、こんちは~』
『まつりさん、妹ちゃん、お邪魔します』

あらっ?今日の担当はいのり姉さんじゃなかったっけ?
『あれっ?ローテーションだと今日はいのりさんですよね?』
『あ~うん、そうなんだけどさ~、何か急に決まった会議に出なきゃいけないんだって~』
『そうなんですか~、大変ですね~』

ふ~ん、そうなんだ~。
ま、私達にしてみれば『好都合』だけどね。

『あ、おじさんこんにちは~』
『お邪魔しています~』
『やぁ、いらっしゃい。『勉強会』かい?かがみも部屋で待っているよ』

……やっぱり父さんは家に居るのか……。

dear -Section3 「鉢に植えられた苗木」

トントン
『かがみ~、開けるよ~』
「はーい、どうぞー」

「おーっす、日下部に峰岸」
「ちゃーっす、柊~」
「こんにちは、柊ちゃん」
「お姉ちゃん……お邪魔します……」

……今日はまつり姉さんと一緒だから、昨日よりは元気そうね……。

部屋の定位置(私は机、つかさ&峰岸&日下部はテーブル、姉さんはベッド)に皆が座った所で、いつもの『勉強会』が始まった。

「はい、峰岸」
私は前回のプリントを渡した。
「ありがとう、じゃぁこれが次の」
新しいプリントを受け取る。
「今回は丁寧に書いておいたぜ~、柊~」
日下部がノートを差し出す。
「サンキュー、日下部。」
それを受け取り、自分のノートに書き写す。
「妹ちゃん、はいどうぞ」
「峰岸さん……ありがとうございます」
つかさは峰岸からノートを受け取り、自分のそれに書き写す。

そう、これは決して『勉強会』などではなく、その名を借りただけの『受け渡し&書き写し』である……。



あの日、つかさが父さんに『休学』を命じられた日、つかさは泣いていた。
それを見た私は、翌日学校でこなたにその事を話した。
それを聞いたこなたは、つかさを慰めようとして、私に手紙を託した。
それを私は、密かにつかさに渡した。
つかさは、それを読んでとても嬉しそうで……でも哀しそうで……複雑な表情を浮かべていた。
私は……そんなつかさを……黙って……静かに見つめていた。

136:ナハト
10/10/07 23:11:59 gSc+PdAD0

―良かった……。

そう、思っていた。

でも、そう上手くはいかなかった。
安心していたから、気付くのに遅れてしまった。
気がついたら、母さんがつかさから手紙を奪い、父さんがそれを破いて捨てていた。
そして……私の右頬に鋭い痛みが走った。
「あんな女との連絡係を務めるとは!!お前にも罰を与える!!暫く『休学』だ!!!」



……その事件があった日から、つかさには常に『介助』が就くようになった。
確かに、情緒不安定になったりするからあながち間違いではない。
だけど、どうみても

『監視』

だ。

ちなみに、『監視』の厳しさは母さんが一番で、次いでいのり姉さん、まつり姉さんの順に緩くなっていく。
元々まつり姉さんは二人の事を認めていたし、応援もしていた。
それに例の一件は姉さんの部屋の前で起こったため、その後こっそりと私達に「立場上、辛く当たる事になるけど、私は三人の味方だよ」と言ってくれた。
だから、父さんが居ない時の『勉強会』は結構楽しみだったりする。
……でも、残念ながら今日は『在宅』なんだよね……。

『監視』といえば、つかさ程では無いけれど、私にも『手伝い』という名目で、外出時には両親の二人もしくはどちらかが一緒に行く事になった。
母さんと一緒の時は、学校の話題以外で多少なりとも会話が弾むので、ある程度気が晴れる。

