11/06/01 07:40:17.98 0
サントリーがまだ寿屋と名乗っていたころ、
のちの社長、佐治敬三氏が提唱して「国民歌」を公募したことがある。
応募は殺到し、選ばれたのが「われら愛す」という歌だった。
われら愛す/涙あふれて/この国の/空の青さよ……。
戦後復興への歩みを続けていた1953年の話だ。
いま聴いてもいい曲だが、さほど広まらず、やがて忘れられた。
同じような試みは東京オリンピックを控えた62年にもあり、
政府やマスコミの呼びかけで「若い日本」なる歌が生まれている。
しかしこれもまた普及しなかったから、国民的な歌を創るのは難しい。
そこへいくと昔からの「君が代」はときに胸をじんと熱くさせ、やはり国歌である。
なのに、卒業式での斉唱時に起立せよ、いやしない、それなら処分だといった騒ぎとなると、
この歌をめぐる景色がずいぶん殺伐としてくる。教員による訴訟が相次ぎ、
最高裁は起立指示の職務命令を合憲とする初判断を下した。
このへんで騒動はやめてもらいたいが、大阪府議会では起立・斉唱を義務付ける条例案が可決の運びだ。
おとといの最高裁判決には、無理強いによる混乱を憂える補足意見も付いた。そのあたりが世間の声でもあろう。
そういえば日教組もかつて、国民歌として「緑の山河」をつくった。いまでは、誰も知らない。