10/10/14 23:57:02 bWAL2xur0
……これって……、えと……、どうしよう……。
確か明日は……母さんと父さんはつかさと一緒に、午後から氏子さんの所へ出掛ける予定よね……。
いのり姉さんは……今日出社させられたから、休みだってさっき言っていた……。
まつり姉さんは……夕方から飲み会に行くって言ってた……かな?
じゃ、じゃぁ、明日の午後、つかさ達が出た後に話しをすれば良いわね……。
う~ん……、なるべくなら早めに話をしたいけど、どうあがいてもそれが一番早いか……。
でも……どうやって切り出そう……。
どう頑張っても考えが上手く纏まらないから、机に手紙を仕舞って私は寝る事にした。
『決戦は金曜日』……ならぬ『木曜日』ね……。
……神様、どうか作戦が……上手く……いきます……ように……おね……がい……しま……す……
☆
「父さん、母さん、つかさ、おはよう~」
「かがみ、おはよう」
「かがみちゃん、おはよう、良く眠れた?」
「お姉ちゃん……おはよう……」
「うん、母さん。夢見る間もなく朝だったわ~」
「へぇ~お姉ちゃん熟睡だったん」
「ゴホン!ゴホン!……かがみ、今日父さん達とつかさは午後に出掛けるから、勉強をしっかりやっておきなさい」
「……はい、父さん」
つかさと私の間で許される会話は『挨拶と事務的連絡』のみである。
まぁ……実際には『父の前限定』なんだけどね。
だからさっきみたいに、うっかり話しをすると即座に割り込まれ、中断させられる。
あ……なんか……心の中がイヤな感じ……さっさとご飯食べて午後に備えておくか……。
☆
『じゃぁ行ってくるから、二人共かがみの事頼んだよ。』『は~い、りょーかい』
『父さん達も気をつけてね』
行った……か……
朝食を食べた後、午前中は自分の部屋で勉強をし、昼食の後も勉強……の振りをして『その時』を待っていた。
……出掛けてから十五分……そろそろ大丈夫かな……
わたしは、ノートの間に『手紙』を忍ばせ、姉さん達が待つ居間へと向かった。
「姉さん達、今日もお願いね」
「おっけーだよー」
「……」
「どうしたの?いのり姉さん」
「ん……、何時も思うんだけどね、まつり。私達ってかがみの『勉強の手伝い』に必要なのかしら?」
「姉さん……それは言わない約束だよ~」
「ま、まぁ、取り敢えず私勉強するから、一応見ててよ」そう言って、道具一式を座卓に広げ勉強を始めた。
「……かがみぃ~、なんかアタシらに話したい事あるんじゃない?」
「へっ?な、何の事?まつり姉さん」
「隠したって駄目だよ、あんた昨日アタシが呼びに行った時泣いてたでしょ?『勉強会』の時もそうだったし」
……ヤバ、ばれてる……
151:ナハト
10/10/14 23:57:28 bWAL2xur0
「そうなの?かがみ。何かあったの?」
「い、いや~、た、たいしたことないって~」
「かがみ、その態度でバレバレなんだけど」
……何時もと違って、まつり姉さん鋭いなぁ……。仕方ない、そろそろ切り出すか……
「あ、あのさ、姉さん達……これから話すこと、今いない『三人』には黙っていて……もらえる……かな……」
「アタシは別に構わないけど」
「私は……『内容』によるわね」
……そうだよね……普通はそう言うよね……
「でもそれって暗に『取り敢えず黙っておく』って答えているんじゃないの?姉さん」
「……だって、一応『監視役』なんだから……そう答えるしか無いじゃないの……まつり……」
あ、そうか……姉さん達も自分が『監視役』だって事わかっているんだ……って当たり前か……。
「ごめんね、ありがとう、いのり姉さん」
「んじゃ、その『話し』とやらは何なの?」
まつり姉さんに促されて、例の『手紙』を差し出した。
「これって……何時、誰から貰ったの?」
「昨日、姉さんとつかさがトイレに行った時、峰岸から」
「峰岸さんから……?それにしては余りにも素っ気ない封筒だけど……」
「取り敢えず、中身を見てみようよ、姉さん」
まつり姉さんが中から『手紙』を取り出して読み始めた……。
「なぁぁぁっっっ!!!」
「ど、どうしたの、まつり」
「どうもこうも……、姉さん見てよ」
「一体何なの……?あら、これって……こなたちゃんから?」
「……うん、そう……」
「姉さん、先を読んで」
「はいはい……、へっ?ええぇぇぇぇっっっ!!!!」
流石に二人共驚いたみたいだ。
まぁ、しょうがないよね、だってこんな事が書いて有るんだもん。
●
親愛なるかがみへ
この手紙をかがみが受け取っているって事は、私が峰岸さん&みさきちと仲直り出来たって事だね。
本当なら、ちゃんと会って話さなきゃいけないんだけど、それは無理だってわかっているから、手紙で伝えます。
今回の事で、かがみやつかさ、みゆきさんに峰岸とみさきち、色んな人に迷惑かけちゃったね。
ホント、ごめんなさい。
特にかがみにはいくら謝っても足りないくらい。
かがみのは完全にとばっちりだもんね・・・。
重ね重ね、ごめんなさい。
さて、本題に入るけど、今回わざわざこれを書いたのはちゃんと理由があるんだ。
率直に書くと
つかさと駆け落ちしたい
無茶な事を書いているのは承知しているよ。
でも、今回の事を解決するのに出来る限りの事を考えたら、これしか残らなかった。
152:ナハト
10/10/14 23:57:55 bWAL2xur0
そこで、かがみにお願いなんだけど、出来たらでいいんだけど、この計画を認めてほしいんだ。
残酷なお願いをしているのはわかってる。
でも、かがみには認めてもらいたいんだ。
いや、かがみだけじゃない、いのりさんにも、まつりさんにも認めてもらいたい。
でも、強制はしないよ、だって、かがみやお姉さん達の事を私が決めるわけにはいかないからね。
だから、もし、本当に、三人がこれを認めてくれるのなら、もう一枚の紙に書き込んで下さい。
その紙は、次の勉強会の時にこの手紙ごと峰岸さんに渡してください。
どちらを選んでも、文句を言ったりしないから、安心して。
それじゃ、またね。
泉こなた
●
「……で、二枚目には何て書いてあったの?」
「ここに入って無いってことは、かがみが持っているのかしら?」
私は無言で頷いて、二人の前に差し出した。
「こ、これって……」
まつり姉さんが目を見張った。
当然だろう、だってそこには……
●
「誓約書」
私は、柊つかさと泉こなたが駆け落ちする事を認めると共に、部外者へ口外しないことを誓います。
●
その下には記名欄が三つ並んでいた。
そして、既に私は記名を終えている。
「……で、どうする、姉さん。アタシは……書くよ」
「ちょっとまつり!」
「姉さんが何を言おうと関係ない。もとよりアタシは今回の事で父さん達に目茶苦茶腹立ててるんだ」
「まつり、良く考えて!つかさよ!?駆け落ちよ!?」
大声をあげるいのり姉さんに、まつり姉さんはゆっくりと静かに言った。
「だから、書くの」
まつり姉さんはそのまま話しを続けた。
「姉さん……つかさは今、幸せなのかな……」
「アタシはね、父さんが言っていた『結婚』や『出産』だけが女の『幸せ』って意味が良くわからないんだよ」
「ゼミの先生は、五十歳を過ぎているけど独身生活を満喫している」
「サークルのOGは、女の子二人だけど同棲生活している」
「……アタシの後輩は……病気で卵巣を全摘出している」
「だけどね、姉さん」
「みんな、とっても『幸せ』って顔をしているんだよ」
「そりゃ、今までに『辛い』って思った事はあるだろうし、今でもたまにそんな雰囲気を見せる事もあるよ」
「でもね、みんなそれを補ってなお余る位の『幸せ』を見せてくれるんだよ」
153:ナハト
10/10/14 23:58:13 bWAL2xur0
「ねぇ、姉さん」
「本当に『結婚』や『出産』だけが女の『幸せ』なのかな?」
「つかさにとって、本当の『幸せ』は、そこには無いと私は思うんだ」
「だから」
「私は、つかさに見つけて貰いたいんだ」
「自分だけの」
「本当の『幸せ』を」
……何も言えなかった、まさかまつり姉さんがそこまで考えているとは思ってもいなかった。
「かがみ……、ほら、ちゃんと拭きな」
まつり姉さんにハンドタオルを渡されて気がついた、悲しい訳ではないのに私は涙を流していた。
「……ま、そういった理由で、私は此処に名前を書く。姉さんは、自分の好きにすれば良いと思うよ」
「……」
まつり姉さんはいのり姉さんの前で名前を書き込んだ、ついでに『私は応援するよ!』のメッセージも添えていた。
「ねぇ、かがみ」
不意にいのり姉さんが声をかけてきた。
「こなたちゃんの性格を考えると……私の名前が無かったら……」
「計画を中止すると思うわ、確実に」
すると、いのり姉さんは口許に笑みを浮かべてこう言った。
「じゃぁ、仕方が無いわねぇ」
紙を手元に引き寄せる
「私一人のわがままで『可愛い』妹達とその友人を悲しませるなんて」
ペンを手に取る
「そんな趣味は無いからね~」
『柊いのり』
と書き込ん……だ。
……も、もう……限界……涙……ヒック……がま……ん……ヒック……で……き……
「かがみ」
……柔ら……グスッ……かい……いのり……姉さん……ヒック……私の……あた……ヒック……ま……グスッ……だっ……ウゥッ……こ……し……ヒック……
「心配だったのね……。大丈夫、私もまつりと一緒で、今回の事は腹にすえかねているからね……」
……グスッ……あり……がと……エグッ……ねえ……さ……グズッ……
「安心しなさい、私も『みんな』の見方よ」
ウッ……ウワァァァ……
「辛かったよね、苦しかったよね……でも、それも今日でおしまい」
ウウッ……エグゥ……
「そうだよ、アタシも、姉さんも、かがみの力になるからね。父さん達がいない時は何時でも甘えな~」
ウグゥ……ヒック……エグッ……ウゥッ……ヒック……
「わた……グズッ……わたし……こわ……ウウッ……かっ……エグッ……」
「今は何も言わないで、泣いていなさい……」
「そうだよ、これから暫く泣くヒマないんだからね……」
ヒック……ウウッ……グズッ……
☆
いのり姉さんに抱きしめられ、まつり姉さんに背中を撫でられ、私は段々と気持ちを落ち着かせていった。
「……ありがと、もう大丈夫だよ……」
「そう?私としてはもう少し妹の成長を確かめたいんだけど」
154:ナハト
10/10/14 23:59:00 bWAL2xur0
「んなっ!!な、なにを、いわれ、る、の、ですか?」
「いのり姉さんいいなぁ~、私も抱きしめたかったなぁ~」
「ま、まつり姉さんまで……やめてよ……ハズカシイ……」
私は顔を真っ赤にして言った。
「ま、それは冗談として……」
いのり姉さんはそう言って体を離した。
……冗談だったんですか、いのり姉さん。
「次の『指令』が届くのは……来週の月曜日……かな?」
「多分……そうだと思う。明日これを渡すから……」
『勉強会』のスケジュールは月水金の週三日。
今日は木曜日だから、必然的にそうなるよね。
「それじゃ……まつり、かがみ」
急に姉さんが真剣な表情に変わった。
「手紙に書いてある通り『他言無用絶対遵守』だからね、わかった?」
へっ?
あ、あの~。
「いのり姉さん……それ……私の台詞……」
「ん?良いじゃない、これくらい」
いや、そう言われても……。
「それに私達、勉強では姉らしい事出来ないんだから、こんな時位はその役をやらせてよ」
「姉さん、私『達』って……何気にアタシまで含めてない……?」
「あら、違うのかしら?」
「いや、違わないけどさ……」
「なら、問題無いでしょ」
「んと、その、何と言うか、釈然としない感じがするんだけど……」
「……そっか、まつりは今の台詞を言いたかったのね~」
「はえっ?別にそんなこと思っていないし、ってゆーか、さっきの会話にそんな要素は無かったはずなんだけど」
「だって、私『達』ってまつりが言ったから……」
「姉さん……アタシが突っ込んだところはそこじゃ無いから……」
……ウッ……ププッ……
「どうした、かがみ。また泣いているの?」
……ウウッ……ククッ……
「かがみ、大丈夫?まだ辛い?」
……だ……だめ……ククッ……
「ァハッ……アハハハハハハハ……」
「!?」
「ごめっ……ごめん……クスッ……だって……姉さん……達の……アハッ……掛け合い……見てたら……フフッ……わ……わらいが……ククッ……こらえられ……なくって……アハハハ……」
☆
ハァ……ハァ……あぁ~、苦しかった~。
「かがみ」
ちょ……ちょっと……まって……いのり……ねえさん……
「元気出た?」
そう言われて、思わずハッとなった。
「……やっと……笑ってくれたね」
まつり姉さん……
「……うん……ありがと……いのり姉さん、まつり姉さん」
「ま、アタシらが出来るのはアンタを元気付ける事位だからね~」
「かがみ、これからは私達も『味方』なんだから、どんどん頼って、一人で抱え込まないようにしてね」
……何も言えなかった。
そして、私は今まで全く気付いていなかった。
155:ナハト
10/10/15 00:03:17 FNdmX2o90
こんなにも近くに『最も頼れる存在』が居たという事に。
……ウウッ……
「ほら、泣きたかったら無理しない、アンタの傍にはアタシが姉さんが必ず居るから」
「わたっ……グズッ……わたし……ごめっ……ヒック……ごめん……な……エグッ……ね……ねえさ……ウゥッ……」
「何も、言わない……。何も、言わなくて、良いんだよ……」
なんで気づかなかったんだろう。
生まれた時から、二人の姉はずっと身近に居たのに。
なんで甘えることを拒否していたんだろう。
二人はこんなにも私を甘やかしてくれるのに。
つかさが居たから?
自分の事は自分で何とかするという無意味な『枷』を自ら付けていたから?