でも、父さんは別だ。

毎回必ず
「お前が『休学』しているのは、あの女が悪いからなんだぞ」
「あの女がつかさをたぶらかさなければ、こんな事にはならなかった」
「父さんは、二人の為を思ってこの措置を取ったんだ」
「『復学』しても、あの女とは二度と会うな」
と言ってくる。
明らかに『こなたに対する嫌悪感』を植え付ける為の『会話』。
立場上「解った」とは答えるが、常に『はらわたが煮え繰り返る』状態だ。

だから、私は『決心』した。

―二人が幸せになるのなら、私が出来る事は何でもする。例え、それが『自らの崩壊』を招いても―



部屋の中で、ペンを走らせる音だけが響く。
空気がとても重い。
窓から、爽やかな風が流れ込んで来る。
だがしかし、それを以ってしてもこの空気を軽くすることは出来なかった。
……あぁ、もう!
思わず叫びそうになるのを、何とか抑えた。
もし、今大声を上げたら、即座に父さんがやって来る。
そして、現在の状況を更に悪化させる。
それだけは、避けなくてはならない。
空気が重い、静かすぎる、叫びたい、叫べない……。
貯まってゆくフラストレーション。
この精神状態は、持っても後数分だろう。

137:ナハト
10/10/07 23:12:23 gSc+PdAD0

「まつりお姉ちゃん」
不意につかさが口を開いた。
「な~に?つかさ」
「トイレ……行きたい」
「そっか、んじゃ、行こうか」
そう言って、つかさを連れて部屋を出た。

再び静まり返る室内。
私は書き写しを再開し……ようとしたら、突然目の前に紙が置かれた。

[黙って、じっとしていて]

その紙にはこんな文章が印刷されていた。
横を見上げると、いつの間にか峰岸が立っていた。
よく見ると、まだ数枚の紙を手に持っている。

[絶対に声を出しちゃダメよ]

先程の紙を仕舞い、新しい紙を置いた。
何をするんだろう……?取り敢えず、頷いておく。

[泉ちゃんから、手紙を預かっているの]

「!!」
私は慌てて口を両手で塞いだ。
手紙?預かる?でも二人は私の事で、こなたと仲違いしていたはず……、それもかなり険悪な状態だったはずだ。
それなのに、どうして?
混乱している私の目の前に、一通の封筒が置かれた。
飾り気も何も無い、真っ白な封筒だ。

[この中に入っているから、私達が帰って一人になったら読んで]

その紙を見て、思わず峰岸に問いただそうとした。

何で?
今見たらいけないの?
どうして私への手紙なの?
いつ預かったの?
何が書いて有るの?

でも、峰岸は済まなそうな顔をして、余白にこう書いた。
[ごめんね柊ちゃん]

[何て書いてあるのかは知らされていないの]

あ……そっか……、知っている訳無いよね……。
こなたの事だから、みゆき経由で峰岸に頼み込んで、これを届けてもらったのだろう。
……あれ?
一つの疑問が、私の中に浮かんできた。
もしそうならば、この『手紙』の事を日下部が知らないはずが無い。
じゃぁ、何でこの『手紙』は無事なの?

今回の『事件』の後、最初に『勉強会』をした時。
原因となった人物であるこなたに、日下部は激しい怒りの感情を顕わにしていた。
あの時の感情を思い返すと、これがここに有るなんて事は、決して有り得ない。

私が難しい顔をして手紙を見つめていると、それを見た峰岸が首を傾げたので、今度は私が書き込んだ。

138:ナハト
10/10/07 23:12:50 gSc+PdAD0

[二人共 こなたと ケンカ してなかったっけ ?]

すると、峰岸は微笑みながら紙を取り出し目の前に置いた。
そこには、

[私も、みさちゃんも、泉ちゃんと、ちゃぁ~んと仲直りしたよ!!]

