10/05/29 01:17:28 UyezcFJe0
そのときにお釈迦様は、もろもろの菩薩たちをはじめとする一切の聴聞の大衆にむかって、
お告げになりました。「みなさん。これからわたしが説くのは真実のことばです。よく聞い
て理解し、固く信じて下さい。」お釈迦様は、再び大衆にお告げになりました。「みなさん。
わたしが説く真実のことばを、よく聞いて理解し、固く信じて下さい。」さらに、三たび同
じことを大衆にお告げになりました。「みなさん。真実のことばを、よく理解し、固く信じ
て下さい。」この時、多くの菩薩たちは、弥勒菩薩を先頭にして、一同合掌しながら、お釈
迦様に申し上げました。「お釈迦様、お願いでございますから、お説きくださいませ。わた
くしどもは、お釈迦様のおことばを信受いたします。」このように三度繰り返して申し上げ
ましたが、さらにもう一度、申し上げました。「お願いでございますから、お説きください
ませ。わたくしどもは、お釈迦様のおことばを信受いたします。」その時お釈迦様は、もろ
もろの菩薩が三度お願いしてもまだ止めようとしないほど切望していることを知りましたの
で、次のようにお告げになりました。「みなさん、しっかりとお聞きなさい。これから、き
わめて深遠な如来の本体とはたらきについて、説きあかしましょう。一切の世の中に生きて
いるものは、天上界に住んでいるものも、地上世界に住んでいるものも、その他のあらゆる
生あるものでも皆が、今ここにいる釈迦を、かつて釈迦族の王宮を飛び出して、伽耶城近く
の菩提樹の下に坐って道を求め、無上の悟りを得たのだと思っています。ところが、みなさ
ん。実はわたしが仏に成ってから、無量無辺百千万億那由他劫という無限の時が経っている
のです。それは譬えて言えば、ある人がいて、五百万億那由他阿僧祇という数多くの三千大
千世界をすりつぶして小さな粉末にしたとしましょう。そして東の方へ行って、五百千万憶
那由他阿僧祇という数多くの国を過ぎるごとに、その粉末を一粒ずつ落とすことにして、そ
うやって全部の粉末を落とし尽くしたとしましょう。みなさん、どうですか、いったいどれ
だけの世界を通り過ぎたかを、考えたり数えあげたりして、その数を知ることができますか。」
弥勒菩薩たちは、口を揃えてお答え申し上げました。