……ぜんぶ……じぶんの……『わがまま』……じゃ……ない……の……
☆
「かがみ」
まつり姉さんが優しく声をかけてくれた。
「ん……あれ?」
気付くと、私は自分のベットに寝ていた。
「大丈夫?」
「あ……うん……なんで……ここに?」
「アンタ、私の腕の中で寝ちゃったんだよ……」
へっ!?
「そ、そう……なの?」
「久しぶりに抱っこしたけど、結構成長したわね~」
!!
「寝顔も可愛かったわ~」
……はうぅぅ~
「これぞ『姉冥利に尽きる』ってやつね~」
もうやめて~、私のHPは0よぉ~!!
「ま、冗談はそのくらいにしておいてっと」
ま、まつり姉さんまでそんな事を……。
「父さん達、もう帰ってきてるから。それと、アレはアンタのプリントに挟んでおいたからね」
「うん……ありがとう、まつり姉さん」
「たは~、改まって言われると、アタシも流石に照れるわぁ~」
姉さんは顔を赤くしている、でも多分私はそれ以上に赤いだろう。
うぅ……さっきから顔が熱い……。
「んじゃ、もうちょっとでご飯だから……今日もちゃんと顔を洗ってから来なよ~」
「はぁ~い」
「じゃ~ね~」と言って、姉さんは部屋を出ていった。
……さて、今私が出来ることは全てやった。
後は、次の『指令』を待つのみ……。
こなた、覚悟しておきなさいよ!
これだけいろんな人がアンタの事を応援してくれるんだから
もしアンタがつかさと一緒に『幸せ』を見つけられ無かったら……
私が絶対に許さないんだからね!!
Section4 「水を与えられる苗木」 End
156:ナハト
10/10/15 00:06:12 bWAL2xur0
以上です
まつりがイメージと違う!
と言われるかもしれませんが
今回の主張にぴったりだったのでその役をお願いしましたw
ではでは また来週の木曜日に ノシ
157:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/15 06:21:10 ZY+fKFls0
うまくいってくれよ・・
158:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/15 17:08:14 flflzFkd0
>>156
手馴れた感じと文体に独特の癖があるね、他のスレでも書いてる?
159:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/15 17:12:16 Z3En9FaWO
>>158
まぁ、それは
ヒ・ミ・ツ♪
って事でw
160:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/16 02:16:09 npy11MC90
512/740さすが改変期早い
161:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/17 01:16:59 3X4A1n/10
612/745
この時期は24時間でも安心できない
162:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/17 01:21:02 nqE/RObV0
んじゃ、ほしゅほしゅっと
163:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/18 01:08:55 SNNEz4ix0
「あ、あたりクジだってこなちゃん。一回ずつ引いてみない?」
「んーお祭りのクジはハズ…んや、やってみよっかー」
プピルルルルルルルブーーー
「あはははは何だか変な音するよこれ」
「こっちはう○こだよう○こ風船、えんがちょー」
「わーえんがちょー!」
好きな人とならアタリハズレ関係なく楽しめるもんだなぁと思ったこなたんであった
164:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/19 07:31:01 7E9KuPSDO
こ「ほ!」
つ「ほ……ホタテ!」
こ「し!」
つ「し……しらたき!」
こ「ゆ!」
つ「ゆ?ゆー、ゆー、ゆ……あっ!!ゆば!!」
こ「あちゃー、これは厳しいなぁ」
つ「じゃぁ覚悟してね……ほ!」
こ「ほ……ホヤ貝!」
つ「凄いねぇ……し!」
こ「し……しじみ!」
つ「ゆ!!」
こ「ゆ……ゆ……」
み「かがみさん……お二人は一体何をされているのですか?」
か「『決められた三文字で鍋に入れる具材を言っていこうゲーム』だって~」
み「はぁ……そうですか」
か「まぁ、向こうは放っておいて私達で先に食べましょ。長くなりそうだし」
み「あ、はい」
こ「ゆ……ゆ!?ゆー、うーん……そうだ!!百合根!!」
165:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/20 12:00:25 e/J39v000
「百合根といえば…」
「つかさ、好きだよ!」
「こなちゃん、愛してる!」
「私達って」
「「百合ねっ!」」バッ
「ダシが出て美味しいわね」
「そうですね」
166:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/21 01:52:00 zzUbZVCa0
こなちゃんの純潔はおいしくいただきました
167:ナハト
10/10/21 23:40:04 jOOiHdEy0
どもども
木曜に投下するって書いたのをちょっと後悔してるナハトです
dear -Section5 「風に揺れる苗木」
今回も本文7レス使いますねー
168:ナハト
10/10/21 23:40:42 jOOiHdEy0
「……みさきち達、ちゃんと受け取ったかな……」
「はい?……あぁ、『手紙』の返事ですか?」
今私達が居るのは泉さんの部屋。
今日は金曜日なので、泉さんの部屋で勉強会をしているところです。
「時間的には丁度『勉強会』をしているところですね……」
dear -Section5 「風に揺れる苗木」
峰岸さんは、水曜日の『勉強会』の途中で『手紙』を渡すことが出来たと言っていました。
泉さんはその時の反応をしきりと聞きたがっていましたが、お二人共にそれを頑として拒否されていました。
多分、泉さんの不安感も、それからきている物だと思われます。
「内容が内容ですからね……、かがみさんがそれを読んでどう思われるか……」
「だよねぇ……」
駆け落ち
それがどんな意味を持つか。
それは誰もが知っている事でしょう。
「……やっぱり、こんなコトしちゃいけなかったのかなぁ……」
……私は、何も言えませんでした。
なぜなら、今回の『計画』を聞かされた時、私は明確に反対したからです。
●
―私やつかさに対して何らかの罰を下すのなら、まだ許せる。
―だけど、かがみを休学させて、みさきちや峰岸さん、それにみゆきさんまで苦しめた。
―それだけは、絶対に、許せない。
……泉さん。
―何?
……そこまでの決意を聞かせていただいた上での無礼を承知で言わせていただきますが……。
―……。
その選択は『間違っている』と思います。
―……みゆきさんは、そう言うと思っていたよ。
……?では、何故私にお話しされたのですか?
―……今みゆきさんが言ったでしょ?二人に説明するには『理由』が必要だって。
それは……そうですが……。
―それにね、いずれはわかる事でしょ……それだったら、早いうちに言っておいたほうが良いかな、と思って。
そうですか……ですが、私の考えは変わりませんよ。
―……『間違っている』って事はわかっているよ。でもね、これ以外に方法が浮かばなかったんだよ……。
……本当に、『それ以外』が浮かばなかったのですか?
―……流石はみゆきさんだね……。
―わかっているんだ……ホントは。もっと他の『選択肢』が有るって事。
では……何故?
―他の『選択肢』をかんがえると……どれだけ頑張ってもハッピーエンドにならないんだよ……。
……ハッピーエンド……ですか。
でもそれは、泉さん『だけ』のハッピーエンドではないのですか?
この『選択』の結果、他の方々は『アンハッピーエンド』を迎えてしまうと思うのですが……。
―うん……そうかも知れないよね……特に互いの『家族』にとっては……。
それでしたら……。
―でもね、ダメなんだよ。どんな『選択肢』を選んでも、みんなが『ハッピーエンド』なんてモノは無いんだよ……。
それは……そうですが……だからといって
―それにね、これ以外の『選択肢』は、私が一番許せない互いの『親』が、必ず『ハッピーエンド』になるんだよ……。
●
169:ナハト
10/10/21 23:41:07 jOOiHdEy0
あの時、私は泉さんがそこまで『親』を憎んでいるとは思いませんでした。
特に、泉さんにとってのおじさまは唯一の『肉親』であり、趣味や行動を共にする『親友』でもあります。
泉さんがおじさまの事を話される時、とても輝いた表情で話されていました。
その『父親』に対して、泉さんは『嫌悪』を剥き出しにした表情で語ったのです。
●
―『親』が『子』に対して、色々と言ってくるのはわかるよ。
―でもね
―いくら『親』でも、踏み込んではいけない部分が有ると思うんだ。
―言いたい事はわかるよ、確かに『親』にしてみれば『娘』は『結婚』をして『出産』をして『母親』になる事が『幸せ』なんだろうから。
―だけど
―それって『親』の『幸せ』なだけで、必ずしも『子』の『幸せ』じゃないよね。
確かに……言われてみれば、そうかもしれませんが……。
―そう考えたらさ、一体『私』の『幸せ』って何なんだろうって思ったんだよね。
泉さんの……『幸せ』……。
―私が思うに、自分自身の『幸せ』を得る為には『エゴイズム』が必要だと思うんだ。
そうですね……確かに、自らが『幸せ』を得る為には、そこに誰かの『不幸せ』が生じますね……。
―だから、私はそうしようと思って、今回の『計画』を考えたんだ。
―決して、単純な『思いつき』なんかじゃない。
―私なりに目一杯考えた『結果』なんだ。
―みゆきさん……出来れば、それだけはわかってほしいんだ……。
●
私は、何も言えませんでした。
大変失礼なのですが、泉さんの話を聞くまで、この『計画』は『思いつき』で言った物だとばかり思っていたのです。
●
そうですか……では、わかりました。
―?
泉さんが、それだけの考えを持ってこの『計画』を立てたのでしたら、私はもう何も言いません。
―じゃぁ!
ですが、私は『賛成』も『反対』もいたしません。
―ど、どうゆう事?
私自身『駆け落ち』という行為に対する見識は『間違っている』と思っています。この事実は変えられません。
ですが、私は泉さんやつかささん、かがみさんや峰岸さんや日下部さんの『友人』です……自分自身では『親友』のつもりですが……。
―みゆきさんは、今言ったみんなの『親友』だよ。
……ありがとうございます。
なので、あくまでも『一人の友人』として、この『計画』の『手伝い』をさせていただきます。
―……ありがとう……みゆきさん……。
……泉さん、一つだけ、約束していただけますか?
―……どんなコトかな?
『計画』の通りに事が進んだ場合、とても多くの人を巻き込む事になります。
―そう……なる……かな……。
ですから……必ず……『幸せ』……に……なって……下さい。
決して……泉さん……の……『おじさま』と……つかさ……さんの……『ご両親』……が……『幸せ』……に……なる……結末……だけ……は……迎……えな……いで……くだ……さ……い。
―……みゆきさん……泣かないで……ごめんね……
あや……あやまら……ないで……くださ……い……こ……これは……わた……わたし……が……かって……に……ない……ている……だけ……です……から……。
―でも!
……泉さん!!……この……けいか……計画……を……じっこ……実行……する……には!
……こ……このよう……なこと……事が……この先……なんど……何度も……あ……ある……有るん……ですよ!
いず……泉さん……は……これを……のり……乗り越え……なければ……いけ……いけない……んで……す!!
170:ナハト
10/10/21 23:41:37 jOOiHdEy0
ですか……ですから……ですから………です……か……ら……。
●
私の涙は止まることを知りませんでした。
『計画』を打ち明けられたことで、私自身かなりのショックを受けていたからだと、今になって思います。
泉さんにも、かなり酷いことを言ってしまいました。
●
―わかったよ、みゆきさん。
……そう……です……のり……乗り越え……て……くだ……下さい……。
―でもね、私一人で乗り越えようとか、私とつかさの二人でとかは思わないよ。
……なん……なんで……ですか……これ……これは……。
―さっき言った通りだよ、私は『エゴイスト』になったんだからね。
―だから、『親』以外のみんなには出来るかぎり『幸せ』になってもらいたいんだ。
……いずみ……さん……
―悲しみを『取り除く』なんで事は無理だってわかっているけど、それを『和らげる』事なら出来るかもしれないからね。
……泉さん……
―だから……さ
―辛い時は何時でも言って
―決して一人で抱え込まないで
―悩んだ時はみんなで一緒に考えようよ
―悲しい時はみんなで一緒に泣こうよ。
●
とても重い言葉でした。
そして、気付かされました。
泉さんは、今回の『事件』からずっと
その辛さを、一人で抱え込み
その悩みを、一人で考え
その悲しみを抑えるため、一人で泣いていた
その時になってやっと、自分が成すべき事に気付きました。
●
……泉さん。
―ん?……落ち着いた?
はい……それと……ごめんなさい!!
―ほえっ!?な、なんで謝られなきゃいけないの?だって、酷いことを言ったのは私だよ?
いえ……今の泉さんの『言葉』を聞いて、自分の……不甲斐無さに……気付きました。
―?
泉さんは……私の事を『親友』と……言ってくださいました。
―う、うん……そうだけど……。
ですが!私は!泉さんが一人悩んでいるのにも!辛く悲しんでいる事にも!何一つ気付きませんでした!
―……ま、わからないように振る舞っていたからね……。
でも!それでも!気付くのが『親友』では……ないので……すか……。
……そんな……わたし……が……ヒック……しん……ヒック……親友……なんて……ウグッ……名乗る……しか……エグッ……資格……ウウッ……なんか……グズッ……
ウ……ウワァァァーーーー……
―……
……エグゥ……グズッ……ウゥッ……
―……
……ウグッ……エゥッ……ヒック……
171:ナハト
10/10/21 23:42:40 jOOiHdEy0
―……みぃ~ゆ~きさん。
……ヒクッ……ウウッ……エグゥ……
―なんで、私がみゆきさんを抱きしめているかわかる?
……わかり……グズッ……ません……ヒック……
―私はみゆきさんの事を『親友』だと思っているからだよ……
―それに、みゆきさんは今『親友を名乗る資格は無い』って言ったけど……
―今のみゆきさんの様な姿を見せられるのって、『家族』や『親友』位だよね……
―そう考えると、みゆきさんは私の『親友』になるんじゃないじかな?
―私は、そう思うんだけど、みゆきさんはどう?
……グズッ……ありが……とう……ヒック……あり……が……と……ウグッ……う……ごめ……ヒクッ……ごめんな……さい……
―謝るのは、私のほうだよ……ごめんね……。
……ヒック……?
―私、みゆきさんの事を試してた。
……!?