と書いてあった。

……峰岸……と、日下部……が、こなた……と、仲……直り、した?
思わず紙を手に取り、峰岸に向かってその部分を指で指した。「ほんとに?」と
声を出さずに尋ねると、微笑みながら頷いた。
振り返って日下部にも同様に聞いてみた、すると満面の笑みで左手の親指をグッと起てた。

ホントに……本当に……仲直り……できた……んだ……。
目頭が熱くなる。
視界が歪む。
泣いてはいけない。
泣いて……は、いけ……ない……の……に……。

「我慢しなくて良いんだよ、柊ちゃんは悪くないんだから」

耳……もとで……そんな……こ……ヒック……こと……ささや……ヒック……くなん……てっ……ヒック……は……グスッ……はん……そ……ヒック……く……グスッ……よっ……ウウッ。

「今はさ、この部屋にあたしらしか居ないんだから、好きなだけ泣いておきな」

ヒック……あ……ヒック……あた……ま……グスッ……なで……ヒック……る……な……グスッ……なん……て……ヒック……よけ……よけい……グスッ……なみ……だが……ヒック……と……グスッ……とまら……ない……ウウッ……じゃ……グスッ……ない……のっ……ヒック



「落ち着いた?」
峰岸が聞いてきた。
「ん……」
私は静かに頷く。
時間にしたら一分程度だろうか、峰岸に頭を抱えられた私は、何とか平常心を取り戻した。
本当は、大声を上げて泣きたかったけれど、それをすると確実に父さんが来るから、それだけは何とか耐えた。
「二人共……ごめんね……ありがとう」
「別に構わないって、柊だって辛いんだしさ」
「みさちゃんの言う通りよ。それに、私達の仲じゃない」

うぅっ……そ……そんな……こと……いわれ……たら……って、ダメダメダメダメ!!!
ここは耐えろ、耐えるんだ、私。

「ただいま~……おっ?何かあったの?」
姉さんとつかさが戻ってきた。
「ん?特に何もないけど」
良かった……二人が戻ってくる前に落ち着いて……。
「そっか、んじゃまぁいいや。……所でかがみ~、そろそろ終わりそう?」
「あ、ちょっと待って、あとページ半分だから」
そういや、そろそろ二人が帰る時間だわ、急いで写さないと……。



「日下部、峰岸、今日もありがと。じゃ、また明後日よろしくね」
「んじゃ、柊~、また明後日なぁ~」
「柊ちゃん、またね」
そう言って、二人は部屋を出て行った。
つかさとまつり姉さんが追いかける。

139:ナハト
10/10/07 23:13:30 gSc+PdAD0

『おや、もう帰るのかい?』
『はい、おじさん。お邪魔しました~』
『それでは、失礼します』
『お二人共……今日も……ありがとうございました』
『みさおちゃん、あやのちゃん、またね~』

扉の閉まる音が聞こえる。
親が居る時、私には見送る『権利』が無い。
……別に、それくらいは良いじゃない……。
これも『こなたに対する嫌悪感』を植え付ける為なんだろう。

―でもね、父さん、母さん。
あなたたちは、本当に『娘達』の事を理解しているの?
少なくとも、私とまつり姉さんはその『計略』全てを『お見通し』なんだよ―



「じゃぁ、まつり姉さん。ノート渡しておくから、つかさの事よろしくね」
そう言って、姉さんに私が書き写したノートを渡した。
「ん、頑張ってみる。無理だったら……今日はアンタに手助けしてもらえないか……」
私は「父さんが居るからね」の一言を飲み込んで、小さく「ごめんね」と言った。
「別に、アンタが気にする事じゃ無いって。それに、ほら、あたしも少しはつかさに『姉』っぽい所を見せないとね~」
姉さんは「じゃ~ね~」と手を振って部屋を出た。

扉が閉まるのを見送って、ベッドに倒れ込んだ。

……ウッ……グスッ……
顔を枕に埋めて、声を押し殺して泣いた。
ここ最近は何時もそうだ。
二人が帰って、つかさと引き離されて、一人になって、寂しさが一気に込み上げて来る。

……ウウッ……グスッ……エグゥ……
何で、私は独りにされなきゃならないの?
『監視』が居れば、つかさと一緒に居たって良いじゃない?

