10/04/29 13:18:13.64 kiKVeetNO
唯の存在が澪の中であまりにも大きなものであったのだということ
を今更にして律は認識した。無意識のうちに握っていた拳が白くなる。
律「澪……」
澪「ゆい、ゆい、ゆい、ゆい、ゆい、ゆいゆいゆいゆいゆいゆいゆいゆいゆいゆいゆい
ゆいゆいゆいゆいゆいゆいゆいゆいゆい――」
律の言葉は澪には届いていなかった。
壊れた彼女はただひたすらもうこの世にはいない恋人の名前を呟き続ける。
自分がどうしてここにいるのかわからなくなった。
明確な目的と意志を確かに握りしめて、ここに来たというのに……何もできない。
どうして……いや、解答はあまりにも単純で明快だった。
澪が今求めているのが、律ではなく唯であるというただそれだけの理由だった。
それだけ―しかし、律にはあまりにも辛辣な事実だった。