―私が、この『計画』を『考えている』って事が、みゆきさんに気付かれなければ、誰にも気付かれないはずだから……
……そう……だったん……です……か……。
―だから、本当に酷いのは私、みゆきさんは……何一つ……悪くない……んだよ。
―……ごめ……ごめん……なさ……ご……ごめ……ん……な……さい……
●
「……みゆきさん?どうしたの?」
「え……あ、ああ……すみません、少々考え事をしていました……」
不意に声をかけられ見上げると、泉さんの心配そうな顔がそこにありました。
「……もしかして、この間の事?」
「……はい……」
相変わらず、鋭いですね……。
「……あの時は、みゆきさんを泣かせちゃったからね~」
「あ、いえ、それは、構わないのですが……。実際、私自身の問題であのようになってしまった訳ですし……」
「うん、私もみゆきさんがあんな風になっちゃうなんて、思ってもいなかったよ~」
……普段の『私』を見ていれば、そう思うのも当然の事でしょうね。
「でも、泣きじゃくるみゆきさんは『萌え~』だったなぁ~」
「はぁ、『萌え~』ですか……」
「そだよ~、あれは間違いなく『萌え』だね~」
「それを言われるのでしたら、その後に『泣きじゃくった』泉さんも『萌え~』ですね」
ウフフッ……我ながら良い切り返しを閃きました。予想通り、泉さんは顔を真っ赤にしています。
「……ず、ずるいよぉ~、そんな『声真似』までしなくたっていいじゃん……」
「あ、すみません……つい……」
「もぉ、笑いながら謝ってるし……」
クスッ……フフッ……アハッ……ウフフッ……
アハハハハハハハハハ……!!
「……いや~……ププッ……久しぶりに大声で笑ったね~」
「……本当……クスッ……久しぶりですね~」
「おとーさんが出掛けてて良かったよ……」
「……そうですね……」
泉さんの家で最初に勉強会をした時、『つかささんやかがみさんとの関係が全く無い』話題に花を咲かせていました。
何を話していたのかは定かではないのですが、話が盛り上がって先程の様に二人で笑い声を上げたその時、不意にノックの音がしておじさまの声がしました。
「二人共、『勉強会』なんだから、『勉強』だけに集中しなさい……こなた!返事は?」
「はい……わかりました……」
泉さんの声は落ち着いていましたが、その顔はまさに『苦虫を噛みつぶしたよう』でした。
そして、それ以降泉さんの家で勉強会を行うときは、おじさまが在宅か否かによって私達の振る舞いが変わるようになったのです。
172:ナハト
10/10/21 23:43:00 jOOiHdEy0
☆
その後も、和気藹々としながら勉強を進め、気が付くと私の帰宅時間が迫っていました。
「では、泉さん。私はそろそろ帰りますね」
「あー、もうそんな時間かぁ~……今日はなんだかあっという間だったなぁ~」
「私も、そんな気がします……それに、今日は久しぶりに楽しく勉強できました……」
「……そだね……」
電車の時間があるので、二人で手早く勉強道具を纏め、玄関へと向かいました。
「……そういえば……」
靴を履きながら、ふと思い出した『疑問』を泉さんに問い掛けました。
「先日、峰岸さんや日下部さんと一緒に私の家で勉強会をした時、泉さんは峰岸さんや日下部さんと共に私にまで『謝意』を述べていらっしゃいましたよね……」
「あ……うん……」
「私、泉さんから何もされていませんが……何故ですか?」
なにかしらの『酷い事』や『損害』を受けていれば、それを理解出来るのですが、私には思い当たる節が全くありません。
「……みゆきさん……私に何か隠してない?」
「……いえ……何も隠してはいません……」
「ホントに~?嘘はダメだよ~。この間、みゆきさんを泣かせちゃった時、何か考えていたでしょ~」
「……気付いていましたか……」
あの時、私が気付いた『自らが成すべき事』
それは、誰にも話さずに実行すべき事
……やはり、泉さんに『隠し事』は通用しませんね……。
「で、何を考えていたのかな?」
「……『これから先、どのような事があろうとも、泉さんとつかささんのサポートをする』という事を考えていました」
「……そっか……ありがとう……でもね……」
「?」
「『どのような事』って言ったけど……辛かったら何時でも逃げて良いん……」
「そんな事はいたしません!!」
弱気な泉さんの言葉を遮り、私は大声で叫びました。
「泉さんは、私に教えて下さいました!『決して一人で抱え込まないで。悩んだ時は一緒に考えよう』と!」
「……そんな事も……言ったね……」
「それに、泉さんは私の事を『親友』と言ってくださいました。ならば私は『親友』として、出来る事は全てするつもりです!」
「……」
「……泉さん……安心して下さい。幸いな事に、私は『範囲外』なんですよ……」
「……はえっ?どうゆうこと?」
「泉さんのおじさま、それにつかささんのご両親共々、私に対しては完全なる『無関心』です」
「……つかさの所はわからないけど、少なくともおとーさんは……そう……かもね……」
「ならば!『範囲外』の私が色々と動き回った所で、私自身だけではなくお二人にも『悪影響』が出る可能性は、全く有りません!」
「……でも……そんなに上手くいくかなぁ……」
……どうやら、『弱気の虫』が出てきたみたいですね……。
……ならば!!
「こなた!そんなに『親友』の言うことが信じられないの!」
「!」
「ちびっこぉ~、『親友』の言うことはちゃんと聞いたほうが良いぜぇ~」
「み、みさきちまで……みゆきさん……何気に腕をあげたねぇ……」
「ふふっ……どうですか?これでも信用出来ませんか?」
「……ううん……プッ……だ……大丈夫……クスッ……ハハッ……アハハハハハ……」
……やはり、泉さんにはこの手が一番のようですね……。
「それでは、失礼いたします」
「今日もありがとね~」
173:ナハト
10/10/21 23:43:27 jOOiHdEy0
「どういたしまして……では、次は日曜日に」
「そだね~、じゃあ……またね~」
「はい……それでは『バイニ~!!』」
「み、みゆきさん……手振りまでするとは……」
思わず固まってしまった泉さんを残し、私は泉家を後にしました。
家の中から「キャラじゃないよぉ~」と声が聞こえましたが……。
ふふっ……
泉さんが知らない『私』も居るんですよ……。
☆
「おぉーい、みゆきちゃーん」
家を離れ、暫く歩いていると後ろから声をかけられました。
「あら、泉さんのおじさま、……まだ一応『こんにちは』の時間ですね」
振り向くと、おじさまが車の中から手を振っていました。
「今帰る所かい?何時も悪いねぇ、良かったら送って行くよ、もう遅いし」
「そうですか?……では、お言葉に甘えてお願いいたします」
「さぁ、乗った乗った」
おじさまは助手席のドアを開けて、私を迎え入れました。
「駅までで良いかい?」
「はい、ありがとうございます」
車がゆっくりと動き出します。
「いやー、みゆきちゃんのお陰でこなたの態度も成績も随分と変わってきたよー」
「そうなんですか?」
「うん、……何と言えば良いのかなぁー、うーん……『吹っ切れた』……違うなぁ……『生まれ変わった』とでも言うのかなぁー」
「『生まれ変わった』……ですか……」
「そう……アイツは……『生まれ変わった』……だな……」
おじさまの顔に陰が差しました。
「今回の事で、色々と考える所が有ったんだろうが、それ以上につかさちゃんと離れた事が大きいんだろうな……」
おじさまは淡々と話し始めました。
つかさちゃん、かがみちゃん、みゆきちゃんは、こなたにとっては初めての心からの『親友』なんだ
高校に入るまで、家で学校の『友人』の話しなんか一度もしたことが無かった
でも、高校に入ってすぐ、家での会話につかさちゃんの話題が出てきたんだ
よっぽど嬉しかったんだろうな……その時の喜びようは今でも覚えているよ
それから程なくして、かがみちゃんとみゆきちゃんの話しもしてくれたよ
本当に……大切な……『親友』って言っていたな……
おじさまはそこまで話して、「ふぅ」と一息つきました。
「あ……ごめんね、こんな話し聞かせちゃって」
「いえ……お気になさらずに……続けて頂いて結構ですよ」
「そう?……ありがとう。それでね」
丁度信号待ちだったので、私に顔を向けて聞いてきました。
「みゆきちゃんは、『同性愛』について……どう考えてる?」
その眼差しは、とても真剣な物でした。
もし回答を間違ってしまったら……多分、二度と泉さんに会うことは出来なくなるでしょう。
私は、慎重に回答を選びました。
「私は……『間違っている』と思います」
『以前の私なら』という言葉を心に仕舞い、そう答えました。
信号が変わり、再び車が動き始めました。
174:ナハト
10/10/21 23:44:30 jOOiHdEy0
「そうか……良かった……」
おじさまは安堵の声を漏らし、話しを続けました。
さっきも言ったように、こなたにとって三人は『親友』なんだ
だけど、自分自身のせいでそのうちの二人を失ってしまった
そして、もしみゆきちゃんが二人と同じ考えの持ち主だったら
オレはもう一度こなたから『親友』を引き離さなきゃならない
……出来れば、それはしたくないんだ
だから
みゆきちゃんが二人と違う考えの持ち主で本当に良かった……
おじさまは、安心しきった表情で話していました。
……やはり、一人娘である泉さんの事が心配なのですね……。
気が付くと、車は駅のロータリー近くまで来ていました。
「今日はごめんね、こっちばっかり話して、その上変な事まで聞いちゃって……」
「気になさらないで下さい、『親』からすれば『子』の行動や環境は人一倍気になる事でしょうし……」
「そう言ってもらえると、助かるよー」
どうやら、普段のおじさまに戻られたようですね。
「私でよろしければ、いくらでも聞きますので本当に気になさらないで下さいね」
「もし、また何か有ったらそうさせてもらうよ。今日は本当にありがとう」
車が駅前に着きました。
「じゃ、これからもこなたの事を頼むね」
「はい。それでは、失礼いたします」
私を下ろすと、車は静かに走り去って行きました。
それを見送りながら、私は心の中で呟きました。
泉さん……おじさまは、私が『範囲外』であると認識されました……
ですが、おじさまは、こんなにも泉さんの事を思っていらっしゃいます……
それでも、泉さんは『計画』を実行されるのですか……
先程の『決心』が揺らぎそうになります。
誰も居なくなったロータリーで、私は一人呟きました。
「泉さん……本当に……これで……良いのですか……?」
Section5 「風に揺れる苗木」 End
175:ナハト
10/10/21 23:48:11 jOOiHdEy0
以上です
ラストに向けて現在書いている所なんですが、どうやら予定より少々長くなりそうですw
ではでは 次回は再来週の火曜日に投下致しまする~ ノシ
176:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/22 03:22:21 MMoYO//k0
乙
続き期待
177:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/23 13:42:49 2gcdChYQ0
こなかがは正義
178:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/24 11:56:49 oK0Lj8150
ほちゅ
179:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/25 03:17:53 0oYY7dy60
「ゆきちゃん誕生日おめでとう」
「みゆきさんは変わらずよき萌え要素でいてよ」
「おま、それちがうだろ、みゆき誕生日おめでとう」
180:紳士 ◆F5tes7w.5Ild
10/10/26 00:05:17 cwnIrT3OO
こなたとつかさが赤貝をしゃぶり合う!最高だな!!
181:紳士 ◆F5tes7w.5Ild
10/10/26 00:09:05 kzHrypOhO
サラ金返すと家賃払えねえ!
182:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/26 13:39:07 JGztMu+/0
うにょーん
183:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/27 03:48:30 5vUBGHOV0
「ん…にゃ、んぁ私寝落ちして…はて何故ベッドに」
「あ、おはよーこなちゃん。風邪ひくと思ってベッドに運んだんだー」
「んおぉ意外と力持ちだねつかさ。ありがとそしてオハヨー」
「…ところで何で頭に包帯まいてるのカナ私」
「ご、ごめんねこなちゃん…運ぶ時に一回落としちゃって…」
「そういうとこつかさらしくて愛してるからダイジョーブ博士」
184:紳士 ◆F5tes7w.5Ild
10/10/27 21:06:45 Obt6dSv+O
つかさとこなたが寿司屋にやってきた。
つかさとこなたは赤貝を注文した。超イケメン寿司屋の紳士は敢えてシャリの両脇に赤貝を並べた。
つかさは「こなちゃんのマンコみたいだね」と言って股間をまさぐり始めた。こなたも「つかさのマンコみたいだね」と言って股間をまさぐり始めた。
彼女いる歴=年齢の紳士は、豊富な女性経験から二人が処女であることを見抜いていた。
紳士と目が合うと二人は悩殺されて紳士に処女膜を破いてもらおうと言い出した。紳士も、処女膜を破けば二人が激しく百合まくれることを見通していたのでビッグマグナムを勃起させた。
185:紳士 ◆F5tes7w.5Ild
10/10/27 21:21:05 Obt6dSv+O
紳士のビッグマグナムを見た二人はマン汁が溢れまくってビロが赤貝のように充血した。
二人はケツを突き出しながら違いの舌を絡め合い、順番に処女膜を破いてもらった。
紳士は二人を気遣いどちらの腟にも中だししてやった。
つかさとこなたは同棲し、それぞれ身篭った子を生み紳士に感謝して生きたということだ!!