……ヒグゥ……グスッ……エグッ……
私が何をしたって言うの?
つかさとこなたが付き合うのは、そんなにも『人の道を外れた』事なの?

……グスッ……ウウッ……ヒック……
わからない……わからないよ……。
なんでなのか、ぜんぜんわからないよ……。

……グスッ……ウウゥッ……エグッ……ウウッ……ヒック……ウグッ……
だれか……おしえて……よ……



Section3 「鉢に植えられた苗木」 End

140:ナハト
10/10/07 23:28:04 gSc+PdAD0
以上です

ではまた来週木曜日に


……そろそろタイトルのネタが尽きそうなんですけどねw


追記:
現在書き終えているのがSection8迄です。
……一応10~11で終わる予定です。

一応ですけどw

141:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/08 03:33:05 9+6kDrDl0
747捕手

142:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/08 16:06:36 GltSYl4H0
乙!
ヒヤヒヤしながら待ってるぜ

143:1-724
10/10/09 01:24:04 rK0ctm5I0
ここまでのSSとミニネタを保管しました

保管庫(非常時には避難連絡所になりますのでスレ住民はURL保存推奨)
URLリンク(www8.atwiki.jp)
保管庫避難連絡ページ
URLリンク(www8.atwiki.jp)

144:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/10 05:09:02 KNmJOn0cO
☆ゅ

145:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/11 20:02:09 nP9ZIrroO
ほらきたよ
しもやけおててに
ゆきんこが

読み人:つかさ

146:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/13 07:04:39 56Lz5qhRO
うにょん

147:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/14 05:05:04 KAgNRIND0
☆ゅ

148:ナハト
10/10/14 23:56:10 bWAL2xur0
仕事が長引いたために滑り込みセーフで何とか木曜日に投下w

タイトルは

dear -Section4 「水を与えられる苗木」

です

今回は本文7レスほど使いますね~


149:ナハト
10/10/14 23:56:37 bWAL2xur0
『……み』
『ほ……お……さい』
どこからか、声がする。
『……ん、でき……よ!』
ん~、疲れているんだから、寝かせてよぉ~。
「おらぁぁっっ!!さっさとおきろぉぉぉぉっっ!!!!」
「ぬおぅわぁぁぁ!!!」
驚いてベッドから跳び起きると、目の前にまつり姉さんの顔が有った。
「あ、ね、姉さん、おはよう」
「……どうみても、今は夜だと思うんだけど……。ま、いいや。ご飯食べて無いの、アンタだけだよ、早く来な」
えっ?もうそんな時間?
目覚まし時計を見ると、午後八時を僅かに過ぎた所。
……って事は、三時間近く寝ちゃっていたんだ。
あや~、久々にやっちゃったなぁ~。

dear -Section4 「水を与えられる苗木」

「ほら、さっさと顔を洗って来なさい」
「はぁ~い」
電気が灯っていないから気付かれなかったけれど、今の私はかなり酷い顔をしているはずだ。
何時もなら、こんな時間まで寝たりしないのに……。
はぁ……、さっきのが原因だよねぇ……やっぱり……。



「母さん、お帰りなさ~い」
「かがみちゃん……その挨拶はもう少し早く言ってほしかったわ」
食卓を見ると、私の晩御飯だけが残っていた。
父さんはお風呂に入っているらしく、居間ではまつり姉さんがつかさの相手をしている。
「いやぁ~、何か急に疲れが出ちゃったみたいでさ~、まつり姉さんに起こされるまで、全然気がつかなかったのよ~」
「全く、しょうがないわねぇ……。あんまり根を詰めないで適度に力を抜きなさい」
「!!」
後ろからいきなり声をかけられ、振り向くといのり姉さんが居た。
「あ……、姉さんお帰りなさい。うん、なるべく無理しないようにするわ……」
「そうそう、いのり、今日買い物行ったらね……」
私はお母さんといのり姉さんの話を聞きながら、晩御飯を食べた。

