10/06/26 12:30:52
>>747
「とっとこハム太郎2 ハムちゃんず大集合でちゅ」
これはいつの時代のことか、はたまた現実であろうか、空想であろうか、報告書を映像化した世界であろうか、
まさしく、我々は異世界への扉を開け、未知の世界に足を踏み入れてしまったのである。
被験者を観察する「誰か」が論文を読み上げるようにして語るナレーション、言葉を発するハムスターたち、
理解に苦しむこの世界。我々はそこに意味を見出すことも、物語を生み出すこともできない、
ただ無機質で機械的な空間と被験者、目には見えない実験者、飛び交う理論と立証、仮説と空論、予測と結論に耳を傾け、
目の前のハムスターたちを観察していき、異世界の居心地の悪さと難解さと奇怪さに体が浸透されていく映像体験。
何が何だかわからぬまま過ぎていく数時間は異次元に浸透してしまったかのような不快な体感であり、
そんな居心地悪くも美しい異質世界を体感できるのは本作だけであるし、
見知らぬ世界へのトリップ(旅)であったことを感じさせるのだ。
言葉を発するの能力をハムスターに待たせるという実験はSFの世界を思わせるが、しかしそこには徹底した哲学と理論、
宗教学やジェンダー論が組み込まれ、もはやSFという大衆向けのエンターテイメントの枠を超えた超感覚ゲームであり、
全く新たなゲームが誕生したと言える。