fin
186:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/28 07:15:17 YLkrFWS4O
こ「つかさの『つ』は!」
つ「『つながる』のつ!」
つ「こなたの『こ』は!」
こ「『こいごころ』のこ!」
つ・こ「二人あわせて『つながるこいごころ!』」
か「……だから何なんだ?」
187:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/28 12:55:19 rydoEwL90
つかさのリボン
188:名無しさん@お腹いっぱい。
10/10/30 18:33:48 Bv49DmrtO
>>178の書き込みから
つ「こなちゃんこなちゃん」
こ「なーに?」
つ「ほっぺに」チュッ
こ「ほぇっ!?なに?」
つ「ほっぺにちゅーだよ」
こ「いや、それはわかるんだけど」
つ「えっと、この間『ほちゅ』って書いてあったから、ほっぺにちゅーなのかなって思って……」
こ「あぁ、『ほしゅ』って事ね……」
つ「……嫌だった?」
こ「いんや、全然そんなことないよー」
つ「じゃぁ……もっとしてもいい?」
こ「え、えっと、つかささん!?ちょっと目が怖いんですけどぉ!?……ハッ!これは『八海山』?もしかして……」
つ「えへへぇ~、こ~な~ちゃ~ん」
こ「あのさ、もしかして、これぜんぶ、のんだの?」
つ「うん~。おいしかったよぉ~」
こ「四合半を、一人で!?」
つ「そんなにあったんだ~、きがつかなかった~」
こ「気がつこうよ!てかこれが俗に言う『大トラ』!?」
つ「へぇ~、そういうんだ~。がお~!たべちゃうぞ~」
こ「って、言ってるそばから押し倒してるし!!」
つ「いただきまぁ~す!」
こ「のぉぉぉぉーーーー!!!!」
微エロ失礼w
189:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/01 05:29:21 nVbzez0sO
☆ゅ
190:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/02 02:50:25 4LgjdmrF0
「…寒くなってきたね、こなちゃん」
「なんかこう一気に寒くなると…」
モゾモゾ モゾモゾ
「ね、こなちゃん…」
「うん、つかさ…」
「「くかー」」
「ほーら朝だおきろー」バサッ
「「うわぁぁ殺生なー」」
191:ナハト
10/11/03 00:33:45 NCgh/ZW80
どもども、火曜日に投下すると言いながら
致命的な矛盾が見つかってそれを修正するのに時間がかかってしまいました
タイトル
dear -Section6 「倒れかけた苗木」
今回は短めに本文4レス使います
192:ナハト
10/11/03 00:34:32 NCgh/ZW80
晩御飯の食卓で、高良ゆかりは悩んでいた。
母親である自分だから気付く程度なのだが、帰宅した娘のみゆきが明らかに気落ちしているのである。
―確か、こなたちゃんのお家に行ったのよねぇ……。
dear -Section6 「倒れかけた苗木」
今から一ヶ月余り前の夕方、居間にいたゆかりは帰宅したみゆきから突然の知らせを聞いた。
「お母さん……つかささんが本日より『休学』となりました……」
その顔は暗く、受けたショックの大きさを物語っていた。
「まぁ……つかさちゃんが……?何か、病気なの?」
「……わかりません……理由は聞かされていないので……」
「そう……早く『復学』出来れば良いわねぇ……」
「……そうですね……じゃぁ、私は部屋に行ってます」
そう言い残して、みゆきは自室へと向かった。
ゆかりは閉められたドアを見つめながら呟いた。
「みゆき……大丈夫かしら……」
だが、翌日、ゆかりはさらに衝撃的な知らせを聞いた。
「お母さん……かがみさんまで……本日から『休学』だそうです……」
「えぇっ!?かがみちゃんまで……?」
「……はい……」
「理由は……わからないわよね……。でも、一体どうしたのかしら?こんな連続で、しかも姉妹で休学するなんて尋常じゃないわよね」
「……取り敢えず、暫く待ってみます。もしかしたらそれ程経たずに『復学』されるかもしれませんし……」
「そう?わかったわ。でも、何かあったらちゃんとお母さんに言いなさいね」
「はい……では、着替えてきますね」
だがしかし、その後も二人が『復学』する気配は全くなかった。
それから数日が経った頃、みゆきはこなたと共に帰宅してきた。
「あら、お帰りなさい。こなたちゃん、いらっしゃい。……みゆき、お友達を連れて来る時は言っておいてって言ったじゃない……」
「すみませんお母さん、急に決まったので……。これから暫くの間、週に数日程度泉さんと勉強会をすることになりました」
「そうなの?……じゃぁ、仕方が無いわねぇ」
「今日、詳しい曜日を決めるので、後でお知らせしますね」
「わかったわ~」
そこまで話した所で、こなたが口を開いた。
「えと、ゆかりおばさん、ご迷惑をかけ……」
「もぉ~『おばさん』なんて言わないでぇ~!『ゆかりちゃん』って呼んでぇ~!」
『おばさん』という単語が気に障ったのか、こなたの発言を遮り、駄々っ子のようにゆかりが叫んだ。
「あ、え、えーと、じゃぁ……『ゆかりさん』……で構いませんか?」
「えぇ~、私としては……『ちゃん』のほうが良いんだけどなぁ……」
人差し指を唇に当て、子供がせがむような目線をこなたに向けた。
「えと……あの……その……」
「なぁ~んちゃって、『さん』で構わないわよ、うふふっ」
真っ赤になったこなたを見て満足したのか、ゆかりは含み笑いをしながらそう言った。
「もぉ~、お母さん、あまり泉さんを困らせないで下さい……」
「はいはい……じゃ、勉強会頑張ってね~」
「では、泉さん、行きましょうか」
「あ、うん、じゃ、じゃぁ……ゆかりさん、ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」
「い~え~、お構いなく~」
●
その晩、みゆきから「火曜日が私の家、金曜日が泉さんの家、土日のどちらか都合の良い日にどちらかの家と決まりました」と聞かされた。
今日は金曜日、泉家で勉強会をしてきた筈なのだが……。
193:ナハト
10/11/03 00:35:01 NCgh/ZW80
「みゆき……どうしたの?具合でも悪いの?」
「えっ!?い、いえ……特別体調を崩したりはしていませんが……」
「そう?……なら、良いんだけど……困っている事があるのなら言いなさいね」
「はい……」
みゆきはそう言ったきり黙ってしまった。
―どうしたものかしらねぇ……
そう思いながらも、決して顔には出さない。
高良家では『個人の自主性』を大事にしているからである。
例え、誰かが明らかに困っていたとしても、本人が言い出すまでは何も言わずに待つことにしているのだ。
「……もし、話したくなったら、何時でも言ってちょうだい」
「はい……すみません……」
結局、その日も翌日も、みゆきの口からその悩みが話される事は無かった。
☆
ピンポーン
「はーい」
インターホンを取ると、元気な声が聞こえた。
『あ、こなたです~、峰岸さんと日下部さんも一緒です~』
「どぉぞ~」
暫くして、玄関が開いた。
「こなたちゃん、あやのちゃん、みさおちゃん、いらっしゃ~い」
「「「お邪魔しまーす」」」
そこには、いつになく真面目な表情の三人が居た。
「……どうしたの?三人共……随分と真面目な顔をしているけど……」
「え!?えと、……そんな感じ、します?」
ゆかりの問いに、少々慌てた感じでこなたが答えた。
「ええ、……なんだか、一昨日からのみゆきちゃんみたいよ~」
すると、それを聞いたこなたの表情が曇った。
「やっぱり……そうですか……。あの、みゆきさんは、部屋、ですか?」
「居るわよ~、後でお茶を持って行くから、行ってて~」
ゆかりに促され、三人はみゆきの部屋へと向かった。
「……さて、どんなタイミングで『様子見』に行こうかな……」
それを見送ったゆかりは、一人呟くのであった。
☆
―カチコチカチコチ……
時計の音だけが響く。
まるで、先日この部屋でこなた達がお互いに謝罪した時のようだ。
ただ、その時と違うのはその『重い空気』の中心にみゆきが居るという事である。
こなた達が部屋に着き、『手紙』の受け渡しをし、約束通りこなたはその『手紙』を皆に見せた。
手紙の内容は、他の三人にとってはある程度予想していた通りだったので、特に驚きの声があがる事も無かった。
だが、二枚目の『誓約書』を見せた時から、この場の雰囲気が徐々に変わっていったのだ。
『誓約書』には、三人の署名と共にそれぞれからのメッセージが添えられていた。
それを見たこなたは満足げに頷くと、鞄から一枚の紙を取り出した。
「ん?ちびっこ……これって……」
「『私達の分』って事?泉ちゃん……」
「う、うん……そうだよ……、みゆきさんから聞いているかもしれないけれど、この『計画』はみんなの『賛成』が無いと出来ないからね……」
そこまで言って、こなたは目を伏せた。
194:ナハト
10/11/03 00:35:26 NCgh/ZW80
「アタシはかくよぉ~」
「私も、書かせてもらうわね~」
「……」
こなたに快い答えを返した二人とは対照的に、みゆきは俯いたまま黙っていた。
「高良ちゃん……どうしたの?」
それを見たあやのは、思わず声をかけた……が、みゆきはそれが聞こえていないのか、返事をすることなくそのままの姿勢を崩さなかった。
「……みゆきさん……一昨日、おとーさんと会って駅まで送ってもらったんだよね……」
誰に聞かせるでも無く、こなたが呟いた。
「はい……それで……私……私……」
すると突然、みゆきは顔を手で覆い泣き出した。
「……ウウッ……わから……エグッ……なく……グズッ……なって……ヒック……しまった……グスッ……んです……」
「わからなくなったって……高良~、一体何があったんだ?」
「高良ちゃん……もしよかったら、私達に話してもらえないかな?」
「……ヒック……はい……グスッ……すみません……取り乱してしまいまして……」
涙を拭ったみゆきは、一昨日の車内で話した事全てを皆に話した。
「そんな事があったんだ……おとーさんからは『みゆきさんを送った』としか聞かなかったよ……」
「……ちびっこ、本当にそれだけか?」
「本当だよぉ~、もう隠し事はしないって決めたもん……。でも、おとーさんが『ご機嫌』だったから、何か重要な話しをしたんだとは思ったけどね~」
そう話すこなたの眼差しは真っ直ぐで、嘘など全くついていないのがよくわかった。
「……泉さん……本当に、良いのですか?」
「みゆきさん……言いたいことはわかるけど、『私自身』はもう戻る気など全く無いよ」
「高良、ちびっこが『決心』した事なんだから、アタシらは全力で応援すれば良いんじゃないか?」
「ちょっと、みさちゃん……」
―峰岸さんは、この『署名』の意味がわかっているようですね……、日下部さんは……気付いていませんか……。
みゆきは心の中で呟いた。
「日下部さん、失礼ですが……この『署名』の意味は……理解されていますか?」
「ん?ちびっこと柊の妹が駆け落ちするのを認めるって意味じゃないの?」
「……確かに……日下部さんと峰岸さんの『お二人』に限って言えば、その通りですね……」
「へっ!?高良にとっても同じじゃぁ……」
「みさちゃん!!!」
尚も言葉を続けようとしたみさおを、目に涙を浮かべたあやのが怒りを含んだ強い口調で制した。
「な、なんだよあやの……アタシ何か悪いこと……」
「もっと高良ちゃんの事を考えなさいよ!!……だって……だって……高良ちゃんにとって……」
「そうです……私は……『署名』……する事で……『親友』……を……二人……同時に……う……失い……ま……す……」
みゆきは、子供のように泣きじゃくっていた。
あやのも、みさおに抱き着き泣いていた。
みさおは、自分の不甲斐無さに腹を立てていた。
「わたっ……グズッ……どう……ウウッ……どうしたら……エグッ……」
みゆきは、自分が何を話しているのかでさえわからなくなっていた。
「初め……ウグッ……初めて……ヒック……の……ウグゥ……しん……ウウッ……親友……グズッ……いなく……エグゥ……なっちゃ……」
高校に入学するまで、みゆきには本当の意味での『親友』は居なかった。
『博識が有る』『運動が得意』等の理由で親しくなる友人は居たが、それ以上の関係を持つ事は無かった。
そんなみゆきにとって、先程の理由など関係無しに接してくれたこなた達は、初めての本当の意味での『親友』なのである。
「……」
こなたは、何も言えなかった。
195:ナハト
10/11/03 00:35:52 NCgh/ZW80
自分が考えたこの『計画』
実行するためには、必ずなにかしらの『困難』が有ると認識していた
ただ、その『困難』がどれ程かを認識していなかった
この『計画』が、これ程『非情』で『残酷』な物だということを
「みゆきさん……」
こなたが声をかけたが、みゆきにはその声ですら届かないようだ。
―カチコチカチコチ……
時計の音だけが響く。
『重い空気』の中心であるみゆきは、既に泣き止んでいた。
誰も、何も言えなかった。
暫くの間、沈黙が続いた。
「……どんなに考えても、どの『選択肢』を選んでも……」
不意にみゆきが口を開いた。
「……私は……『親友』を……失うのですね……」
『そんなことはない』と、こなたは言いたかった。
だが、言えなかった。
本当に『そんなことはない』のか、自分でもわからなかったからだ。
バタン!!!!!