この二人は、私が父から受けた『罰』に対して、否定的な考えを持っている。
なので、父さんが一緒に居ない時は『学校に関する事以外』ではあるけれど、色々な話をしてくれる。
だから、私にとってこの時間が家庭内で唯一の『癒し』の時間になる。
……母さん、いのり姉さん、いつもありがとう……



普段よりは少し遅くに入ったお風呂から出て、今私は自分の部屋に居る。
ここからが、本当の『一人の時間』だ。

はぁ……何だか今日は疲れたな……。
折角の『一人の時間』だけど……今日は早寝しておくか……。
あれ?何だか忘れているような……あ、手紙……

先程渡された封筒から手紙を出し、内容に目を走らせる……。

えええぇぇぇぇっっっっ!!!

叫びそうになる口を、慌てて両手で塞いだ。

150:ナハト
10/10/14 23:57:02 bWAL2xur0

……これって……、えと……、どうしよう……。
確か明日は……母さんと父さんはつかさと一緒に、午後から氏子さんの所へ出掛ける予定よね……。
いのり姉さんは……今日出社させられたから、休みだってさっき言っていた……。
まつり姉さんは……夕方から飲み会に行くって言ってた……かな?
じゃ、じゃぁ、明日の午後、つかさ達が出た後に話しをすれば良いわね……。
う~ん……、なるべくなら早めに話をしたいけど、どうあがいてもそれが一番早いか……。
でも……どうやって切り出そう……。

どう頑張っても考えが上手く纏まらないから、机に手紙を仕舞って私は寝る事にした。

『決戦は金曜日』……ならぬ『木曜日』ね……。
……神様、どうか作戦が……上手く……いきます……ように……おね……がい……しま……す……



「父さん、母さん、つかさ、おはよう~」
「かがみ、おはよう」
「かがみちゃん、おはよう、良く眠れた?」
「お姉ちゃん……おはよう……」
「うん、母さん。夢見る間もなく朝だったわ~」
「へぇ~お姉ちゃん熟睡だったん」
「ゴホン!ゴホン!……かがみ、今日父さん達とつかさは午後に出掛けるから、勉強をしっかりやっておきなさい」
「……はい、父さん」

つかさと私の間で許される会話は『挨拶と事務的連絡』のみである。
まぁ……実際には『父の前限定』なんだけどね。
だからさっきみたいに、うっかり話しをすると即座に割り込まれ、中断させられる。

あ……なんか……心の中がイヤな感じ……さっさとご飯食べて午後に備えておくか……。



『じゃぁ行ってくるから、二人共かがみの事頼んだよ。』『は~い、りょーかい』
『父さん達も気をつけてね』

行った……か……

朝食を食べた後、午前中は自分の部屋で勉強をし、昼食の後も勉強……の振りをして『その時』を待っていた。

……出掛けてから十五分……そろそろ大丈夫かな……

わたしは、ノートの間に『手紙』を忍ばせ、姉さん達が待つ居間へと向かった。

「姉さん達、今日もお願いね」
「おっけーだよー」
「……」
「どうしたの?いのり姉さん」
「ん……、何時も思うんだけどね、まつり。私達ってかがみの『勉強の手伝い』に必要なのかしら?」
「姉さん……それは言わない約束だよ~」
「ま、まぁ、取り敢えず私勉強するから、一応見ててよ」そう言って、道具一式を座卓に広げ勉強を始めた。

「……かがみぃ~、なんかアタシらに話したい事あるんじゃない?」
「へっ?な、何の事?まつり姉さん」
「隠したって駄目だよ、あんた昨日アタシが呼びに行った時泣いてたでしょ?『勉強会』の時もそうだったし」
……ヤバ、ばれてる……

