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木之本氏をはじめ、Jリーグ創設に関わった人々へのインタビューから構成されたドキュメンタリー「空っぽのスタジアムからの挑戦」(小学館)より
いいサッカーをするから大勢の観客が集まるのか、それとも、大勢の客が見つめるから選手がいいサッカーをするようになるのか。
日本において、サッカーをプロ化するということは、卵をじっくりと孵すことではなく、いきなりニワトリをこしらえてしまうことだ。
まず形を整えてしまえば、中身はあとからついてくるだろうという発想である。物事を進める順序としては間違っている。しかし
Jリーグの発足が近づくにつれて、日本のサッカーにおいては、この順序が正しかったことが次第にわかってくる。
(中身を優先するものは)プロリーグにしたからといって、グラウンドでボールを蹴る選手が一夜にして変わるわけでもあるまいし、
以前と同レベルのものに世間がどれだけ注目するのかといぶかっていた。しかし、選手は一夜にして変わってしまったのだ。
92年秋に行われたナビスコ杯に出場した選手は、その半年前までJSLでプレーしていた選手とは別人になっていた。
高校選手権を終えると選手の中で失われていたひたむきさが、輪を掛けてそこに蘇ったのだ。(同書P147-148)
これがJリーグ創設当時を振り返る関係者たちの認識だとするなら、箱物を用意してチケット売り上げも後回しにして
とにかく客を入れようとするのも、急激なチーム数増大を図ったのも(賛成はできないが)納得できる。
けど、やはり中身(プレーの質と選手層の厚み)が優先されるべきだったと思う。