突然、大きな音をたてて、部屋のドアが開いた。
「みゆき!そんなことはないわよ!!あなた、一つ勘違いをしているわ!!!」
そこに立っていたのは……
「お……お母さん……」
Section6 「倒れかけた苗木」 End
196:ナハト
10/11/03 00:38:22 NCgh/ZW80
以上です
ゆかりさんの性格が漫画やアニメと少々違う点については目をつぶっていただけたら幸いですw
ではでは、また来週の『今度こそ』火曜日に投下しますね ノシ
197:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/03 00:40:03 23l5FQSS0
レス増えてるなと思ったら、1人の基地外が長文連投してるだけか
198:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/03 00:58:50 021fVOlW0
今のところそうじろうがらき☆すたとしてはしっくりこないね、どんでん返しがあるのかな
199:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/04 05:57:58 OzNcxSwv0
☆ゅ
200:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/05 23:29:54 /WKSpZ+Z0
ピッチピッチほしゅほしゅランランラン♪
201:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/06 16:26:41 HBTFprnn0
こなかが最高
202:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/07 16:15:29 b/vAGD4jO
う
203:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/08 12:56:46 7jltbX3B0
こなたってつかさと一緒の時は雰囲気けっこう変わるよなぁ
204:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/09 21:03:00 f/x4Ly8l0
ナハト氏SS
dear -Section4 「水を与えられる苗木」
dear -Section5 「風に揺れる苗木」
ならびに、ここまでのSSとミニネタを保管しました
保管庫(非常時には避難連絡所になりますのでスレ住民はURL保存推奨)
URLリンク(www8.atwiki.jp)
保管庫避難連絡ページ
URLリンク(www8.atwiki.jp)
ここまでのミニネタを保管しました
保管庫(非常時には避難連絡所になりますのでスレ住民はURL保存推奨)
URLリンク(www8.atwiki.jp)
保管庫避難連絡ページ
URLリンク(www8.atwiki.jp)
205:1-724
10/11/09 21:03:51 f/x4Ly8l0
ナハト氏保管内容ご確認下さい
206:ナハト
10/11/09 22:21:32 nTj5HZrV0
>>205
1-724氏 保管お疲れ様です
Wiki確認しました
作者別ページで何故かSection1が二つありましたので、修正をお願い致します m(。_。;))m ペコペコ…
えー、ではでは
dear -Section7 「支えられる苗木」
投下します
6レス使いまする~
207:ナハト
10/11/09 22:22:37 nTj5HZrV0
みゆきは混乱していた。
突然開かれたドア
母親からの一言
その二つが、無防備となった『心』に直接襲い掛かったのである。
「かん……ちがい……?なに……を……勘……違い?」
「……みゆき」
優しい、それでいて力強い母の声が、静まり返った室内に響く。
「そう、勘違いなのよ……。あなたは、決して『親友』を失ったりしません」
「でも、でも……」
ゆかりは呆然とした娘に駆け寄り、優しく抱きしめた。
「みゆき……落ち着いて、私の話を聞いてちょうだい……。お母さんね、さっきの話、全部聞いていたの……」
dear -Section7 「支えられる苗木」
「さて……と、そろそろ……かしらね……」
こなた達が部屋に向かってからおよそ十五分。
もし、ゆかりの知らない『何か』をみゆきが話すのなら、ちょうど頃合いだろう。
「取り敢えず……お茶とお菓子は用意しておかないとねぇ~」
そう呟き、鼻歌混じりに差し入れセットの準備をし始めた。
―……一体、何なのかしらねぇ……今日来た三人も、何時もと違う雰囲気だし……
思いを巡らせつつ、みゆきの部屋へと向かう。
―面倒な事でなければ良いんだけど……
『……ウウッ……わから……エグッ……なく……グズッ……なって……ヒック……しまった……グスッ……んです……』
部屋のドアをノックしようとしたその時、泣きながら話すみゆきの声が聞こえ、思わず手を止めた。
『あの日、おじさまに駅まで送っていただきました……』
―『あの日』って……金曜日の事?
ゆかりは手に持った差し入れセットを静かに床に置き、ドアに耳を当て中の会話を聞いた。
みゆきはその日、車内で起こった事を話していた。
自らの感情を全く入れずあくまでも静かに、淡々と。
『……信号待ちの時、私に『同性愛』について……どう考えているか、問い掛けてきました』
―『同性愛』について?それって一体……
『私は、間違っていると答えました……『以前の私なら』という言葉を心の中でつけましたけど』
―……『以前の私なら』間違っている?
―……じゃ、じゃぁ、今は肯定しているって意味よね……
―という事は……ええっ!?みゆきが……なの?
驚きのあまり、思わず立ち上がりそうになったが、子供達に気付かれてはいけないので、必死で気持ちを抑え再びドアに耳を当てた。
『……そして、このように言われました』
『もしみゆきちゃんが二人と同じ考えの持ち主だったら、オレはもう一度こなたから『親友』を引き離さなきゃならない……出来れば、それはしたくないんだ』
―えっ?それは、つまり、つかさちゃんとかがみちゃんが……そうだって事……よね……
ゆかりはドアから耳を離し、考え込んだ。
―……でも、だからって引き離す必要は無いわよねぇ……ん?もしかして、こなたちゃん……も?
もう少し情報が必要だと判断し、もう一度ドアに耳を当てた。
『日下部さん、失礼ですが……この『署名』の意味は……理解されていますか?』
208:ナハト
10/11/09 22:23:16 nTj5HZrV0
―『署名』?
『ん?ちびっこと柊の妹が駆け落ちするのを認めるって意味じゃないの?』
―ええっ!!駆け落ち!?……こなたちゃんとつかさちゃんが?
ゆかりはドアから体を離し、冷静になって考えた。
―今聞いた事から考えると……こなたちゃんとつかさちゃんは……つまり……『恋人』って事……よね……。
さらに考えをまとめるため、立ち上がり腕を組んで壁に寄り掛かった。
―こなたちゃんのお父さんは、二人が付き合わないように引き離した……じゃぁ、つかさちゃんとかがみちゃんが『休学』しているのも……。
ゆかりは事の真相がわかってきた。
だが、腑に落ちない点も幾つか有る。
―直接聞いてみないとね……。
改めてドアをノックしようと近づいた時、再びみゆきの泣き声が聞こえた。
『……私は……『署名』……する事で……『親友』……を……二人……同時に……う……失い……ま……す……』
―……何で?『失う』必要なんてあるの?
『わたっ……グズッ……どう……ウウッ……どうしたら……エグッ……』
『初め……ウグッ……初めて……ヒック……の……ウグゥ……しん……ウウッ……親友……グズッ……いなく……エグゥ……なっちゃ……』
―……そっか……二人共、みゆきにとって初めて出来た本当の『親友』だものね……
本当ならば、今すぐに中に入りみゆきを抱きしめたかった。
でも、それは出来ない。
今入った所で、中の子供達はゆかりに対して盗み聞きをしていた事の非難以外の言葉は何も聞けないだろう。
ゆかりはドアの外で息を潜め、じっと『その時』を待った。
―カチコチカチコチ……
時計の音だけが響く。
室内からは、物音一つ聞こえない。
ゆかりが用意したジュースの氷もすっかり溶けていた。
―新しいジュースを用意しないといけないわね……
そう思い、台所に向かおうとしたその時、気落ちしたみゆきの声が聞こえた。
『……どんなに考えても、どの『選択肢』を選んでも……私は……『親友』を……失うのですね……』
―だから何でそんな風に思うの?そんなことはないじゃない!
ゆかりは居ても立っても居られなくなった。
―あの子、絶対に勘違いしている!早く教えてあげないと!
盗み聞きを咎められる事など、もはや眼中には無かった。
みゆきを抱きしめてあげたい、勘違いを正してあげたい。
その一心だけだった。
バタン!!!!!
目一杯の力を込めて部屋のドアを開け大声で叫んだ。
「みゆき!そんなことはないわよ!!あなた、一つ勘違いをしているわ!!!」
●
ゆかりは優しく話しつづけた。
「みゆき……さっきのあなたが言っていた通りなら、こなたちゃんのお父さんはあなたに万全の信頼を寄せているはずよ……そうでしょ?」
「……あ、え……」
209:ナハト
10/11/09 22:23:35 nTj5HZrV0
「ほら、落ち着いて……今はお母さんの質問にだけ答えれば良いから……」
そう言って更に強くみゆきを抱きしめる。
「……」
「どう?落ち着いた?」
「……少しだけ……」
それを聞き、少しだけ腕の力を緩め、みゆきと顔を合わせ、再度質問をした。
「じゃぁ、答えられるかしら?……みゆきは、こなたちゃんのお父さんから、万全の信頼を得ている……そうよね?」
「……はい……十中八九間違いないと……思います……」
するとゆかりは満面の笑みを浮かべ、更に問い掛けた。
「なら、みゆきがこなたちゃん達と『決別』する必要なんて、全く無いと思うんだけどな~」
「……?何故……そう……言い切れるの……ですか?」
みゆきには、母が何故そんな事を断言出来るのか、全くわからなかった。
『署名』をするしないに関わらず、『親友』が離れていくのは紛れも無い事実ではないのだろうか。
「『信頼を得ている』という事は、みゆきに対して『一分の疑いを持つことも無い』という事と同じだというのは……わかるかしら?」
みゆきは静かに頷いた。
「じゃぁ……もしみゆきが陰で誰かと連絡を取っていたとして、こなたちゃんのお父さんはそれに気付くかしらねぇ?」
「……つまり、私が泉さんやつかささんと隠れて連絡を取り合っていても、おじさまはそれに気付く事は無い……ということ……ですか?」
「そーゆーこと」
ゆかりは満足げに頷いた。
「じゃ……じゃぁ……お二人……と……別れ……る……必……要……は……」
「そんな『選択肢』は存在すらしていないわよ~。……全く……みゆきは何時でも『最悪』を考えるから……」
「そうだよ……みゆきさん、言ったじゃん……『私は範囲外』だって……」
ゆかりの言葉を聞き、こなたも思い出したように言った。
「そう……でした……」
みゆきはハッとした。
自分はこなたにそう言っていたのだ。
なのに自分は思い込みで大きな勘違いをしてしまった。
「あらあら……全く……『うっかりさん』も程々にしないとね……」
みゆきはそれ以上、ゆかりの言葉を聞く事は出来なかった。
「……お母さん……私……わたし……」
「……大丈夫……みゆきは何も悪くないのよ……ちょっとだけ、心が悪いほうに傾いただけよ……」
ゆかりはみゆきを優しく抱きしめた。
みゆきは、その胸の中で泣く事しか出来なかった。
☆
「……落ち着いたかしら?」
「……はい……ありがとうございます……お母さん……」
「うん、いつもの『みゆき』に戻ったみたいね~」
時間にして五分位だろうか、母に抱かれ泣きつづけたその顔は酷い状態であったが、精神的にはかなり落ち着いたようだ。
「……皆様、お恥ずかしい場面をお見せしてしまい、申し訳ありません……」
「気にしなくて良いわよ、高良ちゃん……。もし私が同じ状況になったら、もっと不安になって何も手につかなくなっちゃうだろうし……」
「そうだよ、高良はなーんにも悪くない、悪いのはこんな気持ちにさせた『親』なんだからな」
「みさおちゃん……それには『私』も含まれるのかな~?」
意外な反撃に思わずみさおはたじろいだ。
「い、いや、その……『ちびっこのお父さん』と『柊の両親』って事で……決して『ゆかりおば……』」
「『おばさん』!?」
「あ、え、えと……『ゆかりさん』の事を言ったわけじゃ……」
その様子を見て、ゆかりは思わず微笑んだ。
「ふふっ……わかっているわよ~みさおちゃん。もぉ~可愛いんだからぁ~」
「か、可愛いって……」
みさおはその言葉に思わず赤面した。
「お母さん……あまりからかわないで下さいね……」
「はいはい……」
それを聞いていたこなたから、思わず笑い声がこぼれた。
「あははっ、やっぱりゆかりさんには敵わないや~」
210:ナハト
10/11/09 22:24:33 nTj5HZrV0
あやのもそれに続く。
「うふふっ……本当ね……こんなに真っ赤になったみさちゃんなんて、初めて見たわ~」
「みゅぅ~あやのぉ~そんな事言うなよぉ~」
『アハハハハハ……』
☆
「そういえば……」
ひとしきり笑い合い、すっかり温くなってしまったジュースをゆかりが配っている途中で、あやのが口を開いた。
「ゆかりさんは……泉ちゃんの『計画』の事……どう思っているんですか?」
その言葉に、こなたの表情が固まった。
―ゆかりさんにも知られてしまったんだ……
そう、『計画』を知られた時点で、ゆかりは『部外者』ではなくなってしまった。
つまり、ゆかりがこれを拒否した場合、即座にこの『計画』は『中止』となってしまう。
こなたはゆかりの言葉を待った。
「んーとね、それについてこなたちゃんに聞きたいんだけど……どうして『駆け落ち』をしようって思ったの?」
「それは……」
こなたはそこに至るまでの経緯を詳しく説明した。
特に、今回の『計画』を決意させた父の言葉に対しては、事細かく、感情を込めて。
「そっか……」
一通り聞いて、ゆかりは溜め息を一つついた。
「で……ゆかりさんは……どう、思って、います、か?」
今にも消え入りそうな声で、こなたが聞いた。
その顔は、処刑宣告を受ける直前の罪人のように蒼白だった。
「そうねぇ……」
頬に手を当て、考え込む『ふり』をする。
ゆかりの心は既に決まっていた……が、それを口に出すにはまだ幾つか確認しなければならない事が有る。
「……もう少しだけ良いかしら?こなたちゃんは、『駆け落ち』した後……どうする予定なの?そもそも、どうやって『駆け落ち』するの?つかさちゃんは『監視』されているんでしょう?」
矢継ぎ早に質問が浴びせられた。
「……『駆け落ち』した後は……親の手が届かない場所……まだ未定ですけど……そこで暮らそうと……思っています。……『手段』は……まだ決まっていません……」
こなたは、とても小さく、絞り出すような声で答えた。
「成る程……」
そう言って、今度は本当に考え始めた。
―漠然とした計画は立ててあるのね……、でも……こなたちゃんだけじゃこの先は難しいかもしれないわねぇ……
「あの……ゆかりさん?」
―ううん、こなたちゃんじゃなくても、普通の高校生じゃこの『計画』を実行するなんて不可能に近いわね