151:ナハト
10/10/14 23:57:28 bWAL2xur0
「そうなの?かがみ。何かあったの?」
「い、いや~、た、たいしたことないって~」
「かがみ、その態度でバレバレなんだけど」
……何時もと違って、まつり姉さん鋭いなぁ……。仕方ない、そろそろ切り出すか……
「あ、あのさ、姉さん達……これから話すこと、今いない『三人』には黙っていて……もらえる……かな……」
「アタシは別に構わないけど」
「私は……『内容』によるわね」
……そうだよね……普通はそう言うよね……
「でもそれって暗に『取り敢えず黙っておく』って答えているんじゃないの?姉さん」
「……だって、一応『監視役』なんだから……そう答えるしか無いじゃないの……まつり……」
あ、そうか……姉さん達も自分が『監視役』だって事わかっているんだ……って当たり前か……。
「ごめんね、ありがとう、いのり姉さん」
「んじゃ、その『話し』とやらは何なの?」
まつり姉さんに促されて、例の『手紙』を差し出した。

「これって……何時、誰から貰ったの?」
「昨日、姉さんとつかさがトイレに行った時、峰岸から」
「峰岸さんから……?それにしては余りにも素っ気ない封筒だけど……」
「取り敢えず、中身を見てみようよ、姉さん」

まつり姉さんが中から『手紙』を取り出して読み始めた……。

「なぁぁぁっっっ!!!」
「ど、どうしたの、まつり」
「どうもこうも……、姉さん見てよ」
「一体何なの……?あら、これって……こなたちゃんから?」
「……うん、そう……」
「姉さん、先を読んで」
「はいはい……、へっ?ええぇぇぇぇっっっ!!!!」
流石に二人共驚いたみたいだ。
まぁ、しょうがないよね、だってこんな事が書いて有るんだもん。



親愛なるかがみへ

この手紙をかがみが受け取っているって事は、私が峰岸さん&みさきちと仲直り出来たって事だね。
本当なら、ちゃんと会って話さなきゃいけないんだけど、それは無理だってわかっているから、手紙で伝えます。

今回の事で、かがみやつかさ、みゆきさんに峰岸とみさきち、色んな人に迷惑かけちゃったね。

ホント、ごめんなさい。

特にかがみにはいくら謝っても足りないくらい。
かがみのは完全にとばっちりだもんね・・・。

重ね重ね、ごめんなさい。

さて、本題に入るけど、今回わざわざこれを書いたのはちゃんと理由があるんだ。
率直に書くと

つかさと駆け落ちしたい

無茶な事を書いているのは承知しているよ。
でも、今回の事を解決するのに出来る限りの事を考えたら、これしか残らなかった。

152:ナハト
10/10/14 23:57:55 bWAL2xur0

そこで、かがみにお願いなんだけど、出来たらでいいんだけど、この計画を認めてほしいんだ。

残酷なお願いをしているのはわかってる。
でも、かがみには認めてもらいたいんだ。
いや、かがみだけじゃない、いのりさんにも、まつりさんにも認めてもらいたい。

でも、強制はしないよ、だって、かがみやお姉さん達の事を私が決めるわけにはいかないからね。

だから、もし、本当に、三人がこれを認めてくれるのなら、もう一枚の紙に書き込んで下さい。
その紙は、次の勉強会の時にこの手紙ごと峰岸さんに渡してください。

どちらを選んでも、文句を言ったりしないから、安心して。

それじゃ、またね。

泉こなた



「……で、二枚目には何て書いてあったの?」
「ここに入って無いってことは、かがみが持っているのかしら?」
私は無言で頷いて、二人の前に差し出した。
「こ、これって……」
まつり姉さんが目を見張った。
当然だろう、だってそこには……



「誓約書」

私は、柊つかさと泉こなたが駆け落ちする事を認めると共に、部外者へ口外しないことを誓います。



その下には記名欄が三つ並んでいた。
そして、既に私は記名を終えている。

「……で、どうする、姉さん。アタシは……書くよ」
「ちょっとまつり!」
「姉さんが何を言おうと関係ない。もとよりアタシは今回の事で父さん達に目茶苦茶腹立ててるんだ」
「まつり、良く考えて!つかさよ!?駆け落ちよ!?」
大声をあげるいのり姉さんに、まつり姉さんはゆっくりと静かに言った。