「えぇっと……」
―あ、そうか。だったら『大人』が手助けをしてあげれば良いんじゃないの
「ゆーかーりーさぁーん!!!」
「はっ!はいぃぃ!!」
大声に驚いて目の前を見ると、こなたが少しむくれた顔をしていた。
「あ、ご、ごめんね~、ちょっと考え事しちゃった~」
「……もぉ……で、改めて聞きますけど……どう思っているんですかぁ?」
不安な中、随分と待たされたためか、少々棘のある口調で再びゆかりに聞いた。
「その事だけど……『両手を上げて』って訳じゃないけれど『賛成』するわ~」
「……お母さん、何故『両手を上げて』じゃないんですか?」
みゆきは不思議そうに聞いた、他の三人も同様に困惑の表情を浮かべている。
「何故って……完全に独立している訳でもないのに『駆け落ち』を『両手を上げて』認める大人はあまりいないわよ」
それもそうだと皆は思った。
自ら生計を立てている訳でも無い只の学生が『駆け落ち』を宣言するなど、通常では考えられない。
―じゃぁ、どうして『賛成』なんですか
あやのがそう問おうとした時、不意にこなたが口を開いた。
211:ナハト
10/11/09 22:24:58 nTj5HZrV0
「じ、じゃぁ、なんで『賛成』なんですか?」
その顔は先程以上に困惑していた。
「ん~、だって『個人の自主性』が大切でしょう?特にこういった事は……」
みゆきにはそれで全てがわかったらしい。
「そうですね……確かにそれは、とても大切ですよね」
「……あやのぉ、どーゆー事かわかる?」
「……全然、泉ちゃんは?」
「……同じく、何なんだろ……?」
小声で話す三人に、ゆかりが優しく話しかけた。
「『個人の自主性』ってのはね、我が家の『家訓』なの……」
―さっき外で聞いていた事と、今聞いた事から判断すると、今回の根源は双方の『親』が『子離れ』出来ていない事だと思うの
―高良家ではね、子供が十六歳を迎えた時から『一人の個人』として扱っているのよ
―これは、私がそうだったから、そうしているだけなんだけどね、お父さんもちゃんと了承してくれたわ
―だから、もしみゆきが何か困っていても本人が言い出さない限り、決して口出しはしない事にしているの
―……まぁ、実際には何かしらの『きっかけ』を与えたりするんだけどね
「……話が逸れちゃったわね。ええっと、だからね、こなたちゃんが自分で『決心』した事についてとやかく言うつもりは無いって事よ」
そこまで言って、ゆかりは一息ついた。
「はぁ……そうですか……」
「なんか……スゲーな、高良の家って」
「本当。私の両親なんか、未だにベッタリだもん」
三人共、呆気に取られていた。
それを見て、ゆかりは思わず顔を赤くして言い訳のように言った。
「そ、そんな大それた事じゃ無いのよぉ~、要は『親の意識』の問題なんだから」
「うーん、これは是非ともおとーさんに爪の垢を煎じて飲ませたい位だね」
「全くだ」
「本当ね」
こなたの意見に二人も同意した。
「それでね、こなたちゃん」
ゆかりが真剣な口調で話し掛けた。
「この『計画』を実行するには、子供達だけでは限界があると思うんだけど……どうかしら?」
こなたの体が一瞬震えた。
「そう……かもしれません……でも……これは……これだけは、絶対に実行したいんです!」
強い口調でこなたが宣言した、他の三人も強く頷く。
「そうよね~、だ・か・ら~、おばさんも仲間に入れて貰えないかなぁ~」
『へっっっ???』
一同の思考が思わず停止してしまった。まさかゆかりからそんな事を言われるとは、誰も思っていなかったのである。
「あ、あの、お母さん?それは一体?」
なんとか平静を取り戻したみゆきが、おずおずと聞いた。
「そのまんまの意味よぉ~、だって楽しそうじゃないの、頭の固い大人を懲らしめるのって」
「は、はぁ」
「それにね……さっきも言ったけど、大人の手助けは絶対に必要だと思うの」
「で、でも、ゆかりさんまで巻き込む訳には……」
「もう巻き込まれているわよ」
こなたの言葉を遮り、話を続けた。
「大丈夫、絶対にこなたちゃんの『計画』を成功させてあげる、私は嘘はつかないわ」
「じ、じゃぁ、どうやるんですか?」
あやのが思わず疑問を口にだした。
「……ま、まぁ、それはこれから考えるって事で……」
先程までの表情とは一転して、申し訳なさそうにゆかりが答える。
まさかそのような答えが返ってくるとは誰一人思っていなかったらしく、開いた口が塞がらなかった。
「ゆかりさん……いくらアタシでもさぁ、一応こういった事はちゃんと考えてから喋るようにしてるよ~」
「お母さん、日下部さんの言う通りです。事が事なんですから、ちゃんと計画を立ててから話して下さい」
みさおとみゆきに責められ、ゆかりは思わず体を小さくしてしまった。
―はぁ~、やっちゃったわ~。こなたちゃん、怒っているわよねぇ~
ゆかりが反省の念に駆られていると、こなたが二人をなだめた。
212:ナハト
10/11/09 22:25:44 nTj5HZrV0
「まぁまぁ、二人とも。私だってちゃんと計画出来てなかったんだから、責めるのはそのくらいにして、これからの事を考えようよ」
「こなたちゃん……」
ゆかりが顔を上げると、こなたは笑顔だった。
「ほら、ゆかりさんも反省しているみたいだし、だから……ね」
そう話すこなたは、とても優しい顔をしている。
思わずゆかりは見惚れてしまった。
―こんな表情も見せるのね……
「ふふっ……つかさちゃんは、こなたちゃんのこういった所に惹かれたのかな~」
「えっ!!あ、えー、あのー、そう、なんです、かねぇ~……あはは……」
「アタシもそう思うな~、ちびっこは誰にでも気を使うしな」
「そうよね~、特に『交際報告会』の時の泉ちゃんったら……」
「も、もう、それはいいから!『作戦会議』始めようよ!ね、ね」
話がとても恥ずかしい方向に行きそうなので、こなたは慌てて軌道修正を図った。
「えぇ~、私も聞きたかったのになぁ~……でもまぁ、そんな暇は無いわね、もうすぐ三時だし」
こなたがこの家に居られるのは、午後四時半まで。
こなたが高良家に行く事を渋るため、仕方なく父と交わした約束である。
「それじゃ、本題に入りましょう。まず、こなたちゃん、この『計画』を『実行』するのは、いつ頃を予定しているのかしら?」
「なるべくなら……早くに。今日、此処で皆が署名して、つかさに『計画』を伝える事が出来ればですけど」
「……あまり時間が無いわね……じゃぁ、『二人が何処へ行くか』は後回しにして、『どうやってつかさちゃんを連れ出すか』を考えましょう」
皆、大きく頷いた。
「私は知らないんだけど、つかさちゃんは今どんな状況なの?」
言われてみれば、ゆかりはつかさの現況を全く知らない。
子供達は事細かに説明した。
「そう……困ったわねぇ……」
ゆかりは腕を組み考え込んだ、そこまで厳重な監視体制だとは完全な予想外だ。
「あ、そうだ」
あやのが何かを閃いたらしく、突然声を上げた。
「たまになんだけどね、『勉強会』の日に両親が留守の時があるの。だから、その時に連れ出しちゃえば良いんじゃないのかなぁ」
「うーん……残念だけど、それは採用出来ないわ」
「え~、なんでぇ~」
ゆかりが厳しい表情で否定すると、みさおが即座に抗議の声を上げた。
「なんでって……それだと二人の予定が合わないと駄目だし……それに」
「それに……もしその案が成功した場合、今度はかがみやお姉さん達に迷惑が掛かっちゃう……これ以上の迷惑は掛けられないよ……」
ゆかりの言葉を引き継ぐ様に、こなたが発言した。
「そっか、ゴメン……」
二人の言葉で、みさおはあっさりと引き下がった。
「でも……本当にどうしたら良いのでしょう?御両親が在宅中に抜け出すなんて、そんなこと出来るんでしょうか?」
みゆきの言葉で再び一同は沈黙してしまった。
「映画とかで良く有るパターンだったら、ハプニング絡みとかかなぁ……」
みさおが何気なく呟いた。
「ハプニングねぇ~」
あやのも同様に呟く。
実際、ハプニングという物は予定して出来る物ではない、偶然が産む物であり決して必然では無いのだ。
「じゃぁさ『暗くなるまで待って作戦』なんてのはどうだい?」
皆が驚いた顔で部屋のドアを見た。
今の発言は室内ではなく室外から聞こえたからである。
「どうかな、結構良い作戦だと思うんだけど」
そこに立っていたのは………。
「お父さん……」
Section7 「支えられる苗木」 End
213:ナハト
10/11/09 22:28:39 nTj5HZrV0
以上です
また来週の火曜日に投下しまね~ ノシ
214:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/10 00:17:25 1lBvoWt+0
原作に出ていないキャラは難しい反面脚色自由ですね
215:紳士 ◆F5tes7w.5Ild
10/11/10 00:21:57 wW0qMFO4O
>>204の人!!
>>184-185の名作の保管を忘れてるぜ?
216:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/10 07:30:56 LtXT9Lnw0
長編を10数回に分けて投下はもどかしい反面
長期間楽しめていいな
217:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/10 12:19:20 9hYz6TGL0
楽しみだが作品の上手さを競うスレではないからな
>>1を忘れないで欲しい
218:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/10 14:25:37 +imIl/SPO
他の人が書くSSが読みたい今日この頃
219:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/11 22:57:33 Pl5XNDnK0
見れば見るほどゆかりちゃんマジ俺の嫁
もちろんこなたはつかさの嫁
220:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/12 18:38:55 Ti1smxTuO
こなたがつかさの嫁・・・
こな「つかさ遅いなぁ・・・まだ仕事終わらないのかなぁ~」
♪失敗だってGoodNight~
こな「あ!仕事終わったのかな!?やふ~」
つか『こなちゃんごめ~ん、今仕事終わったの~』
こな「大変だったの?」
つか『うん、ちょっと新作の会議が長引いちゃって……』
こな「そっか~」
つか『急いで帰るね~』
こな「晩御飯作ってまってるよ~、気をつけてね~」
つか『は~い』
こな「さてと……愛する妻の為に、栄養タップリのご飯を作らなくちゃね」
ここまで浮かんだw
後は頼んだ(=^・д・=)ノ゛
221:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/14 21:11:30 E4agOJqV0
「ただいまー!遅くなってごめんねー」
「おかーりー!今日は至って普通な野菜炒めとエビチリでござます」
「わーいエビチリだー」
「でね、エビと牛肉どっちが高級感あるかで3時間も長引いちゃってー」
「どっちでもいいじゃーんって感じだけど会社からすればやっぱ悩むかー」
「うん。一応決まったんだけど、こなちゃんはどっちだと思う?」
「……………。」
その後、私は3時間悩んだ。
あれ?いちゃついてないorz
222:ナハト
10/11/17 13:52:34 tgJIDuX3O
捕手ついでにお詫び
昨日、薬の副作用で爆睡してますた・・・orz
今夜投下しまつ
223:ナハト
10/11/17 20:38:32 UJxOmrVz0
帰宅しますた
では
Section8 「育ち始めた苗木」
投下します
5レス使いますね
224:ナハト
10/11/17 20:38:59 UJxOmrVz0
デジャヴュ……
そんな言葉が皆の頭をよぎった。
それ程に、父の佇まいが母と似ていたのである。
dear -Section8 「育ち始めた苗木」
「まさきさん……何時からそこに?」
ショックの度合いが割合少ないゆかりがおずおずと問い掛けた。
「ん、えーと、確かゆかりが『みゆき!そんなことはないわよ!!あなた、一つ勘違いをしているわ!!!』って言ったちょっと後からかな」
「じゃぁ、私が部屋に入った所から?」
「そうだよ。その後は扉の陰で皆の話を聞いていた」
「そうだったんですか……」
こなたが力無く呟いた、それ程に予想外な出来事だったのだ。
「盗み聞きしていたのは謝るよ。でも、お陰で良い事が聞けたな」
「……『良い事』……ですって?」
みゆきは怒りの交じった声を出した。
今までここで話していた事は、決して『良い事』ではない、寧ろ『悪い事』の筈だ。
それを、何故この父親は『良い事』などと言うのだろうか。
「お父さん……どこをどう聞いたら、今の話しが『良い事』になるんですか」
怒りの表情を見せながら、まさきに聞いた。
「ん?だってこの計画が成功したら二人とも自由になるし、なにより作家『泉そうじろう』の作風が拡がるじゃないか」
―この人は一体何を言っているのだろう
みゆきは『理解不能である』とでも言いたげな表情で父親を見た。
「『良くわからない』って顔をしているね。んー、つまり、『作家』とは『自分を切り売りする』事で『作品』を作る職業……と言えばわかるかな?」
「……つまり、今回の『計画』でおとーさんの作風に『新たな一面』が出てくる……と言う事ですか」
こなたが納得した表情で答えた。
「その通り!僕は一人のファンとして、最近の作風にマンネリを感じていたんだ。でも、今回事でそれを打ち破る事が出来るんじゃないかと思ってね」
「はぁ……」
思わずみゆきの口から溜め息がこぼれた。
「それにね」
まさきは一息置いて、話を続けた。
「ゆかりじゃないけど、頭の固い大人を懲らしめるのって楽しいじゃないか」
その顔には先程のゆかり、ひいては声真似をして皆を驚かせたみゆきと同様に、『悪戯っ子』の雰囲気を漂わせていた。
「なんかさぁ~、高良の家族って、そっくりだよな~」
「えっ?そう……ですか?」
みさおの言葉にみゆきが思わず聞き返した。
「「「うん!」」」
家族以外の三人が異口同音に答えた。
「おじさんがさっき見せた顔なんか、高良ちゃんにそっくりだったわよ」
「ホントだよね~、まさに『親子』って感じがしたよ~」
「は、はぁ。そうですか……」
あやのとこなたの思わぬ『口撃』にみゆきは顔を真っ赤に染めた。
「盛り上がっている所で悪いんだけど、さっきの僕の作戦は……どうかな?時間も余り無いから、手短に説明したいんだけど」
まさきの言葉に、一同は静まり返った。和んでいられる程、時間に余裕はもう無いのだ。
「まさきさん、その『作戦』ってあのヘプバーンのサスペンス映画を元にするの?」
「あ、いや、タイトルを使わせて貰っただけだよ。映画のストーリー通りだとかなりまずいからね」
「じゃぁ、改めて。おじさん、それってどんな『作戦』なんですか?」
こなたの問いに、まさきが静かに答えた。
225:ナハト
10/11/17 20:39:18 UJxOmrVz0
―さっき誰か……みさおちゃんかな?『ハプニング絡み』って言ったよね、それで思い付いたんだけど
親御さん以外に迷惑が掛からない方法って、やっぱり何かしらの『ハプニング』が無いと難しいと思うんだ
だから、その『ハプニング』をおこして、その隙に……って訳だ
作戦名に有る通り、僕の考えでは『停電』を『強制的に』起こそうと思っている
……みんな、そんな簡単に出来ないって顔をしているね
でも、大丈夫
僕にはちゃんと『策』が有るからね
家族以外には殆ど知られていないけれど、僕はこう見えて電子部品を組み立てるのが趣味なんだ
だから『特定の時間になると強制的に過電流を流して、ブレーカーをショートさせる装置』なんてのも作れるんだよ
「それを使えば……わかるよね」
まさきの説明に、皆は呆気に捕われていた。
そんな短時間の間にそれだけの事を考えていたとは、誰ひとりとして思っていなかったのである。
「あの……それって、私やつかさでも出来るんでしょうか?」
こなたがおずおずと聞いた。
確かに計画としては申し分のない内容である。だが、自分達がそれを実行出来なければ意味が無いのだ。
「あー、それなら大丈夫。こなたちゃんとつかさちゃんがすることは、ただ一つだけ『停電時に家から脱出する』だから」
「あ、それで良いんですか。なら確かに……ん?えっと……ほぇっ!?あ、あの、今言った事を、もう一度、教えてもらえますか?」
「今言った事?『こなたちゃん達は停電した隙に家から出る』って事だけど」
「えと、すみません、意味が、わからないん、です、けどぉ!?」
こなたが驚くのも無理はない、本来ならば『計画』を『実行』する本人が『何もしないで良い』と言われたのである。
「お父さん、私にもその意味がわからないんですが……」
みゆきも同様らしい。見ると他の三人も同じ顔をしている。
「んーと、今回の『主役』はこなたちゃんとつかさちゃんだってのはわかるよね」
まさきの言葉に一同頷いた。
「そして、一番大変な思いをするのもこの二人だってのも、わかる……かな?」
またも皆頷く。
「なら、二人がなるべく『計画』に『参加しない』ほうが良いって事も……わかるよね」
「ええっと……二人に対する『監視』が強まらないように……ですか?」
あやのが確認の意味を込めて聞いた。
「そう、その通り。もし二人が不穏な動きをしていると思われたら、計画のハードルが一気に上がるからね」
「……じゃぁ本当に『何もしない』で良いんですか?」
「あぁ、そうだよ。だってこれは『裏方』の仕事だからね。『主役』が余計なことをしたら作品は成り立たなくなるよ」
「そうですか……」
こなたは渋々頷いた。自分だって何かしたい、そんな言葉を叫びたかったが、まさきの言葉に異を唱える隙は全く無かった。
「でもさー、それだとちびっこは機械の設置自体しなくて良いって事?じゃぁどうやってちびっこの家を停電させるの?」
みさおの言葉に一同は思わず顔を見合わせた。
「な、なんだよぉ。別に変な事言ってないだろぉー」
「うん……そうなんだけどさ、みさきちがまともなこと言ったから……」
「みさちゃん……なんか新鮮だった」
「日下部さんの口からそんな言葉が出てくるとは……以外でした」
「ホントね~」
「確かに」
「ちょ、ちょっと!ちびっこあやの高良が言うのはわかるけど、なんでおじさん達まで納得すんのさ!てか納得しないでよ」
「いやぁ、スマンスマン。ついノリでね……まぁでも、みさおちゃんの言う事が一番重要なんだよね」
まさきは苦笑いを浮かべてそう答えた。
「お父さん、ではどうするんですか?」
「ん?丁度その役にピッタリな人が居るじゃないか」
226:ナハト
10/11/17 20:39:39 UJxOmrVz0
それを聞いたこなたの頭に一人の少女の姿が浮かんだ。
「……もしかして、ゆーちゃん、ですか?」
「そう、その通りだよ。ゆたかちゃんはこなたちゃんと一緒に住んでいるんだろう?」
「はい……でも……ゆーちゃんまで巻き込むのは……」
こなたが言い淀んでいると、まさきが疑問を投げ掛けた。
「巻き込むも何も、こなたちゃんが駆け落ちするって決めた時点でそれは避けられない事じゃないのかな?」
「それは……そうなんですが」
「……まさか、彼女に一言も告げず駆け落ちをする気じゃ無いだろうね」
「そんな事はしません!」
「じゃぁ、もう打ち明けたのかな?」
「いえ……まだです。今日か明日には言う予定です……」
その言葉は本当だった。ゆたかには余計な不安を与えない為に計画が決定してから伝える予定だった。
「そうか。じゃぁ……えっと、何か書くものはっと……あ、良いのがあった。みゆき、附箋貰うぞ。こなたちゃん、ちょっと待ってて……」
そう言うと、手近に有った附箋に何かの文字を書き付けた。
「これをゆたかちゃんに渡してもらえるかな?この先の事で色々と話し合わないといけないからね」
手渡されたそれには携帯のアドレスが書いてあった。
「おじさんのアドレス……ですか?」
「そう。ただプライベートのだから仕事中に返信は出来ないけどね。仕事終わって確認したらすぐに返信するよ」
「ゆーちゃんにですね……わかりました。帰ったら頃合いを見て渡します。……『計画』も、その時ちゃんと話します」
それを聞いたまさきは満足げに頷くと、今度はあやのとみさおに話しかけた。
「君達にもお願いがあるんだけど……」
「は、はい!」
「どんな事ですか?」
「ちょっと携帯を出してもらえるかな?僕のアドレスを転送するから」
「はい……ちょっと待ってくださいね……いいですよ」
あやのは慣れた手つきで携帯を操作しアドレスを受信した。一方みさおはと言うと、どうやらそういった事には疎いらしく、かなり手間取っている様子だ。
「えっと……こっちじゃないや……んーっと……あれぇ~?あやのぉ~、どうやるんだっけ~?」
「みさちゃんちょっと貸して……こうやって……これでオッケー」
「おぉ!さすがあやのだぜー!」
「てゆーか、みさきちがダメダメなだけじゃ……」
「みゅ~。ちびっこぉ~、それは言わない約束だよぉ~」
「まぁまぁ……。ところで、私達は一体何をすれば良いんですか?」
あやのがまさきの方を向いて問い掛けると、まさきは一枚の紙を目の前に差し出した。
「先ずはなるべく早目に僕のアドレスをつかさちゃんのお姉さん……えっと……」
「いのりさんとまつりさんですよ、お父さん」
「そうそう、その二人に伝えてもらえるかな。文面はこんな感じで」
渡された紙には『至急連絡請う!! by高良みゆきの父まさき』と書かれていた。
「おじさん……わかりやすいけどさぁ、なんか……なんてゆーか、もうちょっとマシな文章にはならなかったの?」
「みさおちゃん、こういった時には『単刀直入』が一番効果的なんだよ。……まぁ、最後の名前なんかはお遊びだけどね」
「はぁ、そうですか……じゃぁ明日これを渡しておきますね」
「えっ!?渡す?どうやって?」
あやのの言葉にゆかりが驚きの声を上げた。
「あ、そういえばお父さんもお母さんも詳しくは知らないんですよね」
「そっか~。んじゃ、みゆきさんお願いね」
「僕からも頼む。詳細を知っておかないと、どんな上等な計画でも頓挫してしまうからね」
「はい、では後ほど説明しますね」
その言葉を聞き、まさきは満足げに頷き立ち上がると皆を見回した。
227:ナハト
10/11/17 20:40:01 UJxOmrVz0
「それじゃぁ……今一度確認するけど、先ずはこなたちゃん」
「はい!なるべく早目にゆーちゃんに伝えます!」
「頼んだよ。お次はあやのちゃんとみさおちゃん」
「いのりさんとまつりさんに伝えるんですね!明日は親が居ないから確実に渡せますよ!」
「あ、その時絶対につかさちゃんにこの『計画』を知られないように気をつけてね」
「え?何で?妹に知られちゃまずいの?」
まさきの言葉に、みさおが不思議そうに聞いた。
「うん……これはあくまでも僕の『予想』なんだけど……もしつかさちゃんがこの『計画』を知ってしまうと、浮足立ってしまう気がするんだよね」
「そう……かもね。私だっておとーさんに気付かれないようにするのが大変な位だし……」
「だから、つかさちゃんに伝えるのは実行前日にしようかと思っているんだ。……それでどうかな?」
その問いにあやのが答えた。
「それで良いと思います。……妹ちゃんには申し訳無いけど……」
「でも、予想外な方向から嬉しい事がやって来ると、その嬉しさは何倍にもなるからね~。良いんじゃないかしら~」
「お母さん……まぁ、確かにそうなんですけどね」
「じゃぁ、妹に気付かれないようにちゃんと渡しておくよ!」
「くれぐれも慎重に、良いタイミングが無かったらアドレスだけでも構わないからね」
「はい!」
「うん!」
「後は……ゆかり、みゆき」
「えっ?私も何かするの?」
「あぁ。岩崎さん……みなみちゃんにも伝えておいてくれ。勿論親御さんにもな」
「ほぇっ!?みなみちゃんにも伝えるんですかぁ!?」
今度はこなたが驚きの声を上げた。声こそ上げないが、皆も驚きの表情を見せている。
まさきからその名前が出るとは誰ひとりとして思ってもいなかったからだ。
「うん。僕の頭の中にある『計画』では後二人……最低でも一人必要なんだ」
「でも、それならみなみちゃんじゃなくても良いんじゃない?」
「最悪、断られた場合はそうなるけどね。……出来れば『信頼出来る人』に加わってもらった方が安心出来るんじゃないかな?」
「んー、それもそうねぇ。全く知らない人だと色々と面倒な事がおこったりもするし」
「だろ?だから、出来ればみなみちゃんが良いかなって思ってさ」
「そうですか……わかりました……」
そうは言ったが、こなたは悩んでいた。
従姉妹のゆたかがこの『計画』に参加するのは致し方ないと理解出来た。
だが、ゆたかの友人であるみなみまで『計画』に参加……いや、巻き込むのはどうだろうか。
「こなたちゃん」
そんな表情のこなたを見て、まさきが声をかけた。
「もし、この『計画』が成功して、こなたちゃんが家から居なくなった後、ゆたかちゃんはどんな状態になっていると思う?」
その言葉にこなたは頭を殴られた様な衝撃を受けた。
「一人……ぼっち……」
「そう、『一人ぼっち』になってしまうんだよ。……そんな時に、支えになってくれる人が必要だと思うんだよね」
「それで、みなみちゃんなのね」
「うん。彼女ならゆたかちゃんの支えになれると思うんだけど、こなたちゃんはどう思う?」
「多分……いえ、確実に支えになってくれると思います!」
228:ナハト
10/11/17 20:40:18 UJxOmrVz0
そのやり取りを見ていた他の四人はまさきを尊敬の眼差しで見つめていた。
「ん?みんな、どうしたんだい?」
「あ、いや……なんか、スゲーなって思って」
「泉ちゃんの心配をするのはわかるんだけど……」
「ゆたかちゃんの事まで考えているなんて、思ってもいませんでした」
「流石は私の夫ねぇ~。私、惚れ直しちゃった」
「……そんなに大層な事を言ったつもりはないんだけどね……」
思わぬ賛辞にまさきは照れた様子でそっぽを向いてしまった。
それを見たゆかりは微笑んでまさきに話し掛けた。
「まさきさんが言った言葉は全然『大層な事じゃない』訳じゃ無いわ。……私達では気付かなかった事を言ってくれたんだから」
「そう……か?」
「ええ。まさきさんが言わなかったら……いえ、この場に居なかったら、この『計画』自体が頓挫していたと思うわ」
「私もそう思います。……正直、ゆーちゃんがどうなるかなんて、完全に頭から抜けてました」
「……本当、私の夫がまさきさんで良かった。ありがとう」
その言葉にまさきは更に顔を赤くして皆の方に向き直った。
「もぉ、止してくれよ……照れるじゃないか……。おっと、そろそろ時間だな」
そう言われて皆が時計を見ると、時刻はそろそろ四時半になろうとしていた。
「あらもうこんな時間?……じゃぁ、岩崎さんの家には後で電話をしておくわ。詳しい話しは明日にするけど」
「頼んだよ、ゆかり。それじゃ改めて……みんな、各々がそれぞれの役割をきちんとこなすことで、その先にこの『計画』の成功が待っている」
皆無言で頷いた。
「誰ひとりとして失敗しないよう、慎重の上に慎重を重ねて行動するように。……『成功』に向けて頑張るぞ!」
「「「「「おー!!!!!」」」」」
Section8 「育ち始めた苗木」 End
229:ナハト
10/11/17 20:42:06 UJxOmrVz0
以上です
一応次は月~水の間に投下しますね~
ではでは ノシ
・・・薬の副作用って怖いなぁ~www
230:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/19 02:14:14 X7G8n/YQO
人が居ない・・・
規制のせい・・・?
231:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/20 09:50:01 W/AJoRMG0
☆ゅ
232:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/21 02:01:15 NkOXrrEC0
池沼コンビ
233:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/21 08:56:34 U4pgj62XO
うにょ~ん
234:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/22 01:53:13 ABtkQHJX0
最初から通しで読んでみた、凄いボリュームだった
ごっつぁんです!
235:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/23 04:52:58 0L/aMXE30
うひひひ
236:ナハト
10/11/23 20:15:43 Sit6wHJb0
どもども
そろそろストックが残り少なくなってきてピンチですw
タイトル
dear -Section9 「ひだまりの中の苗木」
投下します
本文5スレ使いますね~
237:ナハト
10/11/23 20:16:13 Sit6wHJb0
えーっと、今日はから揚げだから……んしょ……あれ?確かここら辺に本が……あった!これこれ。
まずはモモ肉をぶつ切りにして、調味液の中に漬け込むっと……。んーと、お醤油……お酒……、後は生姜をすりおろして……。
「生姜~生姜~生姜が無いとしょうがないよ~」
「……ゆーちゃん……その歌はどうかと……」
「へっ!はぇっ!!」
驚いて振り返ると、いつの間にかこなたお姉ちゃんがそこに立っていました。
「お、お姉ちゃん、お帰りなさい……いつから居たの?」
「ついさっき……ゆーちゃんが『生姜~生姜~』って歌い始めた所からだよ~」
あぅっ!!まさか、こんな場面を目撃されるなんて……うぅ~。
「あの……お姉ちゃん、この事は……」
「だいじょーぶ、誰にも言わないよ~。……ところで、おとーさんは?」
ほっ……良かったぁ~。
「おじさんなら『ゆーちゃんのから揚げ食べたかったよぉ~』って泣きながら、担当の人と一緒に出かけたよ。社長さん就任何年目だかのパーティーに出るんだって」
「ふぅ~ん……て事は、今日は帰りが遅いんだね……」
「多分そうだと思うけど……お姉ちゃん、どうしたの?帰ってきてからずっと難しい顔してるよ」
「うん……。ゆーちゃん、晩御飯の後に大切な話があるから……ちょっとだけ時間を貰えるかな?」
「あ、うん。良いけど……」
「ありがと。じゃぁ、部屋に居るからご飯出来たら呼んでね~」
「は~い」
大切な話……何だろ?