「だから、書くの」

まつり姉さんはそのまま話しを続けた。
「姉さん……つかさは今、幸せなのかな……」
「アタシはね、父さんが言っていた『結婚』や『出産』だけが女の『幸せ』って意味が良くわからないんだよ」
「ゼミの先生は、五十歳を過ぎているけど独身生活を満喫している」
「サークルのOGは、女の子二人だけど同棲生活している」
「……アタシの後輩は……病気で卵巣を全摘出している」
「だけどね、姉さん」
「みんな、とっても『幸せ』って顔をしているんだよ」
「そりゃ、今までに『辛い』って思った事はあるだろうし、今でもたまにそんな雰囲気を見せる事もあるよ」
「でもね、みんなそれを補ってなお余る位の『幸せ』を見せてくれるんだよ」

153:ナハト
10/10/14 23:58:13 bWAL2xur0
「ねぇ、姉さん」
「本当に『結婚』や『出産』だけが女の『幸せ』なのかな?」
「つかさにとって、本当の『幸せ』は、そこには無いと私は思うんだ」
「だから」
「私は、つかさに見つけて貰いたいんだ」
「自分だけの」
「本当の『幸せ』を」

……何も言えなかった、まさかまつり姉さんがそこまで考えているとは思ってもいなかった。
「かがみ……、ほら、ちゃんと拭きな」
まつり姉さんにハンドタオルを渡されて気がついた、悲しい訳ではないのに私は涙を流していた。
「……ま、そういった理由で、私は此処に名前を書く。姉さんは、自分の好きにすれば良いと思うよ」
「……」

まつり姉さんはいのり姉さんの前で名前を書き込んだ、ついでに『私は応援するよ!』のメッセージも添えていた。
「ねぇ、かがみ」
不意にいのり姉さんが声をかけてきた。
「こなたちゃんの性格を考えると……私の名前が無かったら……」
「計画を中止すると思うわ、確実に」
すると、いのり姉さんは口許に笑みを浮かべてこう言った。

「じゃぁ、仕方が無いわねぇ」

紙を手元に引き寄せる

「私一人のわがままで『可愛い』妹達とその友人を悲しませるなんて」

ペンを手に取る

「そんな趣味は無いからね~」

『柊いのり』
と書き込ん……だ。

……も、もう……限界……涙……ヒック……がま……ん……ヒック……で……き……
「かがみ」
……柔ら……グスッ……かい……いのり……姉さん……ヒック……私の……あた……ヒック……ま……グスッ……だっ……ウゥッ……こ……し……ヒック……
「心配だったのね……。大丈夫、私もまつりと一緒で、今回の事は腹にすえかねているからね……」
……グスッ……あり……がと……エグッ……ねえ……さ……グズッ……
「安心しなさい、私も『みんな』の見方よ」
ウッ……ウワァァァ……
「辛かったよね、苦しかったよね……でも、それも今日でおしまい」
ウウッ……エグゥ……
「そうだよ、アタシも、姉さんも、かがみの力になるからね。父さん達がいない時は何時でも甘えな~」
ウグゥ……ヒック……エグッ……ウゥッ……ヒック……
「わた……グズッ……わたし……こわ……ウウッ……かっ……エグッ……」
「今は何も言わないで、泣いていなさい……」
「そうだよ、これから暫く泣くヒマないんだからね……」
ヒック……ウウッ……グズッ……



いのり姉さんに抱きしめられ、まつり姉さんに背中を撫でられ、私は段々と気持ちを落ち着かせていった。

「……ありがと、もう大丈夫だよ……」
「そう?私としてはもう少し妹の成長を確かめたいんだけど」


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