「ま、いっか~。えっと……あぁ!生姜!……確かこの奥に……生姜~生姜~生姜が無いとしょうがな……ハッ!!」
思わずまた歌ってしまった私が恐る恐る振り向くと……。
お姉ちゃんがニヤニヤしながら見つめていました……トホホ……。
dear -Section9 「ひだまりの中の苗木」
「「ごちそーさまでした!!」」
ふぅ、今日は上手に出来たなぁ~。おじさんの分も残してあるから、明日の朝になんて言って貰えるか楽しみだな~。
あ、おじさんといえば……。
「そういえばさぁ、お姉ちゃん最近おじさんとあまり話してないけど……何かあったの?」
「えっ!あ……まぁ……ね」
「……もしかして『大切な話』って、……それ?」
「それも含めて、かな。まぁ、取り敢えず後片付けしちゃおうよ、そのあとにコーヒーでも飲みながら話すからさ」
ここ最近のおじさんとお姉ちゃんはとても変だった。
どちらも何となくピリピリしていて、会話も少なくて、一緒にゲームすることも無くて。
何かがあったのはわかるんだけど……二人共何も話してくれないし……。
……少しは話してくれてもいいのにな……。
☆
「はい、お姉ちゃん」
「ありがとー。……で、話なんだけど……」
「う、うん」
私は唾を飲み込んだ。
どんな話……なんだろう……。
「その前に一つ、多分ゆーちゃんにとってはとてもショッキングな話になるから……、心構えだけはちゃんとしてね」
「そうなの!?わ、わかったよ!どんな辛い話だとしても、ちゃんと最後までき、聞くよ!」
「ありがと。……じゃぁ先ず最初に、私とつかさが『恋人同士』だって言うのは知ってるよね……」
238:ナハト
10/11/23 20:16:34 Sit6wHJb0
それは、確かに衝撃的な話だった。
つかさ先輩とかがみ先輩二人が休学している理由、お姉ちゃん達がやろうとしている事、そして……その『計画』に私が必要とされている事に。
「……で、どうかな?もし、ゆーちゃんが計画に同意してくれるのなら……」
そう言って、お姉ちゃんは紙を二枚差し出した。
「アドレス……と……『誓約書』?」
「うん。そこに書いてある通りなんだけどね、……同意してくれるのなら名前を書いて欲しいんだ……」
確かに……名前を書き入れる欄が……三つ!?
「お姉ちゃん、これ……なんで名前を書く所が三つも有るの?」
「……みなみちゃんとその両親、あとはみゆきさんの両親にも書いてもらいたいからね」
「あ、そうか……うん!わかった!」
「ゆーちゃん、ありがとね」
「そんな……お礼を言われる程じゃないよぉ……」
お姉ちゃんにとっては大切なことだもんね……あ、でもこれだけは言っておかなくちゃ。
「でもね、お姉ちゃん」
「ん?なーに?」
「これからは、ちゃんと私にも何があったか話してね。……とっても……不安……だったんだから……グスッ……」
「……ゴメン、変な不安を与えないように考えてたからなんだけど……余計不安にさせちゃったね……本当にごめんね……」
「もぅ……秘密は……やだよぉ……ヒック……」
私が泣いている間、お姉ちゃんはずっと私を抱きしめてくれました。
それはとても優しくて、暖かくて、まるでお母さんが抱きしめているみたいでした。
「お姉ちゃんありがとう、もう大丈夫だよ」
「ホントに?」
「うん。……いっぱい泣いたし、お姉ちゃんにギュッってしてもらってたから……」
「……私もさ、もうゆーちゃんに隠し事とかしないから、ゆーちゃんも言いたいことがあったらちゃんと言ってね」
「うん、わかったよ。……ところでさ、このアドレスにメールして、その後はどうするの?」
「うーん、それはわからないんだよね~。……私はもう関われなくなっちゃったし……」
あ、そうか……。
「ごめんね、変なこと聞いちゃって」
「あぁ、別に気にしてないから大丈夫だよ~。……まぁ、『気にならない』って言ったら嘘にはなるけど、私はみんなを信頼しているからね」
お姉ちゃんはウィンクをしてそう答えた。
「じゃぁ、後でメールしておくね」
「頼んだよ~。……そろそろおとーさんが帰ってくるかな?」
時計を見ると、結構な時間になっていた。
「そうかも……じゃぁ、これを部屋に持って行かないとね」
「ゆーちゃん」
私がそんな事を呟くと、お姉ちゃんが急に真剣な顔で話しはじめた。
「絶対に、おとーさんには見つからないでね。これ以上無用な被害者は出したくないから……。だから、お願い。絶対だよ」
「う、うん。わかったよ!じゃぁ、部屋に行ってるから。おじさんが帰ってきたら……」
「うん、上手くあしらっておくよ。それじゃ、おやすみ~」
「おやすみなさーい」
239:ナハト
10/11/23 20:17:00 Sit6wHJb0
☆
「えっと……『はじめまして、小早川ゆたかと言います』……んっと……『こなたお姉ちゃんからおおまかな話しを聞きました』」
うーん……目上の人に送るメールって、緊張しちゃうなぁ~。
「『私なんかで構わないのでしたら、喜んでお手伝いさせていただきます』……こんな感じ……かな?……あ、忘れてるよ~『それでは、失礼いたします』……よし!送信!」
チューリップのイラストが左右に揺れる画面が表示され、数秒後には『送信完了!』の画面が表れた。
ふぅ……これでオッケー。
……駆け落ちかぁ……少し、寂しくなるなぁ……。
……だめだめ!ちゃんとお姉ちゃんの手伝いをしなきゃいけないんだから!寂しがってるヒマなんか無いんだよ!!
♪~♪~
あ、メールだ。
「……高良先輩のお父さんからだ……えっと……そうなんだ……じゃぁ……」
私は「わかりました。では次の連絡を待っています」とだけ書いてメールを返信した。
……日時が決まったら、みなみちゃんの家に集合か……あ、そうだ!
私はふと思い付いた重要な事をみなみちゃんにメールした。
暫くしてメールが返ってきた。どうやらみなみちゃんも同じ考えを持ってくれたみたい。
「明日の朝……お姉ちゃんにちゃんと話しておかないとね……」
そう呟いて私はベッドに入る。
……私の役目……一体何なのかなぁ……。
☆
「ねぇねぇ、お姉ちゃん」
翌朝、二人で学校に行く途中に私は昨日思い付いた『重要な事』をお姉ちゃんに話した。
「お姉ちゃんの『計画』に田村さんも加えるね。みなみちゃんにも昨日メールしたら、その方が良いって返事もらってるから……」
「へっ!?ひよりんを?」
「うん……だってさ、このままじゃ田村さんだけが『のけ者』になっちゃうから……」
「でも……」
「だって、お姉ちゃんと田村さんは共通の趣味で話しが合うし、もしお姉ちゃんが黙っていなくなっちゃったら田村さんも寂しいと思うんだ……だから」
「そっか……。うん、わかったよ」
私の言葉で、お姉ちゃんも納得してくれたみたい……良かった……。
「それでね、今日の昼休みに説明してもらいたいんだ。みなみちゃんと田村さんに」
「……そうだよね、ちゃんと説明しておいた方が良いよね。うん、じゃぁゆーちゃんお願いね」
「うん!」
240:ナハト
10/11/23 20:17:49 Sit6wHJb0
☆
「んー!!気持ち良いっすねー!」
昼休み、私はお姉ちゃんに約束した通り、田村さんとみなみちゃんを誘って屋上でお弁当を食べていた。
勿論、お姉ちゃんも一緒に。
「……で、話しってなんなんすか?」
「まぁまぁ、それは皆がお弁当を食べ終わるまで待ちたまへ~。……落ち着いてからの方が良いからね~」
「はぁ……そうっすか。わかったっす。んじゃ食べるとしますかね~。お!サンドイッチにオムライスっすか~、美味しそうっすね~」
「田村さんのお弁当も美味しそうだよ~」
「ひよりん……」
「なんすか?」
「筑前煮の蓮根頂きっ!!」
「あぁっ!何という事を……じゃぁお返しに……タコさんウインナーゲットっす!!」
「のぉぉぉっ!!そ、それをさらっていくとは……うぅっ、なんて極悪非道な……」
「ふふっ……いかなる時でも油断は禁物っすよー」
「お姉ちゃん達、楽しそうだね~」
「……そうだね……」
出来る事なら、ずっとこうやってみんなと楽しくお弁当を食べていたいけど……。
……お姉ちゃんは、いなくなっちゃうんだよね……
☆
「……そうだったんすか……」
「うん……ごめんね、ひよりん、みなみちゃん。言うのが遅くなっちゃって」
お弁当の後、お姉ちゃんから事の詳細を知らされたみなみちゃんと田村さんはとても驚いていた。
「いえ……私は……昨日、お母さんから少し聞いていたので……でも、詳しくは知らなかったので……ちょっと、驚きました」
「あ、別に気にしなくっていいっすよ~。これでハブられてたらかなり恨むっすけど、ハブられなかったからオッケーっす」
「二人とも……ありがとう」
「そんな、お礼なんていらないっすよ~。……ところで、さっきの話しだと協力者が『あと二人』必要なんすよね」
「うん……。みゆきさんのおじさんはそう言ってたね」
「岩崎さんは……」
「うん……手伝うつもり……」
「てぇことは、あと一人っすね。……よっしゃ!ここで逃げたら男……じゃないや女がすたる!私も手伝わせていただくっすよ!」
た、田村さん……。そんな、拳を突き上げる程気合いを入れなくても……。
「ひよりん……そんな簡単に決めちゃって良いの?もしかしたらとんでもなく大変な役を担当するかもしれないんだよ?」
「うっ……、でも、大丈夫っす!気合いで何とかするっすよ!」
「気合いで何とかなるかどうかもわからないんだけど?」
「それでもっす!……それに、私一人だけ何も知らずに先輩がいなくなるのなんて……嫌っすよ……」
「ひよりん……」
……そうだよね、何も知らされずに急にいなくなるなんて……嫌じゃない人なんて、いないよね……。
「……じゃぁ、ひよりんにお願いしよ」
「まぁ……良いネタにも……へっ!?あ、り、了解っす!」
「……ひ~よりん。ちょ~っと一緒にあっちに行こうね~」
田村さん……小声で何か呟いてると思ったら、お姉ちゃんが向こうに連れていっちゃった……。
「みなみちゃん……、田村さんさっきなんて行ってたのかなぁ」
思わずみなみちゃんと顔を見合わせたけど、みなみちゃんも首を傾げるだけで聞き取れなかったみたい……。あ、帰ってきた。
「ゆーちゃ~ん、みなみちゃ~ん。ひよりんが『一番大変な仕事をやってあげるよ』って言ってくれたよ~。うぅっ、こんな先輩想いの後輩を持って、わたしゃ幸せだよ……」
「た、田村さん……本当なの?」
「あ、えと、うん。が、頑張るっすよぉー!!」
そう宣言した田村さんを見つめるお姉ちゃんが、とても不敵な笑みを浮かべているような気がするけど……気のせいだよね……多分。
241:ナハト
10/11/23 20:18:14 Sit6wHJb0
☆
「……ふぅ……今日は何だか疲れたな……」
夜、ベッドに寝転がった私はそんな事を呟いた。
ここ最近身体の調子が良いとは言え、今日は色々とありすぎたみたい。
ボーッとしていると段々と瞼が重くなってくる。
……今日の『勉強会』で、高良先輩は「今日か明日には連絡が入るわ」って言ってたけど……私なんかが出来る事、あるのかなぁ……。
~♪~♪
「あ!」
ゆっくりと体を起こし、机の上に置いた携帯を手にとる。
予想通り、高良先輩のお父さんからのメールだ。
そこには短く「日曜日、岩崎家に集合されたし」と書いてあった。
「……高良先輩のお父さんって、古風な人なのかなぁ?……日曜日……か」
私は確認のメールを返送すると、カレンダーにお出かけ用のハートのシールを貼ってベッドに潜り込んだ。
目を瞑ると色んな事が浮かんでくる。
……お姉ちゃんと一緒のお弁当……楽しかったな……
……田村さん……あの時何て言ってたのかなぁ……
……明後日……どうなるのかな……
……ちょっと……不安だな……
でも……決めたもんね……。
……お姉ちゃん……私……頑張るよ……だから……絶対……幸せに……なって……ね……。
Section9 「ひだまりの中の苗木」 End
242:ナハト
10/11/23 20:22:03 Sit6wHJb0
以上です
一応全話の目処が付きました
総話数は19+αになりそうですw
また来週の火曜日前後に投下しますね~
ではでは ノシ
243:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/23 21:08:40 yoGucsZ30
待ち遠しいな
244:名無しさん@お腹いっぱい。
10/11/24 07:05:14 PsbxmOe20
, -‐ ' ´ ̄ ̄ ̄`ヽ、
, -‐'  ̄厂`:丶、 \
//: :/∧: ト、: : : |`丶 \
/イ:/: _」/ l: |‐-、: :|: : /:\ ヽ、
/ ./: : |: : ハ| ヽ|ヒz\.ト:/: : :|ヽ l
/: : /|: /,ィL 勹ヾj:/: : : |:/ イ
|: :/| l :| 仍 Γ }》: : : :.レ / |
| / | :Ⅵ弋j ヽ-' /: : : :/\/ィΓ
レ' |: : : :}` ´ , 、 |: :ィ /‐<: :/リ
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